音楽
七瀬彩夏 初ワンマンLIVE「軌道 – In My Orbit -」で描き出したこれまでとここから

「これから先も、彼方までついてきてください!」 七瀬彩夏さん初の単独ライブ【七瀬彩夏 1st LIVE 「軌道 – In My Orbit -」】開催 アーティスト曲とキャラクターソング、ゆかりのある楽曲など全11曲を披露した夜公演をレポート

 

『ひろがるスカイ!プリキュア』のあの曲から

ライブTシャツ姿で登場した中盤戦は、『ひろがるスカイ!プリキュア』で七瀬さんが演じた聖あげは(キュアバタフライ)のキャラクターソング「あたたかいあたりまえ」から。温かな空気感をまといながらも、転調をきっかけに一気に高揚感を増していくナンバーで、客席のペンライトもあげはカラーのピンクに染まり、会場全体がアゲアゲで盛り上がっていった。ファンの前で歌唱するのは『ひろがるスカイ!プリキュアLIVE2023 Hero Girls Live 〜Max!Splash!GoGo!〜』振りとなる。「いかがでしたか!? アゲ〜!」と投げかければ大歓声だ。振り付けを思い出すために『ひろがるスカイ!プリキュアLIVE2023 Hero Girls Live 〜Max!Splash!GoGo!〜』のライブDVDを見返したものの、自分が歌って踊っている映像はなかなか見返せず「ようやく箱を開いた」と明かす。数年前の自分を見てまだまだだと感じつつも、『ひろがるスカイ!プリキュア』のライブや感謝祭、20周年ライブなどを経てきたからこその“今”があるのだとしみじみ語ると、客席から拍手が起こった。

ここで事前に募った質問に答えるトークコーナーへ。昼公演に続き、ボックスに入った質問を引きながらさまざまなテーマに答えていった。2026年の目標は、岩手の生牡蠣を食べに行きたいと回答。オイスターバーで食べた陸前高田市の牡蠣がとても美味しかったことから、現地でも味わいたいと思っているという。また、海外旅行にも興味があるそうで、ヨーロッパなどさまざまな場所に行ってみたいと話した。

アーティスト活動していて良かったことや嬉しかったことという質問に対しては、もともとずっとやってみたかったことだったと告白。声優として活動するなかで表立っては言ってこなかったものの、歌の活動への憧れは以前から持っていたという。ある作品で、音楽プロデューサー・ディレクターの井上洸(ABCアニメーション)に出会い「声をかけていただいたときは、本当に嬉しかったです」と当時を振り返り、アーティストとして歩み始めた原点に触れた。そして何より嬉しいのは、リリースイベントやお話し会などを通して、ファン一人ひとりと直接会えるようになったこと。手紙やSNSのコメントももちろん嬉しいが、実際に顔を見て言葉を受け取ることで、その想いがより強く伝わってくると語り、顔なじみのファンが増えていくことへの喜びをにじませた。実際、この質問を書いたファンの名前を読み上げたときに「前のリリースイベントのときに、“歌の活動をしたかったんだね”って言ってくれたよね」とつぶやく場面も。観客との距離の近さ、感謝の気持ちが感じられる、七瀬さんらしいやり取りとなっていた。

「サヨナラにはならない」にちなんで「サヨナラしたもの」を聞かれると、最近なくしてしまった伊達メガネの話や、バイクのマフラーに触れつつ、自身はあまり物を捨てないタイプだと回答。かつて出演した『かみさまみならい ヒミツのここたま』の影響もあり、モノには神様が宿るように感じているため、なるべく大切にしたいと話していた。一方、声優・歌手活動の中で驚いたことや不思議だったことを問われると、オーディションの感覚について言及。「これはいけたかもしれない」と直感したときに実際受かることもあれば、逆にそうでもないと感じたときに合格することもあるといい、その不思議さを語った。さらに、今はもう無い収録スタジオにまつわる“怪談”の話題も。誰もいないはずなのに声が入るといったエピソードを先輩から聞いたことがあると明かしつつ、「私自身、あまり不思議なことはないかも」と笑いながら振り返り、会場の空気を和ませていた。

 

声優としての軌跡をたどる後半戦

ライブパート後半戦では、キーボーディストの「そうちゃん」こと吉田蒼(Overcome Music)さんを迎えた。リハーサルで初めて会ったこと、舞台『Dancing☆Starプリキュア』の楽曲制作に携わっていること、さらに同い年であることなどを紹介。今回のセットリストは自身で考えたものだとして、その中でぜひ演奏してもらいたい曲をお願いしたのだと明かした。

『響け!ユーフォニアム』シリーズからの楽曲披露前には、自身が演じた鈴木美玲について語った。主人公・久美子の後輩として物語に加わったキャラクターであり、「黒沢(ともよ)さんをはじめとする、皆さんの演技に圧倒されながらも」自分自身も収録現場では本当に後輩のような気持ちで参加していたという。

京都アニメーションの映像の美しさ、鶴岡 陽太音響監督をはじめとしたスタッフ陣、先輩キャストたちの芝居から多くの刺激を受けた作品であり、役としても、自分自身としても成長できた作品だったと振り返った。劇場版『最終楽章 響け!ユーフォニアム』への言及もあり、改めて観てほしいと呼びかけたうえで、TRUEが歌う『劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~』主題歌「Blast!」のカバーを爽やかに届けた。

続いて披露したのは、同じく京都アニメーションが手掛ける『CITY THE ANIMATION』のエンディング主題歌「LUCKY」(TOMOO. )のカバー。自身が演じる真壁まつりの視点から、オープニングとエンディングで迷った末、キャラクター同士の関係性がより感じられる楽曲をセレクトしたと話す。「やっぱりこの曲は外せないかなって。TVアニメでは2番の歌詞がエンディングになっているのですが、1番の歌詞はまつりとえっちゃん(雨飾えり)の関係性を描いているような感じがすると思って、この曲を歌いたいなと思いました」と話すと温かな拍手が起こる。原作の世界観が好きだったこともあり、オーディション時からぜひ関わりたいと思っていた作品だったという。なお、昼公演ではTVアニメ『スーパーカブ』オープニング主題歌の「まほうのかぜ」( 熊田茜音 )をカバーしている。

続いてはTVアニメ『サクラクエスト』オープニングテーマ の「Morning Glory」( (K)NoW_NAME)をプレゼント。軽快なロックンロールナンバーを、甘酸っぱいピアノの音色とともに軽やかに響かせてみせる。歌唱の前には2017年放送の作品でありながら、今でも色褪せない特別な記憶として残っていることを吐露。初めて主役を務めた作品であり、悩みながらも前を向いて進んでいく作品のメッセージが、自分にとっても大切なものになっていると語った。昼公演で歌ったときは感極まってしまったそう。初めてのライブだからこその緊張が昼公演では強く、夜公演では少しリラックスできたように思うと率直に語った。

吉田さんを見送り、いよいよクライマックスであることを告げたあとは、観客にあらためて感謝の気持ちを伝える場面も。誰も来てくれなかったらどうしようという不安も抱えていたこと、実際に昼夜ともに多くの観客が集まり、一緒に楽しんでくれたことがどれだけありがたかったかを言葉にする。さらに、ライブは決して一人ではできず、スタッフや作家の皆さん、これまで声優として関わってきた作品スタッフ、プロデューサー陣など、多くの人に支えられて今ここに立てているのだと感謝を伝えた。そして、自分は一人ではない、みんながいるのだと感じているからこそ、今後は楽曲を通して、つらい時にも「一人じゃない」と伝え続けていきたいと七瀬さん。そうしたまっすぐな言葉からも誠実な人柄が伝わってくるようだった。

 

ラストには次につながる重大発表

ここで“重大発表”として、「揺れて惑星」に乗せた映像とともに、2026年7月11日(土)に同会場でバースデーライブを開催することを告知。これまで当日にバースデーイベントを行ったことはほとんどなく、7月11日という誕生日当日に開催できることがとても嬉しいと話し、再びここで集まってほしいと呼びかけた。さらに、次はもっと多くの人に楽曲を届けられるよう、自分でも工夫していきたいと前向きにコメント。ファンにも気づいたことや意見があれば教えてほしいと呼びかけ、「みんなで一緒に大きなところまで行きたい」と意欲を見せた。

最後の曲前には「あっという間だった」と名残惜しさを口にしつつ、周囲を気にしすぎず、タオルを回したり、ペンライトの色を変えたり、それぞれの楽しみ方で盛り上がってほしいと呼びかける。そしてラストナンバーとして、オープニングでも歌った「サヨナラにはならない」を明るく届けていく。会場の一体感がさらに高まった状態で聴く〈旅を終えて この手離れてもサヨナラにはならない 心と心が繋がってるから〉という歌詞は、この日の時間そのものの、そして次の約束のように響き渡る。歌唱後、観客からの「ありがとう!」の声に「こちらこそありがとう!」と笑顔で応えて、ステージをあとにした。

初の単独ライブで描かれた“軌道”の先には、7月11日のバースデーライブという新たな一歩が待っている。ここからどんな景色を見せてくれるのか、楽しみに待ちたい。

[取材・文・撮影/逆井マリ]

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