
彼女にとっての“大好き”が重なる──「このすべてが、金目さんの心を揺らしたんだろうなって」TVアニメ『綺麗にしてもらえますか。』金目綿花奈役・鈴代紗弓さん最終回インタビュー
「熱海は坂が多いですからね」
──第1話から11話において、お気に入りのシーンやエピソードをお聞かせください。
鈴代:やはり特に印象に残っているのは第5話(「私にとっても…」)でしょうか。花火を見て、お祭りを見て、街の人たちは金目さんとみんなで綺麗にしたお祭りの法被を着ていて……そのときの金目さんの表情が、思い出しただけでも泣きそうになるくらい良くて。
金目さんは二年より前の記憶がないという背景がありますが、お酒で記憶をなくしただけであんなにあわてていたところを見るに「記憶がない」ということに対して向き合っていないわけがないって思っているんです。なので「みんなは覚えてることが私にはない」とふと思う瞬間があるかもしれない。そんな中で、熱海の方々とコミュニケーションを取って人の優しさに触れるという温かみを、強く体感するようなシーンだったなと思っています。
自分が大好きな場所で、大好きなクリーニングで自分たちが綺麗にしたものを身にまとった大好きな人たちが楽しそうにしている。このすべてが、金目さんの心を揺らしたんだろうなって。セリフも本当に泣きそうになりながら収録させていただいたので、思い出深いシーンです。
あとは(石持)毬祥(CV:梅田修一朗)くんとの関係値は外せないですよね。金目さんと毬祥くんは、年齢差やポジションはある意味正反対な二人ですが、どこか繋がっている気持ちがあるといいますか。漂うアンニュイな空気が素敵だなと思います。この二人にしかない空気が最初からある気がしていました。
第9話(「…停電」)の夜に話していることは、毬祥くんだから話したんだろうなと。金目さんも意識はしていないと思いますが、多分毬祥くんってそういうことを話してしまいたくなるような魅力があるし、話ができる信頼関係があるんだろうなと思うんです。金目さんが寝坊しちゃった日も含め、普段の頑張り屋さんモードからまた少し違った素の部分を見せることができる相手なのかなと。とても印象的なシーンでしたね。
──演じる中で感じた金目綿花奈の魅力を教えてください。
鈴代:自分の過去がわからないからということも相まってなのか、金目さんは人に頼るより自分で頑張ろうとする気質が強いと思うんです。そこは金目さんのカッコ良さでもありますし、時に心配にもなってしまうのですが、彼女の芯を感じていました。
金目さんがあんなに頑張っているから、自分も頑張ろうという気持ちになる。一人の働く女性としてすごく尊敬しています。
加えて、底知れないミステリアスさがあるキャラクターだと思っていたので、あえてお芝居で抑揚をつけすぎずに演じたこともありました。
──抑揚をつけすぎない。
鈴代:感情が大きく動きすぎないといいますか、どこかに一定の何かがあるイメージがあったんです。だから、さっき言ったような素の部分が見えてくると「あ、そんな表情するんだ」というギャップが嬉しくて、もっと見たくなってしまう。そんな意味でも本当に罪深い女性です(笑)。
──(笑)。そして放送中には、ハピネット公式YouTubeチャンネルにて「鈴代紗弓と巡る! "きにして" 熱海きれい旅」も配信され話題を呼びました。
鈴代:とても素敵な体験で、本当に楽しかったです! 熱海はプライベートでも何回も行ったことのある土地ですが、特に聖地に準ずる場所を回らせていただき、知らなかった歴史をしっかりと知ることができました。
アフレコ期間中に行かせていただいたこともあり、リアルに熱海を感じることができて嬉しかったです。改めてどのスポットに行っても「熱海っていいな」って思う場所ばかりだったので、ぜひ熱海に行っていただきたいなと思います。
元から熱海が大好きでしたが、私にとってさらに特別な場所になりました。だからこれからも何かあったら熱海に行こうと思っています。何もなくても行こうと思います!(笑)
──最後に、熱海の地に生きている金目さんに向けてメッセージをお願いいたします。
鈴代:金目さん。頑張り屋さんだと思いますが、周りには優しい人たちがたくさんいます。たまにはみんなに頼ってみたり、甘えてみたりしながら、自分のペースで、これからも素敵な日常、そして「キンメクリーニング」を営んでいってください。……あ、足腰には気を付けて! 熱海は坂が多いですからね。
【インタビュー:西澤駿太郎 撮影:吉田伊織】

































