
四季の代行者と護衛官、“八者八様”の想いを抱えた“人”の物語をじっくり噛みしめて、見守ってほしい──『春夏秋冬代行者 春の舞』花葉雛菊役・貫井柚佳さん×姫鷹さくら役・青山吉能さんインタビュー
電撃文庫/KADOKAWAより刊行されている暁佳奈先生の小説『春夏秋冬代行者』。四季の神々から与えられた特別な力を使い、季節を巡らせる役目を背負った「四季の代行者」とその護衛官、8人の想いが精細な筆致で描かれた作品となっています。
その小説を原作としたTVアニメ『春夏秋冬代行者 春の舞』が2026年3月28日(土)より放送・配信スタート!
アニメイトタイムズでは放送に合わせ、春の代行者・花葉雛菊(かよう ひなぎく)を演じる貫井柚佳さん、春の護衛官・姫鷹(ひめだか)さくらを演じる青山吉能さんにインタビューを実施。
雛菊・さくらを演じる上で大切にしたことや、二人で掛け合いをした際のエピソード、第1話で特に印象に残っているシーンなどを語っていただきました。
登場人物たちが抱えるものの重さや言葉のパワーに圧倒された
──まずは、作品の第一印象や魅力を感じた点をお聞かせください。
花葉雛菊役・貫井柚佳さん(以下、貫井):オーディションの際に原作小説を読ませていただいて、温かさ、優しさがあるからこその痛みであったり、いろんなものを人は抱えている、という描写が特に重く届きました。
すごく繊細に描かれつつも、暁先生の文章や言葉から、登場人物たちが抱えるものの力強さも感じ取ることができて、涙でびちょびちょになりながら(笑)、向き合いながら読ませていただきました。「すごい作品をアニメ化するんだな」というのが、率直な最初の印象でした。
姫鷹さくら役・青山吉能さん(以下、青山):私は普段、活字を読む習慣があまりなかったんですが、この作品に関しては電子書籍ではなく紙の本で読みたいなと思いました。
私も(貫井さんと)同じで、文字のパワーをすごく感じて、文字にぶん殴られるような感覚でした。文字の太さが変わったり、黒いページになったりとギミックも効いていて。読み進めていくと「黒いページにはとんでもないものがある」とわかるので、「もうすぐ黒いページが来る!」と恐ろしくなったりもして(笑)。でもページをめくる手が止まらない、いろいろな感情が決壊していく感覚でした。
登場人物全員がものすごく賢いわけではないからこそ、(感情の発露が)時にはベストではない言葉や表現になってしまうこともあって。暁(佳奈)先生が登場人物全員の心情を分かりすぎているのが、改めてすごいなと思いました。
──オーディション時に意識したことや、役が決まった際の思い出があればお聞かせください。
貫井:先生の言葉から私が感じ取れるもの、優しさや温かさ、苦しさや悲しさを自分の全身を使って声に乗せようと思いました。
スタジオオーディションの待ち時間で緊張感が高まっていったんですが、音響監督の(木村)絵理子さんが「おはようございま~す」とふんわり穏やかな雰囲気で登場してくださったおかげで、少しホッとして臨めたのを覚えています。
雛菊役に決まったときは、本当に嬉しくて、嬉しくて……嬉しかったです!(笑)。
青山:さくらはテープオーディションのみだったので、「今のプランで合っているんだろうか?」と不安もあったんですが、とにかく後悔がないように録りました。
そこから数か月音沙汰がなかったので、忘れようとしていたんですが、ふいに「決まったから」と結構ラフに言われて(笑)。大きくリアクションしませんでしたが、脳内では本当に嬉しかったです。
さくらのような「強いけれど脆い」というキャラクターはすごく演じてみたいタイプだったので、ご縁をいただけてありがたかったです。
雛菊を演じる上で大切にした「優しさ」と「芯の強さ」。さくらは回想シーンを含め、さまざまな表情を見せるキャラクター
──演じていく上でどのような部分を一番大切にしましたか? また、スタッフからのディレクションで印象に残っていることがあれば教えてください。
貫井:雛菊は言葉が途切れ途切れになる特徴的な喋り方なので、その中で雛菊が届けたい想いや意味がちゃんと伝わるように意識しました。
あとは声があまり大きくなく、結構息を使いながら喋るので「弱さ」を感じる部分もあると思うんですが、卑屈さではない、「優しさがあるからこその弱さ」にしたいなと思いました。
一方で、すごく意思が強い子でもあるので、その芯の強さ、凛としたものもシーンによっては出すようにしています。人一倍、人の残酷さ、強さ弱さ、痛みなどが分かるからこその「優しさ」をはらんだお芝居ができればと思いました。
ディレクションとしては、「人の上に立つ者である」といった部分をいただきました。彼女自身はあまりそういったタイプではないんですが、その役目を背負っていて、覚悟もしている。なので、そういった振る舞いが必要なシーンでは、愛や真心を込めながら、「きっちり自分の声を届けるぞ」と凛とした雰囲気を出すように意識しました。
青山:さくらは人一倍感情の発露が激しい子で、人によって明確に自分を使い分けています。雛菊に対してはデロ甘で、蝶よ花よと愛でていますが、その他の人は「心底どうでもいい」と思っているのがすごく分かりやすいですし、小さいときに抱えたトラウマもあれば、楽しかった日々もあって、物語を通していろんな一面を見せてくれるので、それぞれの違いをちゃんと音として表現したいなと思いました。
一番最初に「ちょっと声が低すぎる」というディレクションをいただいて。すごく責任感が強くて、雛菊を守りたいという覚悟も決まっている子ではあるけれど、大人ではない。身体的にまだ未発達な部分があるので、声が低すぎると成熟して聞こえてしまう、ということを踏まえて、すごく注意しながらやっているんですが、できているかは別で……。
貫井:完璧でございました……! さくらは(作中で登場する)年齢が幅広くて、細かいんです。
──回想シーンでの年齢感の設定が細かくあったわけですね。
青山:(物語全体の)半分近くが回想と言ってもいいくらいなんです(笑)。ひとくくりに「幼少期」ではなく、「○歳のときの春」みたいな風に、いろんな年齢を行ったり来たりして「今ってどの時期?」ということを考えて。かなり演じがいのある作品でした。
──貫井さんも、雛菊の今と過去との違いを出す上で苦戦した部分などはありましたか?
貫井:雛菊にもかつてはつらつとしていた時期があって、そこから壮絶な経験を長い時間をかけて味わっている、ということを大切にしました。「幼少期=かわいく」みたいな型にはめないように、心を描こうと思って演じていました。
──分かりやすく技術的に変えるだけではないというか。
貫井:雛菊の心は昔と、途中と、今で結構違うので。そこをメインに置いたほうが感情が乗るだろうなと思いました。でも難しい……
青山:(うなずきながら)本当に難しいキャラクターだと思います。
貫井:(精神年齢的には)今はちょっと幼くなっている、みたいな設定でもあるので、いろいろ試しながらやっています。
青山:周りからは幼くなったように見えているけれど、本人的には変わっていないし、肉体的な成長ももちろんしていて。自分が思っている状態と、相手が受け取る印象が違う、というギャップを演じるって、なんて難しいんだ!と。
貫井:でもすごくやりがいがあって、ありがたいです。































