
壁ドンから始まる奇妙な共同生活!? 春アニメ『ただいま、おじゃまされます!』花澤香菜さん×石川界人さん×石谷春貴さんが作品の魅力とキャラの関係性に迫る【インタビュー】
3人が演じる時に意識したこととは?
──オーディションで役が決まったそうですが、オーディションを受ける時にどんなことを意識して臨まれたのでしょうか?
花澤:凛子ちゃんの天然でかわいい感じと、後々に心の距離感は縮まっていきますが、最初の頃のあまり踏み込んでいかない感じは意識しました。
石川:オーディションの時、「俺はオオカミだからね」というセリフがあったので、オオカミ感を意識しました(笑)。一時期、草食系のやわらかい雰囲気を持っていながら、内には積極的かつ情熱的なものを秘めている肉食系の男子を「ロールキャベツ男子」と称していた時代がありましたが、それを少し意識した覚えがあります。とはいえ、右沙田に対しての冷たい対応も誇張して表現していました。
石谷:原作を読ませていただく中で、右沙田が別の文化の中で育ってきたため、日本人的な感覚ではないところがあるなと。なので、ちゃんと自己主張をするため、結構、表現を大きくして「ここでは声を張らないだろう」というところで声を張ったり、誰かの言葉に対しての反応や自分で主張する時は言葉を強めにするように意識しました。でも本心では誰かを攻撃しようとか傷つけようという目的ではないので、バランスがすごく難しかったです。
──演じるキャラとご自身で似ている点や違う点を教えてください。
花澤:凛子ちゃんはアニメやマンガが大好きで、私はパンが大好きなので、何か一つのことに集中するオタク的なところは似ているかもしれません。似ていないのは、料理が得意ではないところでしょうか?
──パン好きならばご自身でパンを焼いたりしているんじゃないのですか?
花澤:(頬を膨らませながら)パンは焼かないで、食べる専門なんです!
全員:(爆笑)
花澤:パンは焼くものではなく、食べるものですよ。やはり職人の方が焼いてくれるパンが一番おいしいですから。凛子ちゃんみたいに、人に振舞えるような素敵な料理が作れればいいんですけど。
──あとご自身のラジオ番組『花澤香菜のひとりでできるかな?』で急にテンションが上がって早口になるところも似ていると思います。
石川・石谷:へえ~。
花澤:普段の生活も今回活かされているのかもしれません(笑)。
石川:佐槻の気持ちは手に取るようにわかります。会話の中で自分の情報を出す時「言いたいけど、言えない」とか、「これを言ったら嫌われてしまうかも」と不安になることが結構あったり、相手に対して「もっと仲良くなりたい」とか「自分のことをもっと伝えたい」けど怖くてできない、といういじらしさは自分と少し似ているかなと思います。
──優しいところも同じでは?
石谷:石川さんの優しさは随一と言われていますから。
石川:そういうことにしておきましょう(笑)。佐槻のように大事なものを守ろう、大切にしようとする姿勢は見習わなくてはと思っています。
石谷:右沙田はストレートにものを言いますが、僕も時々、ストレートに言ってしまうことがあるので、作中でそんな瞬間があると共感できます。ただ右沙田は自己肯定感が高くて、結構自信があって。例え失敗することがあっても乗り越えてきた人だと思うので、その自己肯定感の高さは自分と全然違うし、見習わなきゃと思います。
自分の中にちゃんとした芯があるから、どんなことに対しても自分の考えを持っているし、自分の発言に突っ込まれてもきちんと説明や反論できるんですよね。だからこそ右沙田は人に対して、自分と同じようなものを求めてしまうのかもしれません。でも理由があるのに、言葉足らずだから誤解や反感を招いてしまうところも似ているので、僕もちゃんと考えないといけないところだなと思っています。
──石谷さんは以前のインタビューでこちらの話をしっかり聞いて、ちゃんと答えられていたので結構、意外です。
石谷:思いついたことをそのままパッと言ってしまうことがよくあるんです。思いついた時点で1回、飲み込んで考えてから言葉に出すように、ワンクッション置かなきゃとか、思ったことを、どう相手に誤解されず、傷つけないように伝えなきゃというのがここ数年の課題なんです。
花澤:そうなんだ!? 私がアフレコで噛んだ時に、石谷くんから「このヘタクソ!」と言われたことないよね?
石川:そんなこと、思ったらダメだよ。
石谷:一度も思ったことないですから! でも後ろからいきなりそんなことを言われたら怖いでしょうね(笑)。
石川:もう現場に行きたくなくなるでしょうね。
──再度、確認しますが、石谷さんはアフレコで誰かが失敗した時に内心、「このヘタクソが!」と思うような人ではないですね?
石谷:全然、そんなことないですから! この話題をあまり広げないでください。
凛子を演じる花澤さんの音圧に恐怖した石川さん!? 花澤さんのお芝居は楽しいと話す石川さんと石谷さん
──お互いのキャラクターの印象とお芝居の感想をお聞かせください。まずは凛子の印象と花澤さんのお芝居についてお願いします。
石川:花澤さんの声は唯一無二のかわいらしさがあるし、作中の凛子もかわいいけど、オタク語りを始めた時の音圧がエグすぎて、怖かったです。収録中は花澤さんの隣のマイクに入らせていただくことが多いんですが、僕の耳の鼓膜が破壊されてしまうのではと思うくらいの音圧で叫ばれていて。「これが凛子のアニメや推し活への情熱につながっているんだな」と思うと見習わなくてはと思いました。
石谷:凛子のモノローグや一人語りの時、プロの仕事を感じました。聞いていて楽しいんですよね。
石川:わかる!
石谷:映像を観ないで、台本だけ見ながら聴いていても楽しくて。「ここで上がって、ここでテンションが下がるんだ!?」というところもあるし、凛子が驚いてギャグ顔になった時の表現のバリエーションの多さもすごくて。「こんな声なんだ!?」と驚かされることが多いです。1話の凛子の横に右沙田が寝ているシーンで、ト書きでは理解することが難しいのに「ああいう表現をするんだ!?」と、毎回勉強になります。
花澤:そんなことないから!
──次は佐槻さんの印象と石川さんのお芝居について感想をお願いします。
石川:(二人の顔をじっくり見ながら)どうでしたか?
花澤:とにかくピッタリですね。声から醸し出される品と知性、あともどかしい感じの時、声色にはそれほど出るわけではないのに、ちゃんと傷ついていたり、ちゃんと浮ついているんだろうなと感じ取れるお芝居をされているので、収録がめちゃめちゃ楽しかったです。
石谷:セリフで言っていることと、声音が逆の時を感じることがあります。例えば誰かのことを思って言っているけど、別の意図が込められているのを、最後まで意味を持たせてセリフを言っていて。実はすごい技術で、「どうやっているのかな?」と教えていただきたいくらい。あと文章の組み立ての中でお芝居の持っていき方が佐槻っぽいなと。本当はこういうことを言いたいけど、本心は別にあることを感じられるお芝居をされていて、言葉を返していく作業が楽しかったです。
花澤:ストレートなセリフをそのまま読んだらキツくなってしまうところを、ちゃんと意味を持たせてやられているのも素晴らしいです。
石川:ありがとうございます。
──では右沙田と石谷さんのお芝居についての感想をお願いします。
石川:元気になります! 石谷くんの声は太陽のような声で、すごく人の心を明るくさせる声だと思っています。更に今回、右沙田という自己肯定感の鬼、ポジティブ・モンスターを演じていることで、しゃべっているのを聞くと元気になるし、嬉しくなるんです。
僕の推しキャラということもあるかもしれませんが、石谷くんの声との相乗効果で、より右沙田の魅力が映像にのりやすくなっているんじゃないかと思います。僕はアフレコ現場ではあまりしゃべらず元気がないんですが、石谷くんが元気づけてくれます。
花澤:界人くんは、石谷くんと仲良しだよね。
石川:なので、石谷くんが僕にとっての右沙田です。
石谷:ありがとうございます。嬉しい。
花澤:私が以前、違う作品で石谷くんとご一緒した時はこういう役をやられていなかったので、右沙田のイメージがまったくありませんでした。いざ収録が始まると素敵で、「こういう引き出しも持っているのか!?」と驚きました。
あと界人くんも言っていましたが、「このキャラは愛しちゃうよね」と思わせてくれます。右沙田はキザにしようと思えばできると思うけど、石谷くんが感情をそのまままっすぐにこちらへ向けてくれることによって、ほわっとするんですよね。そういう雰囲気を作るお芝居が上手だなと思います。
石谷:嬉しいですね。
練習用ビデオが届いた時に3人が驚いたこととは?
──収録現場での裏話を教えてください。
石川:練習用のビデオの中にいまざき(いつき)監督の声が入っていて。
花澤:そうだった!
石川:SEも「ばちゃ~ん!」とかご本人がおっしゃられていたのが、すごく新鮮でした。
花澤:あまりないよね。
石川:アイキャッチの「ただおじゃ」も監督の声で。だからオンエアも監督の声が使われるのかなと思いましたが、そこは違っていて。個人的には監督の声で聴きたかった(笑)。
──監督の声バージョンはパッケージの特典とか。
花澤:そんなことしたら監督が恥ずかしいじゃないですか!?
石川:でも需要はありそうですよね。まだ色が付く前で、調音もされていない状態の映像が特典に入ったら観たい人が多いかも。
細かいディテールと枚数の多さから感じたスタッフの気合。壁ドンの表現を観た石川さんは「わっ、スタンド使いだ!」
──ティザーPVなどで映像をご覧になった感想をお聞かせください。
花澤:とってもかわいくてビックリしました。「和戸村先生のふんわりした、かわいらしい絵をどうアニメにするのかな?」と思っていたら、そのまま再現されていて。凛子ちゃんのまつ毛の下のところ、めっちゃかわいくないですか? ディテールの部分も細かく描かれていて、感動しました。
石谷:色使いもふんわりしていて、明度が高めな感じで。
石川:でもキャラはぬるぬる滑らかに動くんだよね。きっと1話で使われている枚数は普通よりも多いんだろうなと思うほどで、スタッフの皆さんの気合を感じる映像になっているなと。
石谷:あと部屋の壁の穴って、あんなに大きくて、分厚かったのかと。あんなになるまで蹴り崩すのは大変だろうなと思いました。
石川:右沙田の壁ドンの音も映像に描かれていたりして、「わっ!? スタンド使いだ!」とビックリしました(笑)。


































