
ジンランのまっすぐな言葉が、かなでの心に新しい風を吹かせる──TVアニメ『上伊那ぼたん、酔へる姿は百合の花』第7話を寿美菜子さん・河瀬茉希さんが振り返る【連載インタビュー第7回】
塀先生による人気漫画を原作としたTVアニメ『上伊那ぼたん、酔へる姿は百合の花』が、2026年4月10日よりTOKYO MX・BS11ほかにて放送中です。
本作は大学へ進学した上伊那ぼたんが、埼玉県秩父市の学生寮での生活を通して、“お酒”をきっかけに寮生たちとの距離を縮めていく物語。ゆっくりとほどけていく関係性の変化が、繊細な感情の揺らぎとともに描かれています。
アニメイトタイムズでは『上伊那ぼたん、酔へる姿は百合の花』のキャストインタビューを連載形式でお届け中。第7回に登場してくれたのは、郡上かなで役の寿美菜子さんと張景嵐(ジンラン)役の河瀬茉希さんです。
第6話以降、武甲山への登山や鍾乳洞での出来事を通して、ぼたんたちの新たな一面が描かれる一方、ジンランが寮生たちの関係性の中へ少しずつ踏み込んでいく姿も印象的に映し出されました。ぼたんといぶきの矢印がお互いに向かう中で描かれる、かなでのいぶきへの想いと、そこにまっすぐに入ってくるジンランの言葉や距離感。レジャーやお酒を通して、登場人物たちの視線や感情が穏やかに絡み合っていく第7話について、おふたりに振り返っていただきました。
山登りのシーンからみえるいぶきの心境
──先日、遊佐あかね役の天海由梨奈さんと北杜やえか役の富田美憂さんにお話をうかがったときに、寿さんと富田さんが「六代目百合」を飲んだエピソードを教えてもらったんです。
郡上かなで役・寿美菜子さん(以下、寿):そうなんです! ABEMAにてアニメの放送前後に放送している番組「上伊那ぼたん、酒の肴になる話 おかわり#2」で、私と美憂ちゃんで「六代目百合」をいただきました。
私も美憂ちゃんも、どちらかというとお酒に強くないほうなんですが、めちゃくちゃ美味しくて飲みやすくて。もう蓋を開けた瞬間に、スタジオ中にふわっと香りが広がるくらい。「百合」という名前なだけあって凛々しい印象がありました。「これ、このままいけちゃうね」って。「やっぱりこの作品に出てくるお酒は美味しいんだ」と改めて思いました。
張景嵐役・河瀬茉希さん(以下、河瀬):気になります……!
──今回の第7話では、寿さんがお気に入りの「うちゅうブルーイング」がついに登場しましたね。
寿:待ってました。……あぁ、もう第7話かぁ、早い! でもジンランにとっては「早い」ではないよね(笑)。
河瀬:第6話が初登場でしたからね(笑)。第7話はAパート、Bパートでだいぶ印象が違いました。
寿:第7話はわりと穏やかだった印象です。特にかなではこれまで常に駆け引きをしているところがあって。ぼたんとも、いぶきとも心の駆け引きをずっとしている。特に第5話まではその要素が強かったので「1ミリたりとも間違えられない選択」のような緊張感が常にあったように感じていました。
それに比べると第7話のAパートで、いぶきとかなでとジンランと3人で山に登る場面は、いつもと少し違う空気でした。
第5話のラストで、かなでのたばこを吸って「けぶい……」と言う場面があったじゃないですか。(いぶき役の青山)吉能ちゃんとも「酒の肴になる話 おかわり#5」のトークで「なんでアレをしたのか」という話題になったんです。でも吉能ちゃんも「受け取り方は委ねたい」と言っていて。
人が吸っているタバコをもらうってどんな心境なのか、私には経験がなさすぎて……。ただ、あのときのいぶきとしては「(かなでの問いには)答えられないけれど、代わりにこれだったら」みたいな気持ちだったのではないか、とは話していて。
河瀬:それは思わせぶりかもですね(笑)
寿:視聴者の皆さんもきっと様々な意見があったと思いますが、あのシーンがあって、いぶきもいろいろ感じていた部分があったのかもしれないことが示された上での第7話だったんですよね。山登りでひとり遅れて歩いているところも、私としてはちょっと気になるというか……。
そもそもかなでとジンランって、この山登りの時点では関係性がまだ出来ていないんですよね。でもいぶき視点だと、もしかしたら”そう”見えているのかもしれないなって思いました。
……それにしてもジンランが歌唱したエンディング、めちゃくちゃよかったです。みんなのエンディングもいいんですけど、ジンランの歌声が一番好きかもしれない。
河瀬:いやいや……! でも、自分で歌いながら「今の、かわいくなかった?」って思うところはありました(笑)。
寿:本当にかわいかった〜! 毎回エンディングムービーにも要素が詰まってて一回じゃ見きれないんですよね。何度も見返してしまいます。
「塗って?」のひと言が縮めた距離
──第7話は「わりと穏やか」というお話もありましたが、ゆるやかな空気感のなかに、すごくドラマティックな変化が詰まっていますよね。
河瀬:そうなんですよね。Bパートでは“理解したい”という気持ちが、それぞれのキャラクターごとに描かれていました。そこにつながっていく流れが、すごく素敵だなと思っています。
聞こえなかったものが聞こえてきたり、見えていなかったものや知らなかったことを知って、気持ちが色づいていったAパート。その終わりには いぶきの「そして──理解できたら……前より、好きになれた気がした」というアニメオリジナルのセリフもありました。そこからBパートへバトンタッチしていくような流れが素敵だなと思っていて。
寿:うんうん。
──Bパート終盤の、郡上先輩とジンランのリップバームの場面にどきっとさせられました。その後の「お風呂が沸きました」の演出も含めて(笑)。
寿:あのシーンは良いシーンにもなりえるのかな、と思っていたんです。収録しているときも、ふたりだけの空気感で録った気分だったんですよ。でも完成した映像を見せてもらったら、原作もそうでしたが「お風呂が沸きました」のリフレインがすごくて(笑)。
河瀬:個人的には「お風呂が沸きました」の最初の1、2回くらいが本チャンで、そのあとは波紋なのかなって思っていました。自分の耳の中だけに響いているのかなって。
寿:確かにそうなのかもしれない。
河瀬:しかも……気づきました? ジンランの唇がかなでの瞳に映るところ、ハートっぽく見えるんですよ! そういう意図はないのかもしれませんが、めちゃくちゃかわいくて……!
寿:(映像を確認して)本当だ、かわいい〜!! でもこの時点では、やっぱりかなではまだいぶきを引っ張っているんですよね。目の前にジンランがいるのに、話として当然のようにいぶきのことが出てきちゃう。(いぶきに対して)「いつか理解したい」みたいな気持ちもあるのんだなって。
ただ、そこにジンランが新しい風を吹かせてくれるところも強烈ですよね。でも「これ以上踏み込んでいいのだろうか」みたいな怖さもかなで自身あるのかなと思いながら見ていました。
河瀬:「でもいつか理解したい」って言っているときのかなでは、本当にいぶきのことしか考えていないんですよね。そこでジンランが「私も一緒に(理解)したいです」と言う。すごく良い切り込みというか、あそこに踏み込めるのがすごいなと思いました。
寿:うんうん。第6話でも、ジンランがぼたんに「ありがとう」と言いながらスッと手を重ねたりするところがナチュラルなんですよね。それはかなでも「ぽーっ」となっちゃうというか……。
そのあたりのやりとりを改めて映像で見たときに「私、全体的に声が大きかったかも……」と思いました(笑)。自分ではそんなに出しているつもりはありませんでしたが、緊張感から思わず出た声だったのかなと。そのときのことは、実は自分でもあまり覚えていなくて。
河瀬:まぁ、お風呂あがりを見たあとですし……。
寿:そうだね、かなでは「わっ!」と驚いてしまう性格だしね。ジンラン、いい身体だった!(笑)




































