
“好き”を分かち合うことで、またひとつ思い出が増えていく──TVアニメ『上伊那ぼたん、酔へる姿は百合の花』第10話を天海由梨奈さん・富田美憂さんが振り返る【連載インタビュー第10回】
香りからつながる記憶と『上伊那ぼたん』の余韻
──本作にはさまざまなお酒や食文化も登場しますが、作品を通して知ったものや、気になっているものはありますか?
富田:(郡上かなで役の)寿美菜子さんと一緒に、アニメの放送前後に放送している番組「上伊那ぼたん、酒の肴になる話 おかわり #2」を収録したとき、番組内で初めて「六代目百合」を飲んだんです。
実家の父が芋焼酎をよく飲んでいて、子どもの頃から近くでその香りは感じていたんですけど、当時は何を飲んでいるのか全然わからなくて。でも、目の前で注いでもらったときに「あ、お父さんの匂いだ」と(笑)。父はこういう味のものを飲んでいたのかなと感じました。
天海:なんかエモい!
──香りから記憶がつながる感じがいいですね。
天海:……私も芋焼酎好きなので、私からもお父さんの匂いがするのかも……。もしかして、だから仲良くなれた?(笑)
富田:無意識に、お父さんの匂いに惹かれて?(笑)
天海:いや、「そうじゃないよ」って否定してよ、そこは!(笑) それにしても本当に、「六代目百合」美味しそうだよね。
富田:すごく美味しかったです。アルコール感もあって、喉が熱くなる感じはあったんですけど、飲んだときに「ご飯が食べたくなる」と思いました。だから、作中ですき焼きにつながっていくのも、すごく納得感がありました。
天海:芋焼酎は、飲み慣れていないと最初はしっかり感じるかもしれないですね。美菜子さんも、私が芋焼酎好きなのを知っているので「あれめっちゃ美味しかった〜!」って教えてくれて。私も今度、「六代目百合」を飲んでみたいなと思っています。
──天海さんは、本作で気になったお酒はありますか?
天海:私は「ペールエール華熊」(秩父麦酒)を飲んでみたいなと思っています。本当にいろいろなお酒が出てきますよね。大きな種類として、ビール、焼酎、日本酒みたいな分類はわかるんですけど、銘柄になるとまだまだ知らないことが多くて。作中に登場するお酒を通して、こんなにいろいろな味わいがあるんだと知ることができました。
──作品をきっかけに、知識が広がっていく感覚が。
天海:あります。同じく「上伊那ぼたん、酒の肴になる話 おかわり #3」で、「パンクIPA」(BREWDOG)をいただいたんです。
作中でぼたんが「シトラス系の苦みがすごい……!」と言っていた通りの味わいで。たとえばビールでも、味わいや香りがそれぞれ違うじゃないですか。作中で描かれる感想や、お酒にまつわる会話を通して、「こういう楽しみ方があるんだ」と知ることができて。いつか、作中に登場したお酒を制覇してみたいなって。とても種類が多いので、すごく勉強になりますね。
富田:本当に勉強になります。
──では最後に、第10話の段階では物語も残り2話となりますが、本作はどのような作品として心に残り続けると思いますか?
富田:お酒が魅力的なのはもちろんなんですけど、お酒がフックになって、人間関係が進んでいったり、ぼたんといぶきの距離が近づいていったりするところが、この作品の魅力だと思っています。
見たあとに、自分の人間関係についても考えさせられるんですよね。家族や友達、大事な人に会いたくなるというか。たまには素直に「ありがとう」と言ってみようかな、という気持ちにさせられる作品だなと思いました。それこそ、父とふたりでお酒を飲んでみようかな、とか。
──富田さんはご家族仲の良い印象があるのですが、まだお父様とお酒を交わされたことは……?
富田:意外とないんですよ。父はなかなか口下手で照れ屋なので……。
天海:じゃあ、今度3人で飲もう!
富田:あはははは(笑)。
──皆さんで同じ日本酒の香りをさせながら。
天海:なんだかノスタルジックで良いなあ。
富田:でも、さっき話した香りの記憶もそうですけど、作品を観ていると、そういう何気ない家族との時間も思い出すんです。キッチンに椅子があって、父が換気扇を回しながらタバコを吸いつつ飲んでいて。そういうことを思い出させてくれる作品ですね。
──天海さんはいかがですか?
天海:コミュニケーションを取るものとして、いろいろなツールがあると思うんです。そのひとつに、お酒というものが誰かにとってあったらいいなって。
もちろん、『上伊那ぼたん』を観てくださっている方たちの中には、今はまだ法律的に飲めない方もいると思いますし、お酒に対して苦手意識がある方や、過去に失敗してしまってお酒に距離を感じている方もいると思うんです。でも、アニメが放送されて数年後にふと見返したときに「こんなお酒があったんだ」と思い出したり、誰かとの時間を思い出したりするきっかけになる作品なのではないかなと感じています。
特にオープニングからも感じられるノスタルジーのようなものは、何年経っても色褪せないだろうなと確信しています。お酒というツールを通して、いろいろな人とコミュニケーションを取り、人との関わりを大事にしてほしいと思いますし、いつか富田ちゃんのように香りで誰かや何かを思い出すような、そんな作品として残り続けるのではないかなと思っています。
【インタビュー・逆井マリ 編集:西澤駿太郎】
連載インタビューバックナンバー
『上伊那ぼたん、酔える姿は百合の花』作品情報

Onair
TOKYO MX、BS11、とちぎテレビ、群馬テレビ、テレ玉 ほかにて
4月10日(金)24時より放送開始
Streaming
ABEMAにて4月10日(金)24時より地上波同時・最速配信
ほか各配信プラットフォームにて順次配信
キャスト
上伊那ぼたん:鈴代紗弓
砺波いぶき:青山吉能
郡上かなで:寿美菜子
遊佐あかね:天海由梨奈
北杜やえか:富田美憂
張景嵐:河瀬茉希



























