
春アニメ『ガンバレ!中村くん!!』カラースクリプト×色彩設計×プロップデザイン・2Dワークス×美術監督インタビュー|レトロな色彩とヴィンテージ感が、90年代のセルアニメを思い出させてくれる
レトロな色彩とヴィンテージ感が、90年代のセルアニメを思い出させてくれる
──作業をするなかで難しかったことを教えてください。
ゆえ:今回、初めてカラースクリプトを担当したので、色々と悩むことがありました。自分のなかでは上手くできなかったなと感じた部分もあったのですが、色彩設計や美術・撮影の工程でどんどんいい画面になっていって。みなさんの力のすごさを感じましたし、いいシーンに仕上がっていくのがとにかく嬉しかったです。監督からもアドバイスをいただけて、とても助かりました。
大野:メインでアニメ制作を担当されているドライブさんと違う会社に所属していることもあり、監督などと直接会ってやり取りをする機会があまりなかったんです。作業自体はカラースクリプトをもとにやっていましたし、チェックで「もうちょっとこういう雰囲気にしたい」というリクエストを監督たちからいただいてはいましたが、ちゃんと意図通りにできているのか、ちょっと不安になることはありました。
李:監督や演出さんによってこだわるところがそれぞれにあるので、その意図を汲み取って作業するのが少し大変ではありましたが、コミュニケーションを取りながら、背景づくりを進めていきました。
永木:2Dワークスのほうで、『ラブ弁!』の元の絵と、川村が描いたノート内のイラストを描き分ける必要があって。川村がどういうタッチなのかと想像しながら描くのは楽しくもあり、少し難しくもありました。
──プロップデザインの小物の点数は130点近くあるとお聞きしました。
永木:そんなにありましたか! 多いですね(笑)。その130点を作るのも大変ではあるのですが、プロップデザインの段階では色が塗られていないので、それぞれの色を決める大野さんがいちばん大変だった気がします。
大野:点数を改めて聞くと他人事のように大変そうだなと感じますが、実際はそんなに大変だったという印象が残っていなくて(笑)。絵がごちゃごちゃ描かれているわけでもなかったので、私としてはそこまで苦労したということはなかったです。
──アニメ映像を見ての感想を教えてください。
ゆえ:個人的に大好きなストーリー・絵・色味になっていて、メインスタッフとして関われたことを誇りに思いました。特に第6話は一視聴者として見てもすごく面白くて。感動しました。
大野:私も第6話が印象に残っています。随所に盛り上がりどころがあって、アニメとして単純に面白かったですね。あとは第12話の中村が泣いているシーンの演出がすごいなと思いました。泣いているところをああいう風に表現するんだと驚きました。
永木:ギャグシーンとかで背景の柄が回転するところが、とてもかわいくて好きです。背景にはポップな要素がたくさん入っているのですが、それとキャラクターが合わさっても喧嘩していないんですよね。色も奇抜なのに、ぜんぜん浮いていなくて。色のバランスにこだわっているなと、見ていて感じました。
李:アナログ感が見事に具体化されているのは、演出力によるものだと思いました。今のアニメ制作はデジタル環境がメインになっていますが、そのなかでも本作はレトロな色彩とヴィンテージ感が、90年代のセルアニメを思い出させてくれます。あと、各話のギャグシーンも面白くて、見どころだなと思いました。
第12話・第13話で色の雰囲気を変えています
──本作を含めて、みなさんがアニメ制作で大切にしていること、大事だと感じていることを教えてください。
ゆえ:アニメはたくさんの人が関わって完成するものなので、コミュニケーションしながら作るのが大切だと本作で改めて実感しました。今回は監督や他のスタッフさんと近い距離で作業できて、分からないことがあれば聞きにいけるという環境だったので、とてもやりやすかったです。
大野:原作があるような作品は、やっぱり原作に込められた思いや意図などを大事にするというのがいちばんだと思います。あとは、監督がやりたいことをちゃんと表現できるようにというのをいつも心がけてはいますね。
永木:私は後工程のことを考えて作業することが多くて。複雑なデザインにし過ぎるとアニメーターさんが動かすのが大変なんですよね。周りのスタッフのことも考えて作業をしています。
李:作品を見ているなかで、視覚的にはキャラクターのデザインや動きなどがいちばん目に入る部分ではあると思います。そのキャラクターや動きを違和感なく視聴者の方々が受け入れてくださるように、色もきれいに作るのが重要だと思っています。
──最後に、改めて本作の見どころなど語っていただければと思います。
ゆえ:色味の面でいえば、第11話までと第12話・第13話で色の雰囲気を変えています。ストーリーとしても他とは違った雰囲気になっていて、それに合わせて色も変えているので、まずは本編を楽しんでいただきつつ、色にも注目していただけたら嬉しいですね。
大野:色々と見ていただきたいポイントはあるのですが、特に後半は色数も増えてきて、見ごたえのあるシーンが盛りだくさんだと思っています。大変ではありましたが、みなさんの印象に残るような色味になっていたら幸いです。
永木:作品全体を通しての話になるのですが、BL作品をふだん見ない方にもオススメできる作品だと思います。キャラクターがどんどん増えてきてわちゃわちゃしていく感じや、ラブコメにしては結構ポップだなと感じるところなど、面白い構成になっていると思うので、色々な人に見て欲しいですね。
李:物語が日常的で、誰しもが共感できる部分がある作品だと思います。中村の感情に沿いながら見られるアニメだと思いますので、ぜひ最後までご視聴ください。
[文・M.TOKU]
作品情報
あらすじ
主人公・中村男久斗はどこにでもいる内気な男子高校生。
友人ゼロの彼の前に現れたのは、クラスメイトの広瀬愛貴。
何だこの気持ちは…!?
まだ会話もしたことがないのに、広瀬をみると毎日ドキドキがとまらない…!!
内気な男子高校生・中村くんの広瀬への“片想いをめぐる妄想と暴走”をどこか懐かしい80~90'sタッチでコミカルに表現し、高い人気を博す、春泥による王道BLラブコメディ「ガンバレ!中村くん!!」のTVアニメーション化が決定!
キャスト
(C)Nakamura-kun!! Animation Project



































