
「すき」「すきにしたら?」その言葉のやりとりがふたりの距離をさらに近づける──TVアニメ『上伊那ぼたん、酔へる姿は百合の花』第11話を寿美菜子さん・河瀬茉希さんが振り返る【連載インタビュー第11回】
塀先生による人気漫画を原作としたTVアニメ『上伊那ぼたん、酔へる姿は百合の花』が、2026年4月10日よりTOKYO MX・BS11ほかにて放送中です。
本作は大学へ進学した上伊那ぼたんが、埼玉県秩父市の学生寮での生活を通して、“お酒”をきっかけに寮生たちとの距離を縮めていく物語。ゆっくりとほどけていく関係性の変化が、繊細な感情の揺らぎとともに描かれています。
アニメイトタイムズでは『上伊那ぼたん、酔へる姿は百合の花』のキャストインタビューを連載形式でお届け中。第11回に登場してくれたのは、郡上かなで役の寿美菜子さんと張景嵐(ジンラン)役の河瀬茉希さんです。
第11話では、ぼたんといぶき、あかねとやえか、そしてかなでとジンラン、それぞれの関係が最終話を前に揺れ動いていきます。告白のシーンを中心に、おふたりに振り返っていただきました。
「すき」が、かなでの心を優しくほどいていく
──以前、第7話のインタビューで寿さんが「(ジンランの)短い単語の中にドキッとさせられる瞬間がたくさんありました」とおっしゃっていましたが、第11話では「すき」という、ダイレクトな言葉がありました。
郡上かなで役・寿美菜子さん(以下、寿)&張景嵐役・河瀬茉希さん(以下、河瀬):ひゅう!
寿:きたよきたよ~!
河瀬:ここは台本にも、ひらがなで「すき」と書いてあったんです。ジンランの知っている言葉の中で、この感情を言葉にすると、もうこれしかないんだろうなと思いました。
寿:ああ、そうか〜。
河瀬:もちろん、いろいろな感情や言葉がある中ではあると思うのですが「郡上先輩のこういうところがいいですよね」「優しいですよね」ではなく、まっすぐに「すき」と言える。ためらいなく伝えられるのが、ジンランならではだな、と思いました。ネイティブではないからということを抜きにしても、彼女自身のまっすぐさというか……「言わないと、この人はごまかすだろうな」という気持ちも少しあったのかなと思います。
こっちにちゃんと向いてほしい、いぶきではなく「私もいるんだよ」と伝えるような……。かなでにスタートを切らせるというか、こっちを向かせる言葉でもあったのかなって。いやあ……良いですね(笑)。
寿:良い。しかも「すき」の前にジンランがふふって笑って、かなでが「なーに?」と聞くと「なんでもなーい」と返すじゃないですか。そこからもう“すき”があふれていますよね。「なんでもない」って言っていたくせに「すき」って(笑)。
河瀬:「次、何飲む?」に対して突然「すき」って言うんですよね。
寿:そもそも、かなでは20分遅れてきたのに、遅れてきたことにも気づかないと言ってくれるジンラン……! しかも「待ってるのが楽しくて」気づかないんですよ!?
河瀬:ひゃ〜!
寿:これ、言われたら嬉しすぎません!? みんな今後使ってこ!(笑)
──まさに、心からの「すき」が出ている言葉ですよね。狙っていないからこそ、余計に刺さるというか。
寿:かなでとしては、あまりに嬉しすぎて、衝撃でもあったと思うんです。そういう言葉で「すき」を表現する言葉を持った人って、世の中の人でも少ないんじゃないかなと……。だからこそ惹かれるんでしょうね。でも、「待っているのが楽しくて……」に対してはなんて言っていいか分からず、頬を赤らめながらフリーズしていて。私は台本に「ぽん、と崩れる」と書き込んでいました(笑)。
「飲み物頼む?」みたいな感じで少しごまかしてはいるんですけど、心地よさと、こそばゆいの両方だと思います。しかも第11話では、お互いに“すきなもの”を話せることが、どんどん分かってきているんですよね。それはやっぱり強いですよね。
河瀬:そう思います。
寿:「一緒にいると楽しい」という気持ちが、どんどん深まっていっているのかなって。ジンランは こんなに楽しそうに話すかなでを“すき”でいてくれる。かなでが何かに興味を持つ姿そのものをすきだと言ってくれているように感じました。
河瀬:そうなんです。自分の好きなものや趣味について話している先輩もすきだし、いぶきについて話している先輩もすきだし。いぶきが好きだからと、いろいろなお酒を手に入れたり、「興味を持つかな」と行動したり、いろいろなものに興味を持つ先輩も全部含めてすきなんです。すごい包容力ですよね。「あなたが誰を見ていたとしても、私はあなたがすきだよ」という感じがすごいなと思います。
寿:偉大すぎる……。そこまでいくと、逆に想いが通じたときにどうなるんだろうって思ってしまうくらい(笑)。ここまでの愛情があふれてるのって、すごいですよね。出会ったことのないタイプかも……。
──第7話の「理解したい」という言葉にもつながっている気がしました。ジンランは、かなでにとっての理解者でもありますよね。
寿:常にジンランはかなでのことを理解していますよね。さらに、かなでもジンランを「理解したい」と思っているんですよね。台湾の監督の作品を観たり。
河瀬:いぶきの好きなお酒を調べるのではなく、台湾の監督のことを調べる時間ができた、ということですもんね。
寿:かなでの中に、ジンランのためのスペースが少しできたんだなって。
──そんななかでのジンランの告白でした。
河瀬:しかも「すき」の返しが「すきにしたら」!
一同:ひゃ〜!(笑)
寿:このふたりは洋画の話にしかり、やりとりがおしゃれなんですよ……!































