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アニメ映画『バブル』シン役・宮野真守さんインタビュー

アニメ映画『バブル』シン役・宮野真守さんインタビュー|「監督の中にある純粋さやピュアさがふんだんに表れている作品」

「自分が大人になったこと」を実感

ーーシンの印象と演じる際に意識した点をお聞かせください。

宮野:まずオリジナル作品なので、初めて演じる役柄であり、今までと違ったアプローチが必要とされるキャラクター設定だったので、そういう意味でのプレッシャーはありました。

ーー荒木監督は宮野さんにシン役をお願いした理由について、「企んでいたり、怪しくない宮野さんがいてもいいかな」とおっしゃっていました。

宮野:確かにこれまで、企んでいたり、怪しい役が多かったですね(笑)。シンは1つステージを経た大人の存在として、少年たちを支えてたり、優しく語ってあげられる役柄だったので、「自分も大人になったんだな」と感じました。今も10代の少年や若者の役をやらせていただくことも多くて、シンのような役を演じることが少なかったので、最初は「どうアプローチしていこうかな」という戸惑いもありました。

ーーでも監督から宮野さんへ「いい人です」と説明したら、見事に演じてくれましたと。

宮野:うれしいです。ありがたいです。

収録では、音響監督の三間雅文さんはずっとお世話になっている方なので、僕の声から不安感を見抜かれてしまいました(笑)。でも、僕の今までの経験を知った上で、この役をくださったので、難しく考えることなく、自分の経験則の中で、若い子たちにどう接していくかを出せればいいと。丁寧にテイクを重ねて録ってくださったので、その中で見つけていくことができました。

僕自身もシンを通して、「しっかり大人になってこられているんだな」と実感しました。もうアラフォーなので当たり前ではあるんですけど(笑)。でもそれをこの役を通して、感じることができたのはありがたい経験になりました。

宮野さんと梶さん、千本木さんの姿を見た監督の反応、そして収録後に監督から送られた言葉とは?

ーー収録の時に監督とはどんなお話をされたのでしょうか?

宮野:僕とカイ役の梶(裕貴)君、ウサギ役の千本木(彩花)さんの3人で収録している姿を見て、監督が嬉しそうでした。「すごい!」と言っていたけど、「全員あなたが集めたんでしょ」と(笑)。監督の中で僕らが特別な存在になってくれているのであれば嬉しいです。また僕も台本を読んで感じたことをお伝えさせていただきました。

そして、収録が終わって「僕、大丈夫でしたか?」と監督に尋ねたら、「全然! すごくカッコよかったです」と言っていただけて安心しました。

宣伝担当:監督も「終始、安心感があった」とおっしゃっていました。また監督にとって挑戦的な作品なので、三間さんと相談して、キャストの方々は今までご一緒している、信頼ができる方ということで、宮野さんにお願いしたそうです。でも皆さんには今まで演じたことがない役を演じていただくことで、新たな面も引き出したいとおっしゃっていました。

宮野:監督が挑戦している作品で、安心して制作するために役立てているのなら光栄です。

ーーあと監督は、宮野さんとは同志感があって、仕事を通じてお互いの成長を見守ってきたので、今回、「地に足がついた大人を、普通にやれる宮野さんになっているんだなと感慨深いものもありました」とも。

宮野:三間さんと荒木監督の前ではいいところを見せたいじゃないですか?(笑) だから気負いもあったけど、そう言っていただけたのならすごく嬉しいです。

ーーヒビキ役を志尊 淳さんが演じられていますが、どのように感じられましたか?

宮野:現場ではご一緒できなくて、映像を拝見させていただいた上での印象になりますが、『バブル』の世界観の中で繊細さや純粋さなど唯一無二のものを持っていて、ヒビキという役にとてもピッタリで、ぐっと世界観に引き込まれました。特に(ウタ役の)りりあ。さんと志尊さんの掛け合いシーンでは。このピュアな物語がお二人の声によって純粋に心に響いたし、見守りたくなる姿も映像からも感じられて、すごく感動しました。

ーーお気に入りのシーンを挙げるとすれば?

宮野:(広瀬アリスさん演じる)マコトと夜、語り合っているシーンが好きです。僕もシンらしさが見つけられた気がしましたし、話しかけ方や話題の切り出し方ひとつにしても、大人の対応をしていて。物語全体を通しても、他のシーンとは違う質感を出しているので、そんな部分も注目していただけたら。

ーーちなみに、パルクールというスポーツの印象は?

宮野:TVなどで目にした時、「ウソだっ!? そんなことできる!?」って思ってました(笑)。アニメのようだけど、現実なんだなと思うと、少年の夢が詰まっているスポーツだなと。街中をくるくるアクロバットしながら、いとも簡単であるかのように障害物を飛び越えて。「そんなに高いところから飛び降りて痛くないの?」と心配してしまいますが、力の逃がし方など、理に適ったものがあるみたいで。最近、劇団☆新感線の公演で共演した福士蒼汰君もやっているそうで、そう言っていました(笑)。すごいスポーツだなと改めて思います。

『バブル』を見て、さわやかさと「ピュアな愛の素晴らしさ」を感じてください

ーー改めて本作の見どころや注目ポイントのご紹介をお願いします。

宮野:今回の作品は、「アクションに感情がのる」とうかがって、「なるほどな」と思いました。ウタとヒビキが段々シンクロしてくるところにすごく感情が表れているし、二人の成長や変化が動きや演出から伝わってきて。口数が少ない二人だからこそ、なおさら、動きで会話をしているような。

ーー皆さんへメッセージをお願いします。

宮野:『にんぎょ姫』という童話に着目しているのがとても美しいなと思っていて。それを現代の世界観や価値観で描いた時、どんな新たな物語になるのか、すごく挑戦的でおもしろいなと。そして見た後にはピュアな愛の素晴らしさが残ると感じているので、その清々しさやさわやかさを、この映画から感じてもらえたらいいなと思っています。

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アニメ映画『バブル』作品情報

<劇場版>2022年5月13日(金)全国公開
<NETFLIX 版>2022年4月28日(木)全世界配信

ストーリー

本作の舞台は世界に降り注いだ泡〈バブル〉で、重力が壊れた東京。ライフラインが断たれた東京は家族を失った一部の若者たちの遊び場となり、ビルからビルに駆け回るパルクールのチームバトルの戦場となっていた。ある日、危険なプレイスタイルで注目を集めていたエースのヒビキは無軌道なプレイで重力が歪む海へ落下してしまった。そこに突如現れた、不思議な力を持つ少女ウタがヒビキの命を救った。

そして、2 人にだけ特別な音が聞こえた…。なぜ、ウタはヒビキの前に現れたのか。二人の出会いは、世界を変える真実へとつながる。


 
監督:荒木哲郎
脚本:虚淵玄[ニトロプラス]
キャラクターデザイン原案:小畑健
音楽:澤野弘之
企画・プロデュース:川村元気
制作スタジオ:WIT STUDIO
配給:ワーナー・ブラザース映画

声の出演:
志尊淳
宮野真守
梶裕貴
畠中祐
千本木彩花
井上麻里奈
三木眞一郎
広瀬アリス
 
公式 HP オフィシャルサイト
オフィシャル Twitter(@bubblemovie_jp)

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