5pb.野村Pが『11eyes Cross Over』『アイ..

【ゲームクリエイターインタビュー】『11eyes Cross Over』&『アイテムゲッター』制作者・5pb.野村泰彦さん編(後編)

 リリース直前の話題のゲームソフトを制作するゲームクリエイターに、新作ゲームソフトの紹介や開発秘話をご紹介いただきつつ、仕事の内容やゲーム業界に携わったきっかけ、ゲーム業界を目指す皆さんへアドバイスをしていただく企画『ゲームクリエイターインタビュー』。

 今シリーズでは『メモリーズオフ』シリーズや、昨年ゲーム界に衝撃を巻き起こした『カオスヘッド』などを手がける5pb.にクローズアップしていく。

 5回目の最後にご登場いただいたのは『ウミショー』、『PRISM ARK-AWAKE-』、『かのこん えすいー』などアニメ案件を多く手掛け、2月26日にDS用ソフト『ケメコデラックス!DS~ヨメとメカと男と女~』、4月2日にリリースされたXbox 360用ソフト『11eyes Cross Over』、そして6月4日には志倉千代丸さん企画のDS用ソフト『アイテムゲッター~僕らの科学と魔法の関係~』などのゲームリリースを控えた、5pb.ゲーム事業部ディビジョン3のプロデューサー、野村泰彦さんにお話をうかがった。

 今章ではディビジョン3の最新作、Xbox 360用ソフト『11eyes CrossOver』、そして6月4日発売予定のDS用ソフト『アイテムゲッター~僕らの魔法と科学の関係~』の内容と魅力にご紹介いただきつつ、今後のゲーム界の展望などについて語ってもらった。


●『美少女ゲームアワード2008』主題歌賞・金賞受賞作が、オリジナルキャラ4人に新シナリオとパワーアップした『11eyes Cross Over』

――そういえば、つい最近、発売されたソフトもありますね

野村さん:4月2日にXbox 360用ソフト『11eyes Cross Over』が発売しました! PCゲームからの移植作ですが、Xbox 360用はハイビジョン仕様なのでPCよりも高い解像度で楽しめます。絵にほれ込んでいるユーザーさんには必ず喜んでいただけると思います。


――『11eyes』の人気の秘密はどこにあると思いますか?

野村さん:絵がきれいで、ダークで美しい世界観とそれを彩る音楽、シナリオの良さだと思います。各キャラクターの過去や背負ったものをしっかり描かれているところかなと。敵との関わり合いも深くて。あと主人公以外の視点から物語を描くクロスビジョンシステムも素晴らしいです。オリジナルを作ったLassさんのこだわりもすごいですね。情熱のかけ方が半端じゃなくて、そういう想いがユーザーにも届いたのではないでしょうか。


――Xbox 360用ソフトとPC版との違いや、セールスポイントは?

野村さん:オリジナルキャラを4人追加しています。PC版の『11eyes』には皐月駆という主人公がいますが今回のオリジナルシナリオでは天見修という主人公を新たに立てています。時系列的にはPC版と360版は同じように流れていて、例えばPC版である事件が起こっていたら360版にも影響が出ていて……。Lassさんのご協力があってこそできたことです。PC版をプレーされた方もすんなり世界に入れるし、より楽しめると思います。


――そこまでやるのはすごいですね

野村さん:イベント絵も50枚新たに描き下ろしています。新キャラが増えた時点で新しく描かないといけませんから(笑)。


――音声も録り直さないといけないですし

野村さん:そうですね。従来のキャラの音声も録り下ろさなきゃいけないですから。ボリューム感でも満足していただけるのではないでしょうか。


●ゴシック系の世界観、ストーリーの良さで女性にもオススメ

――ちなみに新キャラは誰が演じているんですか?

野村さん:田中理恵さんと加藤英美里さんと中原麻衣さんという豪華キャストで、魅力的な新キャラを演じてくれています。声優ファンの方は要チェックですよ(笑)。


――PC版をプレーした方はXbox 360版もやらないとソンですね

野村さん:そうですね。もちろんPC版をプレーしていない方も絶対楽しめるものになったと思います。『11eyes-罪と罰と贖いの少女-』自体が非常に完成度の高い作品ですから、PC版と合わせて、たくさんの方にプレーしていただきたいです。また『美少女ゲームアワード2008』の主題歌部門でも彩音さんが歌うOP主題歌「Lunatic Tears…」が金賞を受賞しましたが、PC版と同じくOP曲を彩音さん、ED曲をAsrielさんが担当し、新曲が収録されているのでそこも楽しんでいただけると思います。


――ゴシック系の雰囲気も全編に渡って漂っていて、女性の方も好きそうな作品じゃないかなと思います

野村さん:それはありますね。PC版ではエッチなシーンもあるので女性の方々はそこで敬遠される方もいたかもしれませんが、Xbox 360版はそういうシーンがないので、ダークでディープな世界に没頭できると思います。ぜひ女性の方にもプレーしていただきたいです。


――こちらも限定版があるそうですが、どんな特典があるんですか?

野村さん:せっかく素晴らしいキャストの方々に集まっていただいたので、ドラマCDを付けようと。あとPC版とXbox 360版から選んだビジュアルをポストカードブックにしました。それとPC版のように豪華なBOX仕様になっているのでPC版と並べて、インテリアとしてもいいかなと。


●千個以上のアイテムが出現するギネス級のおもしろさ。『アイテムゲッター~僕らの科学と魔法の関係~』

――そして現在制作中の作品は?

野村さん:6月4日発売予定のDS用ソフト『アイテムゲッター~僕らの科学と魔法の関係~』です。うちの志倉が原案の、社運をかけたソフトです(笑)。元々、志倉が企画・プロデュースしたテーマカフェ、『アフィリア魔法学院』が池袋、上野、名古屋、大阪の全国4店舗で展開しているんですけど、その世界観が架空のアフィリア王国の中にある魔法学院が舞台になっていて。そのコンセプトを使ってゲームを作ってみようというところからスタートして、普通のRPGじゃなくて、アイテムを集めまくる、楽しいゲームにしようと。
 3人の中学生が現代からアフィリア王国の世界に迷い込みます。3人は持っていたゲーム機やパソコン、携帯電話など使って、ある目的のためにアイテムを集めていきます。


――『アイテムゲッター』の魅力を挙げていただけますか?

野村さん:まずはアイテムの多さ、千個以上に及ぶアイテムが登場します。以上と言っているのはゲーム中の固定で出てくるのが千個で、それ以外に自分で自由にアイテムを作れるんです。
 それをWiFiやワイヤレス通信で配信することもできるんですけど、作ったアイテムに著作権が設定できて、コピーフリーにしたり、一人だけコピーできたりと選べる仕組みになっています。あとアイテムを作ることを“調合錬金”というんですが、それだけでなく、“分解”したり、“精製”することもできます。


――アイテムの数も膨大で、しかも自分で作れて、アイテム自体をいろいろといじることができるのは楽しそうです

野村さん:各アイテムのプロパティもそれぞれ解説されています。それを考える作業だけでもすごく大変で、なんせ千個ですから(笑)。最初は二千個と言っていたんですが、それはやめようと。思いとどまってよかった(笑)。千個集めなくても、ゲームは終わることができますが、千個コンプリートしたくなるような仕掛けも考えています。


――アイテムにはゲームを進める上で必要な要素もあるんですか?

野村さん:もちろん要所要所にこのアイテムを持っていないといけない場面が出てきます。でもそれは誰かに言われたからそのアイテムを探すのではなく、自分達の目的のために必要だから集めるように、やらされてる感にならないようにしています。


●敵を殺さない画期的なファンタジー

――キャラクターにはレベルの概念はあるんですか?

野村さん:基本的にありません。『アイテムゲッター』では何も誰も殺さないというテーマで作っているので。『アイテムゲッター』の世界では人間と魔物が共存しているんです。アイテムを魔物からもらうためには魔法を当てるんですけど、水や火などの属性があって、普通のRPGやファンタジーでは戦闘では属性が同じ魔力や武器を使うとダメージを与えられなかったり、かえって敵がパワーアップすることがあります。このゲームでは同じ属性の魔法を当てると元気になって、お礼みたいな感じで素材をもらって、調合・錬金をして自分で新たなアイテムを作ったりします。


――戦闘がないファンタジーというのは画期的ですね

野村さん:親御さんも安心してお子さんにプレーさせたくなるゲームを狙ってます(笑)。RPGなどでごく普通の人が突然、剣などを手にして戦うというのも食傷気味かなと感じていて、ゲーム中では剣も登場しますが、プレーヤーはあまり使いません。と言っても勧善懲悪で、敵はいるんですけど、剣で切りかかることなんてできないから投げつけるくらいで(笑)。そんなところは妙にリアルですね。


――他にDSならではの要素はありますか?

野村さん:DSのタッチペンを使って、アフィリアの文字を書くと魔法が発動します。自分が実際に魔法を使っている感覚を味わえるのも楽しいんじゃないかなと思います。


●絵や声優キャストなどワールドワイドな展開を意識

――絵のタッチはほのぼのとかわいい作風ですね。家族向けアニメのような

野村さん:この作品はワールドワイドな展開を考えていて、日本でいえばスタジオジブリや名作劇場的な。だから絵に関してはコアなユーザー受けしそうなものではなく、誰でも入りやすい方向性にしました。


――ボイス面ではベテランから今、人気の方など豪華声優陣でビックリしました

野村さん:特に狙っているわけでなく、例えば3人の主人公のひとり、ピケを田中真弓さんにやっていただいたんですが、キャラクターの性格や設定がピッタリだったからお願いしたんです。


――田中さんが主人公役を演じる作品はどれもアドベンチャーの世界に入れて、ワクワク感があります

野村さん:皆さんもそうだと思いますがまさにそういうイメージで。他のキャラも同じようにあてはめていったら、すごいことになってしまって(笑)。声優ファンの方にはたまらないキャストだと思うので、好きな声優が出ているからという理由でも手にとっていただければ、きっとゲーム自体にもハマってもらえる自信があります。それと子供の役は役と近い人に演じさせたいという志倉の意向もあり、エリスを日高里菜ちゃん、レムを松元環季ちゃんに演じてもらっています。実際、自然で新鮮な印象を受けました。そこもこだわりのひとつです。


――テレビCMなども流れていて、宣伝活動もとても力が入っているなと思いました

野村さん:CMにはお笑いコンビのFUJIWARAさんに出演していただいてます。ゲーム好きでない、一般の方にも興味を持っていただければいいなと。そして親善大使としてアフィリア・サーガ・イーストのメンバーにも宣伝に頑張ってもらっています。リリース日が近づくにつれて、更にいろいろなアクションが出てくると思いますので、発売まで楽しみに待っていてください。


●おもしろいものにアンテナを張って追求できる人材を求む

――その他、今後の予定も話せる範囲で教えてください

野村さん:それがまだ発表できないものばかりで(笑)。今はアニメ案件も1本も控えていて、移植ものっぽいソフトもあります。ディビジョン3的には今後もアニメ案件、PCからの移植、オリジナルなど、その時に作りたいものを作っていければいいなと思っています。


――ゲーム業界を目指す皆さんへのアドバイスをお願いします

野村さん:ゲーム好きなのはいいんですが、それだけでなく、広くいろいろなことを知って、興味を持ってほしいです。家にこもってばかりでなく、運動したり、旅行したりなど幅広く行動して、見聞を広めていくことも大切で、そういったことがゲームを作る時に必要になってきます。ゲームを作る人は自分の思い込みで「こういうものを作りたい!」というのがどうしても前面に出てきてしまいがちで、そこにぴっちりハマっている人にはおもしろいけど、そうじゃない人は「何じゃ、それ?」ってなり兼ねなくて。そういう作り方もありかもしれないけど、いろいろな角度から見られて、おもしろいものを追求できる人に入ってきてほしいですね。


●5pb.からゲーム界に風穴を空けるゲームを

――今後のゲーム界がどうなりそうか、展望や予想をお聞かせください

野村さん:難しいですね……。今いるユーザー層はライトでちょっとしか遊ばないけどゲームは知っている人と、ゲーム大好きな人の二極化していますが、それが進んでいく気がするので、そのどちらも取り込めるようなゲーム作りが必要かもしれませんね。難しすぎたり、応用を求めるようなゲームはすぐにライトユーザーが離れてしまうし、1本のソフトを最後までプレーしてもらうのも難しいんですよね。
 また作る側もメジャーで超大作のものと、インディーズ系でアイディア勝負という二極化があって。ハードもある程度、出そろった状況で停滞気味なところがありますが、これからまた新しい波が来たときに、その波を逃さないようにしないといけないと思っています。


――海外市場への展開も各メーカー意識するようになっていますね

野村さん:そうですね。欧米やアジアの市場はやっぱり大きいですからね。国内では受けなかったけど海外でヒットしたソフトも結構あります。ビジネスとして海外は無視できないと思います。いろいろな意味で今回の『アイテムゲッター』は大きなチャレンジであり、ゲーム界に風穴を空ける1本にするつもりで頑張ります。


――では最後にメッセージをお願いします

野村さん:やはり僕らが作ったゲームをプレーしてください! 最新作のXbox 360版『11eyes CrossOver』は名作と言える作品を、ハイスペックなハードを駆使して、よりきれいなビジュアルと、オリジナルとリンクした新たなシナリオでおもしろい作品になったと思います。ダークでディープな世界観を堪能してほしいです。そして6月4日発売予定のDS用ソフト『アイテムゲッター~僕らの科学と魔法の関係~』では今までになかった新しいソフトを目指して、チャレンジした意欲作であり、社運をかけた1本です。ファンタジーでありながら、敵を殺さず、千個以上のアイテム集めが楽しめて、お子さんから大人まで幅広く楽しめると思います。これからも皆さんに楽しんでいただけるゲームを作り続けていくつもりですので、5pb.のゲームを今後もよろしくお願いします。


●プロフィール
野村泰彦さん……5pb.ゲーム事業部ディビジョン3プロデューサー。データイースト、トンキンハウスを経て5pb.へ。主な代表作は『ウミショー』、『PRISM ARK-AWAKE-』、『かのこん えすいー』、『ケメコデラックス!DS~ヨメとメカと男と女~』など。


Xbox 360版『11eyes CrossOver』
2009年4月2日発売
限定版9,240円(税込)
通常版7,140円(税込)
発売:5pb.

DS用ソフト『ITEM GETTER~僕らの魔法と科学の関係~』
2009年6月4日発売予定
価格未定
発売:Genterprise

<B>Xbox 360版『11eyes CrossOver』</B><BR>2009年4月2日発売<BR>限定版9240円(税込)<BR>通常版7140円(税込)<BR>発売:5pb.

Xbox 360版『11eyes CrossOver』
2009年4月2日発売
限定版9240円(税込)
通常版7140円(税込)
発売:5pb.

(C)Lass / (C)5pb.Inc.

(C)Lass / (C)5pb.Inc.

<B>DS用ソフト『ITEM GETTER~僕らの魔法と科学の関係~』</B><BR>2009年6月4日発売予定<BR>価格未定<BR>発売:Genterprise

DS用ソフト『ITEM GETTER~僕らの魔法と科学の関係~』
2009年6月4日発売予定
価格未定
発売:Genterprise

(C)2009 5pb. Inc.

(C)2009 5pb. Inc.

(C)Lass /(C)5pb.Inc.
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