『海月姫』鯉淵蔵之介役・斎賀みつきインタビュー

TVアニメ『海月姫』リレーインタビュー――今回は鯉淵蔵之介役の斎賀みつきさんに語ってもらいました!「出演作だけど“ベタ褒め”てしまう。自信を持ってオススメできる作品です!」

 東村アキコ氏原作の人気コミック『海月姫』(講談社刊「Kiss』連載中)のTVアニメがフジテレビの“ノイタミナ”ほかで好評放送中ですが、いよいよクライマックス直前!
 ここまでお送りしてきたリレー対談企画。今回ご登場いただくのは鯉淵蔵之介役の斎賀みつきさんです。作品の魅力や気になるキャラ、クライマックスに向けての見どころなどを語っていただきました。

●出演作なのにベタ褒めしてしまうくらい、愛情あふれる作品

――まず原作を読まれた感想を聞かせてください。

鯉淵蔵之介役・斎賀みつきさん(以下斎賀):最近のマンガ作品は大きな事件が起こったり、非日常を描いた作品が多い気がするんですけど、『海月姫』ではありふれた日常のささやかな出来事が描かれていて、身近な場所に天水館があるんじゃないかと思っちゃうくらい親近感がわきました。でもキャラ達はみんな、すごく個性的で。そんな濃い人達が集まっているのにひとつの世界観にうまくまとまっていて。キャラの描き方や物語のテンポ感など秀逸な作品だなと思いました。


――実際にアニメを見た時の印象や感想は?

斎賀:原作の雰囲気を損ねずにキャストの声やキャラの動き、音が加わることで更に魅力をプラスしようという強い意気込みを感じるフィルムになっていて、大森貴弘監督のセンスの素晴らしさに感激しました。宣伝ポスターに書かれている“愛がいっぱい”のキャッチどおり、この作品に関わる人達の愛情であふれていると思います。自分の出た作品をベタ褒めするのは照れくさいんですが、「絶対おもしろいから見て!」と自信を持って言える作品です。


●蔵之介は政治家に育ち、女装好きだけど内心は普通の男の子

――蔵之介がどんなキャラなのか、また演じる時に心がけている点を教えてください。

斎賀:政治家の家庭に育ち、修と異母兄弟だったり、いろいろな経験をしてきているけど、ただ女装が好きな普通の男子学生です。監督からも「変に色っぽくしてみたり、かわいい女の子を演じようと意識しなくていいです」と言われました。女装した時は、コスプレーヤーの人が衣装を着た瞬間にスイッチが切り替わるのと同じようにギャップは出しつつも、蔵之介という一本の線だけは崩さないようにしてます。1話の初登場で、夜のきれいな女性の姿と、翌朝のウィッグがない男の子と最大のギャップを見せているので、あとはやりやすかったですね。


――おしゃれ人間が苦手な尼~ずにとって、蔵之介は天敵みたいな存在なのに、すぐになじんでしまいましたね。

斎賀:松坂牛の差し入れが効いたんでしょう。ばんばさんなんて、いまだに“肉”呼ばわりで名前を覚えようとしてないし(笑)。実際、最初は嫌がられてましたが、蔵之介はまったく気にしてなくて。ぐいぐい強引に入っていったら受け入れてしまう尼~ずもかわいらしいです。「あんた、何でここにいるの!?」と何度言われても、決して追い出そうとはしない。そのまま普通に会話が始まっちゃう。彼の不思議な人柄も大きいのかもしれませんね。尼~ずも新鮮に感じてくれたのかな。蔵之介におしゃれさせられたり、初めての経験もあったと思うし。それを喜んでいたかと言えば……“?”かもしれないけど(笑)。


●自分が欲しかったものを天水館で見つけた蔵之介

――天水館にいる時の蔵之介は感情をストレートに出してますよね。鯉淵家ではあまり喜怒哀楽を見せるシーンが少ないような。

斎賀:政治家一家の厳粛な雰囲気や父との確執などあって、家の中でずっと仮面をかぶって生きていかなくてはいけなかったけど、素の自分でいてもいい場所が天水館。初めて訪れた時、「いいね。ここ」と言ってましたが、自分が欲しかったものを天水館は与えてくれると瞬間的に感じたのだと思います。


――厳しそうに見える鯉淵家の人々も実はかなり変わってますよね。

斎賀:そうですね。修はお父さんの跡を継ぐためにわき目も振らず、政治家の道を歩んできたら、女性に縁がないままアラサーを迎えてしまって。だから蔵之介がメイクアップした月海に一目ぼれしたり、再開発に携わる稲荷に振り回されたり。何気に今、お兄ちゃんが一番の萌えキャラになってて、おもしろいことになってます(笑)。幼なじみで運転手の花森さんは修のことを理解して大切に思ってるけど、ベンツの優先順位がすべてに勝るので大事なことをさらっとしゃべってしまったり。困った人です。おじさんの根岸総理も身近な人の前ではギャルポーズしたり、おちゃめで。支持率が1ケタになっても「9%あるから大丈夫」と言えてしまう気楽さや太さは今の日本に必要なのかもしれない(笑)。

●お気に入りキャラは月海! クラゲの描写のすごさにも感動

――ご自身が演じるキャラ以外でお気に入りや気になるキャラはいますか?

斎賀:どうしても蔵之介目線で見てしまうため、月海がかわいくてしょうがないです。まず月海から見ますね。アフレコでも他の人がわいわい動いてても月海を目で追ってしまうし。でも、他のキャラも個性的で、アピールが強いんですよね。毎回、目が離せない。ひとつのシーンの中で複数のキャラがそれぞれ動いたり、しゃべったりする時は大変です。オンエアで1回見ても、「さっき裏で何かやってた!」とついついもう1回見返すと、「ここでも何か言ってる!」とまた見返してみたり。キャストもリアルタイムで見てる人が多くて、さらにTwitterでつぶやいてる方もいるみたいで、それがきっかけで作品を知った人も多いそうです。ここでもたくさんの愛を感じます。結局、それぞれのキャラを追ってしまうから一番を決めるのは難しくて、月海に続く2位は全員です。


――キャストの皆さんがクラゲの描写の素晴らしさは挙げていました。

斎賀:クラゲが1匹動いてると連動して描かれるわけでなく、他のクラゲも全然違う動きをしてるんです。「こだわり過ぎ! みんな、クラゲ見たくなるだろうな」と思うくらい。この作品に協力していただいている新江ノ島水族館にも以前行ったことがあって。元々、クラゲは好きでよく見に行ってて、その時もクラゲの美しさに感動しましたが、この作品の映像を見て「こんなにリアルに表現するとは」と驚かされました。アレを見るだけでも十分価値があると思います。


●尼~ずを能動的にさせていく蔵之介のセリフに注目!

――印象に残るシーンやエピソードはありますか?

斎賀:蔵之介が尼~ずに「鎧を身にまとえ!」とか「天水館買うぞ!」と叱咤激励するところ。物語の要所要所で、月海や尼~ずが変わっていったり、ワクワクするきっかけになるセリフを蔵之介が言ってるのでそこは聴いてほしいです。この作品の見どころは月海や尼~ずが変わっていくところで、人と関わることでどんどん輝いたり、前進していく姿は感動的です。それによって蔵之介も成長していくし、周りの人達も変わっていく、みんなが幸せになっていくのが素敵です。監督が1話の収録で「みんなで幸せになりましょう」と言った通りになっていくのが映像からあふれ出てます。稲荷さんみたいに打ちのめされてる人もいるけど、あの人も幸せをつかもうと必死ですから。花森さんやすぎもっちゃんはフラットなのでわかりにくいけど(笑)。あとはまだ姿を見せない目白先生も幸せになればいいなと。


――蔵之助といえばモノローグのシーンが多いような気がします。

斎賀:そうですね。香奈ちゃんに「主役、もっとしゃべって!」と言ったこともあります(笑)。


●月海、蔵之介、修の恋の行方は? 温かくやさしいラストは見逃せません!

――物語はいよいよクライマックスに突入します。見どころを挙げてください。

斎賀:再開発で天水館がどうなるのかも気になりますが、月海を取り巻く恋の行方でしょうか。月海は恋愛から目を背けてきたので、初めての恋にみんながドキドキしてると思うんです。こんなにかわいくてピュアな女の子が恋をしたらどうなるのか、その変化に注目したいし、修も初めて女の子を意識して、月海を好きになりかけてて。蔵之介はこれまでたぶん真剣な恋愛をしたことはなくて、月海の純粋さにひかれ始めて。モノローグでも「かわいいじゃねぇか!」とか言っちゃってますからね。その3人の関係がどうなっていくのかは最終回まで見守っていただきたいです。アニメならではの最終回ではあるけど、原作を損なっていないので、きっと原作ファンの方にも納得していただけると思います。やさしくて温かいラストを見て、気持ちよく盛り上がってください。


――では最後に皆さんへメッセージをお願いします。

斎賀:キャッチコピーどおりの、愛がいっぱいでみんなが幸せになれる作品で、私も参加させていただいて大変楽しみながら幸せになれました。みんなが終わるのがイヤというくらいチームワークのいい作品です。とりあえずアニメではクライマックスを迎えますがやさしくて温かいラストになっているので気持ちよく盛り上がってください。放送が終わってもDVDが発売されます。特典映像も、私が「こんなに地井さんが!?」とビックリするほど、すごくおもしろくなってます。パッケージになっても愛情いっぱいの『海月姫』を長く愛してください。<取材・文:永井和幸>


TVアニメ『海月姫』は毎週木曜24:45~フジテレビ“ノイタミナ”ほかにて放送中
関西テレビ:毎週火曜25:時5 分~放送中
東海テレビ:毎週木曜26 時05 分~放送中
BSフジ: 11 月20 日(土)毎週土曜日25 時~放送 ※毎月最終週のみ休止、さくらんぼテレビ:毎週土曜日25 時05 分~放送中

>>アニメ『海月姫』公式サイト

<b>『海月姫 第1巻』</b><br>2011年1月28日(金)発売<br>【数量限定生産版】DVD:5040円(税込)/Blu-ray:6090円(税込)<br>【初回限定生産版】DVD:3990円(税込)/Blu-ray:5040円(税込)<br>発売元:アスミック/フジテレビ<br>販売元:東宝

『海月姫 第1巻』
2011年1月28日(金)発売
【数量限定生産版】DVD:5040円(税込)/Blu-ray:6090円(税込)
【初回限定生産版】DVD:3990円(税込)/Blu-ray:5040円(税込)
発売元:アスミック/フジテレビ
販売元:東宝

(C)東村アキコ・講談社/海月姫製作委員会
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