『じょしらく』2代目襲名披露記者会見レポ

初代・暗落亭苦来を演じる後藤沙緒里さんを先頭に、青春の返却を求める5人の声優陣による「『じょしらく』2代目襲名披露記者会見」の様子をレポート!

 2012年7月3日(水)、東京・護国寺の講談社本社にてアニメ『じょしらく』放送に先立ち、「『じょしらく』2代目襲名披露記者会見」が開催された。

 『じょしらく』は、原作に『さよなら絶望先生』でお馴染みの久米田康治さん。作画に『とらドラ!』の挿絵を担当したヤスさんを据えて展開されるギャグマンガ。終始ローテンションで、オチという言葉が存在しない展開。そして、随所に隠されたり隠されてなかったりする久米田作品らしいパロディやブラックジョークなどを、ヤスさんの可愛い絵というオブラートで包み込んでいる作品だ。

 「2代目」とはすなわち、キャストのこと。原作の単行本の付録として用意された「落語CD」で声が付いており、今回のアニメで決定したキャストは2代目になる。そこに、『じょしらく』の題材とされている落語とかけて「襲名披露記者会見」というわけだ。

 現在決定しているキャストは以下の通り。ちょっと読み方が分かりにくいが、それぞれに隠された意味があり、それを読み解けばキャラクターの性格や特徴なども分かってくる。


蕪羅亭魔梨威(ぶらていまりい)役・佐倉綾音さん
防波亭手寅(ぼうはていてとら)役・山本希望さん
波浪浮亭木胡桃(はろうきていきぐるみ)役・小岩井ことりさん
空琉美遊亭丸京(くうるびゆうていがんきょう)役・南條愛乃さん
暗落亭苦来(あんらくていくくる)役・後藤沙緒里さん



 今回のイベントでは、唯一初代(落語CD)から続投の後藤沙緒里さんを中心として、5人全員が登場して挨拶を行う。原作ではまったく落語をする気がないようだが、今回は落語の襲名披露の体裁をとっている。本記事では、その様子をレポートしよう。

●襲名披露は厳かに……。なんて幻想は、この『じょしらく』がぶち壊す!

 登壇した5人のキャストは、作品にあわせて全員が着物姿。さらにそれぞれが演じるキャラクターの特徴を髪型で表すなど、色々と手が込んでいる。会場自体も、座布団に屏風などなど、和風の装飾が施されており、なかなかに風情が感じられた。

 今回MCを勤めるのは、落語界出身のニッポン放送吉田アナウンサー。軽快に時事ネタ下ネタその他もろもろを絡めていく語り口は、まさに落語を経験していた人間のそれである。

 というわけでさっそく、それぞれに「2代目」を襲名しての感想や決意などを語っていただいた。


南條愛乃さん(空琉美遊亭丸京 役):
 どこか黒い部分を持ったメガネっ子で、すぐに手が出てしまうという特徴があります。一部ではバイオレンスメガネなんて呼ばれたりしてるみたいですが。なかなか彼女の性格にビビっとくるものがあって、オーディションではガンガン殴らせてもらいました。収録が始まった今でも、すごく楽しく演じています。

佐倉綾音さん(蕪羅亭魔梨威 役):
 オーディションを受ける前から『じょしらく』は持っていたので、ファン的な視点からも、今回のアニメ化はうれしく思います。オーディションで言わせてもらった「つまんねぇこと言うなよ!」という台詞が、自分の中でとてもしっくりきました。今後『じょしらく』には、ぜひ大ヒットしていただきたいです。

小岩井ことりさん(波浪浮亭木胡桃 役):
 名前をご覧いただければ分かりますが、あくまで「はろうきてい」ですので、そちらをお間違えなきようお願いします。放送中止になっちゃうと悲しいので……。見た目がかわいらしくて、みんなにもかわいがられるキャラクターなのですが、その裏には黒い部分がある面白い子です。私がアニメで演じる初めてのメインキャラクターになりますので、一生懸命挑戦していきたいと思います。

山本希望さん(防波亭手寅 役):
 この子は、5人の中で一番まともな子で、オーディションのときも普通の感じでやって、と言われました。その中で、普通って何だろう、という新しい挑戦もすることになったり。とはいえ彼女もノリがいい性格のなので、回を重ねるごとにだんだん普通でなくなっていくテトラが見られます。

後藤沙緒里さん(暗落亭苦来 役):
 どうも、初代の後藤です。単行本のほうに落語CDがついていて、そちらに出演させていただいていました。ですので、クルルとは2年近い付き合いになります。非常にありがたい事ですね。今後とも、付き合っていきたいと思います。


 これらの話の中で、普通キャラを演じる山本さんのちょっと「普通でない」話も披露された。その一部始終としては「『じょしらく』はダイコンを作っている農家の方にオススメのアニメです」や「小学2、3年生のころに『学校へ行こう』を真似をして男の子に、モーニング娘。の『抱いてホールドオンミー』を歌いながら告白したらフラれた」など。挙句「もう恋愛なんていらねえよ!」、「今は2次元のキャラクターで十分です」と叫び、色々と普通じゃない部分を明かしてくれた。

 山本さんの「アニメでも、ギリギリアウトな単語もブッコんでおりますので、ぜひご期待ください」という不穏なコメントで挨拶が締めくくられる。なにやらその発言と同調するようにコクコクと頷く一同……。

 さらに、吉田さんの「放送用とパッケージ用で音声が分かれていそうな雰囲気が出てきましたね。まず、そういう作品と分かった上で、ご期待いただきたいと思います」というセーフティーネット的発言とともに、空気に区切りをつけた。三本締めをもって、最初の段取りは終了。はたして本編で何が起こっているのか、ぜひテレビ放送にてご確認いただきたい。



●黒い過去を掘り起こし、返されざる何かを叫ぶ! そんな質疑応答コーナー

 続いては、記者と出演者である5人による質疑応答の場が設けられた。ここから先は、ノリやネタ共にわりと強烈なものになっているので、久米田先生の作品(主にあとがきの部分)を読んでいる、もしくは観ている時と同じ感覚でご覧になることをお勧めする。


――原作には(主に北海道北部から沖縄南部周辺までの)海に向かって「返せ!」と叫ぶネタがありますが、みなさんは今何か「返せ」と叫びたいことはありますか?

南條さん:
 過去の自分にですが、青春を返してほしいです。少女マンガやアニメで見た、憧れの青春は私にはありませんでしたので。制服でふたり乗りなんか、もう2度とできないじゃないですか。2重の意味で犯罪ですよ。まぁ、私の演じる丸京もこういう黒い部分がある子ですので、適任と言えば適任なのでしょうか。

佐倉さん:
 ネタが被りました……。青春という目標を達成するには、小中高の12年間では足りないんです。私は人生のピークは12才だと思っていまして、小学校は問題ありませんでしたが、やっぱり問題は中高ですよ。自分から手に入れようとしなければ手に入らない、高度な青春を得るには、あれは足りないんです……。

小岩井さん:
 私は一週間前に、ハンバーグ弁当を買ったんですが、しょうが焼き弁当でした。私のハンバーグ返せ!

山本さん:
 さっきの話の続きになりますが、私の必死の告白を返してください。あとは、友達の多い学生生活を送りたかったなと思います。なにぶんアニメが放送されていない地域でしたので、友達がいなかったんですよ。唯一身内のおばさんが『サムライトルーパー』が大好きだったくらいで……。そのあたりをひっくるめて、私の青春時代と友達を返せと。

後藤さん:
 高校生のころからぬるっとお仕事が始まって、なんだか高校時代の思いが欠落しちゃってるんです。みんなの言っていたような青春が欲しかったです……。

――これから、どんな噺家になりたいですか?

南條さん:
 私は、丸京を演じるにあたって、落語にはじめて触れた初心者です。今回の『じょしらく』は、「新宿末広亭」(落語の有名な寄席)完全協力の作品ですので、そちらに触れることから始めようかなと。まさか今回関われる事になるとは思っていなかったので、まだチケットをどう買っていいかすら分かりませんが。

佐倉さん:
 『じょしらく』に関わって始めて聞いたのが、桂枝雀さんの落語でした。すでに亡くなられている方なのですが、父も落語が好きで、知る機会があったんです。あの方のような、いつまでも新しい落語を追い求める姿勢を学びたいと思います。

小岩井さん:
 落語は奥が深くて、演じる方によって同じ演目でも感じ方が代わりますよね。ですから、私は私らしく、イキイキと演じたいと思います。

山本さん:
 いろいろ勉強しましたが、どの噺家さんもそれぞれ個性があり、声優に繋がる部分があるなと感じました。声優として、『じょしらく』という作品を糧に、前へと進みたいと思います。

後藤さん:
 末広亭に伺ってお勉強させていただいたり、昔に『落語天女おゆい』で落語家を演じる際にお世話になった落語の師匠にお稽古していただいています。そういった「学」を持って、『じょしらく』を演じていただきたいと思います。

――オープニングとエンディングの楽曲について

南條さん:
 明るくかわいい曲になりました。それぞれのキャラクターの個性出しつつ、落語をやっている女の子というテーマにそった歌詞となっています。なかなか他では出ないであろう単語も出てきますよ。

――ファンの方々にメッセージをいただけますか?

南條さん:
 私達も先ほど、控え室で第1話を見せていただきました。もうオープニングからエンディングまでキャラクターが動きまわりますので、ぜひ放送を楽しみにしてほしいです。

佐倉さん:
 初めて完パケを見させていただいて「え、ここで?」っていう部分でヌルヌルと動いています。私達の歌っているオープニングとエンディングも楽しみにしていただいて、みんなで音声モザイクの裏側を予想してみてください。

小岩井さん:
 なんだか、1話の30分がすごく短く感じました。いろいろな要素が入り交じっていて、本当に面白い作品になっていると思います。

山本さん:
 普通の女の子ではなく、噺家の女の子が話しているというのがポイントの作品です。最初の話題から、着地点が「どうしてこうなった!」な場所に着弾するところを楽しんでみていただければと。

後藤さん:
 皆さんが言っているように、私も先程完パケを見ました。本当にかわいくて、感無量です。皆さんに早く見ていただきたいと、心から思っています。どうか楽しみにしていてください。



 と、色々とあったであろう問題はスルーの方向で、質疑応答は終了となった。最期は、唯一初代から続投となる後藤さんのコメントをもって、本イベントの締めくくりとしたい。

後藤さん:
 どうも、初代です。先週末に、店頭での配布エベントをしたのですが、本当に多くのファンの方に集まっていただきました。『じょしらく』が愛されているんだな感じた瞬間でした。これからも『じょしらく』をもっと多くの人に知っていただきたいと思っていますので、応援よろしくお願いいたします。

>>テレビアニメ『じょしらく』公式サイト

(C)久米田康治・ヤス・講談社/女子落語協会
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