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アニメ『マジンボーン』宇田氏&村田先生ぶっちゃけ対談!? 前篇

アニメ『マジンボーン』宇田シリーズディレクター×キャラクター原案 村田雄介先生ぶっちゃけ対談!? 前篇 

 今回はアニメ『マジンボーン』シリーズディレクターの宇田鋼之介監督と、キャラクター原案を務めた漫画家の村田雄介先生のお二人を召喚(ディセント)! キャラクターの作り方からアニメ制作秘話まで、ここでしか聞けないスペシャルエピソードをたっぷり語ってもらったぞ!!

●はじまりはダメ元から!?

宇田:村田先生にキャラクター原案をお願いすることになったのは、プロデューサーの鷲尾さんが、非常に村田先生の絵を気に入っていて…ほんとダメ元だったんですよ。冗談抜きで。
 連載している方は非常に多忙だし、なかなかOKがもらえないんじゃないっていう話をしていたら、結構あっさりOKがでて(笑) 僕らも面食らったんですけど。

村田:こっちが飛びついたくらい(笑) アニメを作る過程・工程に興味があったんです。どういうプロセスを踏んで出来上がっていくのかとか、単純に「気持ちいい動き」って、アニメ観てるとあるじゃないですか!
 …ああいうのは、どういう風に作られるものなのかというのも知りたかったんです。僕自身、WEBで漫画を発表するようになって、演出としてアニメを挟み込んでみたいなという野心もあったので。…それにはまだ全然下地がない、動きを作る基礎がなかったので、プロの方のお仕事をそばで見させていただいて、あわよくば教えていただいてみたいな(笑)  そこで、図々しく、直接直談判させていただいて、お邪魔する運びになりました。

──キャラクター原案は、どんな形で作業が進んでいたのでしょう?

村田:この頃はまだ自宅で作業をさせて頂いていて…各キャラごとの大体のイメージを伺って…確か、去年の10月頃に、最初の翔梧のラフをお渡ししました。その時、翔悟は「髪型がアグレッシブ過ぎるので、もう少し普通っぽい感じがいいなという指摘を頂きまして(笑)
 空手をやっているキャラだったので、めちゃめちゃ熱血キャラなのかな~?と勘違いしまして。…そこまでじゃない、と(笑) でも、僕の手が遅くて、1月、2月になってもなかなかお返事できなくて…。

宇田:いやいやいや(笑)

村田:ハハハハ…それで、最初のラフをそのままもう通して頂いた形ですよね。

宇田:頂いたラフを元に、キャラクターデザインの大西亮君が、アニメ作画的な補足しながらキャラクター表を完成させていった、という感じですね。今、公式サイトのキャラクター紹介で使われているイラストが、それにあたるものです。

村田:大事にしたのは、キャラクターが並んだ時、シルエット差が出るようにという部分。細かいところに、キャラクターが際立つ部分が入れられるとよいな、と思ったんですよね。ルークをデザインしたときは、水のボーンファイターなので、衣装の襟の部分をサメのヒレのイメージにしてみたり。
 ギルバートは、衣装は最初から決まっていたお坊ちゃんっぽいデザインをそのまま使用させていただきました。イメージ的にはストリートダンサー系のアントニオと対になっているというか……。

宇田:アントニオは、スラム街で育ったガテン系という設定でしたからね。

村田:タイロンは、最初はもっと屈強なアフリカンが派手な衣装や装飾品を身に付けているイメージだったんですけれど、アニメーションで動かすのがかなり大変、というのもあり…相談していくうちにモヒカンとマントに落ち着きました。

宇田:そうですね、タイロンは手直ししていくうちに少しずつ方向性が変わっていったキャラクターでした。確かカラフルなバージョンもあったんですが、他のキャラクターとのバランスが悪くなってしまって、結局今の色に落ち着いたんです。
 …彼にはチームの精神的な重石っていう役割を持たせたかったので、派手だと扱いに困ってしまうんですよ。声を安元洋貴さんにお願いしたのも、落ち着いた声質が良いなあ…という狙いで。

村田:ギルバートが登場したことで、物語が俄然おもしろくなりましたよね。

宇田:ギルバートは、「自分のポリシーがはっきりしている」キャラクターにしたかったので…とにかく生意気に。…でも、翔悟と同い歳にすると、すぐケンカになってしまうかなと思いまして……翔悟より少し幼い「13歳」という年齢にしました。

村田:人間関係を混ぜ返すキャラが出てきてチームが活性化してくると、ルークは上と下との板ばさみにあって……まさに「中間管理職」の様相ですね(笑)

宇田:年齢的にも22歳。一人だけ成人だからねぇ…(笑) 

●ルークは「タキシード仮面」だった!?

村田:ルークはどうもネタにされやすい子みたいですね。見た目と違って、ちょっとかわいいからですかね? 甘党だったり(笑)

宇田:……当初はこういうキャラじゃなかったんだけど(笑)

村田:板挟みで頭を使ってるから、甘いものが食べたいんでしょうね(笑) 僕は2話で満月をバックに登場し、アントニオとタイロンに突っ込まれているところを見て、「あぁ、コイツはいじってもいいキャラなんだ!」みたいな感覚になりました(笑)

宇田:そうそう(笑) あの時も勝手にキャラが動いちゃったんですよ。「竜神翔悟!!!」って叫んでビルの上に立ってたたら、翔悟が「変なのキター!!」って(笑)

村田:ものすごく謎めいたキャラですよね。

宇田:僕の中でルークは「タキシード仮面」なんですよね、きっと。

村田:あぁー! 『セーラームーン』の!

宇田:…『セーラームーン』も僕、演出で関わらせてもらってましたからね。あの時も「…コイツどこから登場させる? どこに立たせる!?」みたいな感じでしたし。…今回は、スタッフも笑ってましたよ(笑)

村田:………だから月をバックにしたんですか! なるほどなぁ(笑)

宇田:そんな経緯もあったので、つながりを考えてわざわざ1話の背景の月を満月に修正したりとか(笑) …ギリギリのとことで、変なことをやってます。

●作り手とキャラクターがシンクロする!!

村田:回を重ねるごとに、キャラがだんだん濃くなっていく感じって、すごくいいですよね。

宇田:漫画もそうじゃないですか(笑)

村田:…確かにそうです(笑) でも、二人のキャラが一緒にいたら、きっとこういうことをするよな…とすぐ想像できる状態って、よく言う「キャラが立っている
ということだと思うんです。それでいうと、マジンボーンのキャラは本当に描きやすいんですよ(笑)
 すごくキャラが立っていて、いい作品だなって思います。監督がおっしゃったように、何をさせても、それぞれの個性が勝手に見えてくるっていう……。そんな感じでイメージを膨らませています。

宇田:でも、ラクガキとして描いてくださっても「違和感がない」ってことは、村田先生の中でもキャラが生きていて、シンクロしているんだなって思いますよ。

村田:…こんな風に作品を通じて、監督さんと以心伝心できるのが、原作付きの作品に関わる醍醐味です。…それぞれの頭の中のことなので、しっかり意見のすり合わせをしないと、キャラクターのイメージがズレてしまうことはよくあって。
 …そのせいで、後々の展開でつじつまが合わなくなることもありますもんね。……実は「村田くんがこう描いたから、こう変えざるを得なかった」ということが以前あったりして、かなり反省したんですが……。

宇田:でも、相手の投げてくれたイメージから発展することもあるし、少しくらい整合性が取れていなくてもいいんじゃないかな。…というか、作り手がノッている時って、少々破綻していても「面白いんですよね。自分のアニメ人生の中でも、ノッている時のものは、少しくらい絵や背景が荒れていようと、そこには目をつぶれるくらい面白かったんですよ。

村田:ありがとうございます! そう言っていただけると……結構危ういものを描いているので(笑) やっぱり作品への愛情があるか無いかは、出ますよね。

宇田:そうなんですよ! 出ますよねー。どんな綺麗な画面でも、なんか流し仕事になってると感じた仕事は、「一回観たら、もういいか!」ってなっちゃうんですよね。その点『マジンボーン』は絶対に大丈夫ですよ! こういうファンイラストを村田さん自身が描いてくれると、「あっ、先生もノッてるんだ!」とファンも思うわけです。それがアニメとしての勢いにもつながり、ちょっとずつ面白くなっていくんですよ。

村田:そうだとうれしいですね。実際に本当に楽しいです(笑)

──前篇はここまで! 対談の後篇では、アニメ制作の裏側や村田先生の原画参加体験について語ってもらったぞ! 6月16日(月)更新予定なので、絶対に見逃すな!

~profile~
監督:宇田鋼之介
静岡県出身。1966年生まれ
【代表作】
『ONE PIECE』、『ラブ★コン』、『銀河へキックオフ!!』、映画『虹色ほたる』
東映作品を始め多数の作品を手がける、日本が誇るアニメ監督!

漫画家:村田雄介
宮城県出身。1978年7月4日生まれ
公式ツイッター @NEBU_KURO
【代表作】
現在「となりのヤングジャンプ」で『ワンパンマン』を大好評連載中!
『アイシールド21』、『ヘタッピマンガ研究所R』、『曇天・プリズム・ソーラーカー』の作画を担当する。

■■■「マジンボーン」番組情報■■■
毎週火曜日夕方6時30分からテレビ東京系6局ネット/毎週木曜日夕方5時30分からBSジャパンにて 放映中
[見逃し配信]最新話は毎週金曜日昼12時より公式HP、GyaO!、バンダイチャンネルにて1週間無料配信!
★7月3日(木)までの期間限定で一挙無料配信中!公式HP、GyaO!、バンダイチャンネルにて

>>アニメ『マジンボーン』公式サイト

(C)BANDAI・東映アニメーション・テレビ東京
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