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アニメ『マジンボーン』宇田氏&村田先生ぶっちゃけ対談!? 後篇

アニメ『マジンボーン』宇田シリーズディレクター×キャラクター原案 村田雄介先生ぶっちゃけ対談!? 後篇

 制作スタッフスペシャル対談企画第2弾の2回目!
 前回に引き続き、アニメ『マジンボーン』シリーズディレクターの宇田鋼之介監督と、キャラクター原案を務めた漫画家の村田雄介先生のお二人からお話を聞いたぞ!
 漫画とアニメの違いや、村田先生が実際に作業をされたときの話など、ここでしか見れない極秘情報が満載だ!

●”伝えること”が何より大事──

村田:今回、アニメーターとして参加させていただいたんですが、その中で何より大切だと感じたのは、自分の「意思
を次のセクションの方にしっかりに伝えることです。漫画の場合、スタッフさんと直接コンタクトを取りながら指示できるのですが、アニメの場合は、お互いの作業時間が食い違いますからね。「あとはお任せしてチェックお願いします」…という形になるので、絵を描くだけではなくって、自分がどういうつもりで描いたのかを伝えておくことが大事なのだな、と。…勉強させていもらいました。

宇田:原画の次のセクションは動画になるのですが、「中割り」(※注:動きの途中をつなぐ作画工程の1つ)を作るにしても、色を塗るにしても、事細かく指示しなきゃいけない。…さらに作業工程でいうと、撮影さんに絵の動きのタイミングも伝えなきゃいけないし、演出効果として、カメラワークやフィルターワークを「こういう風にしたい
と指示する必要があります。なので…自分のイメージを文章や記号を使いながら正確に伝えるのが、非常に重要なのです。

村田:確かにそこには苦労しましたね。

宇田:ちなみに、アニメの制作中って、他のセクションの人と顔を合わせることって、ほとんど無いんですよ。だからこそ、自分の顔を知らない人達に、「自分のやりたいこと」をどうやって伝えればいいか、というのは、アニメーション制作の上で一番大変な部分でもあるわけです。

●自分の中のストライクゾーンを設定する

村田:…以前、ある作品の絵コンテを見させていただいたことがありまして。…完成品と見比べると、監督が意図した表情とか仕草が、作画の段階で取りこぼされている事もあるんだな、と思ったことがあって。…そういうことが起きないように、絵コンテも読み込まなきゃいけないなぁと。

宇田:そうですね。『ONE PIECE』でキャラクターデザインを担当していた小泉さんは、よく「僕は監督の絵コンテを忠実に再現するのが仕事」と言ってました。それは、”指示された通り”じゃなくて、”監督が何をやりたかったかを理解したうえで描くのが僕の仕事”という意味ですが。
 …こういう考え方は、すごく有り難いんですよ。正直なことを言うと、演出家が1枚の絵コンテに込めた「自分の頭の中にイメージもの」がそのまま画面になるということは、あんまり無いので。

村田:自分で描いた方が早い。……という監督さんもいるらしいですしね。

宇田:確かにそういう方もいますね(笑) でも、監督としては、ある程度のベクトルとストライクゾーンを設定してはいるものの、仮に外角ギリギリいっぱいにボール半分が外れていようが、自分の中で「OK」と思ったら、GOサインを出して渡してしまうわけです。

村田:ここに関してはストライクゾーン狭めで、ここは広めに取っておこう、みたいな感じですか?

宇田:そうですね。…もちろん、カットによってはストライクゾーンをかなり狭めなきゃいけないんですが、普段はストライクゾーンを広めにとっておくと、いい方向で自分が予想もしなかったものが投げ込まれてきたり、「僕1人だったらこういう絵にはならないなぁ」というのがあがって来て、面白みが出たりします。…これがアニメーションを集団作業の中で作りあげていく、一番の魅力だと思います。ただ、それぞれが勝手にやってしまうと、あまりにバラバラになってしまうので、僕たち監督が調整していくイメージでしょうか。

村田:なるほど、勉強になります。

宇田:ストライクゾーンが非常に狭い方もいらっしゃいますけど。それこそど真ん中のストレート以外はダメだったり(笑)

村田:その間合いを測るのも、作画スタッフが勘を働かせる大事なところです(笑)
漫画でも、イラスト発注で「好きにやってください」といわれることがあって、そうやって好きに描いたときに限って、ボツが出るんですよ(笑) 「好きに描いていい」言ってたじゃないかって(笑)

宇田:ストライクゾーンがあるなら最初から指示入れてくれよ! みたいな(笑)

村田:やっぱり、多少はそういう枠が欲しいな、とは思いますよね。

宇田:演出も、打ち合わせのときにうまく言葉を選んで伝えているんです。絵コンテの通りに描いてほしいときは「こうです」と断定した口調にします。その代わり、自由にやって欲しいときは、「このキャラクターはこんな風に考えてると思うんですよね~」みたいな、軽―い感じに伝えています。
 そうするとアニメーターさんも「このキャラクターはこういう風に考えていたなら、きっとこんな動きをするだろう…と、自分の色を出してくれるんですよね。

村田:そういうのを伝えてもらえると、こちら側としてはすごくありがたいです。

宇田:ですよね。それは村田さんも自由にやるタイプだからだと思いますよ。僕も先輩から「あんまり丁寧に絵コンテを描くな! ガチガチに描くと、こうじゃなきゃいけないのかな、と思われるって怒られたりもしました。「それじゃアニメーターさんはそれ以上のものを描いてはくれないよって。
 でも逆に、詳しく指示されたほうが楽っていう人もいるので、難しいところですよね。

●『マジンボーン』の今後の展開から目が離せない!!

宇田:今後の『マジンボーン』ですが、一言でいうと、今は地球側というか『翔悟』側からの視点ばかり描いています。でも今後はダークボーン側にも色々出てきて……。彼らの内情とかが、ストーリーに大きく影響を及ぼしてきます。
 新しく中枢となる敵が出現したり、タイガーとウルフの登場で、地球側もみんながみんな一枚岩ではないんだ、ということにもなってきます。その中で、翔悟はいろんなことを考えて「そもそもこの戦いは何なんだ!」という本質的なテーマになっていきます。そこはお楽しみにという感じですね……って、一言じゃないじゃん!(笑)

村田:僕が原画を描かせてもらったのは、12話のHUMMERが爆走して、自動車道に突っ込んでいくシーンです。ガードレールをぶち破って、橋から思いっきり飛び降りるんですよ。なんでそこらへんのシーンをぜひ……、ってシーンだけ見てっていうのもおかしな話ですよね(笑) 
 全体を通しての作品ですし、他のスタッフさんの仕事もぜひ見てください!

宇田:ファンのみんなはやっぱり興味ありますからね(笑)

村田:とにかく、12話を楽しみにしていてください!

宇田監督、村田先生、本当にありがとうございました!

~profile~
監督:宇田鋼之介
静岡県出身。1966年生まれ
【代表作】
『ONE PIECE』、『ラブ★コン』、『銀河へキックオフ!!』、映画『虹色ほたる』
東映作品を始め多数の作品を手がける、日本が誇るアニメ監督!

漫画家:村田雄介
宮城県出身。1978年7月4日生まれ
公式ツイッター @NEBU_KURO
【代表作】
現在「となりのヤングジャンプ」で『ワンパンマン』を大好評連載中!
『アイシールド21』、『ヘタッピマンガ研究所R』、『曇天・プリズム・ソーラーカー』の作画を担当する。

■■■「マジンボーン」番組情報 ■■■
毎週火曜日夕方6時30分からテレビ東京系6局ネット/毎週木曜日夕方5時30分からBSジャパンにて 放映中
[見逃し配信]最新話は毎週金曜日昼12時より公式HP、GyaO!、バンダイチャンネルにて1週間無料配信!
★7月3日(木)までの期間限定で一挙無料配信中!公式HP、GyaO!、バンダイチャンネルにて


>>アニメ「マジンボーン」公式サイト

(C)BANDAI・東映アニメーション・テレビ東京
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