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福山潤さん&平川大輔さんが参加した『巌窟王』トクショーレポ

福山潤さん&平川大輔さんが作品への想いを語る――『巌窟王』10周年記念上映会トークショーレポート

 2014年11月23日(日)、神奈川県横浜市にあるブリリア ショートショート シアターにて、アニメ『巌窟王』の10周年を記念した全話上映会が行われた。

 イベントでは、本編上映前にアルベール役の福山潤さん、フランツ役の平川大輔さん、制作陣から監督の前田真宏さん、脚本の神山修一さんを招いてのトークショーもあり、それぞれが作品に対する想いや当時のエピソードなどを熱く、そして楽しげに語った。本稿では、そんなトークショーの模様をお伝えしていこう。

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●『巌窟王』に対する福山さんの愛が溢れ出したトークショー


 トークの始まりは、放送開始から10年が経ってみての心境が話題に。みな一様にこの10年は早かったと感じたようだが、福山さんや平川さんは当時声優としては新人にあたり、その頃が一番大事な時期だったという。当然、こうして10年経って全話上映会のようなイベントができるとは思っておらず、そう考えると10年はやっぱり大きいとの感想を述べていた。

 また、当時のことについて福山さんは、アフレコ時に絵が100%揃っている状態で最初から最後まで演じられる環境にあったという。「この作品をこのレベルでやらせてもらう機会は一生ないだろうという気持ちでやっていました」と話しており、実際に10年を振り返ってみても、放送時期が延びて偶発的にというケースを除けば、100%絵が揃えられた状況には出会わなかったとのこと。

 前田監督からは、そうした環境づくりもテーマのひとつとして掲げていたことが明かされた。アニメーション制作の作業というのは往々にしてスケジュールが押すことが多く、そのしわ寄せは役者の演技や編集など、現場に行ってしまう。前田監督は音も重要だと考えており、「極端なことを言えば、紙芝居でも音がちゃんとしていれば物語りは作れると思っています」とのことから、現場にしわ寄せが行く悪循環を断ち切ろうとしたのだ。

 そうした環境を作るため、前田監督から神山さんにプレッシャーをかけることもあったようだが、当の神山さんは「胃が痛くなって原稿が遅れていくんですよね(笑)」と当時を思い出して笑い話へと変えていた。

 トーク中は福山さんから前田監督や神山さんに質問が投げかけられることも多かった。そのひとつが、脚本の段階で物語をどのように構築していったのか、という内容だ。これについて前田監督から当時のことが語られた。

 本作は『モンテ・クリスト伯』という小説が原作になっているが、45歳の男の復讐を男目線で描き、アニメユーザーに届くのか、最後までやり切れるのか、との考えがあったようだ。そこで、「復讐される側にしよう!」という発想が生まれ、アルベールが主人公に。無垢な16歳の少年が、身に覚えがないにも関わらず変な出来事が降りかかってくる、そんな導入であればユーザーの心を掴めるのでは、となったのだ。

 真面目な制作話も一転、そのアルベールの純粋さもあってか、福山さんが当時はやたらと「アホベール」と呼ばれていたことを思い出したり、平川さんもアルベールに振り回されるフランツは「フビンツ」と呼ばれていましたよねと、笑い話で盛り上がった一幕も。

●なか卯でひらめき、紙ナプキンにプロット。今語られる制作秘話

 トークの話題は尽きず、感情移入した話はどこかについては前田監督が「アルベールと伯爵が宇宙船でお別れするシーン」を挙げたり、当時スタッフ同士でのやり取りについては神山さんが「もうよく覚えていないのですが(笑)、毎回深夜まで打ち合わせして終電がなくなったりしていました」とのエピソードを語る。打ち合わせで深夜になることが多く、前田監督も会社からの帰り道にあるなか卯でご飯を食べつつ、ひらめいたプロットやアイディアを紙ナプキンにメモすることさえあったのだとか。

 こうした話が展開したのは、『巌窟王』が好きすぎるといっても過言ではない福山さんの好奇心がきっかけだ。制作の実作業、例えば会議での話し合いやアイディアを出す上での戦いがあったのかなど、気になることは多いものの、当時は怖くて聞けなかったという。それをこの場でガンガン質問していったというわけだ。

 トークにはMCを務めていた橋本太知さん(当時のプロデューサー)も少しずつ加わり、GONZOがやりたかったことなどにも話が及んだ。当時はとにかく喋るアニメが作りたいという想いがあり、『巌窟王』をやることになったのも原作に魅了されたことが大きいという。

 前田監督も「とにかくセリフが多くて翻訳調」と話を補足。この翻訳調というのは、一見すると「何をしゃちほこばった言い方を……」と思うかもしれないが、音読してみると「いいなぁ」と思えるのだとか。監督の個人的な気持ちとしては、原作版をアニメのキャストでオーディオCDで表現してみたいという希望があるようだ。これには会場からは拍手が沸き、福山さん平川さんもやりたいと意欲を見せていたが、本当に実現するかは…果てさて、今後のお楽しみといったところか。

●『巌窟王』にまつわる福山さん、平川さんの思い出

 制作の話はまだまだ続く。アニメでの表現方法、見た目のゴージャスさをテキスタイル(生地)で表現したいとのことからテクスチャを使った手法が取られたこと。前田監督は伯爵のテーマをチャイコフスキーの「マンフレッド交響曲」だと決めていたのに、作曲家がしれっと曲を作ってきて「こっちの方が良くないですか?」とせめぎ合いになり、ほかのスタッフはその楽曲を支持して監督が折れたこと。

 書いても書いても書ききれないほど話題は豊富だったが、役者陣にもそういった戦いがあったのか、当時のオーディションやキャスティングはどうだったのかという内容もあったので、そこにも触れていきたい。

 オーディションについては、今でこそアルベールが福山さん、フランツが平川さんの配役になっているが、当時平川さんはアルベール役でオーディションを受けていた。事務所からオーディションの連絡が来て原稿を読み、初めて「この役、絶対に取りたいです!」と宣言するほどの入れ込みだったという。

 しかし、届いた知らせは「受けていただいた役はダメでした」との結果に。この連絡を受けたときのことは今でも覚えているようで、新宿の小田急1階、JRの入り口付近でガックリと崩れ落ちてしまったという。ただ、親友の役に決まりました、とのことでフランツ役に選ばれる。

 平川さんは当時のことについて「オーディションの原稿にあったフランツのセリフが説明ばかりで、演じる人は大変だなって思っていました(笑)」と話しており、そんな大変な役に抜擢されたことを笑いながら振り返っていた。今となってはフランツに選ばれて良かったと、「一生忘れられないキャラクターですし」ともコメントしており、嬉しさを噛み締めていた。

 福山さんも思い出話として、『巌窟王』に最初に触れたのは雑誌で情報を見たことだと話す。「『モンテ・クリスト伯』をアニメ化したこういうものをやりたいんだよな」と思いつつも、当時は新人だったため、自分には縁がないと諦め気味だったそうだ。

 また、『巌窟王』のオーディションの連絡が来る前には、別の作品でオーディションを受けていたことにも触れられた。その結果は福山さんの声優人生の中で一番早く落ちるという残念なものだったが、異例とも言える早さで落ちたからこそ、『巌窟王』のオーディションを受けられるスケジュールが組めたとのこと。

●会場では名シーンを生で再現


 聞き応えのあるトーク後は、事前にTwitterで募集されていた福山さんと平川さんに喋って欲しいセリフを言ってもらうアフレココーナーとなった。

 最初に選ばれたのは、第17幕。アルベールが伯爵に「希望という言葉を教えてくださったのは、伯爵! あなたではないですか!」というシーン。同じく17幕からはアルベールとフランツが再開する場面も選ばれ、二人の掛け合いには大きな拍手が沸いた。

 ほかにも、とあるシーンが選ばれスクリーンにその絵が映し出されたのだが、この上映会で初めてアニメを見る人もいたため、ネタバレを避けて、代わりに第9幕でフランツが「結婚することだけがそいつらを幸せにする方法とは限らない。そう思わないか」とマクシミリアンに話しかけるシーンが披露された。

 こうして盛り上がったトークも終わりの時間となり、最後にはオールナイトで全話を視聴する観客たちに登壇者からメッセージが送られていた。


>>アニメ『巌窟王』公式サイト
>>「巌窟王」オールナイト上映会 公式Twitter
>>GONZO公式HP

(C)2004 Mahiro Maeda・GONZO/KADOKAWA
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