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TVアニメ『リゼロ』小林裕介さんが語るスバルのウザさの秘訣とは

TVアニメ『リゼロ』オールナイト上映イベントで声優・小林裕介さんとスタッフ陣がディープなトークを展開! スバルのウザさの秘訣とは

 2016年4月より好評放送中のTVアニメ『Re:ゼロから始める異世界生活』(以下、リゼロ)のオールナイト上映イベントが6月18日(土)深夜、東京・角川シネマ新宿で行われました。

 イベントでは放送済みの1話~11話までの振り返りとオンエア前の12話の先行上映に加え、ナツキ・スバル役の小林裕介さん、KADOKAWAのプロデューサー・田中翔さん、WHITE FOXのアニメーションプロデューサー・吉川綱樹さん、KADOKAWAのMF文庫J担当編集・池本昌仁さんによるトークショーを実施。深夜開始のイベントならではのディープな話題で大いに盛り上がりました。本稿では、4人が繰り広げたトークショーの模様を中心にレポートとしてお届け!

 
■ レムとラムのデザインには様々な道のりが……

 いよいよ王候補者たちが勢ぞろいするTVアニメ『リゼロ』第三章。その幕開けとなる放送直前の12話が先行上映されるということで、深夜0時開演のイベントにも関わらず、たくさんの『リゼロ』ファンが詰めかけて満員御礼。

 まずスタッフ陣によるトークコーナーからスタート。KADOKAWAの『リゼロ』宣伝プロデューサー・吉武真太郎さんを進行役に、KADOKAWAのプロデューサー・田中翔さん、WHITE FOXのアニメーションプロデューサー・吉川綱樹さん、KADOKAWAのMF文庫J担当編集・池本昌仁さんが登壇します。対して、来場者はアニメからのファンだけでなく、原作からの『リゼロ』ファンも多数。何と海を越えてシンガポールから来たという方もいるほどでした。

 最初は『リゼロ』が書籍化されたきっかけの話題が挙がります。WEB小説から書籍化に導いた池本さんは「2013年の4月頃、ツイッターのタイムラインが一瞬、「『リゼロ』という作品がおもしろいよ」という感想で染まったんです。試しに読んでみたらすごくおもしろくて、特に死に戻りのループがよくハマっていたし、セリフやシーンも読み手にちゃんと語りかけてくるんです。ただWEB小説なので文字量がすごく多くて、例えば第二章は文庫2巻分の内容ですが、文庫におとしてみたら1,000ページを超えていて2冊に収めるのも難しいと。そこを編集していく作業がつらかったですね」と当時を振り返ります。

 続いて、原作のイラスト担当の大塚真一郎さんのラフ原案画像も披露。WEB小説版を前もって読んだ大塚さんがイメージして描いたとのことで、スバルについては池本さんいわく「初稿ではちょっとハードですね。ケンカ早いところを反映したのかな?」とのこと。また、幾度かの修正の中で「スバルなのでカッコよくなり過ぎても困る」というオーダーもあったそう。エミリアは「正ヒロインとしてちゃんとE・M・T(エミリアたん・マジ・天使)できないといけないので、色味にもこだわって修正オーダーを出した」のだとか。

 レムとラムのデザインについては、「「かわいいメイドを」のオーダーから本格的なメイド服」→「鬼感を取り入れた和風のメイド服」→現在の形になったそうです。ラフ画像を一通り見た後、吉川さんは「初めの稿のほうが線が少なくて、アニメに優しいデザインでした(笑)。可愛さは今の方が良いんですけど(笑)」と意外な発言も。

 
■原作サイドとアニメサイドはかなりの協力関係!

 『リゼロ』をアニメ化しようと思った理由として「アニメ化できそうなおもしろい原作がないか、池本君に尋ねたら勧められたんです。WEB小説で読んだらスバルがカッコよくて。僕はカッコいい主人公が好きで、ヘタレでも最後まで頑張る姿は見てくれる方も共感してくれるかなと」と田中さん。またWHITE FOXにアニメ化の打診をした理由を「物語を緻密に丁寧に作ってくれる会社で、原作をリスペクトした上でおもしろくしてくれると思ったので是非やってほしいなと思い、プレゼンしました」と、裏話を語ります。

 吉川さんはWHITE FOXの社長からアニメ化について相談されたそうで、原作を読んだ上で「成長する主人公のほうがエンターテイメントとしておもしろいだろうなと思ったし、『リゼロ』は物語にもギャップがあって、放送コード的に大丈夫だったらいいんじゃないですか」と答えたとのこと。

 スタッフ組みについては「大塚さんの絵のやわらかさを出せる人で、かつ2クールでクオリティが維持できて作風にハマる方、と考えて坂井久太さんにお願いしました。渡邊監督はうちの別作品の原画で参加されていて、説得力があるレイアウトが描ける方だなぁと思っての直感です」と吉川さん。

 WHITE FOXが手掛けることを聞いた池本さんも「過去のWHITE FOXさんの手がけた作品を見て原作の狂気的なところも含めてきちんと表現してくれる会社だと思ったので、とてもうれしかったです」と思ったそうです。

 また原作の長月達平先生は脚本会議、アフレコ、ダビングに立ち会っているそう。原作サイドとアニメ制作サイドはかなりの協力関係が築かれているようです。ちなみに、スタッフ間の話し合いで難航したのは最終話の第25話。池本さんによると、原作のどこまでをアニメでやるのかは、かなりスタッフ陣を悩ませたとか。


■ スバル役の小林さん登場! スバルの印象と演じ方とは?

 そしてここで、ナツキ・スバル役の小林裕介さんが登場。小林さんはスバルと同じジャージ姿で「こんな時間に、こんなところにいるなんて、お前ら全員、鬼がかってるぜ!」と絶叫。そして「今日はキャスト1人で寂しいなと思っていたらスタッフさんがこんなものをくれました」とジャージのジッパーを開けると、中にはレムとラムがプリントされたTシャツが。

 小林さんを交えてのトークはキャスティングオーディションの話に。スバル役が小林さんに決まった経緯は「ゲスさがダントツで。送られてきたテープを聴いた時から一択でした」と吉川さん。「最初にPVを作った時、監督とお会いしたら小林さんの声のゲスさに迷わず決めさせていただきました、と言われまして。そんなこと言われたのは初めてで、新しい扉が開けたかなって(笑)」と小林さんも嬉しそうです。

 「他のオーディションに比べてセリフ量がめちゃくちゃ多くて。テープ審査の段階で、第8話でスバルが泣くシーンがまるまるありました」と振り返る小林さん。これには「音響監督に怒られました。原稿が長いよって(笑)」と吉川さんも苦笑い。またキャラ絵を見た小林さんは「ポケットに手を突っ込んで目つきも悪く、「これが主人公?」っというのが第一印象でした。今まで演じてきたキャラ系の声色では絶対に絵に合わないと思い、自分が思うガラの悪さを前面に出してみたらああなりました。けど台詞からは素直ないい子の印象をうけたので素直な喜怒哀楽をつけて演じるよう心がけてます」と演じる上で意識したポイントを語っていました。

 スバルを演じていく中での変化については「オーディションのセリフから喜怒哀楽の振り分けが多くて、大変そうだなと思ったけど、その10倍大変でした(笑)。ぶち切れるし、だだ泣くし、感情の出方が150%くらいのシーンが毎回必ずあって、いつも違う引き出しを要求されています。毎回やりがいを感じてますね」とかなり大変な様子。収録中、小林さんの熱演に、スタッフ陣もモニターに釘付けになることがよくあるとのこと。

 エミリア役の高橋李依さんの演技の印象は「エミリア役を李依ちゃんがやると聞いた時、ピッタリだなと。声色がすごくやわらかくて、清楚な役は合うだろうなと思ってアフレコしたら想像通りで、感動しました」(小林さん)、「等身大でめっちゃかわいい。普通の子という部分を重視していて、高橋さんの素っぽさや清楚感がぐっときました」(池本さん)と、みなさんにも大好評。

 収録現場の雰囲気はとてもいいそうで、小林さんも楽しそうにトークを展開させていきます。「途中から参加されると展開や死に戻りがわからない方も多いのでよく僕のところに聞きに来てくれます。そしてキャストさんとの距離も縮まって、ワイワイガヤガヤ楽しい感じです。その雰囲気をアフレコが始まるとスバルが壊して、最終的にはしーん、と(笑)。二章の時なんかはパートが終わった直後は誰も僕に話しかけられず、パック役の内山夕実さんだけが「アメなめる?」って和ませてくれた時がありました(笑)」と語り、会場も笑い声が巻き起こっていました。

 
■ 物語が加速していくこれからの見どころは?

 トークショー終了後の振り返り上映に臨むお客さんへの注目ポイントもアドバイスしてくれました。

「1回見ただけではわからない伏線がアニメには散りばめられていて、2回目で驚きや感動できる場面もたくさんある作品です」(池本さん)、「ちょっとしたキャラの表情や仕草、間に監督がすごくこだわっていて、後になってその時のキャラの気持ちがわかる演出があるので注意して見ていただければ」(吉川さん)、「エミリアにスバルがひざ枕されるシーンで、エミリアの顔でなく、胸が気になってしまったのでそこを凝視してもらえたら(笑)。」(田中さん)、「死に戻るたびにスバル以外は気持ちをリセットして演じなければいけなくて。通して見ると顕著にわかると思います。『さっきの終わりより冷たくなってる』とか、スバル以外の人たちの気持ちの戻りようと、すべてを知っていて空回るスバルを見てください」(小林さん)。

 先行上映される12話については池本さんが解説。「これまではスバル君が偶然会った人たち、屋敷に移動して会った人たちと偶然性で会った人たちのお話でしたが、ここからこの世界全体に関わるような、お話を動かす人たちが今までの3倍出てきます。でも全員、個性的で、2、3回見ればキャラの名前も顔も一致すると思います」と池本さん。

 さらに12話から登場する新キャラの紹介も行われていきます。「プリシラは、世界は私のために回っているという上から目線のキャラ。アルデバランは胡散臭い男をイメージしてます。ヴィルヘルムは珍しいおじいさんキャラですが物語に深く食い込んできます。アナスタシアに関してはカララギ弁という特殊な方言を使うキャラで上手にやってほしいなと思っていたら植田佳奈さんがバッチリやってくれました」。

 トークショーの最後には、小林さんのサイン入りポスター4枚をかけてのジャンケン大会も開催され、会場は大いに盛り上がりました(小林さん、田中さん、吉川さん、池本さんがそれぞれ1名決まるまでジャンケンで、スタッフ陣がお客さんとジャンケンする姿はシュールかも)。

 アニメのED曲「STYX HELIX」が流れるとトークショーも終了のお時間。「今回はED曲が流れるんですね」と吉川さんが言うと場内も爆笑。そして出演者の皆さんからごあいさつ。最後は小林さんの「これからが本番ですから。振り返り上映でうっかり寝てしまうとスバルみたいに死に戻りしちゃいますよ(笑)。最後まで楽しんでください」というコメントで締めくくりました。

 たくさんの爆笑の中に、秘話やタメになるネタが散りばめられたトークの後の1~11話の上映では、ストーリーが進む中で変わっていくキャラたちの言動や表情の意味がわかって「なるほど!」と思ったり、テレビでの放送では見逃していた細かい描写がわかったりと『リゼロ』の復習に加え、再度その魅力にひたれたイベントでした。


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■ 作品情報

【放送情報】
テレビ東京:毎週日曜日 深夜1:05~
テレビ大阪:毎週火曜日 深夜1:35~
テレビ愛知:毎週木曜日 深夜2:05~
AT-X :毎週金曜日 夜10:00~
[AT-X リピート放送]
毎週日曜日 夜11:00~
毎週月曜日 午後2:00~
毎週木曜日 朝6:00~
※放送日時は予定となります。予告無く変更になる可能性がございます。

【ストーリー】
コンビニからの帰り道、気が付くと異世界へとやってきてしまった普通の高校生、菜月昴。右も左も分からない異世界に放り出され、途方に暮れていたスバルに手を差し伸べたのは美しい銀髪の少女だった。絶望から救ってくれた少女に何かお返しがしたいスバルは、少女の探しものを一緒に探すことになるのだが……。



【スタッフ】
原作:長月達平(MF文庫J「Re:ゼロから始める異世界生活」/KADOKAWA刊)
キャラクター原案:大塚真一郎
監督:渡邊政治
シリーズ構成:横谷昌宏
キャラクターデザイン・総作画監督:坂井久太
プロップデザイン:鈴木典孝、岩畑剛一
美術設定:金城沙綾(美峰)
美術監督:高峯義人(美峰)
色彩設計:坂本いづみ
撮影監督:峰岸健太郎(T2studio)
3Dディレクター:軽部 優(T2studio)
編集:須藤 瞳(REAL-T)
音響監督:明田川 仁
音響効果:古谷友二(スワラ・プロ)
音楽:末廣健一郎
音楽制作:KADOKAWA
アニメーション制作:WHITE FOX
製作:Re:ゼロから始める異世界生活製作委員会

【キャスト】
ナツキ・スバル:小林裕介
エミリア:高橋李依
パック:内山夕実
フェルト:赤﨑千夏
レム:水瀬いのり
ラム:村川梨衣
ベアトリス:新井里美
ラインハルト:中村悠一
エルザ:能登麻美子
ロズワール・L・メイザース:子安武人
ほか

<リリース情報>
■OPテーマ:鈴木このみ「Redo」
発売:2016年5月11日(水)
価格:初回限定盤 1,800円(税別) / 通常盤 1,300円(税別)
>>公式サイト

■EDテーマ:MYTH&ROID「STYX HELIX」
発売日:2016年5月25日(水)
価格:1,200円(税別)
>>公式サイト


>>TVアニメ『Re:ゼロから始める異世界生活』公式サイト
>>TVアニメ『Re:ゼロから始める異世界生活』公式Twitter(@Rezero_official)
>>Re:ゼロから始める異世界ラジオ生活

(C) 長月達平・株式会社KADOKAWA刊/Re:ゼロから始める異世界生活製作委員会
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