締め切りの朝起きたら原稿が真っ白だった!? なら世界を滅ぼせばいいじゃない! 『クオリディア・コード』ステージレポート【ファンタジア文庫大感謝祭2016】
2016年10月22日(土)に行われた、ライトノベルレーベル【ファンタジア文庫】のファン感謝イベント【ファンタジア文庫大感謝祭2016】。そのメインステージにて、先日最終回を迎えたばかりのTVアニメ『クオリディア・コード』のイベントが行われました。
ファンタジア文庫のイベントということで、前日譚小説のひとつ『いつか世界を救うために -クオリディア・コード-』を刊行し、『デート・ア・ライブ』などでも知られる原作者のひとり・橘公司先生が登壇!
さらに、キャスト陣からはアニメ『クオリディア・コード』だけでなく、『いつか世界を救うために -クオリディア・コード-』でも大活躍の神奈川四天王の八重垣青生役・雨宮天さんと佐治原銀呼役・藤原夏海さんが登場。放送が終わった今だから言える裏話や、作品と絡めたゲームコーナーで盛り上がりました。
青生の裏切りはバレバレだった……!?
『クオリディア・コード』の放送は先日終わったばかりということで始まった最初のコーナー「今だから語れる裏話 クオリディア・トーク」では、制作やアフレコ時の裏話が披露されました。
雨宮さんと藤原さんからは、アフレコ現場での話が飛び出します。現場では東京・千葉・神奈川の3陣営ごとにキャストが座ることになっていたそうで、それぞれが個性的なトークで場を盛り上げていたんだとか。また、アフレコ期間中には宇多良カナリア役の石川由依さんや橘先生の誕生日があったそうで、そのたびに嘴広コウスケ役の堀井茶渡さんがケーキを用意してくれたのだと語りました。
現場での盛り上げ役が千種霞役の内田雄馬さんだったことに話が及ぶと、内田さんが唐突にK-POPを披露し、朱雀壱弥役の斉藤壮馬さんがそこに乗っかってハモリをしたという話題が出ました。内田さんは何をやっても面白いそうで、これは2016年1月15日(日)開催予定のスペシャルイベントなどで実際に見てみたいところです!
雨宮さんにアフレコでの思い出深いエピソードを聞いた一幕では、「アオちゃんって裏切るんだよね?」とかなりの人に尋ねられていたことが明らかになりました。やはりアニメ本編での八重垣青生の描かれ方は、ほかのキャラクターたちとは様子が違ったのでバレバレだったようです。橘先生は、そんな青生を「いちばんいい子だったんじゃないか」と述べました。優しくていい子だったからこそ裏切った青生をはじめ、メインの首席・次席コンビ以外にも魅力的なキャラクターの多い『クオリディア・コード』。ぜひサブキャラクターたちの活躍にも目を向けたいところ。
ラノベ作家になればアニメのアフレコに行ける!
司会から原作の先生方が毎週アフレコに来ていた話が出ると、橘先生は「アニメ期間中は、作家の楽しみは収録だけ! そのために1週間頑張っている!」や、「作家になればアニメのアフレコに行けるんですよ!」と、会場のみなさんへ熱弁! 会場のライトノベル作家志望のお客さんたちの羨望のまなざしを集めました。
キャストのふたりから橘先生への質問コーナーでは、雨宮さんの最初から青生の裏切りは決まっていたという暴露がありました。オーディション時点の青生はナイフをちらつかせたりする尖ったキャラクターだったそうで、橘先生によると先の物語を書いて行けば書いていくほどいい子になっていったんだとか。ぜひそのオーディション時の尖った青生も見てみたいですね。
藤原さんからは、『いつか世界を救うために -クオリディア・コード-』での銀呼ら神奈川四天王の設定が、どういう経緯で作られたのかという質問が飛び出しました。すると橘先生から、前日譚小説を書くにあたって視覚、聴覚、嗅覚、触覚でストーキングするキャラクターを作りたかったことが明かされました。なぜ四天王なのかは、味覚で天河舞姫(CV:悠木碧さん)をストーキングするのは、さすがにヤバイと感じたからなんだとか。
締め切り日にまっさらな原稿。それを解決するために橘先生が考え出した〈世界〉は……!?
ゲームコーナーでは、「みんなで考えよう もしも〈世界〉があったなら」を実施しました。このコーナーは、出演者それぞれに出題される危機的状況。それを解決できる能力をその場で考えようというもの。なお、〈世界〉とは『クオリディア・コード』のキャラクターたちがそれぞれ持つ特殊能力のようなものです。
また、判定は会場のみなさんの拍手で行い、一番評価された人が主席としてご褒美の神奈川名物の肉まんとシュウマイのセットをゲットできることになりました。出題前には、作家先生なんだから橘先生はカッコいい世界を考えてくれるハズ! といった露骨なハードル上げがありましたが、果たして先生はどのような世界を考えたのでしょうか!?
それぞれに出題された問題は、橘先生が「締め切りの朝、目が覚めたら1文字も書いてなかった!」。これを聞いた橘先生は、「この締め切りは本当の締め切りですか?」と確認を取りました。どうやら橘先生によると締め切りには“締め切り”と“本当の締め切り”と“真の締め切り”の3つがあるようで、一部の作家(さがら総先生&渡 航先生)にはさらにその先の締め切りが用意されているんだとか……!! このトークで会場の笑いを攫うと、今回の締め切りはすでに何度か締め切りを伸ばした後の“真の締め切り”に設定されました。
雨宮さんへは、「アフレコの日、出かけようと玄関へ行くと無数の虫に取り囲まれた!」。藤原さんへは「満員電車に乗ったら、どこからか鼻がもげるような強烈な臭いが!」というお題が出されました。なお、橘先生が「時間を戻す」、雨宮さんが「殺虫剤が出る」、藤原さんが「消臭剤が出る」的な世界は禁止となり、能力名のネーミングセンスも評価対象となりました。
藤原さんは“感覚を操る者(フェイス・ドヴァース)”と回答。なんとこの能力、そもそも臭いを感じる器官である鼻を移動させてしまう能力だそうで、ドアに自分の鼻を移せてしまうんだとか!
雨宮さんは“苦を利ではモード”と回答しました。これは『クオリディア・コード』のタイトルとかけた能力で、苦境も利に感じるポジティブになれる能力だそうです。このネーミングセンスに会場からは拍手が巻き起こりました。
トリを飾った橘先生は“終焉(ジ・エンド)”。この能力を使うことで世界が滅びるという究極の能力です。確かに世界が無くなれば、締め切りだけでなく虫や臭いなど、どんな問題も消えてなくなります! この回答に会場からは称賛の歓声と拍手が起こりました。「締め切り当日に1枚も書いてない? そんな世界は壊してしまえ!」確かにその通りです!
会場のみなさんの判定は、橘先生の勝利! 見事勝利した橘先生には、主席の称号と肉まんとシュウマイのセットが贈られました。
コーナー終了後には、司会からここまで原作の先生方の稼働が多いのは『クオリディア・コード』ならではという話題が! 橘先生はこのことに一言もの申したかったようで、「少し(製作委員会の)マーベラスさんは作家というものを誤解していらっしゃる」とコメント。橘先生の言う通り渡先生を基準に考えたら、体よく喋れて歌って踊れる便利なヤツだと思ってしまうのは無理もないかもしれません。
告知&締めの挨拶では橘先生の相変わらずの舞姫推しが見られたり、Blu-ray&DVD第3巻に収録される書き下ろし小説の紹介がありました。TVアニメの放送は終了しましたが、まだまだ関連作の刊行やグッズの展開は続く『クオリディア・コード』。ぜひ何度でも楽しんでください!
[取材・文/胃の上心臓]
>>ファンタジア文庫 公式サイト
>>ファンタジア文庫大感謝祭2016 特設ページ
拗らせ系アニメ・ゲームオタクのライター。ガンダムシリーズをはじめとするロボットアニメやTYPE-MOONを主に追いかけている。そして、10代からゲームセンター通いを続ける「機動戦士ガンダム vs.シリーズ」おじ勢。 ライトノベル原作や美少女ゲーム、格闘ゲームなども大好物。最近だと『ダイの大冒険』、『うたわれるもの』、劇場版『G-レコ』、劇場版『ピンドラ』がイチオシです。