声優
『王様達のヴァイキング』是枝役・小野賢章インタビュー

2人の現代冒険譚を一緒に楽しんで! ムービーコミック『王様達のヴァイキング』是枝一希役・小野賢章さんインタビュー

第18回文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品、「マンガ大賞2015」第9位という実績をもち、ネット上でも話題になっている人気作『王様達のヴァイキング』(原作・さだやす、ストーリー協力・深見真、ビッグコミックスピリッツ、小学館)。

天才ハッカー・是枝一希とエンジェル投資家・坂井大輔がIT業界を舞台に「世界征服」を目指す、新時代の冒険譚がdTVの人気ジャンル<マンガ>として配信がスタートしました!

今回は話題のムービーコミックで主人公・是枝一希を演じる小野賢章さんにインタビュー! サイバーマンガならではのストーリーの魅力、小野さんのキャラクターとの向き合い方も語っていただきました。

▲左から、小野賢章&是枝一希(CV:小野賢章)

▲左から、小野賢章&是枝一希(CV:小野賢章)

 

ネットに強くなくても、難しいからこそハマる魅力がある!

——『王様たちのヴァイキング』はハッカーたちの攻防を描くサイバーマンガですが、初めて読んだ際どんな作品に写りましたか?

小野賢章(以下、小野):僕は割とネット系に疎いというか、そんなに詳しい人もなかなかいないのかなとは思うんですけど。ハッカーとかハッキングとかっていうサイバー系のことって、自分が知らないだけで、実際はあらゆるところで起こっていることなんじゃないかなとすごく感じたんです。『王様たちのヴァイキング』はそういう部分に触れることができるマンガで、今まで知らなかった、触れてこなかった世界にすごく夢中になって読んでいました。

——そういう世界ならではというか、難しい言葉とか多いですよね。

小野:難しいですね。用語とかはあんまりわからなかったというか(笑)。注意書きがあったり、最後の専門用語の解説の部分とかで説明されているんですけど、読んでもいまいち理解できなかったりもして。やっぱり難しいなっていうのは改めて思いましたね。

——ご自身が演じる是枝一希の印象はいかがでしたか?

小野:まず率直に、かわいそうだなって思いました。境遇というか、自分の過去のことで抱えているものがあって、話すのが苦手だったりもしますし。最初は、唯一の拠り所である犬の256(二ゴロ)と、圧倒的なPCスキルで生きているようなところから始まっていくんですけど、彼の中の「これしかないんだ」という強い思いを感じました。

あと、イマイチ掴めない部分もありますね。別に性格がすごく暗いというわけではないんですけど、ちょっと話すのが苦手な感じは出てきますし、気持ちを前に出す強い表情も見られますので、いろんな面を持っているキャラクターだなって思いましたね。

——そうですよね。特に「社会不適合者」という弱い面と「天才ハッカー」という強い面の2つのを強く感じます。演じるときの気持ちの面でどうやってその部分を変えていましたか?

小野:気持ち的なところでいうとやっぱり、一希が夢中になっているかそうじゃないかみたいなところですかね。最初はPCでクラッキングをやっているんですけど、それをやっている時の、「ネットの中だったら自分は自由自在に動ける」って夢中になっている感じと、実際に現実で人と話さなきゃいけないとか、生活をしていかなきゃいけないってなったときに、自分が自由にできないところとか夢中になれないところの“差”みたいなものが少しでも出たらいいなって思いながらやりました。

——本日の収録では、原作者のさだやす先生もいらっしゃったと伺ったのですが、先生からはどんなアドバイスをいただきましたか?

小野:まずは、是枝一希というキャラクターの説明をしてもらいました。僕も原作を読んでなんとなくイメージを作ってきたので「一回(アフレコで演技を)聞いてみてください」とお伝えして、「何かあれば言ってください」という風にやらせていただいたんです。結果的には「OKです」という返事をいただきました。

——小野さんの演技やイメージが、先生と同じだったということですね。

小野:だといいのですが。ただやっぱり、普段のところとPCを触っている時の豹変している部分とっていうところの「差をしっかり出せてもらえたら嬉しいです」みたいなことはおっしゃっていました。PCを触り出すといきなりスイッチが入るんですよね、逆に人と喋るといきなりどもりだしたりもするので。その微妙なニュアンスの違いは、演じていて難しかったですね。

——一希の印象的なシーンとかありましたか?

小野:最初の坂井さんに水をぶっかけるシーンは、これだけ大きく描かれているからというのもあるんですけど、話すのが苦手で人と馴染めないのにここまでやるっていうのは、PCに対してとか自分の今までやってきたことに対しての「これしかない」っていう強い気持ちの表れみたいなものをすごく感じていて、印象に残っています。

——確かに、すごくインパクトのあるシーンでもありますよね。一希の気持ちがすごく強く表れているというか。

小野:そうですね。なのでここは一番最初に印象に残っているところではありますね。

——収録してみてどんな感じでしたか?

小野:難しかったですね。豹変しているところというか、人格も変わっている感じのところだと饒舌に喋るんですよね。そういう部分は専門用語が飛び交うセリフが多いから、単純に難しかったです。読むのが大変でした。

ネットで世界と繋がれる、現代の冒険譚!

——コミックそのものが台本として使われるムービーコミックの収録は、アニメのアフレコとは形式が変わってくると思うのですが、そういう部分はいかがでしたか?

小野:そうですね、普通の台本みたいに読みやすい感じで並べられているわけではないので。良い悪いじゃないですけど、メリットデメリットみたいなものは感じました。やっぱり、画から表情を読みとける分、すごくキャラクターの気持ちとかは直接汲み取りやすいんですよ。ただその分但し書きがなくセリフが入っているので、文字を読むという点では若干慣れない部分はあったりもしますね。だから難しい部分と良い部分があるなと感じました。

——読んでいて文字も割と多めなのかなと思ったんですが。

小野:まあそうですね。でも是枝はあんまり喋らないのでそこまで多いなって感じではないんですけど。でもやっぱり自分が役に立つというか、PCを触りだした時の饒舌な感じっていうのは難しかったですね。文字ちっちゃいなって思いながら読んでました(笑)

——役を演じている時って、近しいキャラクターを思い浮かべたりするんですか? それとも自分の中からスッと、キャラクターが出てくるという感じなんでしょうか?

小野:僕の場合は何かを参考にするということはほとんどないですね。なので、見た感じと自分の直感を信じてやっています。

——自分のオリジナルがパッと出てくるんですね。

小野:パッと出てくる場合と出てこない場合があるんですけどね。「このキャラクターには自分が一番合っている」って思うときもあれば、「これは難しいな。」って思うときもあるんですけど(笑)。それでも、指名してくださったりオーディションに受かってのことなので、選んで頂いたからにはできる限りの事はやろうと思ってやっています。

——ちなみにこの役は、自分にピッタリだとオーディションで感じたりするんですか?

小野:ありますよ。オーディションで「これ絶対受かるだろうな」って思うものもあります。まあ全部受かるわけではないので、受からないときももちろんありますけどね。ただ、そういう時でも「いや絶対俺の方が合ってると思うけどな」って折れないですね(笑)

——そういう思いは肥やしになりますよね。

小野:そうですね。ただ、その役に対して自分で「これは俺でしょ!」って思ったものに関してですけどね。

——今回はどうでしたか?

小野:今回は、そうですね〜、なかなか…。是枝はやっぱりPCに詳しいっていうところだったりとか、僕自身が経験していないというか、詳しくない分野が得意なキャラクターなので割としっかり作り込まないとなっていうのは思いました。気が抜けないなって言うのかな。二面性があるというところもそうなんですけど、何も考えずにできるようなキャラクターではないかなっていう風に思いますね。それこそ専門用語をしっかり練習しなきゃとか。いろんな要素があるので、僕にとってはまた新たなというか、今までやってこなかったような、割とチャレンジなキャラクターかなという感じがします。

——チャレンジという部分は見所というか、聴きどころになってきますね。

小野:そうですね。だから頑張らないとなって思っています。まあ、もう初日は終わったんですけどね(笑)でも、楽しくやらせていただきました。

——それでは最後に読者に向けてのメッセージをお願いしたいのですが

小野:この作品はタイトルに「ヴァイキング」というワードがあるんですけど。作品の中でも“宝探しの航海記”って表現されていたり、とにかく是枝と坂井さんの冒険譚なんですよね。僕の中で冒険ってジャングルに行くとか、秘法を探すとかそういう印象がすごく強くて、そうなるとちょっと時代が昔というかそういう印象があったんですけど。今回この作品を読んで「現代でもこんな風に冒険ってできるんだ!」ってすごく新鮮で楽しかったんです。読んでいて冒険を一緒にしているような。ネットの世界とかってすごく無限に広がっているので、その中で特定しようとしてもネットの世界に入っちゃったらなかなか特定が難しかったりして。

日本にいながら世界とつながれるネットの世界を冒険して行くってすごく面白い、現代ならではの作品ですよね。「こういう冒険の仕方もあるんだ」っていうのをすごく思わせてもらって、僕もすごくワクワクしながら読ませていただきました。今日収録した1巻では、まだ是枝は冒険のスタートまで立っていないような感じだったんですけど、ここから坂井さんと一緒にどうなっていくのかを、皆さんもこの音声を聞きながら一緒に楽しんでいただけたらなと思います。

 
[取材・文:菊地真由]

 

ムービーコミック『王様達のヴァイキング』配信概要


タイトル:王様達のヴァイキング
原作者:さだやす(ストーリー協力 深見真)
出版社:小学館
連載誌:ビッグコミックスピリッツ
発行巻:既刊15巻(連載中)
配信日:2018年6月30日(土)00:00

<声優キャスト>
是枝一希役:小野賢章
坂井大輔役:関 俊彦
笑い猫役:熊谷健太郎
ヴァルキュリヤ役:今井麻美

<主題歌楽曲>
アーティスト:Candy or Whip
楽曲名:last show time

<ストーリー>
これが、新時代の冒険者だ。
高校中退、バイトも即クビ。社交性もなきゃ愛想もなし。
18歳の是枝一希が唯一持っているのは、ハッキングの腕。
金融機関にサイバー攻撃を仕掛けた彼の前に
「お前の腕で世界征服する」と宣言する大金持ちの男が現れる。
ハッカー少年と仕事中毒のエンジェル投資家、
彼ら2人はどんな仕事を創り出すのか…?
全く新しい新世代タッグ誕生!!!

dTV公式サイト

(C)さだやす+深見真/小学館/BeeTV
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