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映画『ジュラシック・ワールド/炎の王国』石川由依インタビュー

映画『ジュラシック・ワールド/炎の王国』ジア・ロドリゲス役・石川由依さんインタビュー|まさかのオファーに「え、あの“ジュラシック”ですか!?」

ハリウッド映画『ジュラシック・ワールド』の最新作となる『ジュラシック・ワールド/炎の王国』が、7月13日に日本全国で公開! 日本でも人気シリーズとあって、夏映画の中でも特にチェックしている方も多いことでしょう。

日本での公開と言えば、話題になるのが日本語吹き替え声優です。玉木宏さん、木村佳乃さんといったおなじみの方はもちろん、今回なんと、TVアニメ『進撃の巨人』のミカサ・アッカーマン役やゲーム『ニーア・オートマタ』のヨルハ二号B型役などを務めている石川由依さんがジア・ロドリゲス役で出演しています!

今回、吹き替えという大役にチャレンジした石川さんにインタビューを行いました。ドキドキの連続だったようですが、石川さんは確かな手応えを感じている様子です。

いろんなことが起こりすぎてドキドキ!?

──これだけ大きな作品だと、かなりドキドキですよね。

石川由依さん(以下、石川):そうですね。吹き替え自体もそんなに経験がないこともありますが、作品としてもすごく大きいので、いろいろと初めての経験です。

──子どもの頃から観ていたハリウッド大ヒットシリーズですから。役が決まった時の心境は?

石川:本当に嬉しかったです。でも、どちらかと言うと驚きの方が大きくて……。

普段、声優のお仕事をさせていただいているんですけど、私の場合はアニメがほとんどです。吹き替えをやったことは0ではないのですが、経験としては全然少なくて。

いつかちゃんと吹き替えにも挑戦していけたらという思いはずっとあったんですけど、なかなか機会がなかったんです。

そんな思いを持ち続けていた矢先にお話をいただいたのがこの『ジュラシック・ワールド/炎の王国』でした。『ジュラシック・パーク』(1993)、『ジュラシック・ワールド』(2015)という作品は、観たことがない方でも名前は絶対に知っているし、聞けば恐竜のあの作品だなと思いつくくらいの有名な作品じゃないですか。

まさか自分がその作品に、しかも吹き替えをやりたいと思っていた矢先の作品が『ジュラシック・ワールド』ということに驚きで。『ジュラシック・ワールド』自体も前作はお客さんとして観ていましたし。

まさかこういう形で自分が出演させていただくことになるとは、その時は思っていなかったというのもあり、今も信じられない気持ちです。

(c)Universal Pictures

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──オーディションじゃなくて、オファーだったのでしょうか?

石川:そうなんです。オファーです。ありがたや〜(笑)(両手を合わせてスリスリ)。

──(笑)。そうなると、なおさらドキドキですよね。

石川:初めてお話をいただいた時は、「え? あの“ジュラシック”ですか?」みたいな感じで。アニメでもそうですけど、大きな作品にはもちろん携わってみたいけど、そんな機会はなかなかないですし、色々経験を積ませていただいた結果、そういうお仕事をさせていただくことがあったらいいなくらいに思っていました。

なのでまさか、自分がいきなりこういった作品に出させていただけるというのは、すごく嬉しかったのと同時にプレッシャーもありましたね。前作もすごい人気だったじゃないですか。今日これからレッドカーペットを歩くというのも、まだ現実感がないような気持ちです(取材当日は六本木ヒルズでレッドカーペットイベントが行われ、石川さんも登壇)。

──あれだけお客さんがいる中で手を振って歩いて行くわけです。

石川:レッドカーペット自体もテレビの中の話というか。視聴者として「レッドカーペットかっこいいなー」といつもテレビで観ていたぐらいでした。本当に今これから歩くのかなあ、みたいな(笑)。まだ不安な気持ちもありますけど、楽しみです。

▲写真一番右が石川さん

▲写真一番右が石川さん

今まであまり演じてこなかったタイプの役

──石川さんが演じられているジア・ロドリゲスというキャラクターについて、紹介をお願いします。

石川:ジアは若手の獣医という役柄です。性格としてもわりと男勝りで、思ったことを自分からどんどん言っていけるような、とても責任感が強い子です。

最初に役柄を聞いた時、正直に言うと自分とは真逆のキャラクターだなと思いました。でも、自分と全然違うキャラクターを演じられるというのは役者としての醍醐味でもあるんです。新しい私を見ていただけたらなと思いながら演じました。

(c)Universal Pictures
(c)Jaimie Trueblood

(c)Universal Pictures (c)Jaimie Trueblood

──石川さんはいろんな役をこなせる役者だなという印象がありますが、今回はチャレンジでしたか?

石川:今までアニメなどで演じてきたのは、強くて戦闘能力が高いながらも、少女な部分が残っているキャラクターが多いんです。

なので、今回のジアみたいに、男勝りで、口調も「〜だろう」とか「〜やれ」とか命令口調なキャラクターは意外と演じたことがありませんでした。そういうところで弱く聞こえないように、ジアっぽさを出せればと思って頑張りました。

──確かに、中指立てるようなファンキーさは今まで無かった気はしますね(笑)。

石川:(笑)。強くても口調は綺麗と言いますか、そんなに荒っぽくない子たちを演じることが多かったので、そういう意味では挑戦でしたね。

(c)Universal Pictures
(c)Giles Keyte

(c)Universal Pictures (c)Giles Keyte

──しかもジアは木村佳乃さんが演じているクレア・ディアリングと近い距離の役でもあって、出演シーンも多かったと思います。重要なキャラクターを演じることに気付いた時は、どう思いましたか?

石川:主人公二人は前作から引き続きのお二人です。『ジュラシック・ワールド』という作品に出させていただけることも驚きでしたが、いきなりこうした主人公の方々と一緒に行動を共にするようなキャラクターというのも、やっぱり驚きやプレッシャーの気持ちの方が強かったですね。

でも、ジアは獣医というのもあって、恐竜たちに寄り添っていられる優しいキャラクターなんです。前作でも出てきたあの恐竜たちと一緒に行動できる、しかも恐竜を助ける役割を担えるのはすごく嬉しかったです。

(c)Universal Pictures
(c)Universal Studios and Amblin Entertainment, Inc. and Legendary Pictures Productions, LLC.

(c)Universal Pictures (c)Universal Studios and Amblin Entertainment, Inc. and Legendary Pictures Productions, LLC.

──吹き替えとアニメのアフレコでは、何が違いましたか?

石川:一番違うところは、吹き替えは元の役者さんの声を聞きながら収録することですね。ここはアニメとは全然違います。

まずはそこが慣れていないので、耳で聞きながらさらに自分の声を発しながらというのは難しかったです。

やっぱりアニメだと声に関して言えば何もないところから自分たちがキャラ付けしていくので、ある意味自由に演じられる部分もあります。吹き替えになると、より立体的な、本当に役者さんやキャラクターに呼吸を合わせて寄り添っていかなきゃいけないと感じました。

──具体的にはどういうところを分析して実践しましたか?

石川:特に『ジュラシック・ワールド』シリーズは、逃げたり、必死になるシーンが多いじゃないですか。だから、そのぶん呼吸の演技も多くて。でも、呼吸をするのって喋っているところに合わせるよりも難しいんです。

元の演じている役者さんは演技の中で自然に出るものですけど、それを見ながら合わせるのが、一番難しかったところですね。完璧に合わせていない部分もあるのですが、焦りや緊張感は本人の顔だけじゃなく、声からも伝わればいいなと思いながら演じました。

(c)Universal Pictures

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──逆に楽しかったことは何でしょう?

石川:収録していて、チェックのためにも返しで自分の声を聞かせてもらっていたのですが、それが自分でも納得いくような、息遣いもバッチリハマっていたと思った時は嬉しかったですね。「よし、できているな!」って(笑)。

──現場で役についてのディレクションなどはありましたか?

石川:思っていたよりは順調に収録ができたかなという感じはしました。今回は3部作のうちの2作目ということで、3作目もジアが出るということは発表されています。3作目がどのような展開になるかは私も日本のスタッフさんも分からないのですが、「3作目に繋がるような芝居ができたらいいよね」とお話いただきました。

フランクリン・ウェブ(日本語吹き替え:満島真之介さん)とジアはずっと一緒にいるので、その関わり方を前半と後半で変えています。すごく些細な違いかもしれませんが、そういうところにも注目して観ていただけたら嬉しいですね。

(c)Universal Pictures

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キャラクターはもうひとりの私

──石川さんは声優だけでなく、ミュージカルや舞台なども出演経験があります。石川さんにとって演じるとはどういうことなのでしょうか?

石川:もうひとりの私という感じです。私は小さい頃から舞台などをやらせていただいていました。自分はどちらかというと引っ込み思案な性格だし、あまり人とコミュニケーションを上手く取れるタイプではないんです。

だからこそ本当はもっとこうしたいとか、みんなと仲良くしたいという気持ちはずっとあって。それを可能にしてくれたのがお芝居をした時の役なんです。

そういう自分のやりたかったことをいろんな役でやらせていただいて、いろんなキャラクターになれるからこそ、何もしていないときの自分も成り立っているというか。

多分役者をやっていなかったら、もっとストレスが溜まっていたんじゃないかなと(笑)。

自分の「もっとこうしたい、ああしたい」を叶えてくれたのが、キャラクターなんだなと思います。分身みたいな気持ちもあるのかな? 役者の方によっても感覚は違うと思いますが。

──キャラクターには感情移入するタイプですか?

石川:そこはキャラクターによるかもしれません。演じているときのキャラクターの性格にもよります。

演じる時はもちろんそのキャラクターの気持ちになって演じていますが、声優って1日のうちに違う役をいくつも演じなければいけなかったりすることも多いんです。だからこそ、切り替えが大事だなというのはすごく思っています。

私生活にまで影響する、キャラクターが乗り移ってしまうようなことがあれば、声優の仕事は難しいかもしれません。

でも、そのキャラクターを演じている時は、暗いシーンなどで気持ちが暗くなったり苦しくなったりはしますね。

(c)Universal Pictures

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──今回のジアでは、共感する部分はありましたか?

石川:あえて言うなら、責任感が強いところは似ているかなと(笑)。恐竜を救いたいと思う気持ちは一緒なので、そういうところで寄り添っていけたらなと思いながら演じました。

──なるほど。その他にお気に入りのシーンなどがあれば教えて下さい。

石川:フランクリンが好きです(笑)。笑わせてくれるシーンが多いんですよ。「僕、死んだ?」みたいな、死んでないけど死んだかのように思っていたりとか。

ジアたちは必死に恐竜を救うためにやっているところで自分は血を浴びて、「今、口に血が入った?入ったでしょ?!」みたいなシーンを観ていたら可愛らしく思えてきちゃって(笑)。フランクリンを観ていると楽しいなって思います。

──一番この島に不釣り合いな人間が来たなという感じはしましたね(笑)。

石川:そうなんですよ! みんな恐竜を救う活動をしているから耐性があるんですけど、フランクリンだけはずっとビクビクしています。でも、彼が徐々にしっかりしていく姿とかも観ていていいなと思います。

──あの環境から生き延びたら、みんな強くなるんだなというのは感じました。

石川:私がもしあの世界にいたら真っ先に食べられそうだなと思います(笑)。

(c)Universal Pictures

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──ジアもどんどん成長していって、最後はかっこいいところがありました。

石川:彼女、最後はメガネ取れてるんですよ(笑)。そういうところにギャップというか、女の子らしさも感じてキュンとしました。

(c)Universal Pictures
(c)Jaimie Trueblood

(c)Universal Pictures (c)Jaimie Trueblood

──では、最後に本作を楽しみにしているファンの皆様にメッセージをいただければと思います。

石川:今回『ジュラシック・ワールド/炎の王国』の新キャラクターとして、ジアという役の吹き替えを担当させていただきました。

演じてみたら必死になる気持ちとか助けたいという気持ちに通じる部分があり、ジアに寄り添いながら演じられたんじゃないかと思っています。

『ジュラシック・ワールド』では島の中で起こることが描かれていましたが、今作では火山の噴火で(恐竜たちが)亡くなっていくのを見届けるか、それとも人の手によって保護していくのかという、「命をどうするのか?」というテーマをもとにストーリーが進んでいきます。

迫力は今までと変わらずすごいですし、3作目にも続くということなので、続けてお楽しみいただければと思います。ぜひ観に行ってください!

[インタビュー/石橋悠]

『ジュラシック・ワールド/炎の王国』作品情報

7月13日(金)より全国ロードショー
配給:東宝東和

“恐竜”に 巨匠・スティーヴン・スピルバーグが命をふきこみ、かつて誰も観た事がなかったリアルでスリリングな映像体験に世界中の人々が心を躍らせ、映画史に偉大な足跡を残した『ジュラシック・パーク』シリーズ。2015年に公開した『ジュラシック・ワールド』。

そして今年、シリーズ最新作『ジュラシック・ワールド/炎の王国』が、7月13日(金)にいよいよ日本上陸を果たします! すでに各国で堂々の初登場No.1を獲得し、遂に6月21日から北米での公開を迎えた本作が、オープニング興収約1億4800万ドル(約162億円)を記録し、初登場No.1の大ヒットスタート!!!さらに、公開された68の国と地域でNo.1を獲得している本作は、すでに全世界累計興収約7億1150万ドル(約780億円)を突破しています。

ハイブリッド恐竜インドミナス・レックスとT-レックスが死闘を繰り広げ崩壊したテーマパーク<ジュラシック・ワールド>を有する島、イスラ・ヌブラル島では<火山の大噴火>の予兆がとらえられていた。迫り来る危機的状況の中、人類は恐竜たちの生死を自然に委ねるか、自らの命を懸け救い出すかの究極の選択を迫られていた――。そんな中、恐竜行動学のエキスパート、オーウェン(クリス・プラット)はテーマパークの運営責任者だったクレア(ブライス・ダラス・ハワード)と共に、恐竜を救い出すべく行動を起こす事を決意、島に向かったその矢先、火山は大噴火を起こし、生き残りをかけた究極のアドベンチャーが幕を開ける!

■製作総指揮:スティーヴン・スピルバーグ、コリン・トレボロウ
■製作:フランク・マーシャル、パトリック・クローリー、ベレン・アティエンサ
■キャラクター原案:マイケル・クライトン
■脚本:デレク・コノリー、コリン・トレボロウ
■監督:J・A・バヨナ
■キャスト:クリス・プラット、ブライス・ダラス・ハワード、B・D・ウォン、ジェームズ・クロムウェル、テッド・レヴィン、ジャスティス・スミス、ジェラルディン・チャップリン、ダニエラ・ピネダ、トビー・ジョーンズ、レイフ・スポール、ジェフ・ゴールドブラム 

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