音楽
シド結成15周年を締めくくるグランドファイナルをレポート!

『SID 15th Anniversary GRAND FINAL at 横浜アリーナ ~その未来へ~』レポート|リベンジの地・横浜アリーナで楽曲に乗せて届けられたメンバーの思い

2019年3月10日(日)、神奈川・横浜アリーナにて、『SID 15th Anniversary GRAND FINAL at 横浜アリーナ ~その未来へ~』が開催されました。

2018年に結成15周年、メジャーデビュー10周年を迎えたシドは、同年、これまで発表したアニメ作品の楽曲を集めたベストアルバムや、初のミニアルバム「いちばん好きな場所」をリリース。

2018年元日ライブから始まり、5月にはコンセプトライブツアーを、9月からの『SID 15th Anniversary LIVE HOUSE TOUR 「いちばん好きな場所 2018」』では、全国31公演を。2019年2月には、台北、香港、上海、北京を回るアジアツアーを敢行し、アニバーサリーイヤーの締めくくりとして行われた本公演。

インディーズ時代から高い人気を誇り、メジャーデビュー後も数々のアニメテーマ曲を担当するなど、幅広いファン層を魅了してきた彼らの15周年の集大成ともいえるグランドファイナルの模様をレポートします!

飛空艇がこれまでの時間をたどるように、思い入れのある楽曲をめぐるライブが開幕☆

ロリータファッションやツアーTシャツ姿、ギタリスト・Shinjiのマスコットキャラクター“ネギッピー”のグッズを持ったファンが、客席へぞくぞくと集合。国外からも集結し、男女さまざまなファン層から、ジャンルに捕らわれない人気の高さを感じさせます。

暗転後、ステージのスクリーンには、時計の文字盤や歯車と併せて飛空艇が。2019からカウントダウンを始め、時空を越えるような演出は、2003で再び2011までカウントアップ!

飛空艇のたどり着いた先に映し出されたツアータイトルの扉が開き、待ちわびたファンからは、大きな歓声や手拍子が起こります。

スチームパンクな衣装をまとったメンバーのシルエットが、ゆったりとした足取りで、それぞれの定位置へ。ステージが明転すると、記念すべき1曲目は「NO LDK」で幕を開けました。

ドラムのゆうやが導く軽快なリズムに合わせた手拍子で、徐々にテンションUP。歌詞をなぞったような時計の映像や、客席に向けて交錯するレーザーライトが、楽曲の世界観を盛り上げます。

「ANNIVERSARY」、「V.I.P」とTVアニメ『マギ』シリーズのオープニングを飾った楽曲が続き、アニメ好きにもたまらないスタート。ギターのShinjiが体全体を使って魅了すれば、ベースの明希はステージの下手端でファンを煽ります。

「V.I.P」の歌い終わりには、ヴォーカルのマオがロングトーンで声を響かせた後、ひと息入れて歓声に応えるようにコール&レスポンス。ファンの感触をつかむと、すかさず楽曲へ。

「cosmetic」や「KILL TIME」では、ジャズやブルースのような艶っぽい雰囲気のステージを、紫色や黄色のライティングでさらに甘く染め上げます。

ベース、ドラムとそれぞれの楽曲での見せ場もあり、「罠」ではピンライトを受けたギターのイントロから。跳ねるようなサウンドに、思わずファンの体も揺れていました。

ここで、MCコーナーへ。15年続けてきた喜びをかみ締める明希は、「これも、皆さんの……前でやっている俺の力だと思います(笑)」と笑いを誘います。これまでの、そして、これからの音楽を楽しもうと煽ったり、投げキッスをしたりと会場を盛り上げ、Shinjiにバトンタッチ。

名前を呼ぶ声に両手を上げて応えたShinjiは、大好きなラーメンに例えて「最近の、太くて長い麺のようなバンドになりたい」と笑いを交えつつ、ファンの応援に対する感謝と今後の活躍を口にします。

次に、ゆうやがドラムセットの位置で立ち上がると、その景色を目に焼き付けるかのように客席をひと見渡し。ゆるい雰囲気を感じさせながらも、横浜アリーナでの開催が2011年の東日本大震災でキャンセルされた公演ぶりであることに、その思い入れの強さを感じさせます。

そんなゆうやが手で示した先では、紹介されたマオが呼び声に両手を広げ、「イェーイ!」とコール&レスポンス。

この日をメンバー全員が楽しみにしていたことに触れ、ギターソロ中のShinjiの表情に女性は「ほれるんだろうな」と例に挙げたり。マオの話を聞きながら、明希が握り拳の人差し指と小指を立てたロックポーズをしたり、ゆうやが両手を頬にあてるポーズをしたりと、プレイ中とは違うかわいらしい一面も垣間見られました。

会場をライブハウスへと一変させる“暴れ曲”の数々!

そして、TVアニメ『黒執事』のオープニングテーマでもあったメジャーデビュー曲「モノクロのキス」がタイトルコールされ、大きな歓声が。歌うようなギターの音色や明希のコーラスが入り、青と白を基調とした照明の演出に、再びシドの紡ぐ世界観へと引き込まれていきます。

続く「嘘」は、TVアニメ『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』の第1期エンディングテーマ。どっしりとしたベースプレイに、ドラムのリズムに合わせてファンが両手を広げ“咲く”振りなど、どのアニメ作品の楽曲もその世界観を反映しながら、シドの魅力が感じられる曲ばかりです。

また、スクリーンにはオーロラがたなびく雪景色を思わせる映像が。青い光に、スモーク……凍えてしまいそうな演出と、「ホソイコエ」を歌うマオの切ない歌声に、ファンも聴き入ってしまいました。

一転して、アップテンポな「2℃目の彼女」。スクリーンには雪の結晶が舞い、キラキラした光と冬の疾走感がとても印象的でした。

さらに、メロウでポップな「スノウ」が会場を優しく染め上げ、「ハナビラ」ではスクリーンに菜の花や、歌詞とリンクした色とりどりの“ハナビラ”が。先ほどまでの“冬”から“春”の訪れがやって来たようです。

アコースティックギターの旋律や、手を伸ばし声量たっぷりに歌い上げるマオの声の残響が物悲しさをかき立てました。

すると、スクリーンではノイズ交じりに映像が乱れ、機械の音声と共に「ARE YOU READY?」の文字が浮かび上がります。

ドラム、ベース、ギターの音が走りだし、ステージ中央の一段高い檀上でマオが煽る「オイ!」コールに、会場はヒートアップ!!

Shinjiや明希も立ち位置を逆転し、背を反らせたり、客席前方へ近づいてアピールしたり。熱気に後押しされ、ドラム前に3人が集まってアイコンタクトを取ると「dummy」へ。

Shinjiと明希は、それぞれ上手と下手のステージ端へ駆け出し、マオは「オイ!」コールを掛けながら客席を煽っていきます。

熱気はとどまることなく、「隣人」「プロポーズ」「眩暈」と本編を疾走。マオは、扉を開ける素振りをしたり、腕を回したり。

「眩暈」では、Shinjiも明希も頭を振りながら楽器をかき鳴らし、ゆうやの刻むリズムに拳を振り上げる振りやコールを掛け、ステージでは特効の炎が吹き上がる演出も。

ファンも一体となってジャンプし、ただただ音楽に身を委ねてヘドバンの嵐となっていました。

衣装はバラバラでも、15年を共にしたシドの新曲初披露♪

“暴れ曲”と定番の激しい4曲が続き、力を出し切ったかのようにステージを後にするメンバー。しかし、ファンからはすぐさまアンコールが掛かります。

衣装チェンジをしたメンバーが再び登場し、「空の便箋、空への手紙」。歌詞を描写したかのように、スクリーンには時を刻む懐中時計と紙飛行機が軌道を描き、ムード感たっぷりにメロディーを聴かせます。

MCでは、ファーたっぷりのアウターに、白ハットというロックスターを思わせる衣装を着たマオが、汗だくになるほど温かくなるとは思わなかったと話すと、対照的にラフな格好をしたゆうやがスクリーンに映り、クスクスと笑いが。

同じようにTシャツとダメージパンツという夏仕様の明希、さらにゆうやの提案で、衣装を比較するため全員がステージに並ぶことに。

Shinjiはグレーのスーツに黒メガネの営業マンスタイルで、両極端とも思えるギャップの激しい衣装の4人。名刺を持っていそうというマオの突然の疑問に、Shinjiはスーツの胸ポケットから……名刺が出てくるはずもなく☆

パッと見ではバラバラの個性的なメンバー同士でも、楽しそうにトークする4人の和気あいあいとした流れから、新曲「君色の朝」を初披露。

Shinjiはアコースティックギターとエレキギターの2本を使い、心温まるポップなリズムでマオや明希が手拍子を促します。苦難にぶつかっても、未来には可能性が広がっていると歌詞を聴いて前向きになれる、まさに応援ソング。

新曲に込められた思いに浸る中、改めてメンバー紹介へ!

重低音の効いたビートを刻むドラムのゆうやが、“もっと名前を呼んで”とばかりに自身を指したり、明希が手招きでファンを煽りつつ、唇に指を当てて「シーっ」と静めてからの声援を求めたり。

Shinjiはステージ上手の端や、柵を越えたギリギリの距離で、速弾きなどギタープレイをファンに見せつけ、マオは空いた左手を頭に添えて「いくつになっても、マオ“にゃん”で」とお願いすると、そのかわいさに名前を呼ぶ声も一層高まってしまいます。

涙をこらえ、思いを言葉にするマオと4人の“その未来へ”

再びボルテージが上がり、「循環」とコールされると、会場はダンスホールさながら体を揺らすファンが。「循環(まわ)ってます」の歌詞に合わせた、腕をグルグルと回すお決まりの振りや、メンバーのカメラサービスなど目が離せません。

「Dear Tokyo」ではメンバーとファンのコーラスが響き、コンタクトを取って互いに絡みにいったりとステージいっぱいに動き回るメンバー。

マオの「ライブハウスに変えて!」という呼び掛けで始まった「one way」では、ジャンプしながら左右に平行移動する振りや握り拳を振り上げ、金テープの特効が会場を彩ります。

ライトが落ちた暗闇の中、モニターにはメンバーズクラブ「ID-S」限定ツアーや、ゲストを迎えての「SID collaboration TOUR 2019」開催など新情報が解禁!

コラボツアーには、みやかわくん、GRANRODEO、BiSHが開催日ごとにゲスト出演とあって、驚きと喜びの声が大きく上がっていました。

告知が終わると、ファンの興奮冷めぬまま「その未来へ」に。ミラーボールの光が会場を包み、しっとりと聴かせるマオの歌声に、サビではファンの歌声も重なっていきます。

シンバルのリードに乗せたファンだけの大合唱には、メンバーが耳に手を当て、真剣なまなざし。ツアーロゴの入ったハート型の紙吹雪が舞うと、まるで紙飛行機が弧を描くようにユラユラと空を漂い、壮観なラストを迎えました。

全ての楽曲が終了し、ファンと近距離でコミュニケーションを取るメンバー。ドラムのゆうやは演奏で動けない反動なのか、アリーナ席を囲むように設けられた花道を駆け抜け、ファンを沸かせます。

ひと言ずつメッセージを口にし、順にメンバーがステージを後にすると、最後はマオ1人に。涙がこぼれないよう目を伏せ、言葉を詰まらせながら、2011年に予定されていた公演のリベンジも込められた公演であることや、1曲目の「NO LDK」に込めた思い、ファンやスタッフへの感謝の気持ちを伝えていました。

会場いっぱいの声援にオフマイクで「愛してます!」とマオが返し、拍手で幕を閉じた本公演。

15年続くシドの見据える“その未来”が、果たしてどんな未来になるのか、共に歩み続けてみたいと思える時間になったことは間違いありません!

[写真・緒車 寿一、今元秀明]

シド アーティスト情報

4月ID-S限定ツアー、6月コラボレーションツアー開催決定!
詳細は公式サイトにてチェック!!

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