劇場版『新幹線変形ロボ シンカリオン 未来からきた神速のＡＬＦＡ-Ｘ』佐倉綾音さん＆杉田智和さんインタビュー ｜ 二人が仲良くなったきっかけは食パンだった!?

少年時代のホクトを演じる、釘宮理恵さんへの信頼感

――今回の劇場版では、ホクトが子供の姿になるという衝撃的な展開が待ち受けています。

杉田：個人的に嬉しかったのが、TVシリーズでは娘の（速杉）ハルカが、両親のどちらにもあまり性格が似ていなくて、少しだけ心に引っかかるものがあったんです（笑）。

それが今回の劇場版で、少年の頃のホクトの性格を踏襲していたということが分かって。少しだけ安心しました。

――本当は、血がつながっていないんじゃないか、と（笑）。

杉田：ええ。TVシリーズで、ホクトの浮気疑惑に対してあんなに反応していたのは、もしかすると、と……（笑）。

――そんな少年時代のホクトは、釘宮理恵さんが演じられていますが、杉田さんからお伝えしたことはありましたか？

杉田：収録の時に隣の席だったこともあって、ホクトがどんな人物で、TVシリーズではどんな雰囲気だったかということは最低限お伝えしました。

個人的にもお芝居においてすごく信頼を置いている方ですが、収録の時にはすごい集中力で僕の話を聞いてくれていたので、少年時代を演じたのが釘宮さんで嬉しかったですね。

――実際に、釘宮さんの演技をお聞きになられた時はいかがでしたか？

杉田：（釘宮さんの演技を聞いた）他の人から「子供の頃から良い声だよね」と言われた時は、思わず「僕もそう思う」と同意してしまったという……。

――（笑）。すごくいい声だと自分も思います。

杉田：『シンカリオン』は、「少年」という同じ世代のキャラクターがすごく多い作品なので、そこに違和感なく馴染んでいくのって、「カッコいい」の引き出しが限られるのと同じで、どうアプローチしていくかすごく難しいんです。そこを見事に表現していただきました。

佐倉：（釘宮）理恵さんと対談させていただいたインタビューでもお話したのですが、最初に少年時代のホクトのビジュアルを見た時から、理恵さんだったらいいなと思っていました。

それは私の中で理恵さんという存在が劇場版という特別な機会に相応しい女優さんだという認識があったことが一つ。

もう一つが、過去と未来に影響を与えあった、幼さと若さ、大人の雰囲気をすべて持ち合わせている複雑な役柄を演じられる人が、理恵さんしか思い浮かばなかったからです。

なので、実際に理恵さんが少年ホクト役だと聞いた時にはすごく運命を感じましたし、実際にお芝居を見て、上手に演じているとか技術的なことよりも、まず「かわいい」「懐いて欲しい」という感情が湧いてきたんです。

そこは劇中のハヤト自身ともシンクロした部分で、理恵さんだからこそ表現できるホクトの年齢感で生まれてきたものなんだと感じました。