
「SHINKALION 10th Anniversary Special Talk ~『シンカリオン』とアニメの未来~」【第2部】レポート|シンカリオンのCGの進化をスタッフ陣と追いかけた
2015年より作品の展開が始まった『新幹線変形ロボ シンカリオン』シリーズ。その10周年を記念したイベント「SHINKALION 10th Anniversary Special Talk ~『シンカリオン』とアニメの未来~」が、先日2025年5月4日(日)にTAKANAWA GATEWAY CITY内THE LINKPILLAR 1 SOUTH 地下2階 LINKPILLAR Hall A・Bで開催されました。
今回のイベントは【第1部】【第2部】に分かれており、【第2部】はCGプロデューサーの山野井創さん、CGアニメーターの滝田勇介さん、CGディレクターの久能木亮さん、チーフプロデューサーの鈴木寿広さんが『シンカリオン』シリーズ10年の進化の過程や、制作時の苦労話などを披露。
本稿ではそんな【第2部】の模様をレポートします。
シンカリオンが勢ぞろいしているカットや敵に囲まれているシーンにはある苦労が
登壇者たちが一言挨拶と自己紹介を済ませると、『シンカリオン』シリーズのCGパートを中心にトークを進行していきました。
まずは山野井さんが、『シンカリオン』シリーズにおけるCGはカッコいいロボットたちのみならず、それに付随して鉄道や線路などに用いられると教えてくれました。この情報を前提に、最初のトークテーマは「どのようにCGでシンカリオン(ロボ)を作っているのか」。
シンカリオン1体1体のCGモデルにカラー、ライン、陰影、マスク(発光指定)、反射素材、凹凸陰影といくつもの素材を重ねることで劇中に登場する姿になっていることを説明していき、続いて実際に完成までの工程をわかりやすく戦闘シーンの動画でみていくことに。
徐々に完成へと近づいていく様を目の当たりにした会場からは、歓声が起こりました。また、背景なども含めて細かく分けると合計18もの素材がE5はやぶさを動かすために使われており、いつも見ているカッコいいシンカリオンたちがどんな苦労のもとに動いているのか知れる貴重な機会になったのではないでしょうか。
すると、「思い出したくない思い出」がスタッフ陣の話題に。CGデータの容量が重たいため制作に使っているパソコンが動かなくなってしまい、作業が終わらず家に帰れなくなってしまうことがあったそう。シンカリオンが勢ぞろいしているカットや敵キャラクターに囲まれているシーンなどは特に大変だったそうで、コストがかかる割に報われない部分もあるとなどの苦労話も聞くことができました。
他にはTVアニメ第3期『シンカリオン チェンジ ザ ワールド』の変形後の決めポーズは、運転士のイメージを反映させていれば作業者がある程度自由にできたことが明かされました。ただシンカリオンの決めポーズということで責任重大だったこと、そしてこれまでのシリーズと似たものにならないよう試行錯誤していたことから、楽しい作業ではあったものの中々苦労した部分でもあったのだとか。
スケジュールが間に合わない時に作るとされる“コンテ撮”については、最近では動きのタイミングをあらかじめ決められるよう先に作っているとの話が飛び出し、アニメ制作についてある程度知識のある観客から笑いが漏れる場面も。
そして、全ての素材をかけあわせて完成した映像を撮影という部署へ納品。そのカットをチェックする際には、前後のカットと繋げた時にリズム感がよく見えているかどうか、前後との演出上繋がって見えるかを重視しているという話がありました。
今回はCG班によるトークになりましたが、これ以外にも音をつけたり尺を調整するために編集する作業があったり、様々な工程が存在しているとのこと。いつかまた別の機会にそういった工程に携わる方のお話も聴いてみたくなったのではないでしょうか。














































