劇場版『新幹線変形ロボ シンカリオン 未来からきた神速のALFA-X』佐倉綾音さん&杉田智和さんインタビュー | 二人が仲良くなったきっかけは食パンだった!?
実在の新幹線が変形する巨大ロボット「シンカリオン」と、その運転士に選ばれた子供たちの戦いを描くTVアニメ『新幹線変形ロボ シンカリオン』。
2019年12月27日からは、初の劇場作品となる劇場版『新幹線変形ロボ シンカリオン 未来からきた神速のALFA-X』が全国ロードショーとなります。
劇場版では主人公・速杉ハヤトの父である速杉ホクトが、時空を越えて9歳の姿で登場。ハヤトたちと共に、宇宙から襲来する新たな敵と立ち向かう驚きの展開が待ち受けます。
さらには、TVシリーズで視聴者の度肝を抜いた『新世紀エヴァンゲリオン』(※1)や『初音ミク』(※2)らコラボ作品のキャラクター達も、引き続き劇場版に出演することが明かされています。
そんな劇場版の公開も間近へと迫る中、主人公・速杉ハヤト役を演じる佐倉綾音さんと、父・速杉ホクトを演じる杉田智和さんを直撃。劇場版の見どころから、お二人の関係性の話など、様々な話題が飛び出したインタビューの模様をお届けします。
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◆ 劇場版『新幹線変形ロボ シンカリオン』佐倉綾音&釘宮理恵インタビュー
「全車集結」祭り感のある劇場版
――公開も間近に迫っていますが、劇場版が完成しての現在の心境をお聞かせください。
佐倉綾音さん(以下、佐倉):私は試写で観させていただいたのですが、もう冒頭から何の作品を観に来たのか分からなくなるくらいインパクト抜群のサプライズもあって、すごくお祭り感のある劇場版だなと。
ここまで出し切ってしまうと、「もうシンカリオンを畳む気なのかな?」と心配になるくらいの集大成とも言える作品だと思います。
――劇場版の中で、『シンカリオン』らしさを感じたのはどんな部分でしたか?
佐倉:今回はテーマの1つが「全車集結」になっていて、しっかりとそれぞれの車両ファンの方々に楽しんでいただける作りになっていますし、新たに登場する敵も、今までにない劇場版ならではの雰囲気を纏っています。
そこがどうシンカリオンに関わってくるかは、しっかりTVシリーズに出ていた要素と絡んでいるので、TVシリーズをご覧になっている方には特に楽しんでいただける作品になっていると思います。
――劇場版では、どんな気持ちでハヤトを演じられていましたか?
佐倉:劇場版を作るということは、TVシリーズの時からそれとなく知らされていたので、仕切り直しというよりは延長線といった雰囲気でした。
そういう意味では、緊張感やテンションなどをTVシリーズから引き継いだ形で収録に臨むことができたので、ありがたかったですね。
――杉田さんとしては、現在の心境はいかがでしょうか?
杉田智和さん(以下、杉田):あらゆる世代が一斉に出発進行を見届けられるというこの状況は、決して狙って作れるものではないので、『シンカリオン』という作品の規模・強さに、ただただ驚くばかりです。
様々な作品や企業が、「あらゆる世代に向けて」という言葉を使うのですが、実際には簡単にできることではないんですよね。むしろ口にすればするほど、陳腐なものになってしまうというのが個人的な印象で。
今までは、やりたいことが決められず、大きなところに自分の気持ちを隠してしまっている人の言葉として聞こえていたんです。
――確かに、いろいろな層を取り込みたいという狙いが視聴者に見透かされることもあり、とても分かる話だと思います。『シンカリオン』がそうならなかったのは、軸にしているものがしっかりあるからなのでしょうか。
杉田:そうですね。TVシリーズで培ったものがあるからこそ、今回の劇場版が実現していると感じています。どれだけタイアップやコラボレーションが増えても驚くことなく受け入れられますし、どちらも組む相手を下に見ないんです。
というのも、コラボレーションというのは片方がもう片方の作品を(人気的に)引き上げるという状態になりがちなのですが、本来は対等な立場じゃないと成立しないと思っています。それができる度量の深さというのが、『シンカリオン』の凄い部分だと思います。
――収録の現場でも、そういう度量の深さのようなものを感じる時があったのでしょうか?
杉田:純粋に、偉い人がいっぱいいる現場で、それをまとめるディレクターさんはいつも辛そうだなと。
一同:(爆笑)。
杉田:もちろん、皆が自分勝手な主張をするだけではないので、最終的にはちゃんと答えは出ます。電車は線路の上しか走れませんが、その走り方というのを皆できちんと話し合って決めているなという印象を受けました。
そういった現場の苦労も劇場版のフィルムの中に込められていると嬉しいと思っていて、少なくとも自分の芝居は、そういった想いも込めたつもりで演じています。