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『エヴァンゲリオン』使徒解説まとめ一覧

【あなたは何体知ってる?】『エヴァンゲリオン』使徒まとめ|圧倒的造形美! 神か悪魔か人類を襲う驚異の正体は!?

『シン・エヴァンゲリオン劇場版』も公開され、25年前に放送されてから、多くの人に愛されるアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』。独特でカッコいいアクションや、魅力あふれる登場人物、謎が謎を呼ぶ伏線の数々、長く評価され続ける要因は多くありますが、人類を脅かす「使徒」の存在もその1つ。今回はその使徒について解説していきます。

最終的には、人類に利用されてしまう彼らではありますが、『ウルトラマン』や『ゴジラ』などから積み重ねられてきた「怪獣」としての役割を持ち、謎の生命体である彼らの独特さは眼を見張るものがあります。

圧倒的な力や生命力を持ちながら、どこか可愛らしいさのあるデザイン、天使を基にしたネーミングなどインパクトがありますよね。初めてテレビ画面で見た時、そのビジュアルの虜になりました。

今回は歴代に登場した「使徒」たちを振り返りながら、今一度その魅力を再確認していきます。

なお、TVアニメと新劇場版では使徒の設定が違う部分もあり、前半ではTVアニメに登場した使徒について、後半では新劇場版に登場した使徒についてまとめていきます。

※本記事にはネタバレが含まれています。

目次

「使徒」とは?

一言で表すと「地球で繁殖するはずだった生き物」で、元々地球は彼らの生活拠点になるはずでした。そこに人間の祖となる生物が現れ、その際にファースト・インパクトが起きたと言われています。ファースト・インパクトの衝撃で一時的に活動停止した使徒達でしたが、セカンド・インパクトをきっかけに活動を再開します。

人間に与えられた「知恵の実」と相反する「生命の実」を持ち単体で生き続けることができる生物。また「ATフィールド」と呼ばれる壁を持っており通常兵器を使った攻撃では足止め程度にしかならず、「エヴァ」を使用しフィールドを中和しなければいけません。

また旧劇場版を含む『新世紀エヴァンゲリオン』シリーズと最新作の『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』では、使徒に関する基本的な設定を共有しつつ、リビルドされ多くを語られていない部分があるため完結した今も不確定な事もあります。

『新世紀エヴァンゲリオン』シリーズの使徒まとめ

第1使徒「アダム」

▲公式YouTubeより

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地球最初の生命体である「アダム」。葛城ミサトの父親らが研究を行っていた南極で、セカンド・インパクト(2000年)を引き起こした存在であり、以下の使徒達の祖となっている使徒でもあります。劇中では光の羽が生えた巨人の姿、ロンギヌスの槍によって退化させられた姿(ゲンドウが保有)を見ることができます。

多くの使徒たちは、アダムと接触し融合することを目的としており、主人公・シンジらはそれを撃退しています。また零号機や弐号機などのエヴァンゲリオンもアダムを基に建造されています。

聖書では?

またアダムとは旧約聖書に最初の人類として記載されている存在でもあります。土から神に似せて作られており、エデンの園にて妻のイブと共に過ごしています。しかし知恵の実と呼ばれる禁断の果実を食べてしまいエデンから追放されたとされています。新約聖書では人類に原罪をもたらしたとも書かれており、『エヴァ』内でも度々引用が見られます。

第2使徒「リリス」

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NERV本部の地下深くに磔にされている謎の巨人・「リリス」。上記のアダムに対して、リリスは人類の源となった存在です。リリスが発見された場所に、NERV本部を建設し使徒の接触から守っています。

エヴァンゲリオン初号機はリリスを基に建造され、肉体は地下に、魂は綾波レイのもとにあります。このリリスの存在が明るみになってからエヴァの謎に満ちたストーリーが加速していきました。

聖書では?

このリリスにも元となった話が存在しています。ユダヤ経典などでは、リリスはイブの前にアダムの妻だったとされているそうです。アダムとの間に悪魔を産んだ、イブの入れ替わりで追放された、男児を殺してしまう悪霊だったなどなど様々な俗説がある女性とされているそうです。

第3使徒「サキエル」

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第1話冒頭から現れた謎の生命体が第3使徒「サキエル」です。セカンド・インパクト後初めてNERVを襲撃した使徒であり、主人公・碇シンジが初めて戦闘をした相手でもあります。

いきなり主人公がスタイリッシュなロボに乗ったと思ったら、あえなくボロボロにされその後、暴走。当時は、ただでさえ異形の怪物に驚きを隠せない中、エヴァによる高速戦闘が繰り広げられ衝撃を受けた方も多かったのではないでしょうか。その暴走とも言えるスピード感も『エヴァ』の魅力です。

聖書では?

ユダヤ・キリスト教ではサキエルという名前は「神を覆うもの」を意味し、水を司る天使だと言われています。天使には階級があるようですが出典によってバラバラで定かではないようです。占星術などでは木星とされ、木曜日や射手座などと関連があるとされています。

第4使徒「シャムシエル」

▲公式YouTubeより

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第3話で登場した「シャムシエル」は、人型の形状すらしていない不気味かつ美しい造形でした。精神的にも技術的にも、未熟なシンジに容赦なく襲いかかりまたも危機的状況に追いやられます。しかし同級生である、トウジ、ケンスケを保護したシンジは退却命令に背き、間一髪使徒を殲滅します。

シンジの焦りや怒り、憂わしげな背中を目撃してから、2人はシンジの良き友になっていきます。あのシンジの後に引けない立場、切迫感のある表情や声の演技が、思春期によくある衝動を完璧に表現していて、グッと心を掴まれます。

聖書では?

シャムシエルは「エノク書」に登場する天使です。エノク書とはエチオピア正教会の旧約聖書で、天使や悪魔、ノアの大洪水についてなどの記述で有名だそうです。シャムシエルは堕天使集団の頭としても書かれているそう。しかし出典によっては太陽や王子といった記述や昼を司る天使ともいわれています。

第5使徒「ラミエル」

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物語の1つの山場となる第5、6話に登場した使徒である「ラミエル」は現在でも屈指の人気を誇る使徒です。正八面体のボディに謎の音、それ以外の表情などは一切なく、設定もビジュアルも敵キャラクターの1つの頂点まで達したものではないでしょうか。

近づくもの全てを迎撃する完璧な防御システムを備え、自身の下部からドリル状の触手のような物でNERV本部を掘削します。NERVはラミエルの射程外ギリギリから陽電子砲を打つ作戦=ヤシマ作戦を決行しなんとか撃破を果たします。

ヤシマ作戦では、作品屈指の名シーン、名セリフが多く飛び出し、『エヴァ』に一気にハマってしまうエピソードでもあります。ちなみにラミエルの設定は『帰ってきたウルトラマン』に登場する光怪獣プリズ魔が元になっているそうです。

聖書では?

ラミエルも1人の天使が元ネタです。訳し方によってばらつきはありますが、名前は神の雷霆という意味で、神からの黙示を伝える存在だったそうです。キリスト教では雷と幻視を司る天使と言われております。幻視とは夢の中に天使が入り込みお告げを行うというもので、解釈は違えど役割は似たようなものだったと思われます。

第6使徒「ガギエル」

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人気キャラクターである、惣流アスカラングレーおよびエヴァンゲリオン弐号機の引き立て役のような形になったのは第6使徒「ガギエル」です。第8話に登場。ドイツからのある物資を海上輸送している際に突如現れました。使徒は聖書に登場する天使の名前を由来としており、ガギエルは魚を司る天使の名です。クジラやサメなどの海中生物のようなデザインをしており、自在に泳ぎながら攻撃を仕掛けてきます。ともにドイツから輸送されていた弐号機とそのパイロットによる戦闘が見どころです。

青い海に、弐号機の真っ赤なボディが映え、水中での戦闘もダイナミックでした。そして乗っているパイロットも勝ち気で可愛らしい天才タイプ。庵野秀明監督の過去作に登場するキャラクターを彷彿とさせる要素もあり、今でもアスカが絶大な人気を誇るのが理解できる初登場シーンです。

聖書では?

ガギエルは魚を司る天使とされています。海での登場、デザインなどもその設定を元にして作られたのではないかと思います。名前の意味は「吠える神獣」です。天使の住処を守る守護天使と記述されていますが、一方では悪魔の階級名として書かれていることもあるそうです。ガギエルに関する文献は少なく、希少な天使としても有名です。作中では唯一本物のアダムを襲撃したとされていて、獣の間が働いたのでしょうか。

第7使徒「イスラフェル」

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『新世紀エヴァンゲリオン』のエピソードの中でも傑作選に選ばれるほどの人気がある第9話「瞬間、心、重ねて」に登場する「イスラフェル」。自己再生能力が高く、弐号機が真っ二つにすると増殖するという厄介な敵あるあるな能力も持っています。

長い手足に、なで肩でスラッとしたデザインでエピソード人気も相まって有名なキャラクターでもあります。同時にコアを攻撃しないと撃破が困難なため、2体のエヴァの動きをシンクロさせるためにシンジとアスカがつまづきながらも訓練をし、討伐します。

エピソード中にギャグやコメディシーンも散りばめられており、かつ2人の距離が縮まる回でした。学園ラブコメで言えば、体育祭や文化祭で協力する感じです。

聖書では?

名前もなんとなくにていますが、イスラム教では最後の審判で奏でるラッパおよび、音楽を司る天使として記述されています。最後の審判とは複数の宗教の中で共有されている終末論敵世界観であり、天国と地獄のどちらに進むかの裁きを行うというものです。その知らせとしてラッパを吹くのがイスラフェルということだそうです。『エヴァ』だけではなく多くの創作で引用されている存在でもあります。

第8使徒「サンダルフォン」

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今まで完全体としての姿しか見ることができなかった使徒ですが、10話に登場した「サンダルフォン」はサナギのような状態で、浅間山火口で発見されます。貴重なサンプルとなるので、マグマに対応させた弐号機での捕獲作戦を実行。

しかし作戦中に羽化してしまい、やむを得ず戦闘を開始。元々戦闘ができる装備ではないため苦戦しますが、初号機のサポートもあり殲滅を成功させます。この頃からアスカの心に陰りが大きくなり不安定になっていきます。

聖書では?

ユダヤ教の伝承で登場する天使で、天国の歌を司るとされています。名前の意味は「兄弟」
だそう。有名な悪魔であるサタンと闘う仕事もあるそうです。サンダルフォンに対しては様々な俗説が存在しています。ある人間が昇天し天使になった、堕天使たちを収容する監獄の支配者であった、人間の性別を決定する役割だったなどなど多忙な天使だったようです。

第9使徒「マトリエル」

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蜘蛛のような長い足と、中心にある大きな眼球が特徴的な第9使徒「マトリエル」。NERVは謎の停電、指揮官もいないという最悪な状況。

マトリエルは眼球から強力な溶解液を分泌し建物および地面を誘拐させNERVへの侵入を試みます。涙を流しているかのような攻撃方法が生々しくもありました。

NERVの以上を察知したシンジ・レイ・アスカの連携戦闘によって殲滅されました。

聖書では?

神秘主義、錬金術伝承などに登場し、雨を司る天使とされているマトリエル。ガギエルと並び文献が少ないレアな天使とされています。名前の意味は「神の兆候」。出典によっては世界を導く支配者であるとされているそうです。雨の天使は複数いるようですがその中でも代表的な存在です。

名前の意味は「神の兆候」。

第10使徒「サハクィエル」

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度重なる使徒との戦闘の中で、さらなる盛り上がりを観せたのが第10使徒「サハクィエル」との戦いでした。圧倒的な速度と物量で宇宙から落下してくるという使徒。人工衛星の落下や隕石といった、SFでは重大な危機となる役割を持つ使徒で、その設定に引けを取らない緊迫した殲滅作戦になっています。

作戦成功率もかなり低く、攻撃による被害予想はこれまでの使徒よりも甚大です。にもかかわらず、スピーディで無駄な感情ドラマを挟まない展開に痺れます。大地をかけるエヴァ3機、容赦なく落下するサハクィエルと見どころの多い作戦です。

聖書では?

七大天使の1つとされるサハクィエルは「空の天使」と呼ばれています。名の意味は「神の創意」。劇中での設定にも生かされている部分が多々あります。この天使も少々マイナーな天使で、文献が少なくレア天使です。

第11使徒「イロウル」

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13話に登場した「イロウル」は実体を持たない、ウイルスのような使徒でした。輸送されてきたモノに紛れ込みNERVに侵入。

NERVの中枢であるスーパーコンピューターMAGIをハッキングし、NERVのシステムを乗っ取っていきます。エヴァ各機はイロウルの侵食を受ける可能性があるため、出撃できず赤木リツコによる対処で事なきを得ました。

リツコのNERVに対する不信感や母親への思いなどが垣間見えたエピソードであり、使徒に対する疑惑も生まれる回でもありました。

聖書では?

イロウルは「恐怖」を司る天使と言われており、その恐怖を自在に操ることができる力も持っています。庵野監督や制作陣が意図的にやっているかのごとく、こちらも文献がとても少ないレア天使。イロウエルと訳されることもあり、意味は「神の畏怖」。妊娠中の女性のお守りのような存在でもあるとか。原作では十分に恐怖を与えてくれたり、赤木博士の分身とも言えるマギをハッキングしたりしました。

第12使徒「レリエル」

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黒色の球体に白い線で模様を描いたような不気味なデザインと、戦闘シーンが印象深い視聴者もいるのではないでしょうか。16話で登場したレリエルはその球体が本体ではなく影の方が本体という謎の使徒。

レリエル自体から攻撃を仕掛けてこないため、油断し焦ったシンジたちは接近し強襲。すると影の部分の虚数空間に捉えられてしまいます。そこでレリエルは攻撃するわけでもなく、人間とコミュニケーションを試みるという他の使徒とは変わった行動を取りました。

エヴァの活動限界が近づき生命の危機が近づくシンジでしたが、初号機がまたもや暴走。虚数空間内からレリエルを撃破します。

聖書では?

旧約聖書外典、エノク書に登場する夜を司る天使。「神の夜」を意味します。女性の妊娠を司るという記述もあります。その他にも宗教によってレリエルの捉え方が異なっていて、夜の天使であることから悪魔だと言われることもあります。

第13使徒「バルディエル」

▲公式YouTubeより

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第13使徒「バルディエル」も屈指の人気とトラウマを視聴者に与えた使徒です。18話に登場したスライムのような粘菌の使徒で、日本に送り込まれたエヴァ参号機に寄生をしていました。シンジの友人であり良き理解者である鈴原トウジが、パイロット候補に選ばれ、参号機の起動実験をしている最中に、バルディエルによる侵食が始まりトウジもろとも、使徒として認定、殲滅作戦が開始されてしまいます。

エヴァの潜在能力を開放させてむちゃくちゃな攻撃を仕掛けてくるバルディエルに対し、人間が乗っている機体を攻撃できないでいるシンジ。初号機を失うわけにはいかないゲンドウは、ダミープラグを使って参号機を殲滅。

夕日が美しくのどかな田園風景で、エヴァがエヴァを喰らうシーンをこれでもかと映し出します。しかも乗っているのは親友同士。シンジの叫びが耳にこびりつくインパクトの強いエピソードでした。

聖書では?

バルディエルは霞を司る天使とされています。名は「神の不肖の息子」を意味すると言われています。バラキエルという天使と同視されることもあり、エノク書では占星術を人間に教えた9番目の堕天使とも言われている。この堕天使は人間の女性と交わることを誓ったともされている。新劇場版では9番目の使徒として登場しており、アスカに干渉するようにもなっている。

第14使徒「ゼルエル」

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19話に登場した「ゼルエル」は力を司る天使の名をもつ使徒です。劇中でも最強の拒絶型と言及されています。序盤に出てきた使徒たちのように、シンプルに自身の力のみでNERVに殴り込みを仕掛けてきます。

シンジはバルディエルとの戦いで精神的に疲弊し、NERVを退いてしまっており、アスカとレイが応戦しますが、ゼルエルの圧倒的な力の前では時間稼ぎ程度にしかなりませんでした。ゼルエルは攻撃の威力、体のタフさどれをとっても過去の使徒より遥かに高く、成すすべがないNERV。

シンジは、自分のせいで誰かが傷ついたり死ぬことが嫌でたまらない。だからNERVから逃げ責任を放棄しました。しかしNERVの壊滅的状況を目撃し、自分の命と他人の命を天秤にかけ、もう一度初号機に乗り使徒を倒す決意をします。決意に答えるかのようにエヴァ初号機は覚醒、ゼルエルは圧倒され、ついには捕食されてしまいます。

何もせず自分だけ生き残るか、使徒に立ち向かうか。勝算は限りなくゼロに近く、みんなを救えないかも知れない、そして自分も命を落とす可能性のほうが高い。一縷の望みのためだけに大博打に出るシンジが印象的でした。ヒーローの男気にも、破滅願望のようにも見えます。

聖書では?

「神の腕」を意味する名前を持つ天使。力自慢の天使で、数々の武勇伝が残されている。ユダヤ人とともに別の民族と闘ったとも言われる。劇中でも最強と言われるように、「兵力」を司る天使とされています。

第15使徒「アラエル」

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22話に登場した、不死鳥のような姿の使徒「アラエル」。宇宙の衛星軌道上から地球を観測しており直接攻撃はしてきません。初号機は凍結されているためアスカと弐号機が出撃しますが、アラエルは謎の光を照射し、人間の精神に向けて攻撃を開始します。

元々精神が不安定になっていたアスカはアラエルからの接触に耐えることができず活動停止に。後に零号機が投擲した「ロンギヌスの槍」によって殲滅されます。

人間の精神世界に侵入し、攻撃・干渉をおこなう使徒であるアラエル。敵や怪獣という立場から、高尚な生命としての側面を見せ始めます。アスカに精神的に干渉している際に、有名クラシックを流すという庵野イズムが感じられる場面もありました。

聖書では?

鳥を司どる天使の1人であるアラエル。有名な天使であるアリエルの別名だとも言われています。「神の光」という意味も持ちます。旧約偽典によればとある悪魔を撃退するときに重宝されているとか。これまた謎の多い天使であり定説が少ないと言われています。

第16使徒「アルミサエル」

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光の輪のようなデザインになっている「アルミサエル」。体をアップで見ると二重螺旋構造
になっているのがわかります。23話に登場し、零号機と戦闘しました。

レリエルやアラエルと同様に人間と精神的な接触を試みる使徒であり、零号機に搭乗しているレイの精神に干渉します。援護に入った初号機をも侵食しようとしますが、レイの決断によって零号機もろとも自爆します。

作品の後半になると、使徒たちはパイロットたちの精神世界を表現する役割をも持つようになりました。この角度の違う心理描写も本作の魅力の1つであり、彼らが存在する意味でもあります。

聖書では?

「子宮」を司る天使と言われているアルミサエル。悪魔などから妊婦や胎児を守る天使だとされています。アルミサエルは「子宮の天使」という異名を持っていて、難産の分娩を補助するともいれています。

第17使徒「ダブリス」

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大人気キャラクターであり、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』では今まで観せなかった側面も描かれた人物「渚カヲル」。『新世紀エヴァンゲリオン』シリーズでは最後の使徒「タブリス」として登場します。

ゼーレから送られたフィフスチルドレンとされていますが、彼は人工的に造られた使徒「タブリス」だったのです。人工的な肉体に「アダム」の魂が入っており、レイと似た存在です。

アダムの肉体をゲンドウが所持していることを知らずにセントラルドグマへと向かいますが、そこにいるのは磔になったリリスです。それを悟ったタブリスはシンジの手で死ぬことを望み、初号機で殲滅されてしまいます。シンジにも視聴者にも大きな傷を与えた存在でもありました。

新旧含め彼の存在により、『エヴァ』の考察がより一層盛り上がったり、シンジとの関係性を楽しむファンも続出。石田彰さん演じる使徒、最高です。

聖書では?

自由意志を司る守護霊とされているダブリス。ずっとシンジくんの自由を守り幸せに導こうとするカヲルにぴったりですね。存在は魔術書にかかれているそうです。そのことから悪魔的な要素も持ち厳密に言えば天使ではないようです。

第18使徒「リリン」

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新劇場版では度々耳にするこの「リリン」という名ですが、リリスを基にした生命体の総称とされており、シンジたち人類を指します。17使徒であるカヲルのみが口にしていました。

視点を変えてみれば、ほんさくによる使徒と人間の戦いは、親の違う生命体が居住区を奪い合う戦いをしていたとも言えるでしょう。その争いに終止符を打つ計画こそがゼーレの「人類補完計画」だったようです。

聖書では?

人類を表すリリンですが、ユダヤ教では悪魔とされています。リリムとも呼ばれています。リリムはゲームなどで使われたりもしますね。

伝承によるとリリスが魔王との間に授かった子供の悪魔たちに名付けた名前とされており、新生児を襲う、男性に夢精をさせるなどともいわれています。サキュバスと関係があるとも言われています。

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズの使徒まとめ

2007年に公開された『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』から始まった「新劇場版シリーズ」ですが、ただのTVシリーズの総集編ではなく、いくつかの設定やシナリオを改変した新たな『ヱヴァンゲリヲン』として制作されました。

一部キャラクターの氏名やエピソードの追加または削除、エヴァのデザインの刷新、そして使徒に関する設定も変更されています。主な変化は使徒の名称の削除、出現順序、数の現象などがあり、新劇場版シリーズが完結した今でも語られていない部分もあります。旧シリーズの設定を引き継いでいるのか、改変された部分なのか曖昧な箇所もあり、SNSやインターネットでは様々な解釈がなされています。

また作品の展開自体も、使徒との争いよりも「人類補完計画」を中心とした人間同士の争いや、庵野秀明監督と「エヴァ」との向き合い方などがメインにシフトしてしていき、「使徒」の存在はあくまでも魅力的な作品世界を構成する1要素になっています。

第1使徒 

新劇場版シリーズでは、渚カヲルが自身のことを第1使徒であると発言しています。『シン・エヴァンゲリオン劇場版』では、カヲルが生命の書に名を連ねる生命体であり、円環の物語として世界を何度も生きていると明かされました。

旧劇場版では、ゼーレがアダムの魂の器として造られた存在でしたが、生命の書にその存在が記されているということは、人間に干渉されることのない存在のはずなので上記の設定を引き継いでいるのかは不明です。

また旧シリーズでセカンド・インパクトを引き起こした光の巨人「アダム」は1体でしたが、新劇場版ではセカンド・インパクト回想時に4体の光の巨人が描かれており、「アダムス」という単語も多く使われています。しかしその巨人たちとアダムやアダムスの関連性は明言されておりません。様々な解釈をすることできるので、気になる方は調べて自身の解釈と比較するのも楽しみの1つです。

第2使徒

NERV本部、セントラルドグマの最深部に磔にされているのが第2使徒です。新劇場版ではアダムに偽装されること無く「リリス」として存在しております。

ゼーレ、ゲンドウ両者にとっての「人類補完計画」のキーとなる存在の1つであり、『新世紀エヴァンゲリオン』時のリリスとは仮面のデザインが異なっています。補完計画ををめぐる様々な思惑により、劇中で何度も形態を変化させることも見受けられます。

第3使徒

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』に登場。劇中のアバンタイトルで新キャラクターである「真希波マリ・イラストリアス」が登場するエヴァンゲリオン仮設5号機と戦闘しました。

これまでのシリーズでは登場しなかった存在であり、ビジュアルも人工的な機械のような見た目をしています。人類によって捕獲され、北極・ベタニアベースに保存されていましたが脱走、そこでエヴァが出撃しました。

地下空間でのハイスピードな戦闘と、5号機を犠牲にした派手な撃退方法など、アバンタイトルでの疾走感のあるアクションはこの後の新劇場版シリーズではおなじみとなりました。

第4使徒

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』に登場する使徒で、シンジがエヴァ初号機に搭乗し初めて退治する使徒です。TVシリーズにも登場した、第3使徒サキエルと同じ姿をしています。物語内での役割も同じなので、名称と順序が変更されていますね。

新しくなった戦闘シーン、衝撃の暴走シーンも健在。オーソドックスな人型でありながら、不気味さと可愛さを備えたデザインです。

第5使徒

TVシリーズではシャムシエルと名付けられていた使徒。こちらも『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』に登場。主なデザインもトウジ、ケンスケを保護して戦闘をするというシナリオにも変更は見られません。

両側面に備えたムチ状の武器の色彩が綺麗になっており、活動停止後の名カットもアップデートされています。

第6使徒

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』のクライマックスとなる、「ヤシマ作戦」にて殲滅対象となった使徒。旧第5使徒ラミエルから、特に見た目の変更点はありませんが、攻撃時に形態を変化させるギミックが追加されており、その変形メカのような挙動と、複雑な造形でファンを喜ばせました。放出するレーザーも、音、威力、演出がパワーアップしており非常にかっこよかったです。

レイとシンジの共同作戦により撃破され、レイがシンジに救出され笑顔を見せる名シーンでは従来よりも柔和なレイの微笑みが描かれています!

第7使徒

大きな時計のような構造を持ち、幾何学的模様のような立体で構成されている不思議な使徒です。『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』にて初登場。海面を氷結させながら移動を行います。

「式波・アスカ・ラングレー」と専用のエヴァである2号機が初登場した際に戦闘した使徒であり、同監督作品の『トップをねらえ! 』でおなじみの「イナズマキック」を彷彿とさせるダイナミックなキックで殲滅。鮮烈な登場をするのは、惣流も式波も変わりません。

第8使徒

旧シリーズではサハクィエルと名付けられていた使徒です。衛星軌道に突如として現れNERV本部に特攻を仕掛けてきます。

こちらの使徒はデザインが大幅に変更されており、よりビビットな色使いや、羽の枚数の追加、地球に落下した時の揺れ動く人型の羽先ディティールなどこだわりが随所に見られます。『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』の中盤から終盤にかけての怒涛の展開や勢いに乗るためのヘッドライナー的役割を果たした使徒です。

葛城ミサトが女の勘で算出した落下予測ポイントを基に、3機のエヴァが全霊をかけ対象物を受け止めるという無茶な作戦を決行。音速を超えて駆け抜ける初号機に痺れる人気シーンでもあります。

第9使徒

この使徒のおかげで、「いつまでも耐えること無く~」のフレーズが頭にこびりついて離れなくなった方も多いのではないでしょうか。旧シリーズのバルディエルに相当する使徒であり、粘菌のような形状でエヴァ3号機を侵食。使徒化させてしまいます。

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』でも、同様に初号機での戦闘を放棄したシンジに変わり「ダミープラグ」を使って徹底的に処理されますが、乗っているパイロットがトウジではなくアスカに変更されています。

レイの食事会の計画、アスカがやっと認識し始めた人間同士の暖かさ、シンジに芽生えていた自身、それら全てを破壊した衝撃のシーンであり、その元凶が第9使徒でした。

第10使徒

最強の拒絶型と謳われていたゼルエルも『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』に登場します。今作でもその力は圧倒的で、重火器ではもちろん歯が立たず、新要素であるエヴァのビーストモードでも敵いませんでした。レイの決死の特攻も散ってしまい、零号機ごと取り込まれてしまいます。

シンジも覚悟を決めて、エヴァに乗りますが押し切られてしまい活動停止。綾波だけは絶対に救うというシンジの心に呼応し初号機が暴走、そして覚醒。そのまま使徒と接触し、ニアサードインパクトを引き起こしてしまうのです。

ビジュアル面はゼルエルから多少アレンジされており、零号機を吸収する前もスタイリッシュな形状に。吸収後はレイの体を模したようなデザインになっています。

第11使徒

第11使徒は、存在していることは確認できているものの姿や殲滅方法など詳細が何もわかっておりません。

上記の覚醒した初号機、シンジらを11番目とするのか、ネブカドネザルの鍵、またはそれを使用したゲンドウが当てはまるのか、空白の14年間の中で登場したのか、定かではありませんが、ネット上では様々な考察がされています。

第12使徒

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』に登場した使徒。エヴァンゲリオンMark.06の内部に潜伏しており、綾波レイ(仮称)が乗っていたエヴァンゲリオンMark.09によって開放され、複数の虫のような物体が集合した姿で外に飛び出しました。

その後またたく間に、エヴァ13号機を取り囲み、巨大なコアに形を変え、巨大な綾波レイに変化、そして13号機に食われ覚醒。サード・インパクトが始まります。

第13使徒

第1使徒だとされている渚カヲルが奇しくも最後の使徒となりました。ゲンドウのシナリオ内の補完計画を遂行すべく、彼の策略によって13番目の使徒へと落とされてしまいました。
第1使徒であるカヲルまでもが、仕組まれた存在であり、1つの大きなシナリオの役割を果たす存在でした。アスカも実はクローンとして造られていた事実も解明されました。

『シン・エヴァンゲリオン劇場版』では、カヲルの魂がマイナス宇宙のゴルゴダオブジェクト内に現れシンジと対話します。その際に、加持リョウジと、渚司令としての関係が描かれておりその事に関する考察もネットで話題になっています。

「使徒」を理解すれば新たな発見がある!

ここまでで、使徒が様々な役割を果たす存在であったことを再確認することができたのではないでしょうか。

物語の根本的なテーマや軸としての役割や、戦闘シーンによる怪獣的立ち位置で作品を盛り上げたり、伏線や、物語を解くための鍵が隠されていたりなど『エヴァ』には無くてはならない存在です。

旧約聖書などを出典とした名前やデザインのこだわりや、言及されておらず、解釈の余地が残されているもの、設定資料集などにも様々なネタがまだまだ隠されているはずです! そういったアプローチでどんどん『エヴァ』を深堀りしていくのも、醍醐味ですね。さよならは、また会うためのおまじない! これからもエヴァ活楽しんでまいりましょう。

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