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『ヒプマイ』2nd D.R.B 山田一郎役・木村昴インタビュー

『ヒプノシスマイク 2nd D.R.B「Buster Bros!!! VS 麻天狼 VS Fling Posse」』Buster Bros!!!山田一郎役・木村昴さんインタビュー|「これで勝てるっていうラップをちゃんと録りたかったんですよ」

2回目となるバトルシーズンもついに最終章。『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-(以下、ヒプマイ)』の2nd Division Rap Battleで決勝に駒を進めた3つのディビジョンによるFinal Battle CDであるBuster Bros!!!・麻天狼・Fling Posse「Buster Bros!!! VS 麻天狼 VS Fling Posse」が2021年9月8日に発売となります。

徐々にライブの規模も大きくなった結果、2021年8月7〜8日には過去最大規模の「ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- 7th LIVE《SUMMIT OF DIVISIONS》」を開催。大成功のうちに幕を閉じました。

一体、『ヒプマイ』はどこまで行くのか……? 今回はイケブクロ・ディビジョンBuster Bros!!!の山田一郎役・木村昴さんにFinal Battle CDのお話はもちろんのこと、7thライブの感想、これからの『ヒプマイ』についてたっぷりとお聞きしてみました。

1st Division Rap Battleで苦虫を噛み潰したBuster Bros!!!。再起を図った2nd Division Rap Battleでは、念願の決勝へ。そんな劇的な展開に木村さんも並々ならぬ想いがあった様子です。

『ヒプマイ』を代表するひとりだからこそ行き着いた、熱い想いに迫っていきましょう。

 

心の命ずるままにステージに立てた7thライブ

ーー本日はよろしくお願いいたします。せっかくなのでまずは、7thライブの感想からお聞きできればなと思います。

 
木村:この9月でプロジェクト発足から丁度4周年ですよね。『ヒプノシスマイク』が4歳になりました。1stライブ(2017年11月4日 池袋サンシャインシティ噴水広場)からずっとBuster Bros!!!は出演させていただいていていますが、5thライブ(2020年3月29日 Abemaで配信)からは無観客になったんです。

ーーそうですよね……。

木村:お客さんに見ていただくライブも経験して、無観客も経験して。約2年ぶりにお客様の前でやることになった喜びや嬉しさは、今までにないものを感じましたね。

「お客さんに会えるってこんな幸せだったっけ?」みたいな。決して無観客でやったライブが今までと物足りないとか、お客さんがいなくて良くなかったってことは全くなくて。無観客ライブでも、お客さんがいた頃のライブを超える熱量と素晴らしい演出と僕らのパフォーマンスで盛り上げたいっていう思いがあったので、毎回クオリティを上げていけていたんですよ。

でも、お客さんが再び会場に入ることでこんなに雰囲気が変わるのかという驚きがありました。何十倍、何百倍にも僕らのこの気持ちが開放されて楽しかったっていうあの瞬間だけは、後にも先にも人生で1番楽しかったんじゃないかっていうくらい盛り上がったの覚えています。お客さんがそこにいるってありがたいなって思いましたね。

ド頭の1曲目で、炎も出てて、ダンサーさんたちもいっぱい踊って、幕がバーンって落ちて歌いはじめる演出でしたが、 今までの無観客ライブではバーンって落ちたらカメラがいっぱいあるっていう光景だったんですよ。そうだったものが、幕が降りたら目の前にお客さんがいるっていうことが、本当に込み上げてくるものがあって。

初日はそれもあって、「選手宣誓! 万死一生!」って歌い出すところで、声震えちゃって。 「なんだこれ! うっ、ラップできねえ!」みたいな。お客様がいてくださることに涙が出ましたね。本当にもうそれがやっぱり嬉しかったし、なんか感動したのを覚えています。いつか孫が産まれたら自慢したいライブですね。

ーー本当にお客さんには感謝しかありませんね。しかも、スチャダラパー、Dragon Ash、Reolとの共演ですよ。

木村:それ! やばいでしょ(笑)。これまでもずっとやばかったですからね。KEN THE 390さん、EGOさん、ラッパ我リヤさん、サイプレス上野とロベルト吉野さん、□□□さん、GADOROさん、山嵐さん、餓鬼レンジャーさんとかね。いろんな奇跡的で伝説的なライブが『ヒプマイ』にはいっぱいありましたね。

ただ「スチャダラパー」はもうラップお兄さんですから(笑)。日本語ラップのお兄さん的な、 レジェンダリーラッパー達が来てくれたってのはすごいですよね。「Dragon Ash」さんも絶対知ってるじゃんみんなって。

ーーみんな知っていますよ。

木村:しかも新曲やってくれたっていう。胸アツ……! その点でも、ラップミュージックヘッズとしてもめっちゃテンション上がったの覚えてますね。

Reolさんのライブも、生で拝見するのは初めてで。もちろん楽曲はチェックしてたし、映像では見てましたけど、ライブもすごいっすね!

お会いしたんですけど、めちゃくちゃ小柄な方なんですよね。なのにあのパワフルなパフォーマンスやんの? みたいな。しかもステージはDJもいなくてひとりじゃないですか。第8感くらい出てました。

ーー(笑)。シックス・センス的なことですよね?

木村:エイト・センス、ナイン・センスくらい出ていましたね(笑)。センスが半端なかったです。天井知らず。ほんとにかっこよかった。夢みたいな舞台でしたよ。

 

ーー僕は初期から『ヒプマイ』を取材させていただいていますが、あのサンシャインシティの噴水広場で歌詞飛ばした人間がですよ、ついにここまで……! と思いました。

木村:(爆笑)。イジる(笑)。

当時の様子(レポートはこちらから!)
「ヒプノシスマイク」ステージレポート!木村昴さん、浅沼晋太郎さん、速水奨さんらがラップバトル!【AGF2017】

ーーDragon Ash、スチャダラパー、Reolですからね。泣きそうになりました。

木村:その思いで見ていただいて嬉しいです(笑)。でもそうですよね。サンシャインシティからすべては始まりましたけど、会場もちょっとずつ、ちょっとずつ大きくなって。やっぱり『ヒプマイ』っていう作品が、愛されてるなってのをすごく感じたし、『ヒプマイ』が持つ、魅力みたいなものが世界中の人に浸透して、色んな人に気づいてもらえているっていうことも嬉しいなって思います。

あの日、噴水広場のライブに参加して、今もなお『ヒプマイ』を応援してくださってる人たちも感慨深かったのかなと思いますね。

ーー絶対にそうだと思います。

木村:しかも7thライブでは、お客さんが入ることによって、僕らのパフォーマンスも想像を絶する粋に達したような感覚もあったんですよ。

リハーサルでは、かなり綿密に打ち合わせを重ねました。この曲はあっちいってこっちいって、ここでサビのタイミング、ここが立ち位置、みたいな感じで、フォーメーションとか動きを毎回確認するんです。

Buster Bros!!!は特に本番前まで楽屋でずっとラップ合わせしたり、動きの確認をしたり、「ここになったら俺がこれやるから、じゃあみんなこのリアクション」みたいなことを繰り返しているんです。

袖でずっとネタ合わせする感じで、本番直前まで合わせてから「OK! いけるね! よっしゃいこう!」ってステージに上がっていくのがいつもの光景なんです。

2日目のライブで披露した「IKEBUKURO WEST GAME PARK」に関しては、今までもたくさん歌っていて、僕らも体にすごく馴染んだ曲なんですが、2日目も何度も確認して「行くぞ、行くぞ、行くぞ!」ってステージに出ましたね。

ライトを浴びた瞬間、お客さんがいる光景とアカペラで始まるビートの高揚感に酔っていたら……練習でやったこと何もできなかったですよね!

ーー(笑)。

木村:なんかこう、思うままに、感じるままに、心の命ずるままにって感じでした。「さらば昴よ」(笑)。ほんとにこの状態(笑)

ステージの上でお客さんの顔が見たくてこっちに行って、兄弟と合わせたくてこっちに行ってとか。3人がフリースタイルで自由に動いたんですよ。

でもそれが結果、お互いをサポートしあえて自由に楽しくなるようなフォーメーションになっていたんですよね。もうラップするっていうレベルを超えてたんですよ、あの曲は。会話してるような感じ。

曲自体の性質としても「みんなの声が俺たちのエネルギーだぜ」っていう曲だけど、お客さんも声が出せない状況ながらも一生懸命応えてくれようとしてくれて。そのお客さんとの一体感みたいなものも今まで感じたことのない手応えがあって。本当に痺れました。

1日目も2日目も披露した「Re:start!!!」では、エモい演出を考えていて。メンバーをカメラで追うという演出だったんですよ。ステージに登場するところからカメラが追いかけていて、二郎と三郎が一郎の背中を見てステージに上がるっていう演出でした。

僕たちが見ているステージからの景色をお客さんにもシェアできるチャンスだなって思ったんです。あの瞬間だけは、僕らBuster Bros!!!とお客さんが同じ目線に立てたというか。あれが……鬼エモ。もう、鬼えもんでした(笑)。

ーー鬼えもん(笑)。

木村:僕らも感動したけど、お客さんからのリアクションも非常に良くて。僕らもやっと見られたお客さんのリングライトの明かりを配信、ライブビューイング、会場でみんなが見ているんです。

あの曲でみんなで共通の体験をすることができたのは、不思議な感覚でもあり、とにかくエモかった。

1日目のリアクションがすごくよくて、僕らも気持ちがすごく入ったんですよ。みんなでお客さんのリングライトの海を見渡し、二郎と三郎と目配せして「いくぜ」ってラップして、僕らも手応えを感じました。

2日目はもう少し改良できる余地がないかなって話していたら、DJのU-ICHIさんが「正面に座って始まるとかかっこいいんじゃない?」ってアイデアを出してくれました。「それじゃん!」ってなって。

それで2日目は、一郎が正面に座った画から立ち上がって「行こうぜ。みんなついてこい」みたいな身振りを入れてみんなで一緒に階段を上ってステージに上がっていく感じにしました。

あそこを登ってるのは僕ひとりじゃなくてみんな。Buster Bros!!!を応援してくれてるみんな、『ヒプマイ』を応援してくださってるみんなと、「いこうぜ!」ってステージに上ってライブするって感じなんです。それがお客さんにも届いたみたいで。痺れましたね。あそこは本当に。

 

ーーバックステージでそういったやりとりがあったからこそ生まれたシーンだったんですね。

木村:そうなんです。全体を通して、全員で歌う楽曲から始まり、それぞれのディビジョンの代名詞となる楽曲を披露、バトルシーズン中の楽曲を使ったバトルをして、最終的にDragon AshさんがプロデュースしてくれたFainal Battleの「SHOWDOWN」に向かう、というイメージでやっていました。

勝った3チームで最後のFainal Battleの楽曲を披露する流れは、Fainal Battleをピークに持っていくためのセットリストになっているわけですよ。逆に言うと、Fainal Battleがピークでライブが一回どーんと終わるんです。

ライブのカーテンコール的なポジションになってる最後の3曲は、「バトルは忘れて騒いじゃおう! みんなで楽しもうぜ最後は!」みたいなパートがあるんですけど、そのバトルが終わってからのところが無茶苦茶楽しかったんですよね。

Fainal Battleは、どのチームも最後まで出し切ったし、今できるベストを本当に尽くしたんです。全く惜しくないし、悔いもない、やるだけやった。だから後の結果は神のみぞ知る、みなさんに委ねさせてもらう。

「それでも勝ちてえ!」みたいなハングリーさはあるけど、「俺ら、正々堂々戦ったから最後はみんなで騒いじゃう?」っていうコンディションになれたんですよ。

そして最後にスチャダラパーさんが手掛けてくれた「SUMMIT OF DIVISIONS」は、みんながごちゃまぜで一列になって歌うし、『ヒプマイ』の真髄でしたね。

自分のレペゼンしてる土地やクルーはあれど、ラップをするっていう事においてはやっぱりみんな平等なんですよ。

ーー「ヤベー奴はヤベー」っていう感覚ですね。

木村:そう。最後のちゃんと“ラップ”している感じが、まさしくピース&ユニティで素晴らしかったです。もうこれ、「We Are The World」だよねって思いました(笑)。

ーーたしかに言われてみれば!

木村:全体を通してもあれが非常に印象的でした。バトルが終わって悔いがなかったから、全身で楽しめましたよ。

前回のバトルは負けたし、負けちゃった後のバトルも、いわゆる次のライブでもバトル曲を披露した後とかちょっと苦しかったですから。「なんだよ、あいつらは次決勝か……」みたいな。

ーーそれも『ヒプマイ』だからこそ湧き上がる感情です。

木村:前回は「見てろよ。最後は俺たちが1番かっけーって見せつけてやろうぜ!」みたいな想いがあったんですけど、今回は全くなく。本当にライブができて嬉しい、見てくれてありがとうっていう気持ちのみでラップできたっていうのが最高ですね。

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