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『攻殻機動隊 SAC_2045 持続可能戦争』田中敦子&大塚明夫&山寺宏一 インタビュー

『攻殻機動隊 SAC_2045 持続可能戦争』田中敦子さん&大塚明夫さん&山寺宏一さんインタビュー|今までのシリーズを踏襲しながら3DCG化で更に魅力的に!

3人の関係性は「家族」。バトーとトグサあっての「少佐」

――1995年に劇場用アニメとして『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』が公開されてから、約26年に渡って「攻殻機動隊」に関わられていることで感じるお互いの関係性についてどう思われますか?

大塚:もう家族だよね。

田中:そうですね。収録から数えると27年になりますが、その前にも個別オーディション後に3人そろってのオーディションがあった時からご一緒させていただいていますので、私にとっては家族以上です。大塚さんも山寺さんも、私が新人に近いような時から仲良くしていただいて「夢みたい!」と思いながらここまで一緒に過ごしてきました。今でもまだ夢みたいです。ずっとお二人に守っていただきながらのメスゴリラです。

一同:(爆笑)。

田中:お二人に支えていただいているからこその少佐だなと私個人としては思っています。でもお芝居をしている時はあくまで隊長として。

山寺:引っ張ってもらってますよ! 

大塚:僕らのほうこそ、こんなに素敵な女性に毎回会えるなんて夢みたいと思ってた。

田中:ありがとうございます、先輩(笑)。こういうところが家族以上なのかなと。

大塚:僕にとってお二人は同時代を共に戦ってきた戦友を超えて、兄妹みたいな感じがします。だから一度、キャスト変更があった時は寂しさを感じましたが、またこうやって戻ってこられたことは嬉しかったです。

――今回、再結集できた時の感想は?

田中:新作制作が決まって、キャラクターデザインが上がってきた時も「私たちじゃないですよね?」と顔を合わせるたびに言っていて。

山寺:心では自分たちだといいなと望んでいながらも、キャストが発表された時にショックを受けないようにそんなことを言っていました(笑)。

大塚:そんなふうに思っていたからこそ、キャストが発表された時の喜びは大きくて。学生時代に過ごしてきた街に再びみんなで戻ってきたような。収録は絵ではなく、モーションキャプチャーの映像を見ながらと様相が違えども、みんながしゃべりだしたらすぐによみがえってきて、感動すら覚えました。

山寺:しばらくやっていなくても集まるとすぐに時間が戻るんですよね。それは素子としての田中敦子がいるからで。声を聞くと「少佐!」と、トグサの気持ちになれるんです。憧れている割に、昔から「メスゴリラ」とか「あんなゴツいお姫様にエスコートなんているのかね」とかひどいこと言ってますけど(笑)。

でもそんなこと言いながらも少佐が大好きで、本庁から引っ張ってもらった時の感謝など、このキャストでやるとすっと入れるんです。明夫さんも兄貴みたいな人ですし、他のキャストさんもそうですが、普段からべたべたするわけではなく。「STAND ALONE COMPLEX」というタイトル通り、それぞれが個々で任務を遂行しながらも集まると何かが生まれるし、「攻殻機動隊」チームなんだなと感じられるんですよね。そして作品が素晴らしいということも大きくて、作品を通じてみんなが成長させてもらっている気がします。

田中:『攻殻機動隊 SAC_2045』のW監督、神山(健治)監督と荒牧(伸志)監督が、本作のOP曲「Fly with me」を手掛けられたmillennium paradeの常田(大希)さんが主宰するクリエイティブチーム「PERIMETRON」のラジオ(PERIMETRON HUB)に出演された時、「オリジナルのキャストでやることが条件だった」とおっしゃられていたのを聴いて泣きました(笑)。

 

――改めて「攻殻機動隊」がこれまで長く愛されている理由についてお聞かせください。 

山寺:おもしろいからです(笑)。

大塚:公安9課のメンバーは頼りがいがあって、不正をせずに公正に人を見ていて、「大人ってこうだったらいいのにな」という理想像でもあるんですよね。またこの作品が扱っている主軸になるテーマは、むしろ大人ではないと理解できない部分があるし、深さがよりわかるから、普段はアニメを観ない人でも「攻殻機動隊」だけは観ているという人も多くて。

山寺:それは実際の事件や物事にもリンクしている部分があり、近未来SFではあるけど、リアルさがあって。だからこそ今、この時代に観てほしいという作り手のメッセージがはっきりしていると思います。それに加えて、キャラクターや世界観のカッコよさも詰まっているからではないでしょうか? 

田中:まず無条件にカッコいいということがあって。あと「素子が好きです」と言ってくださる方は女性が多いんです。女性目線で素子のタフなクールさや思いやり、完璧さに憧れもあるし、理想の上司みたいにとらえている方も多くて。たぶん最初にアニメ化された26年前にはまだ女性をリーダーにするチームは珍しかったと思いますが、「メスゴリラ」と言われている少佐が屈強な男性陣を束ねて、リーダーシップをとって事件を解決していくという爽快感が長きにわたって支持されている理由かもしれません。

――改めて映画『攻殻機動隊 SAC_2045 持続可能戦争』の注目ポイントと、制作発表後、配信が待たれているシーズン2の見どころのご紹介をお願いします。

田中:今回の劇場版はNetflixで配信中の『攻殻機動隊 SAC_2045』シーズン1を編集して、1つの作品として見やすく作られたものです。神山監督がこれまでも「笑い男編」をまとめた『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX The Laughing Man』や「個別の11人編」をまとめた『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Individual Eleven』などで取り入れてきた手法で、シーズン1を振り返りつつ、シーズン2への橋渡しにもなっていると思います。それを大きなスクリーンで観ていただけることは私たちにとっても魅力的であり、Netfilx版と違った視点で楽しんでいただけると思うのでぜひ劇場で観ていただきたいです。

またシーズン1が気になるラストシーンで終わったので、シーズン2ではどう続き、どう帰結していくのかが見どころです。トグサ君が大活躍すると思いますので……。

山寺:えっ!? そうでしたか? 

田中:はい(笑)。トグサ君の奮闘にご期待ください。

大塚:劇場版は絵が全編フルグレーディングされています。戦闘シーンの臨場感はすごいです。配信でご覧になった方もシーズン2を観る前におさらいができるし、観ていなかった方もシーズン1の12話を見やすく編集しているので、これを観ればシーズン2に入りやすいと思います。シーズン2の導入部分のようなものもちらほらと観ることができ、期待感をくすぐってくれるのではないかと思うので、観たほうがいいですよ。

山寺:お二人が言ってくれた通りです(笑)。あれだけのクオリティの作品なので、大画面で観たり、大音響で聴いたりすることで素晴らしい体験ができるのではないでしょうか? 今回、登場するメカ、特に車が大好きなので、僕もスクリーンで観たいです。

今回、映画になったことで、「ポスト・ヒューマンとは何なのか?」など『攻殻機動隊 SAC_2045』の物語の縦軸がわかりやすくなっていると思います。しかも今回は神山さんと荒牧さんは総監督という立場で、藤井道人さんが監督として再構築されていて、新たな切り口になっていると思うのでそこも見どころです。

シーズン1がもやもやした終わり方で、「トグサ、どうなっちゃったの?」と思われたでしょうが、そんな方にこそシーズン2に期待していただきたいし、劇場版を観てほしい! ここで言えない何かがあるので(笑)、ぜひ観ていただきたいです。

アニメ映画『攻殻機動隊 SAC_2045 持続可能戦争』作品情報

2021年11月12日(金)より劇場公開[2週間限定]

 

イントロダクション

シーズン1に新たなシーンを加えて再構成 全カットフルグレーディング 劇場版として新生

神山健治(総監督)×荒牧伸志(総監督)×藤井道人(監督)による新たな『攻殻機動隊』

人々の意思が“電脳”に繋がれた近未来において電脳犯罪に立ち向かう全身義体のサイボーグ・草薙素子率いる攻性の組織、公安9課。1989年に士郎正宗により発表された原作コミック『攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL』を起源とし、アニメーション、ハリウッド実写映画など様々な作品群が展開されている『攻殻機動隊』。

シリーズ最新作『攻殻機動隊 SAC_2045 』は、『攻殻機動隊 S.A.C.』シリーズの神山健治と、『APPLESEED』シリーズの荒牧伸志が共同監督としてタッグを組み、田中敦子、大塚明夫、山寺宏一ほか『攻殻機動隊 S.A.C.』シリーズのオリジナルキャストが再集結。Production I.G × SOLA DIGITALARTSにより制作され、2020年4月よりシーズン1全12話の全世界独占配信がNetflixにて開始。以来、その鮮烈なSFアクションと、時代を予見した独自の世界観により、新たなファンを獲得し続けている。

シーズン2の制作も既に決定している本作シーズン1が、日本アカデミー賞6部門受賞の『新聞記者』や、『ヤクザと家族 The Family』等、実写映画で活躍する藤井道人が監督として構成を手掛け、新たなシーンの追加と全カットフルグレーディングにより、劇場用長編アニメーションとして新生する。

 

ストーリー

持続可能な戦争(サスティナブル・ウォー)がもたらす新たな支配種“ポスト・ヒューマン”

再び組織される草薙素子率いる公安9課、通称“攻殻機動隊”

2045年。全ての国家を震撼させる経済災害「全世界同時デフォルト」の発生と、AIの爆発的な進化により、世界は計画的且つ持続可能な戦争“サスティナブル・ウォー”へと突入した。だが人々が、AIによる人類滅亡への危機を日常レベルで実感できるまでには衰退の進んでいない近未来――。

内戦・紛争を渡り歩き、廃墟が横たわるアメリカ大陸西海岸において、傭兵部隊として腕を奮っている全身義体のサイボーグ・草薙素子とバトーたち元・公安9課のメンバー。電脳犯罪やテロに対する攻性の組織に所属し、卓越した電脳・戦闘スキルを誇っていた彼女らにとって、この時代はまさにこの世の春である。

そんな草薙率いる部隊の前に、“ポスト・ヒューマン”と呼ばれる驚異的な知能と身体能力を持つ存在が突如として現れる。彼らは如何にして生まれ、その目的とは。大国間の謀略渦巻くなか、いま再び“攻殻機動隊”が組織される――

 

スタッフ

原作:士郎正宗『攻殻機動隊』(講談社 KCデラックス刊)
総監督:神山健治×荒牧伸志
監督:藤井道人
脚本:神山健治・檜垣 亮・砂山蔵澄・土城温美・佐藤 大・大東大介
キャラクターデザイン:イリヤ・クブシノブ
3Dキャラクタースーパーバイザー:松重宏美
プロダクションデザイナー:臼井伸二・寺岡賢司・松田大介
モデリングスーパーバイザー:田崎真允
リギングスーパーバイザー:錦織洋介・井上暢三
エフェクトスーパーバイザー:清塚拓也
ライティングコンポジットスーパーバイザー:高橋孝弥
編集:古川達馬
カラーグレーディング:松本 勝
音楽:戸田信子×陣内一真
サウンドデザイナー:高木 創
主題歌:「Fly with me」millennium parade×ghost in the shell:SAC_2045
音楽制作:フライングドッグ
主題歌協力:ソニー・ミュージックレーベルズ
制作:Production I.G×SOLA DIGITAL ARTS
製作:攻殻機動隊2045製作委員会
配給:バンダイナムコアーツ

 

キャスト

田中敦子
阪脩
大塚明夫
山寺宏一
仲野裕
大川透
小野塚貴志
山口太郎
玉川砂記子
潘めぐみ
津田健次郎
曽世海司
喜山茂雄
林原めぐみ

 
公式サイト
公式ツイッター

(C)士郎正宗・Production I.G/講談社・攻殻機動隊2045製作委員会
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