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TVアニメ『東京24区』津田尚克×下倉バイオ×鳥羽洋典スタッフインタビュー【連載 第1回】

TVアニメ『東京24区』津田尚克(監督)×下倉バイオ(ストーリー構成・脚本)×鳥羽洋典(企画プロデュース) スタッフインタビュー|きっかけは “ループものへのカウンター”、そして描かれる“群像劇”【連載 第1回】

第1話は情報を詰め込んでいますが、まずは3人に感情移入して見て欲しい

――いろいろ話を伺ってきて期待度がさらにあがりました。ちなみに、第1話は1時間拡大スペシャルとして放送されますが、これはどのような意図からでしょうか?

鳥羽:最初にお話したように、この作品には“群像劇”と“後戻りできない選択肢を突きつけられたときにどうするのか”という2つのテーマがあります。それを30分で両立させることはできないか検討したんですけど、無理で……。どちらかを第1話、もう片方を第2話にしてしまうと優先順位ができてしまって気持ち悪いですし、どうにかして1本に収める最後の手段として1時間スペシャルになりました。

津田:1本でキャラクターの魅力と物語の魅力の両方を見せたいと思うのは欲張りなんですけど、タイトル的には重要な問題だったんです。

下倉:自分はアニメの脚本が初めてだったので、こんなに詰め込んで本当に大丈夫なのか? と思いました。この内容を1話(30分)で収めるんだ、監督ってすごいなと思っていたら……1時間でした(笑)。

鳥羽:収まるはずがないと(笑)。

下倉:でも、引き算で考えて作るのではなく、とにかく限界まで詰め込んで作っていく現場だと、第1話ですごく感じましたね。

――第1話の中に詰め込もうという意識は、津田監督もあったわけですね。

津田:そうですね。情報量をとにかく多く、1回じゃ見きれないぐらいの情報を詰め込みたかったんです。あと、変な隙間は絶対作らないぞ! ということも、今まで諸々の作品を作ってきた自分のNEXTとして考えていました。

ただ、原作のある作品と違い今回はオリジナルですから、認知がゼロのところから始めなくてはいけない。どうしたらいいのか相談したところ、鳥羽さんは「第1話でかます以外の手はない」「とにかく第1話が良くなければ続きはもう絶対ない」と。なので、第1話は確実にホームランのつもりでフルスイングしました。

鳥羽:オリジナルは第1話がダメだと絶対に続きを見てもらえないので、カロリーや時間とかを犠牲にして多少無理をしてもやらなきゃいけないと思っていて。そこだけは津田さんにお願いしたところですね。

――ひと昔前なら“3話切り”との言葉もあったように、第3話まで見て継続視聴するか判断する人も結構いました。鳥羽さん的に、今は判断がもっと早くなっていると感じますか?

鳥羽:答えを求める度合いがすごく強くなっていると感じます。皆さん忙しいし、世の中にはいろいろなものがありますから、楽しむ選択肢で失敗したくないんです。3話、3週間ですらリスクなんですよ。1週間で済むなら嬉しいし、見る前から面白いとわかればもっといい。そういう中で戦っていかなきゃいけないので、必然的に作戦を考えないといけないですよね。

見て終わり、というのが一番危なくて。そうすると、見ることがただの消費物になってしまう。見応えだけでなく、もう一度見たい、ここで切らずにもう少し取っておきたい、情報量はそういう気持ちを起こさせるための手段のひとつだと思っています。

――津田監督としても、それだけ情報を詰め込んだということは細かい部分に実は仕込んであったり、見直すと気づく部分があったりするわけですね。

津田:そうですね。メインの会話の裏でも結構会話をしていますので、繰り返し見て裏側で聞こえる音などを聞いてもらえると、あの人はこんなことを喋っていたのか! といったことが潜んでいることもあります。

その話数を見たときに、前の話数に戻ってみないと本当の意味では理解できないかもしれません。もちろん、1回見ただけで面白いように作っていますが、「あれ? あそこはどういうことだっけ?」という情報が意外と前の話数のちょっとしたカットに入っているような作りにしてありますので、何度も見てもらえばさらに楽しめると思います。

――脚本的にもかなり仕込んでいる部分がありそうです。

下倉:仕込んでいる部分はもちろんありますけど、物語の牽引力はできるだけシンプルにしよう、目先の面白さを追いかけていける作りにしようと思っていました。主人公の3人に感情移入して見ていただき、自分たちだったらどうするか、誰の視点でなにを選ぶのか、そういったことを考えながら毎週見てもらいたいですね。

津田:RGBの3人は、それぞれに言い分や心の中に抱えているイチモツがありますので、とにかく3人に感情移入して見てもらえれば嬉しいです。

鳥羽:そうですね。RGBの3人の中で「私は誰派」「僕は誰派」と楽しんでもらえれば、街の話はあとからどんどん見えてきます。なので、まずは3人のことを知って、好きになって欲しいです。

――本当に放送が楽しみです。本日はありがとうございました!

[文・千葉研一]

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TVアニメ「東京24区」作品概要

【イントロダクション】
東京湾に浮かぶ人工島「極東法令外特別地区」――通称“24区”。

そこで生まれ育ったシュウタ、ラン、コウキは、家柄も趣味も性格も違うが、いつもつるんでいる幼馴染だった。しかし彼らの関係は、とある事件をきっかけに大きく変わってしまう。

事件の一周年追悼ミサで、偶然再会を果たした3人の電話が突如一斉に鳴る。それは死んだはずの仲間からの着信で、彼らに“未来の選択”を迫るものであった。3人は、自分の信じるやり方で、愛する24区(マチ)と人々の未来を守ろうとするが―――

脚本にアニメ初挑戦の下倉バイオ(ニトロプラス)を迎え、キャラクター原案は多くの女性から人気を集めるFiFSが担当。「Fate/Grand Order -絶対魔獣戦線バビロニア-」、「ダーリン・イン・ザ・フランキス」などハイクオリティな作品を手掛けてきたCloverWorksと、「ジョジョの奇妙な冒険」のシリーズ監督を務める津田尚克が初タッグを組んだオリジナルTVアニメーションが誕生!

【放送情報】
TOKYO MX・とちぎテレビ・群馬テレビ・BS11にて2022年1月5日(水)24:00~ 初回1時間スペシャル放送

TOKYO MX:1月5日(水)より毎週水曜 24:30~ ※初回1時間SPは24:00~
とちぎテレビ:1月5日(水)より毎週水曜 24:30~ ※初回1時間SPは24:00~
群馬テレビ:1月5日(水)より毎週水曜 24:30~ ※初回1時間SPは24:00~
BS11:1月5日(水)より毎週水曜 24:30~ ※初回1時間SPは24:00~
ABCテレビ:1月5日(水)より毎週水曜 26:14~ ※初回1時間SP
メ~テレ:1月5日(水)より毎週水曜 26:11~ ※初回1時間SP

【配信情報】
ABEMA:2022年1月5日(水)24:00~
※初回1時間スペシャル
※第2話より毎週水曜24:30~
dアニメストア:2022年1月8日(土)12:00~
dアニメストア ニコニコ支店:2022年1月8日(土)12:00~
dアニメストア for Prime Video:2022年1月8日(土)12:00~
ニコニコチャンネル:2022年1月8日(土)12:00~
GYAO!:2022年1月8日(土)12:00~
バンダイチャンネル:2022年1月8日(土)12:00~
Hulu:2022年1月8日(土)12:00~
J:COMオンデマンド:2022年1月8日(土)12:00~
TELASA:2022年1月8日(土)12:00~
milplus:2022年1月8日(土)12:00~
ひかりTV:2022年1月8日(土)12:00~
FOD:2022年1月8日(土)12:00~
U-NEXT:2022年1月8日(土)12:00~
アニメ放題:2022年1月8日(土)12:00~
Amazon Prime Video:2022年1月8日(土)12:00~
TVer:2022年1月8日(土)12:00~
ニコニコ生放送:2022年1月8日(土)23:30~

【STAFF】
原作:Team 24
監督:津田尚克
ストーリー構成・脚本:下倉バイオ(ニトロプラス)
キャラクター原案:FiFS(曽我部修司・ののかなこ)
キャラクターデザイン:岸田隆宏
総作画監督:髙田 晃・伊藤公規・まじろ
副監督:髙橋英俊
プロップデザイン:髙田 晃
グラフィティデザイン:河原秀樹、添野 恵
美術設定:塩澤良憲
美術監督:春日美波
色彩設計:中島和子
2Dデザイン:久保田彩
特殊効果:清水彩香
CGディレクター:宮地克明
撮影監督:佐久間悠也
編集:三嶋章紀
音響監督:岩浪美和
音楽:深澤秀行
制作:CloverWorks

【CAST】
蒼生シュウタ:榎木淳弥
朱城ラン:内田雄馬
翠堂コウキ:石川界人
翠堂アスミ:石見舞菜香
櫻木まり:牧野由依
きなこ:兎丸七海
黒葛川早紀子:生天目仁美
翠堂豪理:楠 大典
翠堂香苗:大原さやか
クナイ:斉藤壮馬
ヤマモリ:伊丸岡 篤
ラッキー:喜多村英梨
白樺広樹:上田燿司
白樺 梢:日高里菜
筑紫 渉:中村悠一
宍戸花奈:花守ゆみり
進藤 薫:江頭宏哉

公式サイト
公式ツイッター(@tokyo24_project)

(C)Team24/東京24区プロジェクト
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