波乱ありの第1話。懸命な一果を愛でるアニメ!?　春アニメ『であいもん』納野 和役・島﨑信長さん＆雪平一果役・結木 梢さん対談【後編】

京都の和菓子店を舞台にしたハートウォーミングなアニメ『であいもん』（浅野りん原作、KADOKAWA『ヤングエース』連載中）が2022年4月6日より放送中！

第1話では、京都を10年離れていた和が実家の和菓子店「緑松」に戻ってきたところで、両親や従業員との再会。そして自分がいない間に「緑松」で働いていた小学5年生の一果と初遭遇&「店の跡取りは自分がなる！」宣言をされ、困惑する和。そんな中で、一果が和菓子の大量発注を受けるも、発注主が現れず大ピンチに……という波乱含みの第1話でした。

『であいもん』のアニメの放送スタートを記念して、主人公の納野 和役を演じる島﨑信長さんと雪平一果役の結木 梢さんの対談を前後編に渡ってお送りしています。

後編の今回は、1話を振り返った感想と、京都や和菓子との印象や関わり、結木さんが京ことばの習得や和菓子作り挑戦の動画番組について、そして今後の見どころなど語っていただきました。

☆前編はコチラからチェック！

第1話では大ピンチに陥った一果の前に栗まんじゅうマンが登場!? 　今後も和菓子のように深みのある作品に

――先日放送された第1話を振り返った感想と印象的だったシーンをお聞かせください。

納野 和役　島﨑信長さん（以下、島﨑）：“そやなあ”……わかりやすかったシーンは、一果が受けた注文で和菓子を作ったら発注主が現れなくて。作った和菓子を何とかしようと駅で手売りし始めた一果の前に、和が栗の形の被りものをした“栗ManJu”が登場するという（笑）。でも見どころだったかといえば、ちょっと違う気がして……。

雪平一果役　結木 梢さん（以下、結木）：そうですね。一果ちゃんを演じる身として、ぐっときたのは、いたずらの発注だったことがわかって、一果ちゃんが和さんの手を振り払って出ていくところでした。一果ちゃんの大人びた責任感とまだ10歳の子供らしいところの両方が垣間見えたシーンだったので印象深かったです。

――あと和が実家に戻ってきた時、家族や従業員との関係が見えたし、一果との関係性もどう変わってくるのかなと思えた第1話でした。

島﨑：和が実家に戻ってきて、緑松で修行を始めたことで劇的に何かが変わるわけでもなく、家族や従業員も変わらずに接してくれて。でも戻ってきた和と、素直に受け入れられない一果の二人の関係性の変化が見どころだと思うし、楽しみにしてほしいです。

結木：和さんも環境が変わっても、自分らしく生きているだけなんですよね。

島﨑：きっと長く一緒にいることで、お互いに愛着も湧くと思うし、和はこれまで子供とがっつり接してきたことはないと思うので、父性というか父親のような感覚になっている様子も見えてきて。一果にとってはおせっかいな兄ちゃんみたいに見えるかもしれないけど（笑）。ドラマティック過ぎず、淡い感じが好きで。かと言って、薄味ではなく、見れば見るほど味があって。それこそ和菓子のように優しく深みがある味わいが出てくる作品だと思います。

――作中でご自身のキャラクター以外のお気に入りを教えてください。

島﨑：もちろん一果です！　他の登場人物もキャラクターっぽくなく、人間臭くリアルに描かれているので好きです。キャラクターとして強く描かれ過ぎるとむしろシンプルになりすぎてしまうけど、『であいもん』は人間臭いし、「こういう人いそうだな」と思えるんですよね。和の父である平伍の距離感とか。不肖の息子だけどわが子だからかわいいし、でも職人としての厳しい想いもあるし、認めている部分もあるしと複雑な心境も見えてきて。

一人ひとりが人間的で素敵なんですけど、やはり一果です。一生懸命頑張っているし、いろいろな一果が見たいと思うし、和もいろいろな表情を引き出したいと思っているだろうし。何だかんだ言って、『であいもん』は一果を愛でるアニメじゃないかと思います（笑）。

結木：ありがとうございます。そう言っていただいたからではありませんが、私も和さんが好きです。現場でも女性陣と話したんですけど、トラブルが起きた時に和さんがいてくれたら「大丈夫やで」と明るく声をかけてくれたり、優しく背中を押してくれそうだなって。ヘラヘラしているようでもしっかり考えているので、「一家に一人いてほしいよね」みたいな（笑）。嬉しいことがあったら一緒に喜んでくれそうだし、ヘコんだ時にはそっとそばにいてくれたり、励ましてくれるので、女性目線では和さんは素敵な男性だと思います。

島﨑：ありがとう（笑）。和は意外と空気が読めるよね。自分のことはよくわかっていないこともあるけど、他の人のことはよく見ていて。

結木：小さな変化にも気付いてくれそうです。

島﨑：落ち込んでいる人を見たらすぐに励ましそうだけど、黙って横にいる時もあって。

結木：その気遣いにもぐっとくるんですよね。