『映画 バクテン!!』土屋神葉さん、石川界人さん、近藤隆さん、佐倉綾音さんインタビュー｜見逃せない感動のシーンばかり！ 声優陣のトークも大盛りあがり！

宮城県岩沼市を舞台に、高校生男子新体操部の青春を描く『映画 バクテン!!』が7月2日から公開中。部員たちの男子新体操が大好きだという真っすぐな思い、3年生の卒業など、環境が変わることへの葛藤。人間ドラマをしっかりと描きつつ、新体操の演技では、最新の技術とアニメーションならではの光の演出により、迫力と感動が一気に押し寄せてくる。

途中、何度もグッと来るシーンがあるが、最後は心地よい余韻と清々しい気持ちで映画館をあとにできるはず。

アオ高男子新体操部の1年、双葉翔太郎役の土屋神葉さんと美里良夜役の石川界人さん。新体操部3年、築館敬助役の近藤隆さん。新体操部2年のマネージャー、栗駒あさを役の佐倉綾音さんに、映画の魅力を語ってもらった。

TVアニメの振り返り。印象に残っているシーンは？

ーーとても感動的な映画でした。映画単体で見ても男子新体操の素晴らしさは伝わるし、青春を感じられるのですが、TVシリーズが放送されていたので、まず、思い出のシーンを教えてください。

近藤：新体操とは関係ないんですけど、第5話で、みんなでかくれんぼというか肝試しみたいなことをしたんです。あのときに、僕はゲストの声優さんが誰だか知らなかったんですけど、警備員役がまさかのチョーさんで、オンエアを見て驚いたことを覚えています（笑）。

ーーなぜかホラーな回でしたよね。そこでのアオ高とシロ高部員のやり取りは、映画にも実は活きているという。

近藤：ちゃんと新体操の話をすると、演技のときの動きが本当に細かくて、指先とか、ひとりひとりの呼吸とか、そのズレまで表現していただいていたんですよね。作画だと大変なんでしょうけど、CGでそれが表現できていて、とても自然な動きだったなぁと思います。

佐倉：今回の映画でもふんだんに使われているんですけど、競技中の光の使い方がとても好きです。　あのライティングがとてもロマンチックだし、翔んだときに光の軌道が描かれたり、火花が散ったり。あれはアニメーションならではの表現で、見応えがあり、男子新体操を新しい視点で見られる、新体操ビギナーの私たちにも楽しめる工夫のひとつだったのかなと思っています。

あとは志田先生（志田周作／CV.櫻井孝宏）が、尖っていた頃が結構好きで、その頃の写真を見ていたあさをが、丸くなった実際の志田先生を見て「なんか違う」と言うシーンがあるんですけど（第7話）、「もっと吐き捨てるように言ってください」とディレクションされたことが印象に残っています（笑）。あとは手前味噌ですが……あさをのキャラクター性がとても好きなので、見ていていつも癒やされていました。

土屋：『バクテン!!』の魅力の一つは音楽だと思っていまして。林ゆうきさんのBGMだったり、センチミリメンタルさんのOPテーマや、wacciさんのEDテーマは胸を打つものがありました。アフレコ中も、僕が気持ち良くこのセリフを言ったらエンディングが流れるんだろうなって思っていて、オンエアでその答え合わせをしたりしていたので、音楽の素敵さを感じました。

それと、セリフがないところでアニメーターさんが遊んでいたところも好きで、謎にメガネを掛けた小さいぬいぐるみがあったりしたんです。そういう細かいネタを仕込んでいたので、結構掘りがいのある作品だなと感じました。ストーリー的には志田監督の話になるんですけど、第9話で美里くんに、「でも、君は違う。みんなで翔ぶことを選んだ」「君はもう僕を超えているんだ、大丈夫。きっとできる」って言うんです。志田監督はすごい選手だったけど、美里くんにもう自分を超えているって伝えるところが胸アツで！　美里くんは志田周作に憧れてアオ高に入っているので、すごく印象的でしたし好きなシーンです。

石川：まさか美里のシーンを挙げてくれるとは（笑）。ありがとう。僕が印象に残っているのは、試合前に体を休めるため練習が休みになったときに、みんなが新体操をやりたくてたまらなくなるシーンで（第10話）。男子新体操が大好きですっていうのは双葉の象徴的なセリフなんですが、部員全員がその気持ちを持っているんですよね。

その意志のもとにひとつの寮に集まって、ひとつの競技をしている。コメディタッチではありますが、僕はそこにすごく感動してしまって……。共同体にもうなっているんだなと感じました。美里や双葉が入ってきたときは、まだ気持ちはそんなに合わさっていなかったけど、寮に入ってどんどん気持ちが合わさってチームになっていく。笑えるけど、わりと感動的なシーンだったのかなと思っています。