声優
『ヒプノシスマイク』黒田崇矢&竹内栄治インタビュー

『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』天谷奴 零役・黒田崇矢さん&天国 獄役・竹内栄治さんインタビュー|低音ボイスのキャラクターだからこその難しさとは?

『ヒプマイ』の曲は難しい!?

ーーでは今回リリースされた楽曲についてもお聞きできればと思います。まずは黒田さんの「Count the money」。まさに天谷奴 零という感じの曲でしたが、収録はいかがでしたか?

黒田:ディレクターさんと仮歌を元に色々相談しながら進めました。

ハモリや重ねがたくさんあったので後から時間かかりましたけど、大筋はスムーズに収録できました。

歌いながらディスカッションもして、「それ良いですね!」と言ってくれて楽しかったです。ラップも楽しいですけど、全てを理解したわけじゃないので、こう歌いたいんだけどラップのルール的にやっていいのか疑問が残る部分もあったんです。

やっぱり韻をわかりやすくしたほうが良いのかとか。変えたくても変えないほうが良いこともあるのでその話をしながら録りました。話し合いながら感覚を合わせて行きましたね。

ーー黒田さんはそのような提案をよくなさるのですか?

黒田:なんでも提案します(笑)。若い時からずっとセリフ変えたいとかよく言ってますよ。テレビの時もそうだったし、舞台の時なんか「書き換えても良いですか?」とか言ってました(笑)。

翻訳劇だと30年前に訳されたものとかあるんですよね。シェイクスピアとか。俺は喜劇役者だったので、そういうシーンが多いんですけど、訳で「ガチョ~ン」とか入ってるんですよ(笑)。

ーーガチョ~ン!(笑)

黒田:俺の世代だと知ってはいますけど、演じるその時期は流行ってないわけですよ(笑)。喜劇的なシーンだから当時の日本人に合わせて「ガチョ〜ン」になってるだけで、ブームが過ぎた後だとウケないじゃないですか。

だから書き換えたり、脚色してましたね。そのために相談することが多いですね。

ーー今回もデモを聴いて、いろいろ考えてから望まれたんですね?

黒田:そうですね。演劇と同じで、プランを作ってから収録現場に行きます。演出してから提案、そして制作サイドと話し合って修正したりします。どの作品もそうですね。

ーーかっこいいですね。

黒田:(笑)。いやいや、より良いものを作りたいんです。だったらディスカッションしたほうがいいでしょう。

ーー確かに……!では竹内さんの「If I Follow My Heart」も。こちらも天国 獄らしい曲ですね。歌詞が彼のエピソードにも即しています。

竹内:「これって誰のこと言ってるんだ?」と思うことも多くて。実際僕も色んな人の顔を思い浮かべながら収録しました。

しかも今回は時間をかけて収録させていただきました。僕は早めに終わるタイプなんですけど、確認作業も含めて時間いっぱいいっぱいまで収録しました。

最初にテストテイクとして頭から全部歌ったんですよ。デモ曲の時から特徴的で難しいなって思っていました。毎日聴きながらどうやろうか考えていたんですよ。

でも難しくて前日まで決めきれない感じがあったんです。だから「もう今のままぶつけてみよう」と。ALIの皆さんや、GOMESSさんも現場にいてくださったので助けてもらおうと(笑)。それくらい悩みましたね。いろんなパターンがありそうですし。

いざテストテイクを収録してみたらLEOさんがそれをすごく気に入ってくださって。まだ確認できてないんですが、ラスサビはテストテイクを使ったんじゃないかな?

ーーすごい!

竹内:それくらい気に入ってくれて、僕も気分が上がったし、収録現場にいたみなさんも褒めてくれて、どんどん良くしていこうって感じでした。

だから僕も諦めずに何度もチャレンジできましたね。GOMESSさんの「このデモの息継ぎはこういう意味があるからやってみてくれる?」などの提案に挑んでいくみたいな。

そんな息継ぎの細かい部分まで正直手が回らなかったので、すごく助かりました。僕もみなさんも細かいところまでこだわって、時間たっぷり使って作ることができました。

まだ完成版はしっかり聴けてはいないんですが、良かったですね。自画自賛だけど(笑)。

黒田:良いんだよそれで(笑)。

ーーめちゃくちゃ良かったです……!

竹内:頑張ってよかったなってすごく思いました。収録現場も鼓舞していただいてすごく嬉しかったです。

ーーまさにチーム一丸となって作った曲なんですね。難しい部分というのはどういう部分ですか?

竹内:譜割りですね。僕がラップでやったことのないリズムでした。

黒田:そうそう。いつも俺がしている感じのやつを結構やってたよね? 竹内くんは今回俺の苦しみわかってくれるかな~って思ってたもんね(笑)。

竹内:(笑)。トレーラー映像が上がった後に石谷春貴くんから「これ難しかったでしょ?」って連絡が来ました(笑)。語りと歌いのバランスが曖昧なんですよね。

黒田:俺はずっとそういうラップだから!(笑)

竹内:黒田さんの出来上がったものを聴くと簡単そうなんですけど、でもやってみるとすごく難しい。

黒田:そうそうそう! これはみんな経験したほうが良いよ!(笑) 俺もそういう譜割りじゃない曲もあるのよ。「Survival of the Illest +」の「とっくに保証済みのDope shitでBoasting 勝負に挑むKing ハマりなドップリ 裏で動かすMaster Plan 隠し通すのも楽じゃない」って部分。これは割りとすぐ録れたんだよね。でも他の曲の譜割りは難しい側なの(笑)。

竹内:ちょっと曲とズレた部分もあったりとかすごく難しいですよね。

黒田:「ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- +」でも「海に千年 山に千年 住んだ蛇は龍に変わる 融和を説く Youはお得 情報にゆうに慄く」とかって、全部息を残すからブレスも無いんです。

どこで盗み見てブレスするかっていうのが生命線。これでタイミングを見失うと、この後が歌えなくなっちゃう。絶対ここでブレスしないと歌えないって曲がいくつもあるんですよ。

さっきの曲みたいにリズムにポンポンあてて行く曲は意外と簡単なんです。呼吸も吸いやすく音も取りやすい。だからこれは大変だっただろうなって。

竹内:そうですね。めちゃくちゃ時間かかりました。それを染み込ませるのに時間かかるんですよね。普通の歌じゃないようなリズムなので。歌と語りの中間くらいなのに、急に歌い始めたりとか(笑)。

黒田:そうそうそうそう!(笑)

竹内:パニックになりますよね。切り替えが難しかったです。

ーーそういう曲を振られやすい声質があるんでしょうか?

黒田:それもあると思いますが、キャラクター的にも大人の役だから、そのリズムによって色気や大人っぽさが出るんじゃないですかね。俺もラップはわからないことだらけですが、年齢上目系の役の人がやってるイメージの曲調がある。

竹内:黒田さんはそれで色気出るけどさ~(笑)。

黒田:(笑)。毎回すごく練習するんだよ! 家で相当時間使うよ。でもちゃんと練習しないと、この難しさを追ってるだけで精一杯になっちゃうんですよ。表現まで至らない。

竹内:仮歌のコピーだけでも難しいんですよね。

黒田:そこから表現まで持っていって収録とライブなので時間がかなりかかりますよ。

ーーとんでもないですね……! 聴いてるだけだと、かっこいい! って感じなんですけど。

黒田:未だに「海に千年 山に千年~」が1番苦手ですよ。回ってくるたびに緊張する。さあさあ! キタキタキタキタ~! 難しい所きたぞ~って(笑)。

ミリ単位でズレたら歌えなくなるっていう強迫観念が体にあるから、それが頭にいつもよぎっちゃって。怖い怖い……。

ーー黒田さんでもそうなるんですね……。

竹内:黒田さんほどガラッとスイッチするわけじゃないので、僕はまだ良いかもしれないですね(笑)。今回の曲はチャレンジとはまた別というか、試練って感じでしたね。

黒田:わかるな~(笑)。試練だよ、試練。

竹内:でもすごく楽しかったですね。

黒田:そうなんだよな。「FACES」っていう曲がすごく難しかったな。作ってくれたAmonさん(Amon Hayashi)が「これはラップの全ての要素が含まれています」って仰っていて。「歌えたら全てのラップが楽になります」とも言われたんです。

それを受けて今回の曲を分析してみると、難しいポイントがいくつかあるんですよ。でも「FACES」があったから良かった。試練を乗り越えたからですよね。

竹内:あの曲めちゃくちゃかっこよかったですからね。

ーーお二人のラップが上達していくのが聴いていてもすごくわかりましたし、やはり相当練習はされているんですね。

黒田:相当ですよ! このコンテンツマジか!? ってくらい(笑)。俺の日常を奪うなよと(笑)。俺は残りの人生少ねえんだぞ?

ーーいやいやいや!(笑)

竹内:まだ逃しませんよ(笑)。

黒田:アッハッハ! 冗談です(笑)。でもそれくらい難しいんですよ。車に乗っていてもシャワー浴びてても、トレーニングしてる時も聴いています!

家でトレーニングできるように整えてあるんですが、そこでガンガンラップを流したりして。ラップはテンション上がってトレーニングに合いますね。

俺のフリーな時間に全てラップがあるのはなんで? って(笑)。

ーーそれも楽しんでそうですが……(笑)。

黒田:楽しいですよ。不思議なものでね。俺らが最初に大阪城ホールで自己紹介をやった時に楽屋で、これまでやってきた『ヒプマイ』のメンバーに質問したんだよね。

「これ歌詞覚えてんの? 君たち」って。そしたら「覚えてます!」って。嘘だろ! と思って(笑)。ラップってそれまでで一番覚えにくい感覚だったから聴いたんだけど、みんな軒並み覚えてるって。無理かもなと思ってたら、今はもう全部覚えてますからね。

ーー確かに先程も全部スラスラ歌えてましたもんね!

黒田:「Count the money」もほぼ入ってます。やればできるんだな~って。

竹内:それくらい聴きますからね。覚えないと歌えませんから。

ーー竹内さんも相当練習なさっているんですか?

竹内:そうですね。僕の場合は歌うよりも聴くほうが多いです。入るまでは時間かかるんですけど、入ってしまえば意外と。

やはり普段もそういう仕事ですし、声のキーを合わせるのもラップだとやりやすいので。ただ、入るのに時間がかかるので聴いてる時間が長いですね。1ヶ月とか余裕で聴き続けますからね。

黒田:すごくわかる。同じです。

竹内:そうじゃないと歌えません。しかもだんだん難しくなってません……?

黒田:なってるよ! 何なら最初から難しかったよ!(笑)

竹内:個人曲は差があるかもしれないんですけど、全体曲とかどうです?

黒田:そうだよね。みんなで歌う所も難易度上がってるね。

竹内:だから楽はできません。僕は私生活奪われるほどじゃないですけど(笑)。

黒田:もうちょっとのんびりさだまさしさんとか聴きたい……。

一同:(笑)。

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