TVアニメ『異世界おじさん』セガ・奥成洋輔さんインタビュー|“異世界に行かなかったおじさん” が語る、セガとの出会いと『異世界おじさん』の魅力
“本気のメガドライブ”こと「メガドライブミニ2」には、おじさんも通ってきたであろう骨太なゲームが満載
――『異世界おじさん』によって、SEGAのクラシックゲームへの興味も高まっていると思いますし、奥成さんから、発売された「メガドライブミニ2」についても教えてもらえますか。
奥成:おじさんがなぜあそこまでSEGAに固執するのか。「メガドライブ」とは一体どんなゲーム機だったのか。アニメを観ている若い世代の方々はまったく理解できていないかと思います(笑)。「メガドライブミニ2」でいくつかゲームを遊んでいただくと、その理由が少しは理解できるんじゃないかな、と思います。
あなたの知らない時代に、こんなゲーム機が存在していて、こんな面白いゲームを出していたんだよ、ということが分かると思いますし、SEGAのゲームだけでなくて、バンダイナムコさんやタイトーさんが出したゲームも入っているんですが、不思議とセガハードで出すとまた違う個性が出るんです。それこそ、おじさんが固執するセガハードの個性みたいなものも少し分かると思います。
3年前に出した「メガドライブミニ」を、僕は「きれいなメガドライブ」と呼んでいます(笑)。メガドライブを知らない人でも遊べる優しい、誰でも楽しめるゲームが入っているからです。
『異世界おじさん』に出てくる『ソニック2』や『ダイナマイトヘッディー』(※45)なども入っているので、もちろんあちらだけでも十分だと思いますが、今回の「メガドライブミニ2」は「本気のメガドライブ」といえるラインナップになっています。きっと『エイリアンソルジャー』(※46)を遊んでいただくと分かると思うのですが、初プレイだと瞬殺されて、まともにゲームにならないと思います。何が起こっているか分からないくらい、もてなしてくれないゲームなので(笑)。
今どきのゲームは、マニュアルを見なくてもチュートリアルをやればなんとなく遊べるようになることが多いですし、ソーシャルゲームではストーリーを楽しむのが中心で、ゲームとしてやっていることは割とスキップボタンを押しても成り立つ部分が最近は多いと思うんです。
それに対して、この時代のゲームは本当に操作説明を読まないと、何をしていいかさっぱり分からなくて、非常に1990年代前半らしい、“本気のゲーム”がたくさんあります。
『エイリアンソルジャー』にハマっていたおじさんは絶対に通っている道だと思うので、ぜひその気持ちを味わうために、「メガドライブミニ2」にぜひチャレンジしていただきたいな、と思います。非常に遊びごたえのあるゲームになっていると思います。
※45:ダイナマイトヘッディー
頭を飛ばして敵を倒すという一風変わったキャラクターとそれを活かしたゲーム性。開発はトレジャー。
※46:エイリアンソルジャー
メガドライブの末期に発売されたソフト。かなり硬派で高難易度なゲーム。開発はトレジャー。おじさんが溺愛するセガソフトのひとつでもあり、「七瀬楓という仲の良い女の子だった…」や、「好きな人を百回以上手にかけたオレにしかないアドバイスがあるんだ」などは、この『エイリアンソルジャー』に関係したセリフ。またおじさんの偽名「ウルフガンブラッド」「黒木天魔」「亀頭満作」などは、すべてこのゲームに登場する敵キャラクターの名前である。
――おじさんの漢気というか、感性が磨かれたのは間違いなくセガのゲームのおかげだと思うので、ぜひ多くの人にプレイしてみてほしいですね。
奥成:何度も繰り返して挑戦していくというのは、今どき多分流行らないとは思うんですが(笑)。
アニメ2話のエピソードでありましたが、おじさんは凍神剣なしで魔炎竜を倒します。あれも、SEGAのゲームで培った「リトライを繰り返して攻略法を見出した結果」だと思うんです。原作ではサラっと書かれている部分ですし、そこを追っても楽しくはないとは思うんですが、当時のSEGAのゲームにあった、おじさんを異世界おじさんに育んだ部分を、「メガドライブミニ2」で体感してみるとのもいいかなと思います。
長らくゲームで本気になっていない人は、「こういうゲーム、ずっとやっていなかったな」と楽しめると思いますし、当時を知らない人も「昔はこんなに本気になって遊ぶゲームがあったんだ!」と感じると思います。
あ、もちろんゆるゆるのゲームもいっぱい入っていますよ(笑)。おじさんが苦手なRPGも、アドベンチャーゲームも、女の子がいっぱい出てくるゲームも入っていますし、当時の人気アニメ『ふしぎの海のナディア』『まじかる☆タルるートくん』『キャプテン翼』『ドッジ弾平』などのゲームも入っています。そこも含めていろいろあの時代の気分を楽しんでいただけると嬉しいです。
[取材・アニメイトタイムズ編集部]
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放送局・放送予定日
AT-X 2022年10月6日より 毎週木曜日 22:30~
※リピート放送
2022年10月10日より 毎週月曜日 10:30~
2022年10月12日より 毎週水曜日 16:30~
BS11 2022年10月 6日より 毎週木曜日 25:00~
TOKYO MX 2022年10月7日より 毎週金曜日 25:35~
テレビ愛知 2022年10月11日より 毎週火曜日 26:05~
KBS京都 2022年10月8日より 毎週土曜日 23:30~
サンテレビ 2022年10月8日より 毎週土曜日 24:30~
放送開始日・放送時間は変更となる場合がございます。予めご了承ください。
配信予定日
各配信サイトにて第1話~第7話配信中、第8話以降の地上波同時配信を再開いたします。
【第8話】 2022年11月25日より 毎週金曜日25:35~
配信日時は変更になる場合がございます。予めご了承ください。
※放送&配信の詳細はこちら
イントロダクション
2017年秋――。17歳のときにトラックにはねられ、それから17年の間ずっと昏睡状態だった叔父が目覚めた。
病室を訪れた甥のたかふみが目にしたのは、意味不明な言葉をつぶやき、異世界「グランバハマル」から帰ってきたと話す叔父の姿だった。
……叔父さんは、頭がおかしくなっていた。
絶句するたかふみだったが、おじさんは異世界にいた証拠を見せると言って魔法を使う。おじさんの力を金にかえて食っていこうと心に決めたたかふみは、身寄りのない彼を引き取りルームシェアを始めることに。
おじさんとの生活の中で聞かされる、異世界での冒険譚と溢れんばかりのセガ愛。孤独で過酷なおじさんの半生に、時には歓喜し時には胸をいためるたかふみ。
動画配信業に勤しむ世代の離れた男二人、団地の片隅にて繰り広げられる、新感覚異世界コメディ!
スタッフ
原作:殆ど死んでいる(WebComicアパンダ連載/KADOKAWA刊)
監督:河合滋樹
シリーズ構成・脚本:猪原健太
キャラクターデザイン・総作画監督:大田和寛
アニメーション制作:Atelier Pontdar
キャスト
おじさん:子安武人
たかふみ:福山潤
藤宮:小松未可子
エルフ:戸松遥
メイベル:悠木碧
アリシア:豊崎愛生
エドガー:鈴村健一
ライガ:岡本信彦
沢江:金元寿子