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ドラマ『ぼくのかぞく。』笹 翼&TAKA&唐橋 充に求められたリアルな演技

He/Meets オリジナルドラマ『ぼくのかぞく。』笹 翼さん、TAKAさん、唐橋 充さんインタビュー│物語も撮影も予測不可能な展開の連続「こんな現場はなかなかないですよ」

アドリブと長回しで「本物の間」を意識

──今はクランクアップの直後というタイミングですが、撮影はいかがでしたか?

笹:一番印象的だったのは昼休憩です。

TAKA:これは大事です(笑)。

──いったいなにが……?

笹:撮影のセットがカフェだったので、キッチンも自由に使えたんです。スタッフの中に元板前がいて、その方が毎日、前日の夜から仕込みをしてくれて、給食のような寸胴鍋で昼ごはんを作ってくれていました。これが最高に美味しくて! 唐橋さんはどのメニューが一番好きでした?

唐橋:なんだろう? ハンバーグかなぁ。

笹:それはシーンの中で食べたものですから!(笑) でもそれも、元板前のシェフが作ってくれたんですよね。お話の中で翔太郎がハンバーグを作る場面があるんです。インサートで僕が作ってはいるんですが、裏で進めてくれたのはシェフで。その料理工程を見たら、パン粉は使わずに、牛乳に浸したちぎった食パンをタネに入れていて。それが良いアクセントになっていました。

TAKA:パン粉を買い忘れたとかではなくて?

笹:シェフのこだわりなんですって。

TAKA:牛丼も美味しかったです。しかも撮影終わりでも食べられるくらいの量を作ってくれていたんですよね。しかも味変するので一緒じゃないんです。

笹:美味しかったよね!

──休憩時間も和気藹々とされていたのですね。撮影期間はそこまで長くない印象だったのですが、ギュッと集中しての撮影だったのでしょうか?

笹:そうですね。リテイクがほぼできない現場だったんです。僕はドラマが初めてだったから「これがドラマの常識なのか」なんて思っていたんですけど、唐橋さんのようにドラマ慣れしている方からすると新鮮だったんじゃないかなと。

唐橋:こんなに長回し(撮影を途切れさせずにカメラを回し続ける撮影方法)が続く現場は初めてかもしれない。長回しって緊張感があるんですよ。カットが変わって、また長回しっていう。今回は素材を集めてらっしゃるイメージがあったので、長回しで良いところをいっぱい使おうと。だから緊張感がずっと続いていましたよ。

笹:僕とTAKAさんは13分くらいのシーンをワンカットで撮ったことがありましたよね。半ば強引に(笑)。

TAKA:ありましたね(笑)。

笹:本当は「ここで止めます」と言われていたんですけど、萩原(成哉)監督が「この2人のお芝居を止めたくない」とカットを出さなかったんです。それで僕らも「これはカットがかからないやつなんだ」と理解して、アイコンタクトをして。それでそのまま続けたんです。

TAKA:そう。それで2シーン連続で撮影しました。現場で一緒に作り上げていった感覚がありました。

唐橋:編集は難しいとは思うんだけど、長回しだから役者たちの呼吸が良いんですよ。本物の空気が流れているというか。

──まるで舞台のようですね。舞台経験が豊富な皆さんだからこそできることだと思います。だからこそ自然な演技になるというか……。

笹:ああ、そうかもしれません。

唐橋:実際、監督はそれが狙いだったようです。監督は脚本も書かれているので「偽物の空気は嫌なんですよ」とずっとおっしゃっていました。本物の間でやりたいと。

笹:「じゃあセリフを喰ってしまってもいいのかな」と思っていました。テレビドラマ的には編集的には難しくなってしまうじゃないですか。

唐橋:普段映像の撮影で気をつけているのは、ひとつのセリフが終わったあと、反響を待ってから次のセリフに入るようにしているんです。

笹&TAKA: へえ!

笹:そういうテクニックがあるんですね!

唐橋:でも今回は「まあいっか」と。生でいこうと。あと、面白かったのが、日を経るごとにカメラの台数が増えていったんですよ。

笹:最初は3台だったのが、最後は10台近くありましたね。

TAKA:唐橋さん用のカメラもありましたよね(笑)。もう唐橋さんは慣れていらっしゃるので遊びがすごいんですよ。

笹:台本通りのことを全然言ってくれない(笑)。

TAKA:だからスタッフさんも期待していて、「なんかやってくれるんじゃないか」と。とりあえず収めておいたら何か起きるかもしれない、と唐橋さん専用のカメラが用意されていました(笑)。

唐橋:でも怒られちゃうかもしれないから(アドリブ部分を)自分で台本に全部書いて、監督には見せているんですよ。

笹:僕らはそれを把握していなくて。でも逆にありがたいんです。同じカフェで撮影しているわけですから、画変わりがないんです。そういうときに台本にはない言葉をかけられると新鮮な反応ができますし、お芝居というより、より生身の人間らしい反応になる。それと同時に、次なにがくるんだろう?というアンテナを張らなければいけないので、唐橋さんのおかげで集中力も持続しました。でもピリッとしているわけではなくて、朗らかで。本当にありがたい現場作りをしてくださったなと思っています。

TAKA:僕は笑いを堪えるのに必死でしたけどね(笑)。

笹:TAKAさん、笑いすぎでしたけどね!(笑)

TAKA:いやぁ、笑いを堪えるのがキツかったです。ふたりのやりとりが面白すぎました。唐橋さんが出るシーンは要注目です!(笑)

笹:僕が真面目な話をするシーンで、唐橋さんがセリフないのにジェスチャーで遊んでいたんですよ。

唐橋:あれは監督の指示じゃ〜ん!(笑)

笹:監督も唐橋さんに何かやってほしくなっちゃってるんですよね(笑)。

TAKA:あれは本当に難しかった! 編集で切ってほしいと思うくらい(笑)。

──でもまさに、さきほど唐橋さんもおっしゃっていましたけど、どういった編集になるか楽しみです。

一同:気になります。

唐橋:あとネタバレぎりぎりのところで言うと、音楽や効果音がなかなかつけにくいところがあるんです。それは詳しく言及できない厳密なルールがあるからなんですけど、編集の画変わりだけでドラマが変わっていくと思います。誤魔化しが効かないんです。

大先輩から得るものの多さ

──ところで、皆さんのリアルでの関係性もお伺いしたいなと思っていました。

笹:唐橋さんは初めましてで、TAKAさんは以前生配信番組で共演したことがありましたが、それも3〜4年前で。

TAKA:お芝居するのは初めてだったよね。僕も唐橋さんは初めてお会いしたので、唐橋さんからすると僕ら2人とも初めましてだったんです。

唐橋:いや、僕はふたりを追いかけてましたよ。

TAKA:嘘つかないでください(笑)。

笹:追いかける人間違ってる(笑)。これだけキャリアを重ねてもこういうことをさらっと言えてしまうのがすごいんですよね。

──おふたりにとっては大先輩ですよね。得たものも大きかったのではないでしょうか。

TAKA:すごく多いです。めちゃくちゃカッコいいんですよ。とても魅力的な方だなと思っていました。

笹:芸歴的にも人生的にも先輩なので、僕らを緊張させないために朗らかにしてくださったのかなと。

唐橋:分かっちゃった? 伝わって良かったな。

笹:その一言がなければ……!(笑)

唐橋:(笑)。僕からすると、おふたりともとにかくプロフェッショナルな印象です。仲は良かったんですけど、仲良くなりすぎて私語が多くなる、ということはなくて。現場ではどんどん進行していき「ここはどうしようか」と常に話し合っていて、クリエイティブだなと。本当にプロでした。

笹&TAKA:(恐縮しながら)いやいや……。

笹:現場の中で誰一人として悠長に構えている人がいなかった印象はあります。演者はもちろん、監督も、スタッフも。「今日までにここを撮らなければ!」という共通認識があるから、尻に火が付いている状態。でも不思議とピリピリはしてなかったです。TAKAさんも隙間時間や休憩時間を見つけては「笹さん、セリフの練習しよう」って声をかけてくれて。一致団結している感覚がありました。

唐橋:それについては補足しますけど、そういう状態にも関わらず2時間巻きで終わってたんですよ。おかしいでしょ?

──え!?

笹:そうなんですよ(笑)。最初スケジュールと台本を見たときに「撮りきれるのかな」と思ったのですが……。

唐橋:この量と密度の濃さだと、普通だったら朝から始めてもテッペンを超えるんですよ。それなのに20時〜21時には終わっているホワイトな現場でした。

 

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