映画
ドラマ『ぼくのかぞく。』笹 翼&TAKA&唐橋 充に求められたリアルな演技

He/Meets オリジナルドラマ『ぼくのかぞく。』笹 翼さん、TAKAさん、唐橋 充さんインタビュー│物語も撮影も予測不可能な展開の連続「こんな現場はなかなかないですよ」

笹さんが苦戦した「泣き」の多さ

──撮影で難しかったところというとどうでしょうか?

笹:話が遡るのですが、僕、一度だけ映画に出させてもらったことがあったんです。映像のお仕事はそれだけだったんですけど、舞台の経験から必要以上に声を張ってしまったんですよね。舞台だと最後列のお客様まで声を届けなければいけませんし、届けたいので、それが正義だと思っていました。だから映画の収録のとき、ドラマ慣れされている演者さんがボソボソ話されているのを見て「大丈夫かな?」なんて思っていたんです。でも出来上がりを見たら、「普通の人間ならここでは大声出さないよ」って場面で声を出していて、僕がめちゃくちゃ浮いているように見えたんです。

だから今回はお芝居の方法をとても意識しました。気取らずにというか。例えば起床の場面であれば、肩が痛いから肩触ろうとか、声の具合とか。僕は職業が声優なので、滑舌はすごく気にする部分なんです。でもあえて意図的にモゾモゾと喋っています。でもそれをやりすぎてしまうと「自然に喋ろう風をやってる風だな」ってあざとくなってしまいそうなので、その塩梅が難しいところでした。ただ、唐橋さんという背中を見せてくれる先輩がいたので心強かったです。

TAKA:僕らとしてはめちゃくちゃ助かりました。

──唐橋さんからアドバイスはあったのですか?

笹:言葉というより行動で示してくれたという感じでした。

TAKA:僕らがそれを見て感じ取るというか。

唐橋:伝わちゃったかぁ……。

一同:(笑)

唐橋:でも、それこそ僕は映像の収録が終わったあとって、毎回反省しかないんですよ。

笹&TAKA:そうなんですか!

唐橋:「あーもっと出来たかな、もう一回撮りたいな」「あの場面、共演者に喰われただろうな」とか。最近は(コロナ禍で)打ち上げはないけれど、「自分は良いお芝居ができていないのに行っていいのか」とその場に行くのすら躊躇していました。多分ふたりはこれをきっかけに映像のお仕事が増えるだろうから、きっと今後そういった葛藤も出てくると思う。でも今回は、最初から最後まで楽しかったです。みんなで作れたなという充足感があります。

だから個人的にすごく嬉しいんですよ。まったく落ち込まなかった。演劇のときも自己満足に陥る瞬間があるんです。でも舞台の場合は途切れないからずっと集中できるんですよね。ただ映像の場合はカットがあるので、集中力が途切れてしまうこともなくはないんです。でも、今回は集中力が続いた。それってなかなか珍しいことです。

笹:ああ、なるほど。僕が個人的に苦戦したところを挙げると、泣く場面でした。撮影現場に僕は最初から最後までいたのですが、全部の撮影日で泣いていない日がなかったんです。絶対に毎日泣きのシーンを撮っていて、しかも涙の種類が違うんですよね。発散の涙、ぶつける涙、自然と流れる涙……いろいろな涙を要求されるので「この涙は流せるけど、この涙は全然出ない」ということがありました。ドラマなので、別アングルで再度撮ることがあるんですね。メイクを直してもらったあとに、もう一度同じ種類の涙を流さなければいけないという。

唐橋:素朴な疑問なんだけど、なんで泣けるの?

笹:その瞬間を翔太郎で在ろうと思っていました。でもたまに自分が出てきてしまうことがあって「ああ、今のは芝居じゃないな」と。そういう時は監督からカットがかかっていました。

唐橋:もともと自然に泣ける人なの?

笹:いや、全然泣けない人です。

唐橋:え? それはすごいね。最初は目薬かと思っていたんですよ。

笹:絶対に目薬だけはやりたくなかったんです。

唐橋:そうか。ずっと泣いてるからいろいろ思い出しながらやってたのかなと思ってたんだけど、集中力の賜物なんだね。

笹:ありがとうございます。これまで泣かなかったであろう翔太郎の人生に、一気にいろいろなことが起きて、感情を揺さぶられ続けた結果、涙の連続になったと思うんです。涙は翔太郎の成長の一因なのかなと思っていたので、目薬という嘘は使いたくないなと思っていました。撮影のリミットはあるので、もし押してしまうようなら僕のわがままは捨てて「目薬でお願いします」と言うつもりでしたけど、初めて主演を任せていただいたこともあって「こいつを使って良かった」と監督や制作の方々にも思われないといけない、と考えて毎日現場に入っていたので。

──まさにプロフェッショナルですね。

TAKA:相手が笹で良かったな、と思いました。僕の役どころ的に、笹とのお芝居がほとんどなんです。笹が翔太郎としてリアルに存在してくれたからこそ、僕も芝居をすることができた。だからめちゃくちゃ感謝しています。相手が笹じゃなかったら、僕のお芝居もまったく変わってると思います。その関係性でしかできなかったものがあると思うので、そこを感じ取ってもらえたら嬉しいです。

物語はワクワクの連続 王子と執事は「なぜ」というタイミングで?

──放送を楽しみにされている方に向けて、第1話、そしてその後の見どころを教えていただけますか?

笹:第1話に関してはほとんど僕しか出てこないんですよね。

唐橋:それはギャランティの問題で……。

一同:(笑)

笹:このインタビューを読んでる人で「これギャラどうなってるんだろう?」なんて気にしている人いませんから!

唐橋:というのは冗談ですけども、僕ら(王子・執事)はその後出てきます。

笹:第1話で言うと、初ドラマ主演の僕にこんなにセリフを任せるか、というくらい僕がひとりで喋っていますね。

──台本を読ませていただき驚きました。

笹:僕の心情としては、僕の場面でカットは出したくなかったので、とことんセリフを頭に入れて現場に入りました。たまにカットになることはありましたが、そういう(セリフ間違えによる)リテイクは出さないように気をつけました。第1話を見ていただくと、これから何が起きるか、ワクワクすると思います。キービジュアルにいる王子と執事はどうやったら出てくるの?と。出てくるわけがない瞬間に出てきます(笑)。それを楽しみにしていただけると。

TAKA:その後、後半は登場人物も増え、怒涛の展開になっていきます。

唐橋:さきほども言った“あるルール”があるので、ひとり何役かになるかもしれません。あるかも?ですよ。ないかもしれませんね(笑)。

笹:それがギリギリですよね、今言えることとしては。

唐橋:でも一番おもしろいのは、いつ何が出てくるか分からないところ。僕が特撮で好きなのは、変身するまでのドラマなんですよ。その楽しみがずっと続くと思うので楽しいと思いますよ。

笹:4月から放送なので、僕らも熱をキープしたままドラマが見られるのが嬉しいです。監督やスタッフさんは時間がない中で大変だと思いますが(苦笑)、僕らも放送を楽しみにしています。

[取材・文/逆井マリ]

「ぼくのかぞく。」作品情報

ダメな若者×正体不明のキラキラ王子
2人のギャップが織りなす予測不能な新感覚ドラマ!!

STORY

あるところに、一人の優しい男の子がいました。
優しい男の子の周りにいる人には、なぜか、さまざまな不幸が降りかかってしまいます。
不幸が起こるたびに、優しい男の子は、自分のせいだと、心を痛めてしまいます。
でも、みんな、男の子にたくさん感謝していて、男の子のことが大好きでした。
だから、みんな姿を変えて、彼に会いに行きます。目の前に起こる不思議な出来事に戸惑う男の子でしたが、優しい男の子はその全てを受け入れていくのです。
でも、受け止めきれなくなってしまった男の子はついに、我慢ができなくなり、泣いてしまいました。
そんな男の子の元に、かっこいい女の子が現れて、彼を助けてくれるのでした。

ーあなたはいま、だれと、いきていますか?ー

CHARACTER

○若月翔太郎(24歳)/笹 翼
大学生活にうまく馴染めずに就職活動にも失敗してしまった、典型的な「負け組」の若者。
出前アプリの配達員として日銭を稼いでる。
恋人はおらず、一発逆転を狙って「ダメな若者系動画配信者」として活動を始めるが、登録者は伸びず、失意の日々を送っている。
ダメな生活の日々に当然と訪れる非日常的な出会いが彼を意外な方向へ運命が動き出す。

○王子/TAKA(CUBERS)
翔太郎の前に突然現れたキラキラの王子様。
自らを「王子」と名乗る以外は全てが謎に包まれている。
翔太郎の現状を嘆き、翔太郎のチャンネル登録者が増えるように協力をする。
しかし、浮世離れしすぎていて、やることなすことが功を奏しているとは言えない状況。
奇妙な共同生活の中で祥太郎をみる王子の目にはなにやら色々と言いたげな雰囲気が。
彼の正体とは? なぜ王子? なぜ祥太郎の元に? なぜそんな目で彼をみるのか?

○執事/唐橋 充
国王の命により王子を連れ戻すために祥太郎の元へきた執事。
どうやら執事にも秘密が!?
常に王子の側にいて行きすぎる王子を嗜める役回り。

放送・配信情報

<放送>
TOKYO MX 2023/4/5(水)22:30〜
BS日テレ 2023/4/5(水)23:00〜

<配信>
TVer 2023/4/5(水) 23:30〜
U-NEXT 2023/4/5(水) 23:30〜
アニメ放題 2023/4/5(水) 23:30〜
DMM TV 2023/4/5(水) 23:30〜
バンダイチャンネル 2023/4/12(水) 23:30〜
Hulu 2023/4/12(水) 23:30〜
FOD 2023/4/12(水) 23:30〜
J:COMオンデマンド 2023/4/12(水) 23:30〜
TELASA 2023/4/12(水) 23:30〜
milplus 2023/4/12(水) 23:30〜
auスマートパスプレミアム 2023/4/12(水) 23:30〜

CAST

若月翔太郎:笹 翼
王子:TAKA(CUBERS)
執事:唐橋 充
スバルの声:鵜飼主水
前田美香
鳴海寿莉亜
川村海乃
上遠野太洸
瀬戸啓太
うちだなな
あだちあさみ
中川えりか
染矢凌佑
白岩由菜
小菅怜衣
寺木彗佑
高山 凌
花崎那奈
齋藤 潤
中野晴太
静 莉子

STAFF

監督・脚本:萩原成哉
企画・プロデュース:平井勝也(ムービック)
制作プロデュ—サー:岩倉金太郎
制作協力:PLANET KIDS ENTERTAINMENT
製作・著作:株式会社ムービック

SONG

主題歌
「シナリオ」
作詞・作曲:おだともあき
編曲:池田ひかる
歌唱:おだともあき

挿入歌
「おとぎばなし」
作詞・作曲:おだともあき
編曲:池田拓真
歌唱:おだともあき

He/Meets(ヒ/ミ/ツ)とは

『秘密』をテーマに、TVドラマや配信番組などさまざまなコンテンツを展開していくブランドです。
それぞれのコンテンツはキャストもスタッフも異なる、別のストーリー。
共通するのは、登場人物たちが何か『秘密』を抱えていること。
彼らの出会いの先にあるものは——

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