自身の“離婚”をキャラクターに反映!? 大切なものを失わないと気付かないこと――『THE MARGINAL SERVICE』監督・迫井政行さん&シリーズ構成・猪原健太さん対談【連載最終回】
『ダイ・ハード』のオマージュは自身と重ねた結果!?
――いろいろな映画のオマージュもされてきましたが、印象深かったのはやはり『ジョーズ』と『ゾンビ』ですね。
猪原:オマージュというと、全編通して一番大きかった作品は『ダイ・ハード』です。僕が離婚して一番しんどかった時期に毎日、『ダイ・ハード』を見ていたので。
(全員爆笑)
猪原:『ダイ・ハード』はかいつまんで言えば、刑事のジョン・マクレーンは離婚寸前、もしくは離婚したけど頑張るお話じゃないですか。だから僕もジョン・マクレーンになったつもりでずっと頑張っていたので、作中に『ダイ・ハード』の要素が多分に出てきます。ジョン・マクレーン役のブルース・ウィリスが昨年引退されたので、僕的には作品の最後に「ブルース・ウィリスに捧ぐ」と入れてほしいぐらいです。
迫井:あと僕はエディ・スノーも情けなくて、大好きでした。カッコつけてはいたけど、実際はただウジウジしている女々しいヤツで。それと最初、ラバーはあそこまで主要キャラになる予定ではありませんでした。登場すると奥深そうなことを言ったり、考えているようなミステリアスな存在でしたが、どんどんキャラが立っていって。
猪原:敵役がバカだと視聴者から突っ込まれるし、頭が良すぎるとヒーローを早くつぶしにいってしまうので、よくわからないような人にして、12話もたせようと。ラバーは難しそうなことを言っているように思えるけど、基本的には何を言っているのかわかりませんから(笑)。
最終回で胸アツ! ≪境界人≫大集合が実現した裏話!?
――毎回、≪境界人≫を演じるキャスト陣も豪華過ぎて、いつも1回限りというのはもったいないなと思っていましたが、最後にあの形で勢ぞろいして。
猪原:アレも無理やりです。最初に登場したサカキが何度も出てくること自体、考えていませんでした(笑)。
迫井:「≪境界人≫が主人公だったのか!?」と思うくらいのどんでん返しで、おもしろかったです。
猪原:第1話で≪マージナルサービス≫のメンバーたちをああいう形で紹介したので、最後に≪境界人≫もやってみようかと。ただ≪境界人≫たちがどうやって集結したのかはわかりませんけど(笑)。
――この連載で、≪境界人≫を演じるキャストの皆さんにインタビューするたびに、「私の出番は今後あるんですか?」とスタッフに尋ねられていて。「あります」と聞いて「そうなんですね」というやり取りがありました(笑)。
猪原:皆さんにも喜んでもらえたら嬉しいんですけど、サカキの再登場を待ち望んでいた方がいたのでしょうか?(笑)
迫井:サカキもいい味出してましたよ。第5話でも活躍していたし。