真人役・島﨑信長さんとの掛け合いで一段上へ。ベテラン声優の対応力に感服したアフレコ秘話――アニメ『呪術廻戦』第2期「渋谷事変」を榎木淳弥さんが振り返る
アニメ『呪術廻戦』(原作:芥見下々原作『週刊少年ジャンプ』連載中)の第2期シリーズ「渋谷事変」が完結!「渋谷事変」では渋谷を舞台に、呪術師たちと夏油 傑が率いる呪詛師、呪霊が激突。両者、多くの犠牲を払ったこの決戦がついに幕を閉じました。
今回、最終話の放送に際して、虎杖悠仁役の榎木淳弥さんに「渋谷事変」を振り返っていただくインタビューを実施。怒涛の後半戦にまつわるエピソードをはじめ、印象深かったシーンや収録の裏話など語っていただきました。
真人との対決は島﨑さんの熱で更に上へのテンションに。最終回ラストで涌いて来た驚きと期待感
――当サイトでインタビューするのは、虎杖と脹相が激突した第2期第37話「赫鱗」以来となりますが、以降の展開についてどう感じられましたか?
虎杖悠仁役 榎木淳弥さん(以下、榎木):虎杖にとってはどんどんつらい展開になっていったため、そこまで自分の気持ちを持ち上げないといけないので、事前の準備なども含めて演じていてもすごく疲れました。
台本をしっかり読み込んで、虎杖が大きな衝撃を受けるシーンだったら、「どうしたらここまで自分がいけるのかな」と考えて、そこまでのショックを受けるようなメンタルに自分をあの手この手を使って持っていくように。でもあまり考えすぎると、うまく行かないこともあるので、なるべくシンプルに、だけど深く、頭では考えないけど、準備だけはしていく、みたいな。
――ドキュメンタリー番組で四つんばいになりながら収録されている様子が紹介されていたのが印象的でした。
榎木:このほうが自分の気持ちが乗りやすいかなと思って、こちらからお願いしてやらせていただきました。自己満足のようなところもありますが、自分ではやりたいと思ったし、それで演じさせていただいて、ありがたかったです。
――「渋谷事変」終盤の虎杖としては、仲間が次々と脱落していき、釘崎の惨状も目の当たりにして、絶望に打ちひしがれるなど、衝撃的な場面が畳み掛けられました。榎木さんご自身は、どんな気持ちでオンエアをご覧になっていたのでしょうか?
榎木:オンエアを見ると結局、自分の粗探しをしてしまうので、純粋にストーリーを楽しむというよりも「もうちょっとこうすれば良かったな」と反省が浮かんでくることもあります。ただ、収録中には映像がまだ完成していなかったので、「こういう絵になったんだな」と確認したり、原作と違う表現もたくさんあったので、そこを見るのが楽しみでした。
――佳境に入ったところでの、虎杖と真人の戦いもすさまじく、お二人のお芝居も白熱していましたが、真人役の島﨑信長さんとの掛け合いはいかがでしたか?
榎木:信長くんもかなり気合が入っていて。元々、情熱的な役者さんですが、一緒にやっていると「この回に懸けているんだな」と思えるほど、すごく迫力を感じました。そのおかげで僕も一段引き上げてもらった感覚があります。
――収録前から島﨑さんのあふれる気合を感じていましたか?
榎木:収録以外はとてもなごやかでした。実写と違って、ずっとテンションを保つ必要もないですし、声優は技術的な面で、間や尺を考える必要があるため、冷静でなければ成り立たないと思うので。
――最終回の衝撃的な終わり方についてはどう思われましたか?
榎木:原作を先に読んでいましたが、東京一帯が壊滅的になっている描写だったので、これほどひどい惨状になっていたことに驚きました。そして今後、日本はどうなってしまうのかなとか、虎杖はどう行動していくのか、とても楽しみになりました。