『ヨルクラ』には何かしら自分が変われる瞬間が絶対にあるーーオリジナルTVアニメ『夜のクラゲは泳げない』先行上映会に伊藤美来さん、高橋李依さん、富田美憂さん、島袋美由利さんが登壇丨先行上映会レポート後編
2024年4月6日から放送がスタートするオリジナルTVアニメ『夜のクラゲは泳げない』の第1話・第2話先行上映会&キャストトークショーが、3月3日に行われた。
本作は、監督:竹下良平 × 脚本:屋久ユウキ × アニメーション制作:動画工房が贈る青春群像劇。
上映会レポート後編は、キャストトークショーの模様をレポート。キャラクターに対して、キャストがどんなことを意識して演じたのかなどが語られていった。
前編はこちら
作品を観たら、自分が変われる瞬間が絶対にあると思う
『夜のクラゲは泳げない』(以下、『ヨルクラ』)の第1話・第2話の上映後、トークショーが始まった。MCは儀武ゆう子さん。大きな拍手に迎えられて、光月まひる役の伊藤美来さん、山ノ内花音役の高橋李依さん、渡瀬キウイ役の富田美憂さん、高梨・キム・アヌーク・めい役の島袋美由利さんの4人が登場する。最初の挨拶で「私たちはこの作品が面白いと思ってここに立っているんですけど、面白かったですか?」と高橋さんが問いかけると、「面白かった!」という声と拍手が起こる。
完成したアニメを観た感想を聞かれた伊藤さんは「映像がすごくきれいで驚きました。渋谷が舞台になっているんですけど、渋谷ってこんなにキラキラしていたんだ!って(笑)。物語も、令和の時代を生きているからこその内容になっていたので、皆さんの心にグッと刺さるシーンがあったんじゃないかな?と思いました」と、映像のクオリティの高さに衝撃を覚えたことを伝える。それに続き高橋さんは「各部門が活き活きしているんです。役者陣も乗りまくってアフレコさせてもらったんですけど、絵を担当するアニメーターの皆さんも活き活きしていて、お互いのバトンがつながっているのが伝わってきました!」と熱く語る。絵の芝居と声の芝居、この2つが別々に作られていくのがアニメーションの特性でもあるのだが、それがまったく違和感がなく、前編で書いたように“実在感”につながっていたのは素晴らしかった。
作品は、10代の女の子たちが、匿名アーティストJELEEとして、自分の好きと向き合い、前へ進んでいく物語。そして、JELEEのメンバーとなるのが、この4人が演じているキャラクターである。トークショーでは、それぞれが、どんなことを大事にして演じていったのかが語られていったので、ネタバレ部分を伏せつつ紹介していていきたい。
光月まひる(CV.伊藤美来)
光月まひる(CV.伊藤美来)は、ことなかれ主義の量産型女子高生。幼少期はイラストレーター「海月ヨル」として活動していたが、とある出来事が原因で活動休止に追い込まれてしまう。だが、花音との出会いをきっかけに、何かが変わろうとしていた。
「まひるは、すごく普通ということにコンプレックスを持っている子で、普通でいたくないけど、普通にしていないといけないんだと思って、周りに合わせてしまうクセがあるんです。彼女が今後どう成長していくのかもたくさん描かれていきます。ただ、第2話まで観ていただけるとわかるんですけど、まひるは、ちゃんとしているところがあって、ツッコミ役になることも多いんです。なので、そこでの長女感。きつくなりすぎないツッコミというのは意識していました」と伊藤さんが言うと、「まひるのツッコミ、めっちゃ心地良い!」(高橋さん)、「欲しいところに、ほわ~って入ってきてくれて、聞いてて“ありがとう!”と思ってしまうくらい、摂取したくなるツッコミでした」(島袋さん)と、2人が絶賛していたのも面白かった。
山ノ内花音(CV.高橋李依)
山ノ内花音(CV.高橋李依)は、かつてアイドルグループ「サンフラワードールズ」のセンター「橘ののか」として活動していた女子高生。ある炎上をきっかけにアイドルを卒業したが、本当にやりたいことをするため、新たな道を模索し始めている。
「すごく眩しくて引力のある子だと思っていたんですけど、第1話の歩道橋で言っていた言葉が、彼女の大きな軸になっていると思いました。“前向き”とか“行動力”という言葉だけでは語りきれないほどの波が彼女にはあるので、その心の波を敏感に受け取るようにして演じていました。ただ、走りっぱなしではなくもなくて、立ち止まることもできて周りがちゃんと見えていて、“こうじゃなかったんだ”って思ったら、ちゃんと反省できる子なんです」と高橋さん。その反省も、前へ向かうためのものだとも話していたが、ただただやりたいことのために突き進むだけではないところが、彼女の魅力なのかもしれない。
渡瀬キウイ(CV.富田美憂)
渡瀬キウイ(CV.富田美憂)は、まひるの幼馴染。Vtuber「竜ヶ崎ノクス」として活動していて、自分が最強の存在という己の信条を発信し続けている。
「自分の好きなことははっきりしているんですけど、彼女を語る上で、“好きなこと”というのは今後の大きなトリガーになるんです。だからあまりここでは語れないのですが、楽しみにしていてほしいです。素のキウイと、竜ヶ崎ノクスとしてのときで演じ分けもしているので、そこも楽しんでいただけるところかなと思います」と語った富田さん。まひるとキウイの関係性も、大きな見どころになるだろう。
高梨・キム・アヌーク・めい(CV.島袋美由利)
高梨・キム・アヌーク・めい(CV.島袋美由利)は、音大附属高校に通うお嬢様で、幼少から音楽の英才教育を受けており、コンクールで数々の賞をもらっている逸材。「橘ののか」のファンになり、熱烈なファンとして、最後まで追っかけ活動を続けていた。
「好きを見つけた人間の爆発力って凄まじくて、めいちゃんは、それがいい方向に向かうことができた人です。ただ、オタクをやったことがある皆さんならわかると思うんですけど、たとえば『この子は、辛いものは食べない!』とか、自分の中のその子像を作ってしまうことがあるんですね。そういったどうしても生まれてしまうオタクとして業もある子で、だいぶ暴走はしてしまうんですけど、オタクとしての在り方がリアルだなぁと思いました。私もそうだったので、その気持ちはすごくわかるよ!と思いながら演じていました」と島袋さん。自身も推しに対して同じようなことを想ったことがあったそうで、かなり熱く語っていたのが印象的だった。
オーディションの話や作品の魅力については、オフィシャルサイトで4人のコメントが掲載されているので、そちらもチェックしてほしい。そして、伊藤さんがパーソナリティを務める『TVアニメ「夜のクラゲは泳げない」ヨルクラジオ ~目指せフォロワー10万人~』もスタート! 公式SNSのフォロワー10万人を目指していくラジオなので、チェックしつつ、公式SNSをフォローしてほしい。
イベントの最後は、会場に集まったファンへメッセージが贈られた。
「『ヨルクラ』の魅力を、言葉にできない部分も、言葉にしたい部分も受け取ってくれたと思うので、それをSNSで吐き出してください。口コミもすごい力を持っています! それを伝えて、広めていって、フォロワーも10万人にして、もっともっと色んな人に『ヨルクラ』が届けばいいなと思います」(島袋美由利さん)
「取材で4人が集まる機会があったんですけど、オリジナルアニメなので、この作品の良さを我々しか知らないのはもったいない!とずっと話していたんです。なので、こうして皆さんに届けられて嬉しい気持ちでいっぱいです。この4人も本当に仲が良く、すごく良い現場の空気感の中で作品を作っていくことができました。キャラクターと共に笑い、時には号泣して演じました。これから新年度が始まるので、色んなところで『ヨルクラ』を布教していただき、『ヨルクラ』の輪が日本中、世界中に広がればいいなと思います」(富田美憂さん)
「『ヨルクラ』が面白い!とは思っているんですけど、オンエアが始まるまではやはり不安で仕方がないんです。でも今日来てくださった皆さんの目元が、マスク越しでも笑っているのが伝わってきたので、まずは一番最初の視聴者さんに届いたのかなって思えました。ぜひ、今作で良いなと思ったことは、改めて教えてくれると嬉しいです。1クールどうか最後までよろしくお願いします!」(高橋李依さん)
「放送前のオリジナル作品で、先行上映会でこんなにたくさんの人が集まってくれて、ライブビューイングまでできるなんて! ここまで、力を注いで作ってくださったスタッフの方々のおかげだなと思いました。私も、これから絶対に盛り上がるなと、今壇上に立って、皆さんのお顔を見て思いました。この作品は、皆さん一人一人に刺さる、グッと来るシーンや台詞がたくさんあります。それは良いものであったり、過去を思い出させてしまうものかもしれないんですけど、この作品を観たら、何かしら自分が変われる瞬間が絶対にあると思うので、最終回まで見届けてくれたら嬉しいです」(伊藤美来さん)
[文・塚越淳一]
作品情報
あらすじ
明日話すべき話題も、今週買うべき洋服も、
全部スマホ(ルビ:トレンド)が教えてくれる。
何者かになってみたい——そんな願いを持つ間もないほどこの世界は忙しい。
活動休止中のイラストレーター“海月ヨル”
歌で見返したい元・アイドル“橘ののか”
自称・最強Vtuber“竜ヶ崎ノクス”
推しを支えたい謎の作曲家“木村ちゃん”
世界から少しだけはみ出した少女たちは匿名アーティスト“JELEE”を結成する。
自分じゃない“私たち”なら——輝けるかもしれない。
キャスト
(C)JELEE/「夜のクラゲは泳げない」製作委員会