音楽
ReoNa「ガジュマル」インタビュー|〈出会い 別れ それでも生きていく〉でも、やっぱり会いたい――

ReoNa『シャングリラ・フロンティア』第2クールEDテーマ「ガジュマル ~Heaven in the Rain~」に寄せて|「人間とはまた違うけれど、AIやNPCは、確かにそこに存在していて。AIにも物語があって、心がある」

TVアニメ『シャングリラ・フロンティア』第2クールエンディングテーマを彩る「ガジュマル ~Heaven in the Rain~」がリリースされた。生きとし生けるものだけではなく、NPCやAIという存在とも向き合ってきたReoNaが「今はいない」大切な人に向けて綴った手紙を元にした「ガジュマル ~Heaven in the Rain~」。その誕生の成り立ちには、まるで「ガジュマル」の育ち方そのもののように一筋縄ではいかない物語があった。

「自分の記憶や感情と向き合ったからこそ生まれた言葉が、ものすごく大きなカタチで作品に寄り添うものとなって。今までにないカタチで生まれた1曲だなと思います」とReoNaは語る。ReoNa本人の別れで『シャングリラ・フロンティア』の別れに寄り添った「ガジュマル ~Heaven in the Rain~」。一段階深まった“絶望系”のカタチが息づく。

 

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“ふあんぷらぐど2023”で披露された新曲

――この記事が公開される頃には、2ndアルバム『HUMAN』から約1年が経過しているんですよね。

ReoNa:なんだか不思議な感じがします。まだ1年なんだ、と。『HUMAN』をリリースしてからもっと時間が経っているような感覚がすごくあります。『HUMAN』をリリースする2023年の春には、初めての武道館「ピルグリム」があったり、書籍の『Pilgrim』のリリースがあったり。そこからツアーを2つ挟んでと、2023年は濃密な時間でした。だから『HUMAN』というアルバムは長い時間一緒に歩んできたような感覚があります。

 

 

――2年振りとなったReoNa Acoustic Live Tour “ふあんぷらぐど2023”はReoNaさんの誕生日からはじまりました。アコースティックライブも久しぶりでしたね。

ReoNa:改めてアコースティックという形態はReoNaとして大切にしてきたカタチのひとつでもあります。前回は同じアコースティックでも “Naked”という新しいカタチで、バンド構成で人が生み出す分厚い音の渦の中に立たせてもらってきたので……ここまでシンプルに、アコースティック編成のライブってそもそもすごく久しぶりだなって。

アコースティックだからこそ、自分の中での捉え方の変化だったり、表情だったりというのを如実に感じました。何回やっても、アコースティックだからこそ、二度として同じ演奏はできないので。10月にはじまってから(2024年)1月に終わるまでの、その数ヶ月の中ですら変化していくこともありました。

1公演ずつ、これだけ間を開けてじっくり歩ませていただいたからこそ、アコースティックならではの公演ができたんじゃないかなと思っています。

――ミニマムな編成でありながらも、まさに音の厚みがありましたよね。

ReoNa:それに関しては、荒幡(亮平)さん、ぐっさん(山口隆志)のおかげです。あのふたりとじゃないとできないものが絶対にあるなと思っています。

――1月19日に行われた追加公演のKT Zepp Yokohamaでは、ステージ上でおふたりが向かい合っていて、あの雰囲気も新鮮だったなって。

ReoNa:おふたりがステージの中央側に向かい合っていて。あの方向にして良かったなって思っています。振り返ると、目が合うし、ふたりの呼吸も感じられました。

――「カナリア」をはじめ、久しぶりの曲もセットリストに入っていたことが個人的には嬉しかったです。

ReoNa:セットリストもふあんぷらぐどならではのものになりました。長らくライブでお届けできていなかった曲も結構入っていて。ファンクラブの「ふあんくらぶ」として皆さまに改めてありがとうを伝えに行くツアーだとも思っていたので、そういう意味では、普段からライブに来てくださっている方も、ちょっと違った雰囲気でお歌を受け取っていただけたのかなと思っています。

 

 

――追加公演では久しぶりに「テディ」を聴くこともできて。

ReoNa:はい。公演ごとに決め込みすぎていなかった部分がかあったんです。それこそ会場ごとにお届けする曲が違うパートもあったり、天気によってセットリストを変えたりとか……。

――追加公演も晴れて、荒幡さんはなんだか寂しそうでしたね(笑)。最近は晴れることが多いとか。

ReoNa:荒幡さんはきっと「全会場雨だろう」くらいに予想されていたと思うんです。もし雨だったら「あしたはハレルヤ」をお届けするつもりでしたが、全会場「step, step」で。そういったことができるのも、アコースティックの良さだと思います。あの場で、あの瞬間に、晴れているか、雨が降っているかで曲を決めて。ライブって生物だなと改めて思います。

――ライブで初披露となった新曲「オムライス」はいつ生まれたんでしょう。今作のシングルに入っていないことから察するに、ライブで育つ曲になるのかなと思うのですが。

ReoNa:ライブで先にお届けした楽曲です。“ふあんぷらぐど2023”で聴いていただきました。ライブだけの楽曲があるというのも、ReoNaのお歌のひとつだなと思っていて。それこそ「Let it Die」も『unknown』に入るまではライブ曲でしたし、「トウシンダイ」もシングル「forget-me-not」のカップリングに入るまではライブでないと聴けなかった曲です。それこそ「怪物の詩」も、ずっと温めてきた曲で。

ライブで先に、会場のあなただけにお届けしてから音源になる、という成り立ちを持った曲のひとつ。まだライブに来られていない方の中には「オムライスって一体なんなんだ」と思われるかもしれないのですが、そういう方にもぜひ「お楽しみに」とお伝えしたいです。

 

 

――同時に初披露となったのが、今作に収録された「不良少女白書」のカバー。「不良少女白書」、「オムライス」はどちらもフォークの匂いのする曲です。ReoNaさんはカントリーなどのルーツ音楽を大切にされてきましたが――。

ReoNa:まさにその通りです。カントリーソングやフォークソングというのは、ReoNaのひとつのルーツで。日常的にある憂鬱、絶望の感情や出来事を語るように紡いでいく楽曲は、私自身が好きで聴いてきた楽曲たちのルーツでもあるし、それこそ「生きてるだけでえらいよ」、「絶望年表」など、絶望系の部分としてReoNaが紡いできたお歌の道の中に「不良少女白書」、「オムライス」があるのかなと思っています。

――フォークはReoNaさんが生まれる前に根付いた音楽ですが、ReoNaさんにとってのフォークはどういう存在ですか? 

ReoNa:私自身、音楽オタクというわけではなくて。好んで聴いてきた楽曲がカントリーというジャンルだった、ということを知ったのもデビューの前あたりでした。CDショップに行ったときなどに「自分が聴いている音楽ってこのジャンルだったんだ!」と気づくんですが……

――ReoNaさんの世代は音楽のクロスオーバー化もかなり進んでいましたし、ジャンルに縛られて聴くというのもあまり多くないのかもしれませんね。

ReoNa:確かにそうかもしれません。私が小さい頃、インターネットで音楽を聴いたり、調べたりすると「このアーティストを好きな人は、こういうアーティストも聴いています」といったレコメンドのされ方だったので、あまりジャンルを意識したことはなくて。

音楽好きの方に「君が好きなのはカントリーなんだね。日本で言うとフォークの曲なんだろうね」って言われて「日本で言うとフォークソングになるんだ」と初めて自覚しました。「こういうフォークソングがあるよ」と教えてもらい、そこから触れていきました。

そうした中で、事務所の方にいろいろなフォークソングを教えてもらったんです。例えばさだまさしのさんの「防人の詩」を聴かせてもらったことも。後日、たまたまさだましさんのドキュメンタリー的な番組を見て、「風に立つライオン」「償い」などの楽曲が生まれた経緯を知って。そういう流れもあって、さだまさしさんの曲を意識するようになりました。

 

 

――日本の名曲ですね。歌詞を大切にするというのも、フォークソングの特徴のひとつのように思います。まさに元祖・絶望系と言いますか。

ReoNa:実は内々では、「不良少女白書」をReoNaがカバーしたらどうだろう?という話自体は、以前から挙がっていたんです。そのきっかけとなったのが「ピルグリム」でした。

ハヤシケイ(LIVE LAB.)さんが書かれた〈この星で生まれた Alien 〉という一節を見て、スタッフの方が「さだまさしさんの曲の、あのフレーズみたいだね」と。それが「不良少女白書」の〈人には黒く見えるカラスが自分には白く見えてしまう〉というフレーズです。私自身、「不良少女白書」を初めて聴いた聴いた時に、ものすごくパワーのあるお歌だなと思っていました。

“ふあんぷらぐど”ではカバーも大切にしてきていたので、今回何を(カバーで)歌おうかとなった時に、さだまさしさんが手掛けた「不良少女白書」が挙がりました。それを聞き付けた荒幡さんが「えっ、実は僕もReoNaに不良少女白書が合うんじゃないかと思ってました」と。荒幡さん自身、さださんの大ファンだそうです。意外なところからもそういう声があり、今回カバーする運びとなりました。

――榊原まさとし(ダ・カーポ)さんの「不良少女白書」だったり、さださんがセルフカバーされていたりと、いろいろなバージョンがあるんですね。

ReoNa:歌わせていただくにあたって、榊原まさとし(ダ・カーポ)さんのものや、さだまさしさんのバージョン、ライブ音源、などをいろいろと聴いて……。

――いつかさださんとのコラボレーションも見てみたいです。

 

 

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