
『魔王2099』第7話振り返り|本気になったベルトールはあまりにも最強すぎた。マルキュスの最期には、爽快感と寂しさが入り混じったなんともいえない感情に
現在放送中の、ファンタジア文庫で刊行中の紫大悟先生のライトノベルを原作としたTVアニメ『魔王2099』。究極の発展を遂げた未来都市・新宿に蘇った、500年前に滅びたとされる伝説の魔王・ベルトールの活躍が見どころとなっている作品です。
今回も引き続き、第7話の内容を振り返っていきたいと思います。
なお、本記事は『魔王2099』第7話までのネタバレを含んだ内容となっておりますので、第7話をご覧になった上でご一読ください。
第6話 振り返り記事はこちら
いよいよ始まった、ベルトールとマルキュスの最後の決戦
マルキュスがマキナを不死炉に落とそうとした瞬間、颯爽とマキナを助けにベルトールが現れ、かつての配下・マルキュスと対峙する時がやってきました。ベルトールに対して逆恨みもいいところな憎しみを抱いているマルキュスですが、しっかりとベルトールの配信をチェックしているところを想像すると面白い。(その様子は第7話のWEB予告で楽しめます)
ただベルトールからすると、既にかなりの数の臣下を手にかけられているので、有無を言わさずに殺したいくらいの怒りはあるはず。それでも怒りを抑えて申し開きを聞いているのには、王としての器の大きさを改めて感じます。このあたり、不死を犠牲にしたことはまた別問題として、不死炉が生んだエネルギーで人類の文明を進歩させた功績を純粋に評価する視点も兼ね備えているからこそなのかなと。
とはいえ、ファミリアによる優位性を確信しているマルキュスが当然勧告を聞きいれるはずもなく、戦いの火蓋は落とされました。 “血術侯”とも称されるマルキュスの得意とする魔法は血の操作で、血で作った剣をベルトールに破壊させ、砕けた剣の破片を魔法で爆発させるという隙のない戦法を取っています。
途中、ファミリアによる詠唱の速度差を埋めるべく、ベルトールは頭を狙った攻撃を繰り出しますが、これもマルキュスの用意した罠でした。この時に吹き出したマルキュスの血をベルトールの鎧に付着させ、そのダメージで流れ出たベルトールの血を続けざまに爆発させていくという戦法は、ほとんど一種の“ハメ技”といってもいいくらいの卑怯さがあります。ただ、ある意味その強さが仇となり、ベルトールの本気を引き出してしまう形になってしまいましたが……。
かつてグラムが口にした「命の輝き」の意味を知るベルトール
ベルトールがもう一つの姿になるにはさらに多くの信仰力が必要なようで、その役割を任されていたのが高橋でした。
新宿市中のありとあらゆるモニターをベルトールの配信のストリーミングに変えるのは、タイミングによってはめちゃくちゃキレそうな人もいそうだなとちょっと心配に。ただ、以前にベルトールは「自分への負の感情も力になる」という趣旨の発言もしていたので、ベルトールに対する怒りの感情が起きるのも込みでの作戦なんでしょう。
第二の姿の発現には、ほかにも大量のエーテルが必要という条件があり、多くのRPGにおけるお約束の「魔王はなぜ自ら赴かずに勇者を玉座で待ち受けているのか」という部分の理由付けにもなっていた部分も個人的に面白かったポイントです。
ベルトールは、この姿を見せるのはマルキュスが二人目だとも言っていましたが、言うまでもなく一人目は勇者グラムでしょう。逆にいえば、ベルトールがそれだけ準備をしていたにも関わらず、それを打ち倒したグラムが、どれだけ化け物じみた強さだったのか改めて実感します。
その後のベルトールが本気になってからの戦いは、もはや勝負にもなっていない、一方的な蹂躙と呼ぶべきものでした。マルキュスはファミリアを駆使して、ベルトールの“無詠唱法”を上回る速度で魔法を発動して有利を保っていたわけですが、ベルトールはその更に先にいく“無宣言法”を活用し、マルキュスの魔法の無効化に成功。それまで何度魔法で殺されても復活して耐えていたマルキュスでしたが、精神攻撃をされると速攻で土下座するあたりが実に情けなさ全開でいい味出してます。
躊躇いなくマルキュスを薪にしようとするベルトールに対し、「私と同じだぞ!」とか「同胞を薪として焚べるなど……」と、自分の悪事を自覚した上で、それはそれとしてベルトールの行為を非難するところとか、どれだけ面の皮が厚いのかと思わせる小物ムーブには腹筋をやられました。マルキュスは純粋な悪党でしたが、よくも悪くもその善悪感も一般人の範疇に収まっていて、魔王として人間を超越した価値観をもっているベルトールと比べると、悪役としてのスケールの格も違いすぎましたね……。
ただ、ここまで気持ちいい小悪党をやってくれると逆に好感が持てるというか、マルキュスが不死炉に落ちていくシーンでは、爽快感以上に「もう来週からマルキュスの小悪党ムーブを見れないのか……」という寂しさの方が正直大きかったかも(かつての配下を手に掛けた結果になったのもあり、ベルトールもどこか物悲しそうに感じました)。
最後にベルトールが口にしていた「命の輝き」は、500年前に勇者グラムが口にした言葉で、かつてのベルトールはそれを「くだらないもの」呼ばわりしていました。それを踏まえると、新宿市での生活を通じて、ベルトール自身にも変化が起きつつあることが改めて分かった形でした。
将来的には不死炉に代わるエネルギーを見つけ出す必要があるなど、課題も残りますが不死炉を巡る騒動には一旦の決着がつきました。第7話のエンディングを見る限り、マキナたちの新しい住居は以前よりグレードアップしていますが、もしやそこはいわくつきのあの部屋では…?
最新のPVも解禁されて、来週からはどうやら舞台が新宿から秋葉原へ。新キャラクターも登場するようで、PV内で学生服を着て挨拶をしていたベルトールたち然り、どんな展開になるのか気になるところです。第8話以降の秋葉原編にも引き続き注目していきます。
作品概要
あらすじ
統合歴2099年―――
不死の王国を統べていた、伝説の魔王・ベルトールが迎えてから500年―――魔王再臨の刻、来たれり。
サイバーパンクシティ『新宿市』。天を貫く超高層ビル群、宙を錯綜する極彩色のネオン光―――
魔導工学の技術革新によって栄光ある発展を遂げた、究極の未来都市。
魔王が降り立った世界は、かつての絶対支配者を置き去りに、驚愕の進化を果たしていた―――。
巨大都市国家が手にした、華々しい繁栄。
しかし……その裏に隠されていたのは―――恐るべき“闇”だった。
輝かしくも荒んだ“新たな世界”を再び支配すべく、魔王は未来を躍動する!
キャスト
ベルトール=ベルベット・ベールシュバルト:日野聡
マキナ=ソレージュ:伊藤美来
高橋:菱川花菜
グラム:浪川大輔
マルキュス:松風雅也
木ノ原:伊藤静
放送情報
2024年10月12日(土)24:00~ ON AIR
TOKYO MX、群馬テレビ、とちぎテレビ、BS11:10月12日より毎週土曜24:00~放送
毎日放送:10月12日より毎週土曜27:08~放送
中京テレビ:10月15日より毎週火曜26:19~放送
AT-X:10月13日より毎週日曜日22:30~放送
※放送日時は編成の都合等により変更となる場合がございます。予めご了承ください。
配信情報
dアニメストア、ABEMAにて地上波同時・最速配信決定!
10月12日(土)より毎週土曜24:00~
その他サイトも順次配信予定