音楽
福山潤インタビュー|ミニアルバム『Reflection』(前編)

福山潤、ミニアルバム『Reflection』をリリース! 「妃教育から逃げたい私」OPテーマを含む、全6曲の“少年誌的ラブソング”が集結!

 

「勝利」というテーマに紐付けしたのは楽曲ができたあと

──それで言うとTVアニメ『妃教育から逃げたい私』のOPテーマ「君としか恋しない」は、テーマ的には6つのうちのどれになるんですか?

福山:じつは、どの曲がどのテーマに対応しているかはあえて明言していないんですよ。とは言え、例えば一曲目の「Breaking ”Bad” ~堕悪緋色~」などはタイトルに“ダークヒーロー”って入っちゃってますから、これはもう明らかだったりもするんですけど。

ただその反面で、なかにはちょっと分かりにくい曲もあるかなとも思っていて。「君としか恋しない」もそのうちのひとつなんですけど、そこは聴いてくださった方がそれぞれで自由に想像していただければと思っています。

 

 

──そうなんですね。ここからは楽曲ごとに込められたテーマについて細かく伺おうと思っていたんですけど(笑)。

福山:あはは。じゃあ全然喋りますよ(笑)。「君としか恋しない」のテーマは「勝利」です。

──あっさりと(笑)。

福山:まあ、別に隠しているわけではないですから。まず前提として『妃教育から逃げたい私』の主人公は妃候補のレティシアで、僕が演じているクラークはレティシアに思いを寄せる婚約者なんです。なので、OPテーマは男性の目線から好きな女性をどう見ているかを描くことにしました。

もちろん視聴者の方はOPテーマの歌詞をクラークに重ねてご覧になると思うので、そこはなるべく裏表のない素直な歌詞にして、いっそクラークのキャラクターソングとして受け止めてもらってもいいかなと思い、振り切って作っていますね。

──そのうえで、そこには福山さんの解釈もあって、かつ「勝利」の曲として成立させているんですよね。

福山:そのつもりです。そもそもですが、ひとりの女性に自分の全てを捧げることって、それ自体がもう「勝利」なんじゃないかと思うんですよ。不安や苦しみも全部乗り越えつつ、相手のために自分の人生をどこまでも費して、その結果その相手と結ばれたとしたら、人生においてこんな大勝利はないですよね。

それにこの歌詞の男は、「君の空になるよ」とか「自由な君が好き」とか、いろいろとポエミーなことは言っていますけど、あんまり我欲のようなものはないんです。

自分のことを好きになってほしいという気持ちはあるんですけど、だからと言って女性に「こうしてほしい」みたいな気持ちは一切なくて、あくまで女性は自由にありのままでいて、そのうえで「そんなあなたが好きです」というスタンスなんですね。

彼はすでにそういう域にまで達しているので、目的が成就すればそれに越したことはないんですけど、仮に結ばれなかったとしても、もはや「勝利」と言えるんじゃないかなと思いますね。

 

 

──そういう意味での「勝利」だったんですね。

福山:そうなんです。歌詞中に「勝利」の二文字はおろか、勝ち負けを連想させるワードもないので、これはわりと難しいですよね。

──言われなければ気づきませんでした。

福山:じつは、最初は僕もこの曲を「勝利」にするつもりはなかったんですよ。と言うのも、この楽曲だけは6つのテーマとは関係なくアニメのOPテーマとして別に制作したものなので、「勝利」というテーマに紐付けしたのは楽曲ができたあとなんです。

──なるほど。この曲を「勝利」曲だと認定したことによって、アルバム全体が“少年誌的ラブソング”になったわけですね。

福山:そういうことです。ふつうに考えれば、今回の6つのテーマで言えば「愛」に該当する曲かもしれませんが、いろいろと考えているうちに「これは人生という長いスパンで考えたら“勝利”なんじゃないか?」と思うようになって、それで決めました。

──福山さんはクラークとしてアニメに出演されていますが、キャラクターへの印象もお聞かせ願えますか?

福山:レティシアを追いかける姿ばかりが目立っているので、一見するとただの「馬鹿王子」に見えるかもしれないんですが、実際にはとても有能な人物ですよね。とくに彼女を追いかける時間を捻出するためには、裏で相当努力を重ねていて、戦略家でもあると思います。すでに婚約者なのにあくまで恋愛結婚にこだわるなど、わがままで変わった人ではあるんですけど、目的に対して努力を尽くしたり没頭できるということ自体はすごいなと思いますし、そこがいちばんの魅力だと感じています。

──ちなみに福山さんは「去る者は追わず」なタイプですか? それともクラークのように「絶対に逃がさない」というタイプでしょうか?

福山:うーん、昔は引き止めることもあったかもしれませんけど、今は「去る者は追わず」ですね。経験上、無理に引き止めて良かったことはひとつもないなって(笑)。

もちろん一切引き止めないというわけではないですけど、それでも去るのであれば、それは仕方がないことかなと思います。これは仕事でも恋愛でもなんでもそうだと思うんですけど、同じ時間を過ごすには何かしらの理由があって、それは離れる場合もきっと同じなんですよね。

ちょっと運命論的な話かもしれませんけど、それを無理に捻じ曲げるのは難しいし、できたとしても長続きしないと思います。とくに僕は費用対効果と言うか、効率を重視しがちな人間なので、その後のコスパやタイパを考えると、なかなか(笑)。

 

 

──なるほど。今のお話もそうですけど、このアルバムを聴くと「勝利」や「正義」などの王道テーマに対して、福山さんがどう考えているのか、人となりがかなり赤裸々に分かる気がします。

福山:おっしゃる通りだと思います。僕のことをあまり知らない人でも、これを聴けば「福山潤ってこういう人なんだな」というのが分かる、わりとパーソナルな一枚になっている気がします。

あくまで現在の僕の解釈なので、未来のことは分かりませんけど、僕にとってもひとつのチェックポイントのようなアルバムになりました。僕の心理をもっと知りたい、分析をしたいという奇特な人にとっては、かなり面白い一枚なんじゃないかと思いますので、ぜひ手にとってみてください。

──ありがとうございます。では後編では、今回取り上げられなかったほかの収録曲について、それぞれお話を伺っていきます。

福山:よろしくお願いします!

 

ミニアルバム『Reflection』

 
【発売日】2025年2月5日
【価格】
初回限定盤(CD+Blu-ray):4,070円(税込)
通常盤(CD only)3,190円(税込)

≪収録内容≫
[CD]
1.Breaking ”Bad” ~堕悪緋色~
作詞:松井洋平 作曲・編曲:JUVENILE
2.Always watching you
作詞:松井洋平 作曲・編曲:神田ジョン
3.フォーエバー・フレンズ
作詞:松井洋平 作曲・編曲:TAKE(FLOW)
4.Like a rolling stone
作詞:松井洋平 作曲・編曲:Shinnosuke
5.『I love me, myself and I』
作詞:KURO 作曲:松井洋平、神田ジョン 編曲:神田ジョン
6.君としか恋しない
(TVアニメ「妃教育から逃げたい私」オープニングテーマ)
作詞:松井洋平 作曲・編曲:神田ジョン

[特典ディスク収録内容]※初回限定盤のみ
「君としか恋しない」Music Video
「Reflection」Jacket Making Movie

 

 

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