アニメ
『リゼロ』第3期:安済知佳インタビュー【連載第7回】

アニメ『Re:ゼロから始める異世界生活』3rd season 声優インタビュー連載第7回:シリウス役 安済知佳さん|シリウスの愛は純粋すぎるがゆえに“毒”に!? お芝居に「“ペテ味”を感じた」と言われ嬉しかった

 

1st seasonでレムがペテルギウスに殺された時のスバルの芝居は衝撃的! スバルと小林さんの共通点は「気遣い」

──主人公のスバルの印象と、小林さんのお芝居についての感想をお聞かせください。

安済:私が語るのは烏滸がましいと思いますが……スバルというキャラは、無鉄砲に敵や問題に立ち向かっているようでいて、実はものすごく繊細で。「死に戻り」を何回も繰り返していることによって、心に受けた傷やトラウマは数えきれないほどある複雑なキャラクターだと思うんです。

でも普段は「E・M・T(エミリアたん・マジ・天使!)」とか恥ずかし気もなく口に出したり、他のキャラクターに対してもツッコミを入れまくったり、明るく元気に軽やかに振舞っていて。小林くんがスバルのことをよく理解して演じているからこそ、軽さやおもしろさと、苦しみや弱さに立ち向かう芯が同居しているのがまったく不自然ではなくて。本当に小林くんってすごいなと思いました。

 

 
1st seasonの15話(「狂気の外側」)で、竜車で移動している途中で魔女教に襲われ、洞窟の中でレムがペテルギウスに殺されてしまって、スバルの心が壊れてしまったシーンが衝撃的で。スバルの心の痛みや叫びが、アニメの絵と演出を通しても伝わってきて……ただそのお芝居に圧倒されてしまいました。

普段別の現場で会う小林くんは、気さくで明るくて、一緒にお酒を飲みに行ったりするくらい仲良くさせていただいていますが、いつも気遣ってくれるし、周りの人のことをよく見ていて、常にその場での最善の振舞いをしている印象があって。もしかしたらそこがスバルとの共通点なのかもしれないと思いました。

──スバルは、キャストの間でも、seasonを重ねるごとに人気が高まっている印象です(笑)。

安済:そうなんですね(笑)。あとスバルは、視聴者の目線だったり、気持ちを代弁する役割でありながらも、「死に戻り」という状況は誰も経験したことがないし、その時の心理状況を表現するのは難しいと思うんですよね。上辺の浅いお芝居だと(視聴者が)共感できず、「死ぬ前の経験をなぜ活かせないんだよ!」と見えてしまう可能性もある中で、スバルは「死に戻り」を繰り返すことで、心理状況は尋常ではないと思うし、死ぬ前の恐ろしい経験から臆病になったり、時には間違った判断をしてしまうこともあって。でも、スバルの一生懸命さが伝わってくるからこそ、手に汗を握るし、「頑張れ」と応援したくなって。

 

 
61話の収録後に、小林くんと高橋さん、新井さん、小市さん、リリアナ役の(山根)綺ちゃん、ティーナ役の(天野)聡美ちゃんでご飯に行ったんですが、みんなテンションが上がっちゃって。お互いの台本を見せ合ったりしたんですが、そこで「スバルの痛がり方ってすごいよね」という話題で盛り上がって。

彼はいろいろな部位を傷つけられていますが……たぶんどの作品のキャラの中でも一番じゃないかな?(笑)、みんなで「足が痛い時、腕が痛い時、お腹が痛い時、それぞれ声が違っていて、しかもどこが痛いのかわかるのがすごいよね」って。そうしたら小林くんは「傷の部位によって呼吸が変わるのを意識している」と話してくれました。こんな伝え方だと簡単に聞こえるかもしれませんが、その場では詳しく話してくれて感動しましたし勉強になりました。

 

プリシラとの激闘シーンを収録した後に、田村さんからもらった嬉しい言葉とは?

──そして今、[反撃編]が放送中ですが、シリウスといえば61話「リリアナ・マスカレード」でのプリシラとのバトルシーンがすごかったですね。『リゼロ』は長い掛け合いが随所にあるのが特徴ですが、シリウスとプリシラの戦闘中の掛け合いも引き込まれました。

安済:ありがとうございます。プリシラはめちゃくちゃ難しい言葉遣いをするキャラクターですが、自分から自然に出てくるように話せる田村(ゆかり)さんのすごさと圧力をビシビシ感じました。

[反撃編]が始まってからは、視聴者の方にスッキリしてもらえるような「反撃のされ方」も重要だなと。でもわざと何かをするわけではなく、シリウスの考えうる思考からとる言動をイメージしながら掛け合いをして、気が付いたらシーンが終わっていた感じです。収録では「めちゃくちゃしゃべったな」という感覚でしたが、観てみたら意外に短いなと思ったりして。もっとすごい言葉のバトルをしたつもりだったのに。そのくらい田村さんの演じるプリシラの圧が強くて、それを感じていたから必死に、無我夢中でやっていたからかもしれない、と今振り返ると思います。

 

 

──短さは感じませんでした。間にリリアナの人生を描いたシーンが挟まっていましたが、集中力は切れないまま、二人の掛け合いにのめり込んでいたので、あのシーンが終わった後の疲労感から思わず「ふ~っ」と呼吸しましたから。

安済:それなら良かったです。『リゼロ』の台本っていつも分厚いんですよね(笑)。あのシーンが終わった後、田村さんから「ヤバい女だね」と言ってもらえたのが嬉しかったです。 

 

お気に入りキャラは「選べない」!?

──ご自身が演じるキャラ以外で、お気に入りのキャラを教えてください。

安済:それはもちろん、ペテルギウス様!……とパックですかね。3rd seasonで言うと、ガーフとミミの二人です。台本を読んでいた時から「いいな。かわいいな」と思ってたんですが、映像で観てみたら想像以上に尊くて。

あとリリアナも! 61話でプリシラに倒された時、リリアナの「伝心の加護」が覚醒して、シリウスに精神を支配されていた都市の人たちを救いましたが、綺ちゃんは(お芝居と歌を)別録りせずに、現場でそのままお芝居の合間に歌うのがすごいんですよね。本当に「歌で戦っている感」があって。彼女がマイク前で一生懸命、お芝居と歌に取り組む後ろ姿が胸にぐっとくるほどで。「これは負けるわけだ。いい負け方をしたね、シリウスさん」と思えた、印象的な収録でした。

あとスバルとエミリアは、この1st、2ndでの苦難を乗り越えた後の3rdということで、自分たちの核や芯になる部分が出来上がっているからこそ、今までとは違う形で応援する気持ちが湧いてきて、観ていて楽しいです……でもラインハルトもいいんだよなあ。今までもカッコよかったですが、59話(「混戦都市」)のレグルスとの戦いで使った「不死鳥の加護」なんて、放送後、SNSでトレンドに入っていましたよね?

 

 
宣伝担当:入っていました。

安済:「そんなチートなことアリなの!?」という感じで。いろいろな加護を出してきて、すご過ぎます!

──女性キャストの間でも人気のキャラクターですからね。

安済:ですよね~! カッコいいし。強さと物腰の柔らかさのギャップも含めて魅力的で……ダメだ! 私には選べない! 素敵なキャラクターばかりだなと、今話していて再確認しました(笑)。

 

Re:ゼロから始める異世界生活 3rd season 関連ニュース
おすすめタグ
あわせて読みたい

関連商品

おすすめ特集

今期アニメ曜日別一覧
2025年秋アニメ一覧 10月放送開始
2025年夏アニメ一覧 7月放送開始
2026年冬アニメ一覧 1月放送開始
2026年春アニメ一覧 4月放送開始
2025秋アニメ何観る
2026冬アニメ最速放送日
2025秋アニメも声優で観る!
アニメ化決定一覧
声優さんお誕生日記念みんなの考える代表作を紹介!
平成アニメランキング