
アニメ『Re:ゼロから始める異世界生活』3rd season 声優インタビュー連載第7回:シリウス役 安済知佳さん|シリウスの愛は純粋すぎるがゆえに“毒”に!? お芝居に「“ペテ味”を感じた」と言われ嬉しかった
TOKYO MX、AT-Xほかにて好評放送中のTVアニメ『Re:ゼロから始める異世界生活』3rd season。
先日放送された12話(通算62話)では、レグルスの権能を『獅子の心臓』――あらゆる物体の時間を止める能力と『小さな王』――自身の心臓を花嫁のそれに移す能力だと看破し、無敵の理由がレグルスの花嫁たちにあるとにらんだスバルは、エミリアに花嫁全員に協力してもらえるよう説得を頼む。レグルスの支配から自由になることをあきらめてしまっている花嫁たちに、自分がハーフエルフであることを明かして必死の説得を試みるエミリア。彼女に動かされ、百八十四番ことシルフィたちはレグルスに反旗を翻す決意を果たした。
そしてレグルスの心臓のカラクリを突き止めたエミリアが花嫁全員を凍らせて仮死状態にすると、レグルスの心臓はエミリアのもとへ移ってしまう。スバルは『見えざる手』の能力を使い、レグルスの心臓を握りつぶし『小さな王』の無効化に成功。肉体の時間を止める『獅子の心臓』の使用中は心臓の鼓動をも止めなければいけないという弱点を突き、最後は月から舞い戻ったラインハルトがとどめの一撃。エミリアの奪還と花嫁たちの解放に成功するのでした。
アニメイトタイムズでは、キャスト陣へのインタビュー企画を実施中。連載第7回はシリウス役・安済知佳さんに登場いただき、『リゼロ』の印象や、シリウスを演じる際に意識している点、[襲撃編]を振り返った感想と、11話(通算61話)のプリシラとの激闘について、そして終盤に向けての見どころなどをたっぷり語っていただきました。
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「かわいいキャラが戦うお話」という印象から一変、お芝居や設定、演出のすごさなどに驚愕
──『リゼロ』の原作やアニメなどをご覧になった感想と、魅力を感じた点をお聞かせください。
シリウス・ロマネコンティ役 安済知佳さん(以下、安済):『リゼロ』のことは知っていましたが、シリウス役のお話をいただいてから改めて情報収集していくうちに、「作品を実際に観たほうがいいな」と思いました。たまに、事前に観ないほうがいいキャラクターもいますが、シリウスを演じる上では実際に観ないと始まらないなと。アフレコまでに1st seasonから2nd season、OVAまで観ました。
観る前はエミリアやラム・レム姉妹など、かわいいキャラクターに目が行きがちで。私が出演したゲーム(『オルタナティブガールズ』)でも『リゼロ』とのコラボがあり、そのときの印象なども含めて、かわいいイメージが先行していましたが、ゲームの中でもペテルギウスさんは登場していたので、「かわいい女の子とインパクトが強いキャラクターが戦う話なのかな?」と。
そこからアニメを拝見して、ただかわいい女の子が戦う話ではなく、「死に戻り」の設定だったり、ただ異世界に召喚されて気軽に生活する話ではないことを知って驚きました。そして、一人ひとりのキャラクターの心情を、特にスバルについては憎悪や痛みまでも描いていたので、共感や感情移入がしやすく、『リゼロ』の世界にすぐに引き込まれました。
──序盤の残酷な描写や、スバルが苦しむ姿を観るのはツラくありませんでしたか?
安済:あまりそんなことはなく……(笑)。でも確かに、かなりカロリーや精神力を消費するアニメだなと。「きっとすごいアフレコ現場なのでは?」と想像しました。
一方で、演出面のすごさ、特にサブタイトルが最後に出てきたり、「死に戻り」する時の音など、細かい部分の演出が好きで、(出演することを忘れて)結構楽しんで観てました。
シリウスは純粋すぎるがゆえに愛が毒に!? ペテルギウスへの愛を軸に演じた
──シリウス役を演じてほしいという指名があったそうですが、どのように情報を集めたのでしょうか?
安済:シリウスを知るには、台本が届くまでは原作を読むしかなかったんですが、シリウスについてはまだ全貌が明らかになってはいなくて。なので、まずはアニメを観て、あとは現場で監督にお聞きしたほうがいいなと。あとは、ナツキ・スバル役の小林裕介さんに別の現場で、原作の長月(達平)先生もアフレコに立ち会われていると聞いていたので、そこで詳しい話を聞けたらいいなと思いました。
──シリウスの印象はいかがでしたか?
安済:純粋な人だなと思いました。ただ、酸素の純度が高すぎると毒になってしまうように、純粋さが強すぎるがゆえに“毒”なんだなと。
2nd seasonまで観て、大罪司教はまったく会話が成立しなくて、自分の信条ややりたいことがまず第一、という印象でした。言葉のキャッチボールのつもりでドッチボールしてくるような大罪司教が多かったので、そこは(シリウスも)共通していますが、他の大罪司教とは違うところも見せないといけないなと。
3rd seasonの1話(通算51話)の台本をいただいた時、「劇場型悪意」というサブタイトルを見て、台本を読んで、このサブタイトルをシリウスがラスト10分で表現するための最適解を常に考える日々を過ごしました。
──ペテルギウスへの執着もすごいですが、どうしても松岡禎丞さんが演じたペテルギウスのことが頭に浮かんでくるんですよね。
安済:シリウスがなぜ「ロマネコンティ」姓を名乗っているのかは原作でも書かれていたので、そこを軸に考えていきました。彼女はペテルギウスを愛しています。私たちもどんな愛の形であれ、愛する人の癖や言動に似てしまったり影響を受けることがあると思うので、(意図的に)マネているわけではないけれど、「今ちょっと似てたな」と視聴者の皆さんに感じ取ってもらえたらベストだなと思って、“ペテルギウスっぽさ”を感じてもらえるように意識しました。
松岡さんのペテルギウスは突拍子もない発声をしますし、台本を読んでもそういう節を感じたので、「松岡さんを意識する」というよりも「ペテルギウスを想うゆえの彼女の言葉の節」を意識するイメージで演じました。
あと「どうやってペテルギウスを作ったのかな?」と思って、アニメイトタイムズさんに掲載されていた1st seasonの時のインタビュー記事(※)も読ませていただきました(笑)。






















































