
子どもに向けた曲だからこそ、真摯に向き合わないと伝わらない――『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』Wienners・玉屋2060%さんインタビュー
スーパー戦隊50周年記念作『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』が、毎週日曜午前9時30分より、テレビ朝日系にて放送中です!
巨神テガソードと、全て集めると願いが叶う指輪・センタイリングを巡って、悪の組織・ブライダンのノーワン怪人たちと様々な「ナンバーワン対決」が繰り広げられます。歴代スーパー戦隊の力を持ったユニバース戦士たちが登場するという驚きの展開にも注目です。
そんな本作のオープニング・テーマ「WINNER!ゴジュウジャー!」を歌うのは、銀河系パンクバンド・Wienners!
男女ツインボーカル、パンクからエレクトロまで幅広いサウンドなどが注目され、『デジモンゴーストゲーム』のOP「FACTION」も担当していました。また、ギター&ボーカルの玉屋2060%さんは、でんぱ組.inc、ナナヲアカリ、七森中☆ごらく部へ楽曲提供するなどメロディメーカーとしての一面も。
本稿では、玉屋さんにスーパー戦隊シリーズの楽曲を担当することへの意気込みや込めた想いなど、たっぷりと語っていただきました。
「ナンバーワンを目指すこと」の大切さを伝えたい
──アニメイトタイムズにご出演いただくのは初めてなので、まずはWiennersがどんなバンドなのかをご紹介いただけますでしょうか?
Wienners ギター&ボーカル・玉屋2060%さん(以下、玉屋):簡単に説明すると僕とアサミサエ、∴560∵(ゴロー)の3ピースでやっている、ツインボーカルのパンクバンドです。ゴリゴリのロックに男女ボーカルが入り乱れ、シンセサイザーも入って、演奏に派手さを感じられるのが特徴だと思います。ある意味、スーパー戦隊っぽいバンドなのかもしれませんね。
──今回のオファーは、松浦大悟チーフプロデューサーからのご指名だったと伺っています。
玉屋:最初は「何かの間違いじゃないかな?」と(笑)。ライブハウスを中心に活動している僕らとはかけ離れた世界だと感じていたので、本当に光栄です。50周年というタイミングで担当させていただけることも嬉しいですし、それをバンドがやること自体、夢のある話だと思いました。
──楽曲を制作するにあたって、『ゴジュウジャー』の制作サイドからオーダーはありましたか?
玉屋:打ち合わせの際に『ゴジュウジャー』がどんな作品なのかを説明していただいて。楽曲についてのオーダーは、「メジャーキーで、ダンサブルでスピーディなもの」くらいでしたね。あとは、僕が感じたままにやらせていただきました。
──スーパー戦隊作品の楽曲を作る中で難しかった点、苦戦した点はありましたか?
玉屋:いざ作り始めると特に苦戦することもなく、夢中で作りました。というのも、僕自身も「ナンバーワンを目指すことって大事だな」と考えていた時期だったんです。
昨今は順位を付けることを良しとしない傾向にありますよね。それにも良さはあるけど、ナンバーワンを目指すことで「もっと頑張ろう」って思えるというか。ナンバーワンになれなかったとしても、それまでの頑張りは人生に活きるし、必要な糧になる。そんな中で『ゴジュウジャー』は、誰もがナンバーワンになれるというメッセージを伝えている作品だと分かって、すごく感動したことを覚えています。僕もナンバーワンを目指すカッコよさを伝えたいなと。
──玉屋さんが抱えていた想いと作品のテーマがリンクしたんですね。
玉屋:打ち合わせが終わってから家に帰って、『鳥人戦隊ジェットマン』や『恐竜戦隊ジュウレンジャー』の曲を聴き直してみたら、全部鮮明に覚えていたんです。イントロを聴いた瞬間、子どもの頃に戻って、色々な記憶が蘇ってきました。当時は毎週金曜17:30からの放送で、金曜日の夕暮れになると「もうすぐ始まるな」って時計をチラチラ確認していて。番組が始まったら画面から目を離さず、息を呑むように観ていました。
だからこそ「それを自分が作るのか!?」というプレッシャーみたいなものも感じましたが、それと同時に「やってやる!」という闘志が湧き上がってきたんです。あの時の気持ちを思い出して作ったら、1日で完成しました。
──1日で……! 玉屋さんの中に生きるスーパー戦隊シリーズの遺伝子がそうさせたと言いますか。
玉屋:楽曲や作品を作る上で一番大切なことは、自分が夢中になったものへの情熱だと思っています。情熱を注ぎこめる作品に出会えて、しかも50周年という節目に呼んでいただけたのは何かの縁。僕にとっての『ジェットマン』や『ジュウレンジャー』が今も血肉になり、記憶の片隅でいつまでも勇気をもらっていたように、「絶対に子どもたちを興奮させてやる!」と思いながら制作しました。
サビの最後は「ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー」で終えると決めていた
──『ゴジュウジャー』では変身する時に拍手アクションが入りますよね。そういったリズム感もWiennersのサウンドにリンクしている気がします。
玉屋:そうですね。『ゴジュウジャー』は第1話から目まぐるしい展開で、説明が少なくて、ある意味で支離滅裂な感じもWiennersに近いものを感じます。自分で言うのもなんですけど、僕らに任せていただいて良かったなと。プロデューサーからも「今までのシンガーの方々の想いや楽曲を踏襲しつつ、その先に行きたい」というお話があったんです。サビで「誇り高いはぐれものよ」と歌っているように、背中を押すというよりも力強く引っ張っていく曲を作ろうと思いました。
──玉屋さんの熱い歌声とアサミサエさんの爽やかな歌声が切り替わることで、バランスもよく感じました。
玉屋:ありがとうございます。Bメロで一旦オチる感じは、冷静と情熱の間じゃないですけど、僕の中で「クールに熱く行こうぜ」というテーマが常にあるんです。そこを上手く出せたと思います。
実を言うと、僕らの楽曲の中ではミドルテンポくらいなんですよね。構成もシンプルな方ですけど、世間の人には目まぐるしい曲に見える。今までのスーパー戦隊シリーズにはなかった“異文化感”を楽しんでいただけたら嬉しいです。
──スーパー戦隊シリーズのOPと言えば、作品名やキーワードなどが散りばめられていることも多いですよね。
玉屋:僕自身、テーマを楽曲に入れ込んだり、キーワードを散りばめたりするのは好きなんです。例えばこの曲でもゴングやクラップの音が入っていますし、歌詩の「ユニバース」「リングとソード」とか。サビの最後は「ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー」で終えると決めていました。もし僕が『ゴジュウジャー』を観ている子どもだったら、テーマソングのそういう要素でテンションが上がると思うんですよ。
──『ゴジュウジャー』の第1話では劇中で流れ、第2話からはOP映像も公開されましたね。
玉屋:やっぱり映像が付くと迫力が違いますね。第1話ラストの戦闘シーンは「これ!子どもの時に観たあの感じ!」って。OPではヒーローたちだけでなく、テガソードまで踊ってくれて嬉しかったです(笑)。映像と結びつくことで、ようやく「WINNER!ゴジュウジャー!」が完成した実感が湧きました。










































