
『増田こうすけ劇場 ギャグマンガ日和GO』大地丙太郎監督インタビュー with クマ吉くん|これまでの制作秘話から新作の見どころ、大スベリ(!?)した思い出まで、根掘り葉掘り聞いちゃいました
「笑ってよ!」って思います
ーー同じく大地監督が手掛けられた『僕とロボコ』も人気ですが、一昔前と比較してみると、『ギャグマンガ日和』のようなギャグアニメは減っているような感覚もあります。
大地:そうかもしれないですね。ギャグ作品って、アニメとして成立させることが意外と難しかったりもしますから。個人的には、ギャグ漫画作家さんが果敢に出てきてほしい、現れたら嬉しいと思います。
難しいのは、作品設定や世界観ではなく、ギャグのセンス。センスさえ抜群であれば良いんです。先ほども言った通り、笑わせようと作った作品で誰も笑わなかったら、お終いなんです。そこにわざわざ挑戦するのは勇気がいります。要はチャレンジャーが現れるかどうかなので、誰にも予測できない部分じゃないでしょうか。
ーーどんどん新しい作家さんのギャグを見てみたいですね。
大地:僕も長くお笑いを中心にやっているつもりなので、そうなると嬉しいです。やっぱり笑っていたいですから。
ーー笑っていたいし、笑ってほしいから作品を作る。
大地:笑っている顔って和むじゃないですか。とにかく今は世の中殺伐としている気がする。……とにかく「笑ってよ!」って思います(笑)。
ーー「『ギャグ日』で笑おう!」と。
大地:時には、そういうことも必要だと思いますね。
僕のアニメ監督としての師匠は、『おぼっちゃまくん』や『つるピカハゲ丸くん』などをやっていたやすみ哲夫さんなんです。
師匠とは『おぼっちゃまくん』で一緒になったんですが、その時の言葉が今でも心に残っています。「泣かせは誰でもできるんだ、でも笑いは誰にでもできるわけじゃない」って。笑いを作るのはよっぽどセンスがいることですし、難しいことだと思います。
ーー監督がお笑い好きになった原体験はどのようなものですか?
大地:赤塚不二夫先生の作品を読んで感銘を受けたんです。その頃からギャグ一択ですね。
読んでいる時のテンポ感、ワードセンス、ポーズや顔芸など、あらゆるところで笑わせてくる感じ。そこに先生の温かみが入ってくる訳です。
先生の体験してきた戦争のこと、同級生のこと、あの時代のバイタリティ。そういうものがバックグラウンドにあって、敢えてのバカバカしいお笑い。赤塚先生はそれまでのギャグ作品の常識を変えた人だと思います。
映像の師匠は、やっぱりチャップリンです。後に知ることになりますが、赤塚先生もチャップリンのパロディをされていたことがあります。『サーカス』という作品が最高なんです。メッセージ性の強いものも好きですが、『サーカス』はそういうものを超えた純粋な「笑ってくれ」を感じます。
ーーそういうものが源泉となって、監督の作品が生まれているんですね。
大地:チャップリンのことは久しぶりに話しましたが、今でも心に刻まれていますね。僕がよくやるラストシーンの演出があって、キャラクターが背を向けて去っていくというものがあるんですけど、これもチャップリンの影響です。
「面白い」を作るには?
ーー本作も含めて、監督がアニメーション作家として大切にしていることをお聞かせください。
大地:「間(ま)」です。間を取れるか、取れないかが全て。『ギャグマンガ日和』には間なんて無い訳ですが(笑)。“間の無い間”ですよね。
もちろん他の監督も、間を気にしているはずなんですが、「間のことをこんなに気にする監督はいない」と過去に言われたことがあって。これからも自信を持ちつつ、研究していくつもりです。
ーー長く業界で作品を作り続けている監督から、若いクリエイターやこれから業界を目指す方に伝えたいことは?
大地:とにかく熱を持ってください。熱を持って、それを惜しみなく発散してほしいです。好きなものやこだわりって、誰にでもあると思います。
ましてや業界に入ってくるなら、憧れている作品や人物がいるはずです。アニメの現場の方々はシャイな方が多いですし、コミュニケーションが苦手な方もいると思います。でも、そういう人でも熱は伝わります。黙っていたって、熱意を持っている人は分かるので、その熱をどんどん出せる場所を探してみてほしいです。
ーー多岐に渡るお話をありがとうございました。最後にお伺いしたいのですが、「面白い」を生み出すためには必要なことは何だと思いますか?
大地:やっぱり研究しかないと思います。『ギャグマンガ日和』もそうですが、挑戦してスベったら、別の方法を考える。小さなことでも、積み重ねて自分で研究する。そうやって勉強してきたつもりです。
そんなに沢山の作品を観なくてもいいと思います。1本か2本のお気に入りで十分です。気に入ったものを何百回と観るほうが身になるんじゃないかなと。
ただ、チャップリンや赤塚さんの本を読んでみても、自分とは全く違うじゃないですか。全てを真似するわけにもいかないので、自分なりのやり方も探っていく必要があります。そのために、周りのスタッフや尊敬する方のお話を聞くことも重要ですね。実際の制作や現場で試行錯誤するのが大事だと思います。
[インタビュー/タイラ 撮影・編集/小川いなり]
インタビューの様子
@gagmanga_biyori_pr TVアニメ『ギャグマンガ日和』シリーズ・大地丙太郎監督へのインタビュー中、お茶出し担当は… アニメイトタイムズさんのインタビューもチェックしてね♪ https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1743399315 🐻新作アニメ『ギャグマンガ日和GO』🐰 いよいよ明日、4月7日(月)よりTOKYO MXにて放送開始! #ギャグ日GO #ギャグマンガ日和 #anime #アニメ
♬ オリジナル楽曲 - 『ギャグマンガ日和』公式
『増田こうすけ劇場 ギャグマンガ日和GO』作品情報
4月7日(月)より放送開始!
CS放送キッズステーション:4月5日(土)22:30〜 ※先行放送
TOKYO MX:4月7日(月)21:54〜
BS11:4月8日(火)21:54〜













































