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春アニメ『クラ★スタ』開幕に寄せて――内田雄馬×伊東健人×安部 瞬×石毛翔弥 声優座談会

“世界で一番新しい音楽を共に――春アニメ『クラシック★スターズ』内田雄馬さん(ベートーヴェン役)×伊東健人さん(モーツァルト役)×安部 瞬さん(ショパン役)×石毛翔弥さん(リスト役)声優座談会

 

にじみ出る“らしさ”――回を重ねて深まった4人の関係

──その歌やお芝居を通じて、お互いに「この人のここカッコいいな」と感じたところがあれば、ぜひ教えてください。

石毛:これは意図的なものではないかもしれませんが……もちろん“役”として演じてはいるんですけど、役者それぞれの性格や個性が自然と出ていたようにも思いました。

たとえばベートーヴェンのまっすぐな情熱だったり、モーツァルトの確固たる信念とこだわり、それを成し遂げる胆力。ショパンの可愛らしさや繊細さ、でも実はまっすぐ突き進む芯の強さ……。リストである僕自身も、人に嫌われたくないという感情を持っていたりして、それが演技の中にも自然に出ていたんじゃないかなと感じています。

 

 
特に回を重ねるごとに、それぞれの“らしさ”がより深まっていった印象があって。最初の収録ではそこまで明確に感じていなかったのですが、回を進める中で、それぞれの役が持つ個性が互いに影響を受け合いながら、すごくバランスのいいやりとりになっていったなと実感しています。

伊東:ああ、それは絶対にあるでしょうね。僕自身も周りの人を信じて、寄りかかって演じている感覚があったし、回を重ねるごとに、よりその信頼が強まっていった気がします。

安部:たしかに、4人それぞれがキャラクターとぴったり一致してる、というわけじゃないと思うんですけど、でも4人が集まったときの空気感やまとうものに、共通しているものがあるなと感じていました。だからやりやすくて。自然に芝居ができたのかなと。

 

 
内田:やっぱりオリジナル作品という性質上、解釈の幅が広いんですよね。もちろん台本があるのでそれに沿って僕らは解釈するのですが、“今この場で生まれていく感覚”があって、それを丁寧に受け止めて、キャラクターを一緒に育ててくださった制作陣の皆さんのおかげで、僕たちも安心して芝居に臨めたと思います。

どこかに“空気感”として、キャラクターたちの個性が役者の感性とマッチしていって、それがすごく良いバランスを生んでいたと思います。そういうところから、(個々の特性が)滲んでいったのかなと。みんなで「良い作品にするぞ!」と一丸となって挑んでいた、その表れでもあるのかもしれません。

──座長としてはどのようなことを意識されていたのでしょうか?

内田:いや、もう僕自身は本当にみんなに頼りっぱなしで走り続けた1クールだったと思っています。本当にそうなんですよ。座長って、作品によってはガンガン引っ張っていくスタイルもあると思うんですけど、一方で、チームの間に立って“つなぐ”ような存在になるパターンもありますよね。もちろん、その両方を兼ね備えた座長像というのもあると思いますが、この作品の場合は、“つなぐ”というのが自分の中にしっくりきていて。

 

 

──“つなぐ”ですか?

内田:はい。他のキャラクターの個性がめちゃくちゃ際立っていて、どんどん突出していきます。そして、その影響を受けて自分(ベートーヴェン)も少しずつ成長していく。そういったベートーヴェンの姿勢と、実際に僕がみんなから刺激をもらって芝居をしていた構図がリンクしていたんです。

今回はチームのお話でしたし、ベートーヴェンにとっても各々のエッセンスをもらっていくことが大事になりますから。みんながのびのびとお芝居に取り組めるような空気がいいなというのはあって、じゃあそのためには、どうしたらいいかと毎回考えながら現場に入ってました。

でも、それが自然にできていたのは、やっぱり三原木(逢生)先生役の浪川(大輔)さんがいてくれたからこそだと思います。そういう意味でも、先生の手のひらの上といいますか。手綱を握ってもらっていましたね。そんな環境だったからこそ、芝居も自然にできたし、キャラクターの輪郭もより立たせていけたと思います。

伊東:本当に作品の通り(笑)。三原木先生の振り回しに耐えられるのも、それもひとつの器と言いますか。それがないと、オーバーになってしまうんですよね。

 

 
また、今「周りからのエッセンスをもらって」……と雄馬くんは言ってたけど、それをもらって出力として切り替えられるというのも、役者のちからがあってこそ。そこはもう、内田雄馬ならではだなと思っていますし、そう感じる瞬間がたくさんありました。そのおかげで、本当に良いバランスでお芝居ができたと思っています。

僕らが演じるキャラクターは、立ち位置は違いますけど、果たして、額面通りの人間性なのか……? そのあたりも楽しみにしていただきたいですし、そのあたりも、バランスを考えながらキャスティングされたんだろうな、と自分は思っています。必ずしも、見た目通りのただ怖い人たちじゃないかもしれないよ……?というか。まだふんわりとしか言えませんが……いちばん分かりやすい謎として、「ベートーヴェンが2人いる」ってどういうことなの?っていう…ね(笑)。これがまた、物語のひとつの“謎”になっているわけで。ファンの方にもその辺、ぜひ注目してもらいたいですね。

──上映会でも浪川さんの話題が出ていましたよね。1人ずつに話しかけてくれ、とりわけ緊張されていたという安部さんに対しては「噛まなかったね!」と励ますような言葉をくださったと、伊東さんが教えてくれました。

伊東:そんな大げさな、みたいな言葉もさらっと言うんですよね。それをナチュラルに見せてくれるし、本人もその空気をわかっているような、ぼかしてるような……でも、そこが浪川さんの魅力なんですよね。すごい領域。人たらしと言いますか……。

内田:本当にすごい。

安部:そうですね。すごく飄々として見えるけど、言葉の中にはちゃんと差し伸べる優しさが見えるんですよね。すごく大好きな先輩です。

 

 

──今日の客席でも「浪川さん」という言葉でざわっとしてましたね(笑)。

伊東:みんな分かっちゃってるんですよね、それもすごいし、そのいじられも良しとしてくれる。絶対的な大先輩でありながら、懐の広さがあるっていう。

内田:なにかツッコミをする隙すらもくれるっていうのがすごいところという感じがします。常に一個先にいるんですよね。思いやりが素敵だと尊敬しています。

──では最後に、内田さんから今後の見どころについてお一言いただけますでしょうか。

内田:やっぱりこの作品のテーマが“クラシック”であること。ベートーヴェンをはじめとした偉大な作曲家たちの音楽が、作中にもたくさん登場しますし、今の音楽のベースを作った彼らへのリスペクトが、この作品全体に込められていると感じています。音楽には「旋律・律動・和音」、つまり“メロディー・リズム・ハーモニー”という三大要素があります。

今回、それぞれのキャラクターがそれに対応するように個性を持っていて、それが物語全体のテンポとともに展開していきます。でもやっぱり、ハーモニーが聴きたい、となると思うんです。いろいろな人たちが関わって、ドラマが生まれて。その人たちが混ざりあったときに生まれるハーモニー。そこに感動が生まれると思うので、ぜひとも、この物語がどんなふうに“調和”していくのか、最後まで見届けていただけたら嬉しいです。

 
[文・逆井マリ]

 

作品概要

クラシック★スターズ

あらすじ

“世界で一番新しい音楽を共にーーー”
音楽・芸術・スポーツ、あらゆるエンターテインメント分野で未来を嘱望された若者たちが集う【私立グロリア学園】。

その音楽科では、偉大な音楽家たちの「才能(可能性)」に適合した者が【ギフト】を体内に移植され、その音楽家の名前で呼ばれることになる。ケガをきっかけに適合性を見出された青年・ベートーヴェンもその一人。

学園に編入したベートーヴェンは、異なるギフトを受け継ぐ仲間たちと出会い音楽の魅力に触れながら、コンテストでの優勝を目指すことに──。

偉大な音楽家の意思を未来へ紡ぐ夢のプロジェクト。音楽(エモージョン)とVR空間(ビジュアライズ)が織りなす奇跡のシンフォニーがここに開演!

キャスト

ベートーヴェン:内田雄馬
モーツァルト:伊東健人
ショパン:安部瞬
リスト:石毛翔弥
ロスト・ベートーヴェン:八代拓
ロスト・ヴィヴァルディ:佐藤拓也
ロスト・シューマン:村瀬歩
三原木逢生:浪川大輔

(C)CLASSIC★STARS PROJECT

 

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