春アニメ『クラシック★スターズ』リスト役・石毛翔弥さんインタビュー｜「改めて、リストは愛を象徴するキャラクターなんだなと思いました」

2025年4月5日よりTOKYO MX・BS11にて放送中のTVアニメ『クラシック★スターズ』。本作は、偉大な音楽家たちの「ギフト（才能）」を体内に移植された少年が仲間と出会い、音楽の魅力に触れながら、コンテストでの優勝を目指す姿を描いたオリジナルアニメーションです。物語中盤では、ベートーヴェンたちが出場したコンテストの予選に謎の3人組「Dis＝Cord」が突如として登場。ライブをジャックし、予選は混沌に包まれました。

そんな「Dis＝Cord」のメンバーのひとりロスト・シューマンと兄弟関係であることが明らかとなったリスト。自身の出自なども関係し、「自分はいらない子」だと思っていたリストですが、仲間たちの叱咤激励もあり、気持ちを新たに前へ踏み出すことができました。今回はリストを演じる石毛翔弥さんにインタビュー。ここまでの物語を踏まえて成長したリストのこと、そして自身初のキャラクターソングのレコーディングなどについて、お聞きしました。

第8話でリストの愛がより進化した

──本作の物語を振り返ってみて、印象に残っているシーン・セリフを教えてください。

リスト役・石毛翔弥さん（以下、石毛）：リストについて深く描かれた第4話がやっぱり印象に残っています。特にベートーヴェンとリストがカフェで語り合っているときに出た「自分の道を決められるのは、自分だけだ」というセリフは、演じている僕自身にも刺さりました。第4話全体を通じて、どう演じたらリストらしくなるのかが明確に見えたということもあって、特に印象深い話数でした。

──その後、第8話ではリストの過去などが明らかとなりました。ロスト・シューマンとの関係は複雑ですね……。

石毛：オープニング映像でも交差しているので、何らかの関係があるというのは感じていただいていたかと思いますが、実はシューマンがリストの兄ということが分かって。しかも、リスト自身は父と妾との間の子どもで、伝統芸能の家業を継げないという立ち位置であり、「必要とされていない子」だと思っていたという彼の胸中も改めて明かされました。複雑ですね……。

──ただ、それらを乗り越えて前に踏み出すリストの姿も描かれていました。

石毛：リストは公式サイトで「愛に哀を秘めたフェミニスト」という言葉で紹介されています。僕は第4話の時点での彼は「哀」が大きかったのではないかなと思っていて。そして、第8話で本当の「愛」の部分を見出せて、ようやくあの言葉が完成されたのではないかと思っています。

──なるほど。

　
石毛：彼自身、過去のことや自身の出自に関しては悲しみを感じている部分があり、愛情に飢えている側面もあったと思います。だからこそ、誰からも嫌われたくないという気持ちが強くなり、周りに気を使って誰にでも優しく接していたんだろうなと。

──それが、彼にとっての「愛」だったのかも。

石毛：ただ、第8話でベートーヴェン・モーツァルト・ショパンがリストのことを思って怒ってくれたことで、リスト自身がちゃんとした愛の形を認識したのかなって。そして、楽曲に乗せて、自分は父親も兄のことも含めて、みんなが大好きだという気持ちを改めて表現しました。ものすごい大きな愛ですよね。改めて、彼は愛を象徴するキャラクターなんだなと思いました。

──ちゃんとした愛の形を認識したからこそ、母親の「立派な役者になって」の言葉の真意も分かった。

石毛：ですね。あれは呪いではなく、自分を応援する言葉だったと。第8話でリストの愛がより進化したのかなと思います。

──そんなリストの成長には、ベートーヴェンの存在が大きかったのではないかと思います。

石毛：そうですね。ベートーヴェンが学園に来たことで色々な物事が動いていき、そこに対して本音で語らざるを得なくなりました。もしかしたら、ショパン・モーツァルトとだけでは語らないこともあったのかもしれない。そう思うと、やはりベートーヴェンの存在は大きいですね。リストたち3人にとって、ベートーヴェンの加入は成長や変化のきっかけになったと感じています。

──リストは多くの女性とデートしていましたが、それも彼の「愛」ゆえというか。

石毛：軟派なところはあるかもしれませんが、ドロドロはしていないというか。第8話で馬に乗って「みんな大好きだよ」って言ったら、「私たちも」って女の子たち全員から返ってきたじゃないですか。あそこで「私も」や「私が好き」にならないところが、リストだからなんだろうなと思いました。きっとドロドロしていない、爽やかな関係をみんなと築いていたんじゃないかな。リストは女性だけが好きではなくて、人や色々なものに対して、愛を持って接したい人物なんだと思います。