音楽
エルザとの旅、まだ終わらせたくない――ReoNaインタビュー

『神崎エルザ starring ReoNa ✕ ReoNa Special Live "AVATAR 2024"』+『ReoNa ONE-MAN Concert "Birth 2024"』ライヴ・フィルム上映+リリースに寄せてインタビュー|音で、声で、映像で“あの日”の追体験を――

 

「AVATAR 2024」と「Birth」、それぞれのコンセプト

──ライブについては以前のインタビューでも振り返らせていただいてはいるのですが、改めてお話を聞かせてください。今回は2日間、それぞれにまったく違うコンセプトがありましたよね。

ReoNa:1日目は“神崎エルザ✕ReoNa”という形での“対バン”、そして2日目は久しぶりに“Birth”としてお届けするReoNa単独のライブ。それぞれ全く違うものにしたかったし、だからこその悩みもたくさんありました。でも、その違いを意識して分けたからこそ、お届けできたものもあったと思っています。

──1日目『神崎エルザ starring ReoNa ✕ ReoNa Special Live “AVATAR 2024”』はReoNaさんが綴っている音声のみの動画日記「こえにっき」からはじまりました。CLUB CITTA'で開催された“ Re:AVATAR”のライブを思い出すような作りでしたね。

 

 
ReoNa:“AVATAR”と“Birth”も、今回が初めての形ではなく。“神崎エルザ starring ReoNa”としてデビューしてから、最初のライブが“AVATAR”でした(2018年7月25日/東京・赤坂BLITZ)。当時はまだ曲数もそんなに多くなかったですし、私としてのReoNaパートも3〜4曲くらい。その後の“Re:AVATAR”も同様、曲数という意味ではそこまでなくて。

でも3回目となった今回の“AVATAR 2024”では『ELZA2』のリリース前ではあったものの、10月のタイミングにおける“エルザの過去曲”をすべて聴いていただけるライブになっていて、さらに「Girls Don't Cry」のような新曲までお届けできるようになって、日笠陽子さんにもご登場してもらって。

──“AVATAR”を始めた当初、現在のような展開になるとは思っていましたか。

ReoNa:まさか“AVATAR”がここまで大きな展開になるとは思っていませんでした。“AVATAR”を始めた当初は、エルザの胸を借りるような感覚もあったような気がします。逆に言うと“神崎エルザ starring ReoNa”、ひとりとしてのワンマンライブではないというのが“AVATAR”の面白さなのかもしれません。

──言われてみれば、あくまでReoNaとエルザの対バンライブという形。“神崎エルザ単独のワンマンライブ”という形はまだないですね。

ReoNa:あくまで“エルザとReoNa”のツーマンというか、“ユニットではないけど、対になる存在”としてのライブとなっていて。だからこそ生まれたものもたくさんあるように感じています。

──日笠陽子さんの出演には驚きました。「もしかして?」と思うような瞬間もあるにはあったんですけども……。

ReoNa:アドリブで声を入れてくださっている瞬間もあったので、「いまのは?」と感じた方もいらっしゃったかと思います。そういう“揺らぎ”を感じてもらえたのも、結果としてライブならではの臨場感につながったのかなと。

 

 

──「日笠さんがいてくださったことが、私にとって本当に大きかったと思います」と、インタビューでもおっしゃってくれていました。日笠さんがいたからこそ、生まれたものもたくさんあったんだろうなと。

ReoNa:本当にそうでした。初めての試みが多かったので、ReoNaチームとしては暗中模索の状態が続いていて。台本やセットリストが少しずつ形になっていく中で、何かが足りない、まだ“ピース”がはまっていない、そんな空気がありました。でも、最後のリハーサルで日笠さんが実際に登場してMCをしてくださったとき、ふっと霧が晴れたような感覚がありました。“あ、自分たちがやりたいのって、こういうことだったんだ”って、ようやく輪郭が見えてきた瞬間でした。

しかも今回は東京ガーデンシアターという大きな会場。設備的にも自由度が高いぶん、逆に“何でもできるからこそ難しい”という壁にもぶつかりました。でもその中でチーム全員がフルパワーで向き合ってくれたからこそ、最後にピースが“ドンッ”とはまった、あの感覚があったんだと思います。誰もが真剣で、ひとつの目標に向かって走っていた。そのエネルギーが、今の“AVATAR”につながっているんだと、あらためて思います。

──前述の話とも被ってしまうかもしれませんが、そもそも、いわゆる“IP(キャラクター)アーティスト”とアーティストのツーマンライブという構成自体がかなり珍しいですよね。

ReoNa:そうだと思います。そもそもなぜこういった構成になったのか……いま振り返ってみると、その原点はどこだったか思い出せないくらいなのですが、その果てで、エルザに命を吹き込んでいる日笠さんの声と共にライブに出るという、今までにない体験をさせてもらって。普段のReoNaのライブではやらないことも、エルザの存在があったからこそ挑戦できたという感覚があります。日笠さんもおっしゃってくださっていましたが、“2人で1つ”という意識がとても強くて。“これは1人じゃできないライブだな”と思う瞬間がたくさんありました。

 

 

──さらに『SAO オルタナティブ ガンゲイル・オンライン』から始まった、ReoNaさんとしての道のりを思い出すような瞬間もありました。それだけ、特別な作品であるということが伝わってきます。

ReoNa:『SAO オルタナティブ ガンゲイル・オンラインⅡ』の放送が決まって、その直前の7月には『SAO オルタナティブ ガンゲイル・オンライン』の再放送があって……7月の再放送の段階からもうワクワクしっぱなしだったんです。なんというか、2024年に再び『GGO』に向き合えることが、本当に嬉しかったんです。

それは私だけじゃなくて。チーム全体が“この作品に誠実に向き合いたい”と強く思っていたからこそ、(今年3月に行われた) “SQUAD JAM”まで走り抜けることができたんだと思います。12月に最終回が放送されて、その後、神崎エルザ starring ReoNaとして『ELZA2』を出して……(放送が)終わっても、終わりたくない。そんな気持ちもありました。その想いが、今回の映像化に繋がったのかもしれません。

 

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