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『ある魔女』青山吉能×榊原良子インタビュー【連載第8回】

『ある魔女が死ぬまで』声優インタビュー連載第8回:メグ役・青山吉能さん×ファウスト役・榊原良子さん |『ある魔女』での収録の思い出は、一生忘れられない大切な宝物に

「生きる」ということの意味を考えさせてくれた『ある魔女』という作品

――全12話を通して、印象的なエピソードを教えてください。

青山:第8話の、宮本充さんが演じられていたテッドが登場した、悪魔崇拝のエピソードは印象的でした。『ある魔女』って最後は結構ハッピーエンドになることが多いんですけど、彼だけは救えなかったんですよ。

榊原:そう、そうだった。私、「地獄に帰りな」まで言ってしまっていたものね(笑)。

青山:その後、奥さんと娘さんは、アクアマリンで平和に過ごしてるんですけど、テッドだけはそうならなかったのがすごく心の中に引っかかっていて。たまたまなんですけど、実は宮本充さんとは、私がデビューした作品でもご一緒させていただいて、その時も本当によくしていただいたんです。

それから今回、久々にご一緒できて嬉しく思っていたところだったので、まさかこんな結末になるとは……みたいな気持ちがありましたね。

榊原:私もあの回は印象深くて、あの回ってファウストが身体を張ってメグを助けるじゃないですか。もちろんファウストがメグを助けるのは分かるのだけれども、自分の親指を犠牲にしてまでそうしたのは、きっと何か理由があるんだろうと引っかかっていたんです。それからファウストの過去が分かってエルドラも出てきて、ようやく腑に落ちたような気持ちでした。

――最終話まで終えて、『ある魔女』という作品に対して、改めてどんなことを感じられましたか。

青山:とても月並みな言葉になってしまいますが、悔いを残さない人生を送りたいなって感じました。人生の終わりって、どこか先は長いようには感じられるんですけど、きっとそういうのも、意外とあっという間にやってくるんだろうなと。

そう考えると、1日1日を後悔しないようにしたいものの、結構大変なことでもあると思うので、「せめてこの日だけは」「この瞬間だけは」という目標を持ち続けることで、より良い人生を送れるようにしたいと思うきっかけになった作品でした。

あとは、一生懸命に生きることの意味も、『ある魔女』から教わったように思います。

終わりがいつ来るか分からない中で、それでも一生懸命に生きる強さを、メグが教えてくれた気がしています。

榊原:私の人生の最終目標って、“ピンピンコロリ”なんです。多分、この先も生きていると、いろんなことがあると思うんですけど、「それでも目一杯生きよう」と感じさせてもらえた作品でした。とにかく目一杯生きたら、突然死ぬことも怖くないなって。

でも、その上でいっぱい生きようと。70歳近くになって、いろんな病気にかかることもありましたが、それがあったからこそ、もう一回ここから再スタートを切るんだ、という気持ちになれました。

とにかく目一杯生きたら、最後には幸せだったなって。この作品を通して、そう皆さんにも思ってもらえるようなお手伝いができていたら良いなと思っています。

――最後に、『ある魔女』の物語を見届けた、視聴者に向けてのメッセージをお願いします。

青山:『ある魔女が死ぬまで』という作品は、コメディ調には描かれているんですけど、私自身、生きることの楽しさや奥深さみたいなものを学ばせてもらいました。

それが皆さんにも届いて、お母さんとかお父さん、おじいちゃんおばあちゃん、隣に住んでる人でも、周りの人を少しだけ大切にしてみようとか、そういう小さな幸せみたいなものがちょっとずつ伝染していく、そんなきっかけになってくれたら嬉しいなと思います。

榊原:この作品をご覧になった皆さんに、辛いことや嫌なことは生きていたらたくさん起きるけど、それはずっとは続かなくて、いつかは克服できるんだと気づいていただけたら嬉しいです。

さっき、私自身も目一杯生きるとお話しましたが、お父さんやお母さん達もね、大人になっても、いくつになっても皆悩みはありますから。「大人だから頑張らなきゃ」じゃなくて、「ギクシャクしてもいいから、一生懸命生きればいいんだ」っていう風に応援してくれている、そんな素敵な作品だったと思います。

――ありがとうございました。

[取材・文/米澤崇史]

連載バックナンバー

作品情報

ある魔女が死ぬまで

あらすじ

「お前、あと一年で死ぬよ」

十七歳の誕生日を迎えた見習い魔女のメグ・ラズベリーは、魔法の師匠であり、魔法界トップの七賢人に名を連ねる『永年の魔女』・ファウストから、突如として余命一年であることを告げられる。
メグは『死の宣告』の呪いにかかっていたのだ。

呪いによる死を免れる方法はただ一つ。手にした者に不死をもたらす、『命の種』を生み出すこと。
そして、『命の種』の材料となるのは、感情の欠片――人が喜んだ時に流す、嬉し涙。

「それで、一体どれくらい涙を集めればいいんですか?」
「千人分だ」
「......はい?」

こうして、メグは嬉し涙を集めるため、様々な人たちと関わっていく。
幼馴染みで大親友のフィーネ。
ファウストと同じ七賢人の一人――『英知の魔女』・祈。
メグと同い年にして七賢人に名を連ねる天才少女、『祝福の魔女』・ソフィ。

これは、余命一年を宣告された未熟な魔女、メグ・ラズベリーが起こす、奇跡の物語。

キャスト

メグ・ラズベリー:青山吉能
ファウスト:榊原良子
ソフィ・ヘイター:羊宮妃那
フィーネ・キャベンディッシュ:大久保瑠美
祈:伊藤静
謎の少女:種﨑敦美
エルドラ:日笠陽子
カーバンクル:花井美春
シロフクロウ:鈴木愛奈

(C)坂/KADOKAWA/ある魔女が死ぬまで製作委員会
(C)坂/KADOKAWA/ある魔女が死ぬまで製作委員会
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