
『美少女戦士セーラームーン』6月30日は月野うさぎ&ちびうさのお誕生日! 等身大だからこそ心に響く、セーラームーン&セーラーちびムーンの魅力
1992年に『なかよし』(講談社)で連載がスタートし、たちまち大人気となった『美少女戦士セーラームーン』。今や日本だけでなく、世界中で愛されている作品です。
ごく普通の中学生・月野うさぎは、黒猫ルナと出会い、セーラームーンに変身。愛と正義のために様々な敵と戦います。
本作はマンガだけにとどまらず、1992年にスタートしたテレビアニメシリーズ、2014年にスタートした『美少女戦士セーラームーンCrystal』、さらに実写ドラマやミュージカルなど、さまざまなメディアで展開されてきました。
そして6月30日は、主人公・月野うさぎ/セーラームーンと、うさぎの未来の娘・ちびうさ/セーラーちびムーンの誕生日!
本稿では、アニメをきっかけに“オタクの扉”を開いた筆者が、うさぎとちびうさの魅力をあらためてご紹介。「ずっと好き」という方はもちろん、「名前は知っているけれど詳しくはない」という方にも、2人の魅力を届けたいと思います!
主人公・月野うさぎってどんな子?
うさぎは、物語の始まりでは14歳の中学2年生。麻布十番中学校に通う普通の女の子です。性格はドジで泣き虫、勉強もかなりニガテで、寝坊や遅刻も日常茶飯事。テストで悪い点をとってママに怒られることもありますが、そんなことは気にせず、おいしいものや楽しいことが大好きな明るい性格です。
セーラームーンとして戦い始めた当初は、敵が怖くて大泣きしてしまうことも。それでも、水野亜美/セーラーマーキュリー、火野レイ/セーラーマーズ、木野まこと/セーラージュピター、愛野美奈子/セーラーヴィーナスといった仲間たちと出会い、共に戦う中で、少しずつ頼もしい存在へと成長していきます。
大人になって気づく、うさぎの魅力
子どものころは、うさぎの「泣き虫でかわいらしい主人公」という面ばかりに目がいっていたかもしれません。しかし、大人になって改めて見てみると、その明るさや優しさで、周りの人を救っていたことに気づかされます。
特に印象的なエピソードは、劇場版『美少女戦士セーラームーンR』のクライマックスシーン。劇中歌「Moon Revenge」にのせて、孤独を抱えていた亜美・レイ・まこと・美奈子が、うさぎのまっすぐで無邪気な笑顔に救われていたことが描かれています。うさぎはただ明るいだけでなく、その明るさで誰かの心を照らすことができるのです。
また、うさぎは仲間のためなら、自分の命さえ惜しまず差し出そうとします。『美少女戦士セーラームーンS』では、破滅の女神サターンが目覚めることを恐れて消されそうになった土萠ほたるをただひとり信じ抜きました。さらに、原作や劇場版『美少女戦士セーラームーンCosmos』では、全宇宙を脅かすセーラーギャラクシアに対してさえ、心を通わせようとするのです。
そして、それほど大きな愛を持ちながらも、うさぎは決して特別な存在ではなく、ごく普通の女の子として描かれていることも魅力のひとつ。完璧ではない、泣いたり迷ったりしながらも、誰かのために行動する姿が「等身大のヒロイン」として心に響くのです。
敵さえも包み込もうとするその姿に、うさぎは「愛の人」である以前に、「人を信じる力」を持った特別な存在なのだと実感します。
未来からやってきた小さなプリンセス、ちびうさ
ちびうさの正体は、未来の月野うさぎと地場衛/タキシード仮面の娘。強大な力を持つ「幻の銀水晶」に守られた30世紀の世界「クリスタル・トーキョー」の王女、うさぎ・スモールレディ・セレニティ(スモール・レディ)です。
物語が進むと、ちびうさもセーラー戦士として覚醒し、セーラーちびムーンに変身。準主役として大きく成長し、ペガサスに変身する少年・エリオスに恋をして、彼を助けるために奮闘します。
等身大の子どもらしさに共感
ちびうさのいちばんの魅力は、未来のプリンセスという立場でありながら、等身大の子どもとして悩み、成長しようとする姿。ワガママで生意気に見えるけれど、実はとても寂しがり屋で愛おしい存在です。
ドジだけど友達思いな性格はうさぎにそっくり。でも「ちっちゃい自分」がコンプレックスで、素敵なレディになることを夢見て努力している姿に共感する人も多いのではないでしょうか。うさぎやセーラー戦士たちに憧れ、「自分もあんなふうになりたい」と願いながら、自分なりの努力を重ねていく姿も印象的です。まだ子どもだからこその葛藤や不安を抱えながらも、一歩ずつ前に進もうとするその姿勢は、物語のなかで確かな成長として描かれています。
なかでも、エリオスへの恋心はちびうさの“女の子らしさ”がぎゅっと詰まったエピソード。初めての恋に胸をときめかせながらも、彼の力になろうと頑張る姿は、本当にかわいらしくて応援したくなります。
2人が等身大の女の子だからこそ心に響く
うさぎも、ちびうさも、一見するとドジで泣き虫で、決して完璧ではありません。けれどその奥には、自分の弱さと向き合いながらも、大切な誰かのために少しずつ前へ進んでいく強さがあります。
持ち前の明るさと仲間を守りたいという強い想いを胸に、何度でも立ち上がるうさぎ。どんな人にも愛をもって向き合い、希望を信じ抜く姿は、時に幼さを感じさせないほど力強く、まぶしく映ります。
ちびうさもまた、小さな自分にコンプレックスを抱えながら、うさぎやセーラー戦士たちに少しでも近づこうと努力を続けます。子どもらしい不器用さや素直さのなかにある真剣な気持ちは、きっと多くのファンの共感を呼んだはず。
彼女たちが乗り越えてきた葛藤や迷いは、きっと誰の心の中にもあるもの。だからこそ、うさぎとちびうさは、いつの時代も“わたしたちのそばにいる存在”として、優しく背中を押してくれるのです。
[文/五六七 八千代]


































