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『プロセカ』楠木ともり×佐藤日向 対談で「セカライ4th」への想いを明かす

推し以外の魅力にも出会える。“贅沢なビュッフェ”や“フェス”のよう──「プロジェクトセカイ COLORFUL LIVE 4th - Unison -」宵崎奏役・楠木ともりさん 暁山瑞希役・佐藤日向さんインタビュー

2024年12月13日(金)~15日(日)に大阪、2025年1月24日(金)~26日(日)に東京にて開催され、さらなる進化を見せつけた「プロジェクトセカイ COLORFUL LIVE 4th - Unison -」。東京公演最終日の昼公演と夜公演を収めたBlu-rayが7月23日(水)にリリースされる。

iOS/Android向けリズム&アドベンチャー「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク」のキャラクターたちが出演する3DCGによるリアルライブ「プロジェクトセカイ COLORFUL LIVE(通称:セカライ)」。今回のライブでは、ファンサービス用カメラを新設。さらに、会場モニターを使った演出など、ステージ演出が多彩になり、セカライ4thのテーマである「Unison」に表現される一体感の詰まったステージとなった。

宵崎奏役・楠木ともりさんと、暁山瑞希役・佐藤日向さんは何を感じ、どんな未来を見ているのだろうか。音楽、映像演出、そしてキャラクターそのものが三位一体となって生み出されるステージ「セカライ4th」の魅力を余すことなく語ってくれた。

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“現実”を超える「セカライ」の自由度

──お二人にとって「プロジェクトセカイ COLORFUL LIVE(以下、セカライ)」とは、どのような存在でしょうか。

暁山瑞希役・佐藤日向さん(以下、佐藤):「コネクトライブ」や「セカライ」は、キャラクターたちがまるで本当にライブをしているかのような臨場感があって……“リアリティのある二次元”とでも言いますか。2.5次元とまではいかないけれど、2.3次元くらいの存在感があるなと感じています。

良い意味で、お客さんが“キャストを感じずに”ライブを楽しんでいる姿が、私はすごく新鮮なんですよね。キャラクターたちがキャラクターとして煽りをしていたり、観客の皆さんとやりとりしていたりする姿を見ると、「ああ、新しい形のライブが生まれているんだな」としみじみ感じます。毎回見入ってしまいますね。

──たしかに、キャストを感じながら楽しむライブは数あれど、キャラクターが全面に押し出されているライブは珍しいですよね。

佐藤:そうなんですよね。(キャストが)生身で出てキャラクターの声を出す機会はあれど、「セカライ」は登壇しないので。

宵崎奏役・楠木ともりさん(以下、楠木):ひーちゃん(佐藤さん)も言ってくれたように、キャストを感じずに、キャラクターをキャラクターとして感じる、その場に存在しているように感じる臨場感が魅力的ですよね。

やはりキャストがキャラクターとしてステージに立つ機会が多くて、それがひとつのカルチャーとして主流になってきていると思っています。私自身は詳しい歴史的背景はわからないのですが「キャラクターが実際にいる臨場感」を表現しようというのが、我々キャストが行うライブのはじまりだったのではないかなと考えています。「セカライ」は、それの進化系ではないかと。

あと、見ていて思ったのは、演出にムリが効くところが面白いなと思います。衣装の早替えなどの演出がその場でできるんですよね、「キラーン」って。あんな演出は生身の人間だと難しいので(笑)。各ユニットによってセットが大きく変わるのもそうですし……。

佐藤:転換(に間)がなくて良いよね。

楠木:そうそう。実際のライブで発生してしまう「諦めなくてはいけないポイント」がなくて済む。より便利にもなっているし、お客さんの受け取り方としても面白い形になっているのではないかなと思います。我々キャストも、自分と離れてキャラクターを見れるので、台本を見ていてさらに楽しいし……本当に、ライブの新たな形だなと思いますね。

──世界観をガラリと変えることも、シームレスにつなげることも無理なくできて。

楠木:もちろん「歌詞を間違えてしまう」のような生感のある出来事も、ライブの醍醐味としてある種魅力的だと思うのですが、「セカライ」は120%完成された究極系のライブを100%見ることができるんですよね。そこに波がない。それも含めて、いろいろな娯楽が溢れている今の時代に合っていて、選ばれていく形になるのではないかなと思います。

映像・CG……という言い方が正しいかはわかりませんが、彼らキャラクターの存在と、リアルな演出上の炎やスパークル、生バンドが融合されているからこその臨場感もあると思っています。その点も面白いですよね。

──私は今回の「セカライ4th」を映像で拝見しましたが、客席からステージに送られる声援やリアクションも含めて一体感がすごかったですよね。それこそ生感があるというか。

楠木:そうですね。もはや、ステージに立っているのは映像ではないですよね。本当に存在している雰囲気があります。

佐藤:お客さんも含めた全員が、ステージを作ってくださっているという感覚があります。特にフラスタ(フラワースタンド)なのですが、「セカライ」はフラスタをキャラクターに向けて出せるんですよね。これまで私自身にいただくことはあったのですが、キャラクターに向けたフラスタという概念がスゴイなと。

私は2年前の「セカライ」の現場に行かせていただいたのですが、それも圧巻でした。面白かったですね。「暁山瑞希様へ」と宛名が書いてあるフラスタははじめて見たので、なんだか不思議というか(笑)。

楠木:よりキャラクターが根付くよね。

佐藤:うんうん。実在性が高まる感じがする。

楠木:私は映像で見ていて感じたのですが、コーレスなど、音源ではできないライブならではの良さも拾っているんですよね。ライブ用に音源にアレンジを加えたり、コーレスの部分を作ったりすることでライブ感を味わえて、スタイリッシュな感じがしますね。しかも熱気もすごいなと思います。

──改めて、今回の「セカライ4th」の映像をご覧になった印象をお聞かせください。

佐藤:『プロセカ』は、ストーリー展開や楽曲実装のスピード感が非常に速くて。全ユニットのストーリーや楽曲すべてを追いかけるのは、特にお仕事などで忙しい方にとっては、なかなか難しいところもあると思います。

だからこそ、「推しユニットだけを追う」という楽しみ方をしている方も多いと思うんです。でも「セカライ」では、自分の推し以外のユニットにも自然と目が向く仕掛けがあって。「こんなにカッコいい曲があるんだ」と驚いたり、「気づかないうちにこんな関係性に発展してたんだ」とMCで知ることができたり……まるで“贅沢なビュッフェ”のように、どこを切り取っても魅力にあふれているライブだなと思います。

「このユニットはダークな楽曲が多いと思っていたけれど、こんなに爽やかなものもあるんだ」という発見ができますし、『プロセカ』が大きなコンテンツに育っている中でもお客さんを置いていかない気合いを感じます。集大成として年に一回、「どのユニットも魅力があるんだ」という想いをお客さんに伝えている感じがして。それを浴びたお客さんも「なんか良いものを浴びたなぁ!」ってなるんじゃないかなと(笑)。推し増しができるライブになっているなと感じます。

楠木:たしかに。『プロセカ』は最初にゲームを始めるときに、ユニットを選ぶところから始まるから、逆に入口が狭まるんですよね。一個のユニットに興味が向くようになっていて。でも、「セカライ」のようなイベントで「全ユニットが売りなんだ」ということを伝えてくれるから説得力もあるし、音源だけではわからなかった、MCも含めた各ユニットの魅力を気軽に見ることができて。

『プロセカ』という括りで見るとひとつのライブですが、ユニットの視点で見るとフェスのような形式になるじゃないですか。間口の広げ方としてとても良い方法だなと思います。ちょっとメタい表現になってしまいますけど……(笑)。

──「セカライ」は、各ユニットのスタイルや楽曲をはじめて見る方にもわかりやすい設計になっていますよね。

佐藤:そうですね。あとは、このライブではじめて振り付けがつく楽曲もあって。ゲーム内では見ることができなかった3Dの振り付けを見て「こういうダンスだったんだ!」という楽しみ方もできると思います。

私は普段からアーティストさんのライブに行かせていただくのですが、CDで聞いていた曲に振り付けや照明機構が加わったことによって、曲の印象がガラッと変わることがあって。音源で楽しんでいた楽曲が、より思い入れのある曲になる。ライブの中で育つ曲もあると思っています。それと同じ現象が生まれる「セカライ」は……そこに“ライブ”という名がつくだけの、一本の芯が通っている感じがありますね。

──見どころが満載なライブだと思いますが、特に映像で見るとステージアングルなども魅力のひとつかなと思います。

楠木:アングルの設定も難しいと思いますよ。

佐藤:かなりね。

楠木:だよね。私はMC中のアングルが好きですね。特にワンダショ(ワンダーランズ×ショウタイム)などは、誰かが喋っているときに「ガガッ」と揺れるカットが入っていたり……。

佐藤:司先輩とかね(笑)。

楠木:そうそう(笑)。逆にニーゴ(25時、ナイトコードで。)は引きの画角で全員を見れるようにしていたり、歌唱中もカメラに寄ってきてくれたり……この様子を見ることができるのは、映像ならではですよね。

──本ライブのオーディオコメンタリーもご担当されているお二人ですが、「このシーンが良かった!」「楽しかった!」というポイントと言うと、いかがでしょうか?

佐藤:全体を通して、舞台機構にかなりこだわって作っているなと思いました。

楠木:思った!

佐藤:ひとつのステージを作るのにいろいろな知識や労力が必要になると思うのですが、数曲披露したあとステージが転換して、そのあともどんどん新しい舞台が登場して……舞台人からして見ると、本当に贅沢だなと。

ステージにも各ユニットごとに特徴がありました。レオニ(Leo/need)だったらステージにスピーカーが積まれていて、それに「Leo/need」というロゴが入っていたり、ニーゴだったら月の満ち欠けのような映像パネルがあったり。その中にしっかりと特殊効果が置いてあって、バーチャルの中にある照明とリアルな照明がリンクしている。それがすごく面白いです。

また、各ユニットにはユニットカラーがあるのですが、それをしっかりと大事にしてくださっているなと感じました。モモジャン(MORE MORE JUMP!)の出番では、ファンのみなさんもペンライトを緑に変えていて、「一体感を作るぞ」という気合いが見えて「贅沢だなあ」と思いながら見ていました。

楠木:(ステージ全体が)一気に見えることで、各ユニットの色・スタイルをしっかりと見分けることができると感じました。

例えば、ステージに立つことを得意としているユニットは、しっかりとステージを大きく使っていてアピールも迫力があるのですが、ニーゴは必ずしもそうではないので、井戸端会議みたいになるんですよね(笑)。このような、クリエイター集団ならではのちょっとした所作や動きも、ゼロから作られるものですから……やはりキャラクター理解がないとできないことだし、それをそれぞれ見比べることで、各ユニット・キャラクターの良さがわかると思います。

──オーディオコメンタリーを、どのように楽しんでほしいですか?

楠木:実は、あまりステージについて語っていないんですよ(笑)。ある種、“我々が出ていないライブ”のオーコメなので、いちファンとして見てしまいました。「えっ!?」とか「次の曲ってなんだっけ?」とか「今のファンサ、めっちゃ可愛かった!」とか……それこそ「スピーカーにレオニのロゴがあった!」「衣装可愛い!」とか(笑)。友だちと見るつもりで見ていただくのがいいかもしれません。解説や裏話というより、ライブをキャストと楽しく見ましょう、といった雰囲気です。

佐藤:そうだね。めちゃくちゃ真面目に話してるっていうよりかは、途中で冷や麦の話とかしてますから(笑)。

楠木:(笑)

──あはは、冷や麦(笑)。

佐藤:真剣に聞いたら疲れてしまうかも(笑)。「ココ、いいよね!」って雑談しながら見ていただければと思います。

楠木:うんうん。「今のところ可愛いよね!」「ここの衣装、私も好き!わかる〜」とかって共感してもらえたら嬉しいですね。

そして実際に現地に行かれた方は「このシーン。映像には映ってないけど、こうだったんだよな」というような楽しみ方をしてほしいです。

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