
夏アニメ『サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと』会沢紗弥さん×坂田将吾さん×中島ヨシキさんが第4話までのおすすめシーンや気になるキャラクターを語る|そこはかとなく教養を感じるシリルのツッコミ
収録現場は幅広いキャリアのキャストが揃う
──フェリクスとシリルは生徒会長と副会長という関係性ですが、お互いの役者としての印象も伺えますか?
中島:芝居自体が飛んできすぎてないので、フェリクスは印象を語るのが難しいんです。でもそれを演じられる坂田くんは凄いです。つい言葉を渡したくなるのが役者だと思うので、キャラクターに徹している器用な感じがあります。坂田くん自身にはのんびりしていておおらかな印象があったので、シリルのキャラクター性と本人の性格を考えると意外に思います。何か難しいことをさらっとやっている印象です。
坂田:ヨシキさんが出演された作品を学生の頃にチェックしたことがあったので、シリルをどんなふうに演じるのかワクワクしていました。僕はヨシキさんのツッコミが大好きで、毎回シリルがツッコミを入れる時は「そういくんだ!?」と驚かされています。
実は僕も最初はヨシキさんにシリルという印象がなかったんです。だけど、お芝居を聴いてみるとこういう意図なんだろうなっていうのが凄くわかる。シリルにヨシキさんの声の温かみが乗っかることで、とても素敵なキャラクターになっていると思います!
──エリオットやニール、ブリジットといった他の生徒会メンバーについてもお聞かせください。
会沢:ブリジットさんは家柄などの事情が色々あるので今後の活躍に期待してください。エリオットはモニカからすると怖いイメージなので、ふたりはどう和解していくのか、はたまた本当に敵になっていくのか、4話時点ではまだわからない状態です。だから救いはニールしかないんです。
中島:そうだね。ニールは一番優しそうっていうイメージがあるし。
坂田:フェリクスはエリオットとよく絡むのですが、尊大に振る舞うわけでもなく自分の中の強い信念にしたがって行動しているのだろうなと思っています。行動や言動に迷いがないのが魅力ですし、良平さんが素敵なお芝居をされているので、それを間近で見られるのは本当に勉強になっています!
──木村さん、榊原さん、日笠さんとのアフレコ現場での印象に残るエピソードはありますか?
中島:キャスト表を見た時に僕はもう良平さんや日笠さんと同じところにいなきゃいけない、そういう歳になった、そういうキャリアの積み方をしたんだなと実感しました。榊原は事務所の後輩ですし、先輩としてもちゃんとしなきゃなってどうしても感じましたね。
良平さんは何かあった時に相談させてもらったり、飲みに連れて行ってもらったりする凄くお世話になっている先輩です。そんなダサいところは見せたくないという想いは同業者としても男同士としてもあって。そして、日笠さんも定期的にご飯に連れて行ってもらうような間柄で。だから、おふたりが現場にいてくださるのは頼もしいし嬉しい。
だけど僕の世代は同年代との現場がとても多かったので、そんな先輩方と名前を連ねさせていただける嬉しさとほのかなプレッシャーがありました。
会沢:榊んさんはアニメ化前から原作を読んでいる方だったので、作品理解度が人一倍高くて本当に頼りにさせてもらいました。
坂田:榊原さんや日笠さんともほかの作品で一緒になる機会は多いのですが、主に良平さんに話しかけるチャンスだと思って休憩中とかに何の本を読んでいるんですか?と自分から話しかけていました。アフレコ現場でも隣に座ってくださったので、色々と相談しやすくて……毎回かなり的確なアドバイスをもらえるので、いつも頼りにさせていただいています!
──生徒会メンバー以外にもみなさんが気に入っているキャラクターはいますか?
中島:僕はイザベル・ノートンです。とにかく種﨑敦美さんの引き出しの多さに感服します。別作品でご一緒した時と目にする度に違うことをやられているので、単純に同じ役者として恐れおののくといいますか。イザベル自体は悪役令嬢になりたいという変わったキャラクターですが、モニカが陰なら陽の方で作品を彩っている好きなキャラクターです。
お互いの良さみたいなことを結構話せる方なので、種﨑さんは別の現場で会うのが楽しい人だと思っています。
会沢:モニカとしては作品唯一の光というか、良心のラナ・コレットですね。本当にただただ優しく、ずっと気にかけて一緒にいてくれて、この先もモニカのことを支えてくれます。どの台詞にも優しさが滲み出ている中村カンナさんのお芝居が好きだし、カンナさんが向けてくれる笑顔がラナと一致するので好きです!
中村さんと現場ではたわいのない話をしていることが多いです。モニカやラナについてはあまり話した印象がないのですが、本当にクラスメートのような関係性かもしれません。
坂田:僕自身も黒猫を飼っているのでやっぱりネロが可愛いなって思います。見るたびにウチの子も踏み踏みするなぁとか、僕が寝ているうえで踏み踏みするなぁとか思い出してしまうというか。ネロを見ていると本当に心が安らぐ部分があるので好きです。
後はリンさんも面白い。無表情でスッと喋っていくのですが、その中に面白いポイントが何個も組み込まれていて、あんなに面白くできるんだって見ていて思います。
シリルのツッコミにはそこはかとなく教養を感じる!?
──第4話まででみなさんの印象に残っているシーンもお教えください。
会沢:私は、第4話の最後にモニカが「奥様のご懐妊おめでとうございます」と言ってシリルが「誰の話だ!」とツッコむところが好きです。それで一連の流れから絶対に違うとわかっているのに、フェリクスが「きちんと責任は取らなくてはいけないよ」って言うんですよ。
中島:責任を取れなんて言われたら、シリルが何か悪いことをしたみたいだよね(笑)。
一同:(笑)。
坂田:僕は第3話で植木鉢を落とした犯人がセルマだったところですね。モニカが犯人を暴いてくれたので、私がやりましたと自白する。そこで何もない私から婚約者を奪わないでと言うのですが、その一連のシーンからは痛々しくてセルマの心の痛みを感じます。そこで、この世界は楽しいだけじゃないという深みも感じられたので好きです。
中島:僕はシリルの面白ツッコミシリーズですね。例えば「誰がスタッカートをきかせろと言った!」とかでしょうか。
坂田:ありましたね!
中島:何かそこはかとなく教養を感じるツッコミだと思いました。オーディションにもこの台詞はあったんですよね。そんなシリルのツッコミは僕自身も参考にしています。
──スタッカートなんて、音楽を少しはかじってないと知らないような言葉ですよね。
中島:小刻みに音を切って演奏するみたいな意味がありますからね。
坂田:ここでモニカはなんて言ったんでしたっけ?
会沢:ごっご、ごめんな、さい! みたいな感じでしたね! でもそのツッコミがあったからスタッカートを意識して言ってました!
中島:ツッコミをもらいに行くな!(笑)。
一同:(笑)。
坂田:シリルもM1グランプリとか見るんですかね?
中島:やっぱり日々勉強だしね。ツッコミってバリエーションが尽きてくるので、シリルではなく僕は色々な言い方を工夫しています。ただ怒鳴っているだけだとつまらない人になっちゃうので、シリルとしてはやっぱり面白い男でいたいですし。
──まとめに入る前に余談になるのですが、人前で上手く喋れないことから詠唱が上手くできず、それが理由で無詠唱魔術を実現したモニカになぞらえて、みなさんが苦手だったことを努力でなんとかしたエピソードを教えてもらえますか?
会沢:私はモニカと経緯は違いますが、人間と関わる努力をしはじめました。
中島:どうしたのよ?
坂田:そのきっかけは?
会沢:実は私、幼少期から人と関わらないようにする努力をしてきたタイプだったんです。でも、声優という職業は同業者の方だったりスタッフさんだったり、たくさんの人と関わるし、たくさんのはじめましてがあるので、シンプルに喋らないとダメじゃないですか。
でも私は喋らないように努力してきてしまったので、人との仲良くなり方がわからないまま大人になってしまって。そのことに20代前半で気付くことができたので、これからは人間と共に生きようと思ったんです。
坂田:間違いないですね。
中島:人は人と関わるしかないですからね。それで言うと僕も、人前に出なくて良いと言われたから声優になったのに、めちゃくちゃ出て歌って踊ってをしているのが不思議に思うことがあります。いくつかのコンテンツに関わってライブでアリーナに立つ自分の姿なんて、当時は全く想像していませんでしたから。
もう克服したというより、仕事だからやるしかないということですよね。そもそも音楽とかにもなるべく関わらないようにしていたので、学生時代に聴いていたアーティストは?と質問されても聴いてないので無いですとしか言えないぐらいです。でも、それだと人としてつまらないですしね。
だから今は、荒療治ですけどバンドとかをやってみたりもしています。でもやっぱり人前で歌ったりすることに苦手意識はあって作詞とかもしていますが、やっぱりその場に自分から飛び込んでやるしかないっていう状況にするのがいいのかなと。
──坂田さんはいかがですか?
坂田:小学生の頃から業界に入ってしばらくは凄く恥ずかしがり屋でした。だけどバラエティ的な生放送の中で何か爪痕を残さなきゃならないと思い立ち、そうなるとハートを強く持たなきゃならないので、自分が信じたボケが滑っても何も感じない心を手に入れました。それ以降は、滑ったら受けないほうがおかしいという気持ちでただ真顔でカメラを見るようにしています。
中島:パワープレイだね(笑)。
坂田:あれ?どうして?面白いのにって(笑)。
会沢:(笑)。
坂田:いつの間にか、恥ずかしいって何だったんだろうってときたま自分が怖くなります。
──やっぱりそういうボケというか、大喜利とかって考えるのが大変なんでしょうか?
坂田:大喜利自体は好きなんですけどね。
中島:凄いね!?
坂田:面白くはないけど考えるのは好き……みたいな感じで、ドンって出してもあまり受けないですね……。
中島:段々それも気持ちよくなってくるから。今滑ってるっていうのが面白さになるから。
坂田:そうなんです。うわ、やっちゃったって恥ずかしいと思うんですけど不思議です。
──ああいった番組やイベントではそういった苦労があるんですね……では最後にここまで見てくださった方や、4話以降を楽しみにしている方へのメッセージをお願いします。
中島:4話までくるとシリルの過去が描かれて、モニカが本格的に生徒会に参加することになったかと思います。これからさらにキャラクターが増えますし、モニカの受難もまだまだ続きます。一朝一夕で変わるものではないですが、緩やかに外へ気持ちが向いていくモニカの姿は見てもらいたいです。
そしてモニカの成長物語だけでなく、国や貴族が関わるややこしい政治の話が後ろでついて回ります。日本人の我々からすると馴染みのないものですが、貴族階級だからこその厄介なルールがあるんです。
彼らはその中で生きて自分のためだけでなく家のため、そういうものを背負っていることを頭の片隅に置いておくとまた違った面白さが見えてきます。新しいキャラクターが増えた時には、そのキャラクターの立場や階級みたいなところにも注目してください!
坂田:第4話まで放送されたのでワンウェーブが終わったかと思います。別々だと思われた事件がひとりの黒幕の手で引き起こされたものだとモニカが明らかにしましたが、ここからより色々なことが起きます。ここまでがプロローグだったのではないかと感じるぐらい本格的に面白くなるので、モニカの成長も含めて楽しみにしていただければと! 本当にモニカは面白い子なので、ぜひたくさんの方に見て欲しいと思っています!
会沢:第5話から登場人物がたくさん増えますが、彼らは必ずしも善人とは限らないかもしれません。ひとりひとりが身分や背負うものを持っているので、みんなに注目してもらいたいです。
そしてモニカの成長物語ではあるのですが、フェリクスとシリルと関係性が深まっても楽しい学園生活……とはならないというか。モニカ・ノートンはあくまで仮の姿なので、本当の目的は生徒会ではなく第二王子の護衛なんです。
どんどん愛おしくなってくるこの学園生活に対して本当の目的が現実としてあるので、切なくなってくる部分があります。終わりが見えている訳ではないけれど、その辺りもぜひ見ていただきたいです!
[文・胃の上心臓]
作品情報
あらすじ
ところが、その不可能を可能にしてしまった、ひとりの少女がいた。
リディル王国における魔術師の頂点・七賢人がひとり
〈沈黙の魔女〉モニカ・エヴァレット。
史上、初めて無詠唱魔術を生み出した若き天才である。
しかし…
極度の人見知りであがり症の彼女は、
使い魔の黒猫と山奥に引きこもり、
数式の本に囲まれて、ひっそりと魔術の研究に打ち込んでいた。
そんな彼女のもとに、
七賢人の同僚である〈結界の魔術師〉ルイス・ミラーが訪ねてくる。
戸惑う彼女にルイスはひとつの王命を告げた。
それは――貴族の集う名門校に潜入し、
第二王子を護衛する極秘任務だった……。
キャスト
(C)2024 依空まつり・藤実なんな/KADOKAWA/セレンディア学園広報部
































































